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ところでセリカって普段どんなご飯食べてるんですかね?
筆者には柴関ラーメンしか想像できませんでした
ここはシャーレオフィス近くのファミレス。
晩御飯には少し早いけど既に多くの席が埋まり、皆楽しそうな食事をしている。
そんな中、私たちのテーブルには重い空気が漂っていた。
私は連邦生徒会に研修生入りするかどうか今更ながら迷っている。
セリカちゃんの指摘で、私には荷が重い気がしてきたから。
「………」
「さっきは言い過ぎたわ、ごめんなさい。…えっと、コガレはなにを注文する?」
「…ハンバーグセットといちごアイスにする」
「…さてはそんなに落ち込んでないわね?」
セリカちゃんはそんなことを言いながらも慣れた手つきで水を汲んでくれる。
やがて料理が到着し、揃って食べ始める。
…ハンバーグおいしい。自然と笑顔になっちゃう。
すると、セリカちゃんから質問が。
「ねえ、コガレはなんで連邦生徒会に入ろうと思ったの?」
「えっほね、わはしは「飲み込んでから喋りなさい!行儀が悪いわよ!」」
仕方がないのでご飯を口に入るだけ詰め込んで、飲み込んでから話し始める。
ご飯が口にある間、セリカちゃんは微妙な顔をしていた、
「私は連邦生徒会長の、ファンなの。それで私もあんなふうに伝説を残したいなって思っちゃったの」
それを聞いたセリカちゃんは意外そうな顔をしている。
「そうだったのね…てっきり私は試験を受けたくないからだと思ってたわ」
「ひどい!そんなことないわ!私、試験も仕事もしたくないわ!」
「もっと酷いじゃない!」
相談に乗ってくれるんじゃなかったの!?
油断させておいて後ろから刺すなんて、やるわねセリカちゃん
「でも確かにコガレがバイトしてる所とか想像できないわね」
「むう…そういうセリカちゃんはバイトとかしたことあるの?」
「聞いちゃう?私実はバイトしてるのよ!」
「うそ!?実は結構おっちょこちょいなセリカちゃんが!?」
「なっ、あんたほどじゃないわよ!」
そんな、セリカちゃんは仲間だと思ってたのに!
でも生真面目なセリカちゃんだし納得感がある。
…セリカちゃんはどうして
「でも、セリカちゃんって対策委員会もしてるのよね?バイトしながらって大変じゃない?」
「なんでそんなこと聞くのよ?」
「いやその、セリカちゃんはなんでそんなに頑張れるのかなって」
「…しょーがないわね、特別なんだからね?」
そう言うと、セリカちゃんは少し恥ずかしそうにしながらも話してくれた。
「コガレは私の学校知ってるのよね?全校生徒が5人しか居ないから毎日砂の掃除は大変だし、不良の襲撃も少し前までは多かったわ」
「先輩たちは学校の存続のために頑張ってる。大変なはずだけど、私たちにはそんな姿を見せずに優しくしてくれて」
「私と同じ学年のアヤネは勉強は得意だし、学校の為にも頑張ってる」
「だからね、私もみんなのために頑張りたいっていうか、少しでも返していきたいの」
セリカちゃんは凄いな。誰かのために頑張れて。
私はどうしても今が楽な方を選びたくなってしまう。
…私は誰のためになら頑張れるのだろう。
「アビドスのみんなと一緒に居られるように、私に良くしてくれた人たち、柴関の大将や先生に迷惑を掛けないためにもね」
私が研修生になれるようにしてくれたのも、どんな方法を使ったのかは分からないけど、先生が信頼されているからできたことなのは間違いないはず。
セリカちゃんも先生を信頼しているから、私に勉強を教えにきてくれた訳で。
先生がどうして私を信頼してくれたのかはわからないけど…
もし私がこのまま諦めてしまったら、セリカちゃんはどう思うだろう。
勉強をサボろうとした時みたいに怒るかもしれない。
先生はどう思うだろう。
ちょっと想像できないけど、悲しむかもしれない。
…それはいやだな。
正直、成績がどうにかなるかは怪しいし、こんな調子じゃ仕事にも苦戦するのは目に見えてる。
だから辞めるのは早い方がいい、と思っていたのだけれど…
「…ねえ、セリカ」
「なに?」
「私、もうちょっと頑張ってみるわ」
「いいんじゃない?」
そうして2人で笑いあう。
セリカと仲良くなれてよかった、1人ではもうとっくに諦めていたと思う。
「あのね、私のためにセリカの大事なことを話してくれてすっごく嬉しかったわ!」
「ち、違うわよ!私はただ、アビドスのみんなを尊敬してるだけだから!」
「セリカはアビドスの人たちが大好きなのね!」
「いやちがっ、あんな学校潰れればいいのにって思ってるし!」
「え!?」
衝撃発言が飛び出たんですけど。
流石に先輩が守ってきた学校にそれはないと思うの。
「ていうか何言わせるのよ!ニヤニヤするな!」
「むごー!冷たい、歯に染みる!」
残しておいたアイスを一度に口に突っ込まれてしまった。
後でゆっくり食べようと思ってたのに!
