シャーレの公務員たち   作:さらとが

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初投稿です。
ブルアカを二次小説から知りハマったので自分でも投稿してみることにしました。
プロットとか何もないので投稿できるかは思いつき次第。


1. シャーレの先生

 

「勉強したくない…」

 

私、縁下コガレは自宅の机に突っ伏してそう呟いた。

勉強が嫌いで大学に行く気などさらさら無かった私は就職率の高い高校を中心に選び、受験した。

なんとか偏差値の高めな高校に合格したけれど、まだ入学して半年も経っていないのに後悔しかない。

その学校は思いっきり理系の高校で、授業も嫌になる数学、物理、専門科目ばかり。国語や歴史は見なくなった。

いつも勉強しない私を叱っていた友達と離れたことや、受験で燃え尽きたことも重なり勉強にも身が入らなかった。

そうこう言っているうちにBDの内容がまったく分からなくなり、中間試験では早くも赤点を複数とってしまった。

 

「一年生から留年なんてシャレにならないよ…」

 

両親からは「留年なんてしたら学費を払わない」と言われているし、なんとかしなくちゃならない。

勉強しないとと思いつつ、正直やっても無理なんじゃないかとも思う。

そうして机に突っ伏していても不安になるだけなので、もし留年が確定した際の方針を考えることにした。

言い換えれば現実逃避をする事にした。

 

「バイトは大変そうだし、ブラックマーケットに行くのは避けたいし…」

 

ここ『キヴォトス』の外で就職しようと考えるなら、中卒では不利なのが目に見えている。

 

バイトで学費を稼ぎつつなんとか卒業を目指すのが1番現実的な気もするけど、キヴォトスの治安を考えると貧乏くじな気がしてくる。

ここキヴォトスではほぼ毎日起きる強盗や爆破テロ、それが一度起これば店舗の修理中仕事が無くなる。

もし不良やスケバンに目をつけられでもしたら最悪、職場が潰れてしまうだろう。

そうなると1つのバイトを卒業まで続けられるとは考えにくい。

だからといってバイトを転々としながら成績を維持するなんて器用な事が私にできるとは到底思えない。

 

『ブラックマーケット』は最終手段だ。

一攫千金のチャンスがあると言えば聞こえはいいけれど、そこは無法地帯である。

ロクな仕事もなければ手取りも僅か、駒として使い潰されて最悪の場合生徒の身分を失う可能性まであるときた。

うん、無理だ。

 

「やっぱり転校するしかないよね…」

 

正直に言えば転校もしたくない。

単純に受験料が馬鹿にならないのもあるけど、受験勉強をもう一度したくない気持ちが大きい。

何気なく検索ワードに「転校歓迎」なんて打ち込み流し見していると『アビドス高等学校』の文字が目に入る。

 

「こんな高校あったっけ?」

 

見たことの無い高校名が気になりページを開く、なんと全校生徒が5人しかいない!

ホームページも最近はあまり更新されていなかった。

今まで知らなかったのにも納得したが、同時になぜ今見つけられたのかと思い、調べてみる。

どうやら最近噂の『シャーレの先生』の手腕により、悪徳企業の魔の手から逃れたことで話題になったらしい。

 

「シャーレ…連邦生徒会の」

 

『連邦生徒会』は学園都市キヴォトスのまあ、管理者みたいな所。

『シャーレ』はそんな連邦生徒会が関われない問題を解決する部活。

時に生徒の相談に応じ、時に生徒と共に問題を解決する。

そして『先生』は失踪した連邦生徒会長が直々に指名したシャーレの顧問で、外の世界から来た“大人“らしい。

 

ここで私は名案を閃いてしまった。

 

「先生に私を連邦生徒会に入れてくれるようにお願いすれば良いんじゃない?!」

 

私は元々、連邦生徒会に入りたかった。

中等部2年の時にテレビに映る連邦生徒会長を一目見て、かっこいいなと思ったから。

異例の1年生で会長に就任したことで始まる数々の逸話は、彼女を推させるには十分以上だった。

お近づきになりたいと思い、連邦生徒会に選ばれるような優秀な人を目指して嫌いな勉強も頑張った。

友達に泣きついて勉強を教えて貰ったりもしたけれど、結局選ばれることはなかった。

会長は公務で忙しいようで、画面越しでなく直接見る機会もほとんどなかった。

そうして自然と諦めていたが、先生がいるなら話は違う。

 

