シャーレの公務員たち   作:さらとが

4 / 8

ルビ、使っていて楽しいですが見にくくないか心配です。

花園ミカルゲ←これ好き



1.1. 任務

 

「先生、来たわよ〜」

 

先生に呼ばれてシャーレに来たのだけど、その先生はいま外出中らしかった。

やる事もないので勝手にお茶を淹れてくつろぎながら、慌しかった最近のことを振り返る。

 

仕事をあらかた覚えた辺りで人材資源室から呼び出しがあり、部署や給与の説明、軽い見学があった。

研修生として編入?した手前、どう思われているか少し不安だったのだけど、その心配は杞憂だった。

失踪した連邦生徒会長の捜索にそれなりの人手を割かれている現状で他人に構っている暇がある者は居ないないようだつた。

顔合わせは一瞬で済まされ気がついたらデスクに座って書類を書いていた。

なんなら今日もついさっきまで書類トゥムタワーを崩していた。

先生のモモトークを理由に抜け出せなかったら、まだ書類と向かい合っていたはず。

 

勢いで連邦生徒会に入ると決めたことを割と後悔しているのだけど、嬉しいこともあった。

それがこの制服!

白いワンピースに青いネクタイが素敵!

手元に入っている金色のラインも綺麗!

上着もでっかいボタンや校章があってかっこいい!

肩のラインと紐はなんなのかよくわからないけどいい感じ!

中等部のころにそれっぽい服を買ってみたこともあったけど、本物はこう、なんか違うね!

ちなみにあと少し身長が低かったら交通室長みたいな制服になっていたらしい。

あれはちょっと…ね?見る分にはいいけど実際には着るのは恥ずかしかったから良かった。

 

そんなことを考えていると扉が空いて、この部屋に2人の人が入ってきた。

1人は先生だけど、もう1人は初めましてかな?

白髪を長い三つ編みにして、帽子をかぶっている。

白い上着と水色のスカート、腰にはスモークグレネードとメガホンを下げている。

何より目を引くのは左腕の紫に橙のラインの入った校章。

あれは確か…

 

「初めまして!本官は中務(なかつかさ)キリノと申します!」

 

「縁下コガレです、よろしくね警官さん」

 

やっぱりヴァルキューレ警察学校の校章だった。

ヴァルキューレは名前の通り警察で、いろいろな自治区に拠点のある珍しい学校。

そして、連邦生徒会防衛室長が統括管理者をしている。

 

っていうのがこの間研修で覚えた内容。

仕事で話すことになるからってことだったけれど、こんなに早く会えるとは。

警察さんが目の前にいると思うと緊張するなあ、いやべつに悪いことなんてちょっとくらいしかしたことないはずよ?

 

「本官のことはキリノと呼んでください!同学年でしょう?」

 

「いや、でも警官さんを気安く呼ぶのはちょっと…」

 

「それを言うなら貴女は連邦生徒会役員じゃないですか?」

 

確かにそれもそうね。

なんと言うか、余りにもとんとん拍子で役員になってしまったからか、いまだに現実味がない。

制服を着ているのに、どこかコスプレをしている気分。

 

“お待たせ、コガレ。さっきまでキリノとひったくりを捕まえていたんだ“

 

「そうなの?キリノちゃん、すごいわね!」

 

「いえ、本官は当然の責務を果たしたまでです!」

 

「私も警官さん達のおかげでいつも助かってるわ、ほら座って座って!」

 

連邦生徒会に入れるかもってなった時の帰り道、歌いながら帰っていたら不良に目をつけられて追い回されたときも警官さんに助けてもらった。

それ以外にもカツアゲされたときとか、結構お世話になっている。

 

2人の分のお茶を淹れようとしたら、もう既に先生が用意を終えて持ってきていた。

さすがだけどちょっと怖いわね…

 

「先生、キリノちゃんが昨日の話の?」

 

“うん、キリノとコガレの2人にお願いしたいと思ってるんだ“

 

先生の話をざっくりまとめると

キヴォトスではカツアゲから不良の抗争、ビルの占拠まで大小様々な規模の事件が起きており、それらに対処することが任務である。

少し前までは小さいものヴァルキューレが、大きなものはSRTが対応していたのだが、今はシャーレが大型の任務に対応している。

しかし、先生はこれから出張があり、しばらく戻れない。

これからも出張はあるだろうから、先生が居なくてもシャーレとして活動できる代理を立てることにした。

代理は他の学園に角が立たないよう、中立的な学校の生徒を選んだ結果、私達に白羽の矢が立った。

とのことらしい。

 

SRTことSRT(Special Response Team)特殊学園はヴァルキューレでは対応できない自治区への介入が可能な組織であり、連邦生徒会長直属の特殊部隊。

キヴォトストップクラスの設備と練度があるエリート組織。

だけど今は唯一命令権のあった連邦生徒会長の不在に伴って活動できなくなってしまっている。

 

先生、前から只者じゃないのかもって思ってたけど、SRTと実質同じ仕事をしているなんて。

…さては相当な権力が?今のうちにゴマすっておかないと。

とりあえず先生の肩を揉んでみる。

先生は不思議そうな顔をするだけだった。

 

“2人とも受けてくれる?“

 

「もちろん!本官にお任せください!」

 

「私も良いけど、私達1年生でしょう?もっと高学年の人じゃなくて良いの?」

 

あとはキリノちゃんはともかく、私は研修生だってのもある。

もっと立場のある人に任せるべきなんじゃ?