先ほどまでとは打って変わって騒がしくなる。
やってみようって気持ちになったからか、不安もそこまで感じない。
試験に合格したらカラオケに行く約束をして、店を後にした。
寝て起きてみると、ちょっと考えがまとまった感じがする。
実は中間試験が終わってから、まだそんなに時間は経っていない。
よく考えたら時間もあるし余裕で終わっちゃうかも?
今はそんなことを考えながら、シャーレに向かって歩いている。
セリカがアビドスに帰ってしまった後、先生とモモトークで勉強の進捗とかを話したり、次は誰が勉強を教えてくれるのか聞いたりした。
そんなわけで、今日の当直はゲヘナ学園で風紀委員をしている火宮チナツちゃん。
ゲヘナはキヴォトス有数の生徒数を誇るマンモス高で、自由すぎる校風によりテロリストを多数輩出している混沌とした学校。
そんなところで風紀委員会をしているすごい子なんだとか。
ゲヘナはツノが生えている生徒が多いけど、鬼教官だったりしないわよね?
シャーレの自習室の扉を開けると、すでにチナツちゃんが教材を準備していた。
「おはようごさいまーす」
「おはようございます。早速ですが、始めましょう。」
赤い手袋なんて珍しいなと思ったら、タイツと同じ色だった。
…もしかして服の下まで全身赤タイツだったりする?
机に座り教材を見てみると、それは事務仕事のマニュアルだった。
あ、そういえばそっちもあったっけ。
…ちょっと待って、もしかしてやる事山積み?
「連邦生徒会からの伝言です、『もちろん成績も大事だがなるべく早く仕事のヘルプをして欲しい』との事でした。なので、試験を受ける前に生徒会入りする事になると思いますよ」
「まじですか…」
「ええ。大変だと思いますが、私達もサポートしますから頑張りましょう」
優しい!ツノも無いし、鬼ではなく天使だったかもしれない。
「疲れたら言ってくださいね、治療しますので」
チナツちゃんはそう言うと鞄から注射器を取り出した。
えっ?どゆこと!?笑顔が怖いんですけど!
「そんなに怖がらなくてもいいですよ。私と同じ風紀委員のイオリも初めは驚いていましたが、今では慣れっこです」
「うそでしょ!注射はいやよー!」
その後、「疲れすぎてもうダメ〜」と零したら注射をされてしまったが、驚いたことに全然痛くなかった。
風紀委員会って医療班とかあるのかしら?
今日の当直はトリニティ総合学園で自警団をしている守月スズミ先輩。
トリニティはゲヘナと同じくマンモス高だけど、校風は所謂お嬢様学校。
自警団は、お嬢様が多いからか不良の襲撃を受けやすいが為に生まれた治安維持組織らしい。
頭のアレは羽なのか髪なのかどっちなのかしら?
あと、パトロールの時にヘッドフォンを持ち歩いているらしい。DJポリスかな?
「…在庫の管理を怠らなければ必要なときに物がない事故を防げます。大きな組織なら余計に大事なのでしょうね」
「スズミ先輩、そろそろ休憩しましょうよ〜」
「休憩ですか…ではリラックスできる音楽を聴くというのはどうでしょう?」
「いいですね!どんな曲なんですか?」
スズミ先輩はヘッドフォンを貸してくれた。
予備のヘッドフォンを持ち歩いているなんて、心配性なのかしら?
「これを聴くと興奮していた不良達も大人しくなるんですよ」
「えっなにそれ怖いんですけど!」
曲自体は普通に洋楽だった。
明るい曲調で落ち着くって感じじゃなかったけど、トリニティの不良は変わってるのかしら?
今日の当直はトリニティで正義実現委員会をしている羽川ハスミ先輩。
通称正実は先ほどの自警団とは違い、学校に認可された正式な部活動なんだとか。
正実は学園周辺を、自警団は郊外をというように活動場所が違うらしい。
背中から生えている、髪色と同じ黒い羽。あれ大きすぎない?
頑張れば空を飛べそう、ちょっと羨ましいかも。
「…報告書は事実を書くものです。なるべく正確に状況を整理して書かなければいけませんよ」
「ハスミ先輩、具体的にはどんなことが事実になるんですか?」
そう質問すると、ハスミ先輩は少し考えてからこう切り出した。
「例えばある女の子がダイエット中にパフェを食べているとします。これだけ見ると良くない行いです。しかし、女の子は書類仕事の後でした。糖分は集中力の向上、リラックスなどに効果がありますから合理的な判断なのです」
やけに実感がこもってるような気がした。
というか、想像したらお腹が空いてきちゃった。
「そろそろ休憩しましょうか、一緒にスイーツを食べましょう」
「やったー!…うわ袋おっきい!」
ハスミ先輩はドーナツ穴が空いているからカロリーゼロ理論を話しながら、ほとんど1人で完食していた。
さっきのダイエット中の女の子の話、本当は誰かに相談されただけだったのかしら?
そんなこんなで書類仕事の方は一通り終わり、気がついたら研修生になっていた。
いや、早く仕事のヘルプが欲しいとは聞いていたけど、なんだかあっさりしすぎじゃないかしら?
ここで一旦一区切りです。
次回からようやく預言者が出てくる話に入ります。
先生とセリカの話を途中で分割せず、プロローグを2話にまとめた方が良かったかなと今更ながら思いました。
どうしても気になったら編集するかもしれません。