先生は、連邦生徒会の要請とかではなく、先生自身の考えでアビドスを助けにいったのだろう。

もし連邦生徒会が関わっていたなら、流石に全校生徒5人にはなっていないし、悪徳企業に騙されることもないと思う、多分。

つまり、先生は連邦生徒会の言いなりではなく、それでいて問題を解決できるような能力か権力を持っているはず。

そんな先生にお願いしたら、もしかするかもしれない。

 

会長は失踪して居ないが、私は箱推しだから問題はない。

すごい仕事ができそうなメガネの似合う黒タイツの首席行政官とか、おっとりして翼の綺麗な調停室長。

際どい服装で絆創膏の似合う交通室長に、糸目で強キャラ感のある防衛室長など、会いたい人は沢山いる。夢が広がるね。

 

うまくいかったら先生に頼んでシャーレに所属するのもアリ、というかこっちが本命まであるかも。

というのも、なんだか書類仕事を手伝うだけで少なくないお給料が出るらしい。

あれだけ活動的な組織なんだから書類仕事も専用の人がいて、仕事もその手伝いとかだけでしょう、多分。

先生なんて名乗っているんだし勉強を教えるのも上手いはず。

これなら留年と転校かをせざるを得なくなったとしても、格段に楽になるはず。

 

これは行くしかないじゃない!

善は急げというし、今から先生のいるシャーレに向かいましょう!

 

 

 

 

 

 

「…というわけなのだけれど!どうですか!」

 

ここはできたばかりといった感じの綺麗な応接室。

1人で集めたとは思えない多種多様な小物が並んでいる。

私はそこで大人の先生と机越しに向かい合って座っている。

 

“なるほどね…教えてくれてありがとう“

 

ちょっと話しすぎた気もするけど、きっと誠意を伝えられたってこと。

出されたお茶を手に取る。うん、暖かくておいしい。

先生は手元の書類をに何か書き込んでいる。

 

“コガレの髪、証明写真だと黒色だけど染めてるの?“

 

「受験を期に染めたんです!会長と同じ空色で、ちょっと短いけど三つ編みもしてるんです!」

 

真似てはいるけど完全再現というわけでもない。

色は若干青が濃いし、インナーカラーは染め方がよく分からなくて手をつけていない。あとそもそも髪の長さが違う。

髪を伸ばし始めたのは受験後だからまだショートだけれど、いずれはロングにしたいな。

その頃には背ももうちょっと伸びているはず、伸びるよね?

 

“私はコガレを応援するよ“

 

「それってつまり…」

 

“でもいきなり連邦生徒会に入るのは難しいと思う“

 

「そんなぁ!えっと、ダメなんですか?」

 

“うん、時期じゃないってのもあるけど、流石に連邦生徒会の審査なしだと難しいね“

 

ダメだった。結構期待していただけにかなりショック。

ああ、白くて星のバッジのある制服着たかったな…こうなったらせめてシャーレに入部しないと。でもさっきのお願いが無理だったのに聞いてくれるのかな、なんてことを考えていると

 

“でも、研修生ってことでならいけるかもしれない“

 

「どういうこと…ですか?」

 

先生が言うには、今は時期も中途半端だし、仮に入れても周りと仕事の理解が違って大変。

なら研修生として所属してゆっくり学びつつ、頃合いを見て正式に入れるようにする方が良いだろう。

ついでに研修生の間はシャーレに所属し、何かあったら相談もして良いとのこと。

渡りに船とはこのことか。大丈夫?今年の運勢使い切ってない?

 

「先生すごい!頭いいのね!」

 

“ありがとう。コガレは研修生になるってことで良いのかな?“

 

「もちろんよ!先生、話を聞いてくれてありがとうね!」

 

まさかこんなにも上手く行くなんて!

今日は帰りにお祝いのデザートを買おう。何がいいかな…プリン、ケーキ、シュークリーム。どれも良くて迷っちゃう。

これからがすっごく楽しみになってきたわ!

 

先生と交換したモモトークで挨拶代わりに画面をスタンプで埋め尽くした後、

お祝いのお菓子パーティーで1000円使ってしまったり、

浮かれて歌を歌いながら帰っていたらスケバンに目をつけられてしばらく逃げ回ったりしているうちに、先生から連絡がきた。

明日は研修初日!




タイトルに預言者とありますが、プロローグの間は出てこない予定です。
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