 

“みんな凄く忙しいみたいでね…今日ここに来てくれたのが2人だけだったんだ…“

 

あっ。

もしかして私達、仕事を押し付けられ…

 

「…まあいいわ。それより先生、また出張なの?今度はどこへ行くの?」

 

“今度もミレニアムでね、なんでも暴走したAIの調査なんだって“

 

ミレニアムことミレニアムサイエンススクールは科学技術に力を入れたていて、比較的新しく自由な校風の学校だ。

なんでも「千年難題」と呼ばれる、今の技術では解けない問題を解くために集まった研究者達で学校を設立したのだとか。

ちなみに以前名前の出たゲーム開発部もミレニアムの部活だったりする。

 

“それでね、キリノは必要ならヴァルキューレの協力を受けられるようにして欲しいんだ“

 

「承知しました!」

 

“コガレはアユムから任務を受けて、終わったら報告書を提出して欲しいんだ“

 

「はーい…ちょっと待って、もしかしてアユムさんって調停室長のこと!?」

 

“そうだよ“

 

調停室長といえばおっとり優しくて包容力が高そうなあの!?

まさかこんなに早く室長と話す機会がくるとは、研修生のうちは無理だろうなって思ってたのに!

テレビなんかでたまに見る機会があったので、生徒会役員になる前から全員覚えている。

そんな画面の中の人と話せるなんて、なんだか夢みたい。

 

「任せてちょうだい、ばっちりこなしてみせるわ!」

 

“よろしくね。

それで早速だけど、2人には明日の任務に参加して欲しいんだ。

私が出張するまであまり時間もないし、すぐに実践になっちゃうけど…“

 

任務の内容は、占拠された廃校からヘルメット団を追い出すこと。

不良といってもいろいろあり、ただ素行不良な者から退学になった者、果てには指名手配された者など様々だ。

キヴォトスでは退学したり指名手配されてしまうと学生としての保護が受けられなくなり、自販機で銃弾が買えない、家賃が学校から払われないといった事態に陥る。

 

件のヘルメット団は保護が受けられない者が多く、お金の節約のために廃校を拠点とすることがよくあるのだとか。

正直かわいそうな気もするが、彼女らがいると撤去業者が仕事をできないので仕方ない。

元はといえば退学処分になるようなことをしでかした方が一方的に悪い?それはそう。

 

「問題ありません!明日はよろしくお願いしますね!」

 

“コガレは任務に参加したこと無かったよね?準備は大丈夫?“

 

「ええ、ちゃんと準備してあるわ!」

 

私の装備は、連邦生徒会の制服と一緒に支給された拳銃、それとカツアゲから逃げる時によく使っていた補助シールドに、治療セット。

あれからずっと書類仕事だったから実戦はしてないし、拳銃は打つのすら初めて。

なんなら連邦生徒会役員があの銃を使っている所を見たことすら無いかもしれない。

ちゃんと打てるか心配になってきた。

 

なんにせよ、明日はシャーレに所属して初めての任務。

書類タワーを崩すより楽しい仕事だと良いなぁ。

 





先生がメインストーリーを攻略している間、誰がお仕事するんだろうな〜って思ってたのでオリ主にしてもらうことにしました。

制服お披露目会だったのですが、筆者に服の知識が無いせいで凄くざっくりになってしまいました。残念。

以下はゲームでの性能(妄想)です。
こういうの考えてるときが1番楽しいですね。

縁下コガレ 星1
所属:連邦生徒会研修員
SPECIAL サポーター
攻撃タイプ:軽装甲 装甲タイプ:軽装甲
市街地:B 屋外:B 屋内:B

EX:補助シールド
○コスト2
○味方1人を対象、治癒力の328%のシールドを展開(20秒間)
○シールドが効果時間内に破壊された場合、対象は全ての攻撃を回避する(2秒間)

NS:こまめな復習
○生徒の入手経験値を400%増加

PS:見習い研修生
○治癒力を26.6%増加

SS:はやめの対処
○HPが50%以下の味方を対象、治癒力の178%の回復(10秒ごと、戦闘中3回まで)

ゲーム最序盤では経験値アイテムである戦術レポートも少ないため、とても便利な生徒。
しかし、回復スキルを使用するためには2凸が必要になる点がゲーム序盤に使いたいコガレとミスマッチ。
掃討時は経験値増加スキルが働かないことも向かい風。
特別依頼が解放されると優位性も薄れてしまう。
スタミナ効率を重要視する先生は、初回任務に採用してみてはどうだろう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。