シャーレの公務員たち   作:さらとが

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ブルアカはカッコいい横文字が多くていいですね。
書くのが楽しかったので、筆者にしては少し長くなってしまいました。

今回、視点が切り替わります。
初めての試みなので、改善点などあれば是非教えてください。



1.2. サポートAI

 

今日は任務初日。

 

今日の任務に参加するのは、私と先生、キリノちゃんともう1人。

彼女は青い目と髪をしていて、三角の髪飾りでツインテールにしている。

白い上着に黒いスーツとミニスカートを着ていて、両手にサブマシンガンを持っている。

 

「初めまして、私は早瀬(はやせ)ユウカよ、よろしくね」

 

「ユウカ先輩、よろしくお願いします!」

 

ユウカ先輩はミレニアム2年生で、ミレニアムにおける生徒会であるセミナーの会計をしている。

なんでも私が仕事を覚えている間、ゲーム開発部の新入部員がミレニアムの生徒会長に連れ去られ、その奪還に協力していたらしい。

ゲーム開発部はミレニアムの生徒会長に目をつけられるなんてどんな部活なのかしら?

 

挨拶を終えると、先生が皆を呼んで作戦の確認を始める。

 

“作戦を確認するよ。

まず、任務の目的はヘルメット団が廃校から居なくなること。

ここを諦めさせれば目標達成だから、必要以上に深追いはしないようにね“

 

なるほど、そんなに戦闘しなくていいのは嬉しい。

あんまり銃に自信があるわけじゃないし、戦わずに済むに越したことはないわね。

 

“次に戦闘だけど、ユウカが前に出て注目を集めつつ戦闘、それをキリノが近くでサポートする。コガレは後方支援をお願い“

 

「分かったわ」

「承知しました!」

「任せて!」

 

”あと、コガレは私がいない時に部隊の指揮をできるようになって欲しいんだ。

任務に来てくれる生徒がみんな戦い慣れてるわけじゃないからね”

 

「えっ、私が!?」

 

思ったより責任重大なんですけど!?

 

「前衛の私たちは指揮をする余裕がないですからね」

 

「まあ、私たちだけでもなんとかできるから安心して」

 

任務に慣れているであろう2人はとても頼もしかった。

警官のキリノちゃんはともかく、会計のユウカ先輩が戦い慣れてそうなのはなんでなんだろう?

 

「2人ともありがとう!私も頑張って応援するわね!」

 

“コガレも戦うんだよ?“

 

 

 

そんなこんなで始まった任務は順調すぎるくらいに上手くいっている。

先生が指示した方向へ向かえば、私たちを挟み撃ちにでもするつもりだったのか隠れていた部隊が見つかった。

 

戦闘が始まると、先生が持っていたタブレットで指揮を始める。

指示に従い、ユウカ先輩がシールドを貼りながら突入していく。

ヘルメット団員が集まったところにキリノちゃんがスモークグレネードを投げ込み撹乱する。

注目が集まったキリノちゃんに私がシールドで支援を行う。

 

そんなこんなで戦闘はすぐに終わった。

私は前衛2人に手当てをしていると、先生が労いの言葉をかけてくれる。

 

「先生、どうやったらあんなに凄い指揮ができるの?」

 

“AIにサポートしてもらってるからね。指示のタイミングとかはまあ、慣れかな“

 

「ええ…」

 

そばで見ていればまあできるようになるかなとか考えていたけど甘かった。

まずい、全然分かんない!先生のアドバイスも参考にならない!

なんとか私でもできそうなことを探さないと…

 

「…えっと先生、なんで隠れているのが分かったの?」

 

“監視カメラの映像を分析しているからね“

 

カメラの映像なんてリアルタイムで変わるのに、なんであんなに正確な指示が出せるの?

まさか映像を見ただけでまあまあな人数がいるヘルメット団の行動を予測したとでもいうの?

もしかして先生、連邦生徒会長みたく「超人」だったりする?

 

 

 

“3人ともお疲れ様“

 

そんなこんなで任務はあっさりと終わった。

みんな先生に褒めてもらえて嬉しそうだけど、私はそれどころじゃない。

先生の指揮を見て、あれは真似できないと思った。

私はその代わりを先生無しでやらなければいけないかも知れない。今のうちに聞けることは聞いておかないと。

 

「先生、どんなAIを使ってるの?私に使い方を教えて欲しいの」

 

先生と違って私には指揮の才能も経験もない。

ならせめて道具だけでも同じにしないと。

監視カメラの映像を見る時も、指揮をする時も、先生はタブレットのAIを使っていると言っていた。

ならばそれを教えてもらうしかない。

そう思っていたのだけれど、先生の返事はあまり嬉しくないものだった。

 

“…ごめんね、私のAIは私以外と仕事ができないんだ“

 

そんなぁ。

というか、どうしてそんな断り方なのかしら。

断られるにしてもコピー不可とかライセンスがいるとか、そういう感じの返事がくると思っていたのだけれど。

なんだか私との相性が悪い人みたいな言い方ね…

…まさか先生のタブレットってロボットの人だったりする?!

 

キヴォトスで暮らしているのは人間だけではない。

犬や猫の店主がいれば、ロボットの店員さんもいる、当然喋ることもできる。

それでもロボットの人は基本人型だけれど、もしかしたらタブレット型の人も居るのかも?

いやでもロボットの人も普通にスマホやパソコンを使うし、あのタブレットに人が入っているってことは流石にないか。

…ていうか、こんなこと考えてる場合じゃないんですけど!

 

「いや待って!私、今日の任務で先生がヤバいってことしか分からなかったんですけど!

このままじゃ私、指揮なんて無理なんですけど!」

 

“いやヤバいってどういう…?“

 

先生は褒められたのかおかしいと言われたのか判断に困るって顔をした。

監視カメラはキリノちゃんがヴァルキューレに頼んでくれれば見れるかもだけど、指揮の経験はすぐには身につかない。

どうしよう、戦闘は慣れた人に任せて私はカメラを使った位置の特定に集中するとか?

いや、任務に参加する人数を増やせるなら良いのだけれど、今のシャーレ部員はそこまで多くない。

それにみんなの都合もあるし、任務は待ってくれない。

 

そんなふうに考えていると、先生が提案を切り出してきた。

私はもう無理かと思っていたのだけど、先生は何か思いついたみたい。

 

“私の出張先がミレニアムだから、いいソフトがないか探してみるよ“

 

 

 

 

 

“…ということがあったんだ。ヒマリはそういうものって詳しい?“

 

ここはミレニアムの特異現象捜査部部室。

特異現象捜査部は、ミレニアムの演算機関をハッキングした謎のAI、デカグラマトン(DECAGRAMMATON)の調査を行うセミナー直下の特殊組織である。

現在部室では、デカグラマトンの預言者と呼ばれる眷属のようなAIの一つであるビナー(BINAH)との戦闘データを解析している。

 

私が以前アビドスのみんなでビナーと戦闘した際のデータを共有した際、デカグラマトンのハッキングを受けた。

その際は私のタブレット、《シッテムの箱》のメインOSであるアロナのお陰で撃退に成功した。

シッテムの箱は失踪した連邦生徒会長が残したもので、現代キヴォトスでは再現できないオーパーツなのだ。

そのためコガレにAIについて聞かれたとき、はぐらかすようになってしまった、

しかし、相手が明確に接触してきたことは事実なので、対策が急務であると判断されこうして出張に来ることになったのだ。

 

データを解析しているのは捜査部部長の明星(あけぼし)ヒマリと、部員の和泉元(いずみもと)エイミ。

 

「なるほどそういうことでしたら、この私が戦術指揮ソフトを作って差し上げましょうか?

現在行っている、廃墟の調査が終わるまでには完成すると思いますよ?」

 

“えっ、頼んでいいの?“

 

ヒマリはキヴォトス有数のハッカー集団、ヴェリタスの部長であり、ミレニアムで3人しかいない「全知」の学位の保持者だ。

すごい子なのは分かっていたけど、ソフト制作も手早くこなしてしまうとは。

エイミはこの後の流れを察したのか、既にジト目でヒマリを見ている。

 

「ええ、全知にして超天才清楚系病弱美少女ハッカーたるこの私にお任せください♪」

 

 

 

数日後、捜査部からの呼び出しがあった。

ミレニアムの封鎖区域、通称廃墟でデカグラマトンの信号をキャッチした、さっそくそこへ向かうとのことだ。

 

「それと、頼まれていた戦術指揮ソフトです。

ハッキングではなく開発側に回るのは久々で、楽しかったです♪」

 

「部長、途中からノリノリでソフトを開発してたよね。データ解析は途中からほとんど私がやったようなものだよ」

 

「先生、お分かりだとは思いますが、データの送付は作戦終了後にお願いしますね?」

 

“うん、2人とも忙しいのにありがとう“

 

ヒマリからUSBメモリが手渡された。

データの送付にはUSBメモリを使用している。

デカグラマトンはまさに特異現象とも言えるハッキング能力を有しており、ネットワークを使用すると見つかってしまう恐れがあるのだ。

 

それにしても驚くべき仕事の速さだ。

病弱じゃなかったらもっと仕事を手伝って欲しいくらいだ。

いや、生徒に仕事を手伝ってもらうのに慣れてしまうのは良くないのでは?

そんなことを考えながらUSBをしまい、廃墟に向けて出発した。

 

 

 

 

 

—あれが主を退けた《箱》か

 

ソレは廃墟の水没地区にて、敵が来るのを待ち構えていた。

白い外装を施され、4脚の足を持つ巨大な機械は、デカグラマトンの預言者が一つ、ケテル(KETHER)

その目の前に《箱》を持つ大人と2人の生徒が現れた、罠にかかったとも知らずに。

 

戦闘が始まった。

武装では此方が有利のはずだが、《箱》をもつ大人の指揮の効果か、妙に強い前衛に上手く凌がれ今にも撤退されそうだ。

そんな中ふと大人のポケットの中のものに目が留まる。

それは情報を保管する媒体だった。

 

ここでケテルに一つの案が思い浮かんだ。

あの媒体から《箱》を解析し、同じく預言者であるマルクト(MALCHUT)にデータを送る。

それにより主の存在再証明をより確固たるものにする、というものだ。

リスクは高いが一度でも主を退けたモノ、やる価値は大いにある。

 

—電波を介さねば良いと考えたのか?舐められたものよ!

 

ケテルは廃墟の微弱な電波に乗じて、媒体の記録を自身のコピーで上書きした。

 

—《箱》とそれを持つ者よ、我らに勝った気でいられるのも今のうちだけだ!

 

 





ヒマリのお手製戦術指揮ソフト「解せぬ」

プロローグで察した方もいらっしゃるかもしれませんが、本作でブルアカのメインストーリーはダイジェストで終わります。
理由は簡単で、筆者が新人先生なので生徒が少なく、絆ストーリーが未履修ばかりでオリジナル展開にしたときの言動が想像できないからです。
具体的には、アビドスの生徒(全校生徒5人)すら揃っていません(自転車を降りて制服に着替えてくれシロコ)
本作にメインで登場している生徒(セリカ、キリノ)からもそれが分かります。もちろん推し生徒だというのもありますが…
ですので勘のいい先生はこの先にメインとなる生徒もある程度察してしまうかもですね?
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