シャーレの公務員たち   作:さらとが

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タイトルをかんがえるのが面倒になったので話数のみでいきます



4話

 

「…それは大変でしたね。任務、お疲れ様でした」

 

今日も今日とて任務の報告、疲れたなぁ。

カムリのおかげで指揮や戦闘はかなり楽になったけど、戦闘をすること自体は変わらないから結局疲れる。

今日はもう遅いから射撃訓練が無い。

コンビニでコーラとポテチでも買って帰ろうかな、とか考えていたのだけれど。

 

「これで本日の業務は終わり、と言いたいところなのですが、実はまだあるんです。

先日対処していただいたヘルメット団の残党が仲間を呼び、再び施設を占拠したとの情報が入りました。

今にも暴れかねない様子とのことなので、コガレさんには取り急ぎ制圧をお願いしたいのです」

「えっ、まじすか…」

 

なんと追加の任務が。

今から出るとなると現場に着くころには夜だ。

嫌だなぁ、暗いと監視カメラの映像も見にくいし、仲間を呼んだってことはヘルメット団側の戦闘の準備もバッチリだろうしで絶対大変だ。

「先程の任務の報酬はシャーレに送っておきましょうか?」

「お願いします。いや、今クレジットだけください」

 

 

 

調停室を後にした私は、シャーレビルにあるコンビニのようなもの、エンジェル24に向かう。

任務が続くときは元気ドリンクを飲まないとスタミナがもたないのよね。

それにしてもここ、妙に遠いのなんでなのかしら。

レジにいる金髪ロングで青いエプロンを着た子に注文をする。

 

「ソラちゃーん、元気ドリンク一本ちょうだい」

「い、いらっしゃいませ!元気ドリンクですね!」

ソラちゃんはここでアルバイトをしている中学生。

私が来るときいつもいる気がするけど、シフトはどうなってるのかしら。

任務が続くときに元気ドリンクを買うとなると、シャーレのエンジェル24が1番便利なのよね。

近いのもあるし、人気がないからか品切れがほとんど無いのも嬉しい。

「シャーレ以外からの立地が悪いとはいえ、なんでこんなに人が少ないのかしら?」

『品揃えが無駄に豊富すぎるからじゃないか?一般人はオーパーツや爆弾なんて使わないだろ?』

「いや爆弾は使うでしょ」

『は?何に使うんだよ』

 

でも確かに外から見えるだけでもお弁当からレポートにBD、綺麗な玉、果てには壊れかけのディスクや埴輪みたいなのと、怪しい品揃え。

目当ての商品を発掘していざ買おうとしても、クレジットではない特殊な通貨がないと買えないものもあるときた。

正直シャーレ最寄りのコンビニじゃなかったら通ってなかったと思う。

「ついでに爆弾も買っておこうかな?」

『日常生活で爆弾が必要になるのか…?』

そんなことを話しながら代金を払って店を出た。

 

 

 

「お疲れ様で〜す」

現場近くに着くと、キリノちゃんとチナツ、ユウカ、スズミ、ハスミ(いつもの人たち)がすでに集まっていた。

先生が頼んだのかよくシャーレの事務仕事を手伝っている気のいい人たちで、任務があるときもよく手伝ってくれてありがたい。

カムリが任務の説明を始める。

 

『今回は二つの小隊に別れるぞ』

『我がヴァルキューレから借りた照明ドローンで視界を確保しながら進む。』

『コガレ、キリノ、チナツ、ユウカはドローンが撃墜されないように前で戦闘を。スズミ、ハスミは後方から援護射撃をしつつ、周囲の警戒も頼む。よし、行くぞ!』

 

占拠されていたのは以前、体育館を爆破した廃校だった。

少し前まで工事が進んでいたのか一部の施設が無くなっていて、重機が隅に置いてある。

ドローンを起動して周りを照らすと、資材や机椅子で即席のバリケードができていた。

 

見張りがいたのかすぐに戦闘が始まった。

今回のメンバーはみんな戦闘経験が豊富でバランスも良い。

攻略は危なげなく進み、後は手分けしてリーダー格を探すだけとなった。

私はキリノちゃんと警戒しながら周囲を捜索していると、なにやら光るものを見つけた。

「ねえ、あれ何かしら?」

「光るものが箱に入っているのでしょうか?」

『暗いのによく見つけたな…』

箱は工事中の区域の片隅にあった。

近づいて箱を開けてみると、中には青く輝く石がたくさん入っていた。

「すごいわ!今夜は帰りに外食できるわね!」

「ダメですよ、落ちているものを自分のものにすることは罪に問われます」

『それより早く戻ろうぜ、向こうと離れすぎた』

 

すると突然、戻る道が大きな音を立てて崩れた。

暗くて気がつかなかったけど、なにやら工事中の穴に足場が乗っていたところを通っていたみたい。

穴はかなり大きく、周囲には仮の壁があり戻れなくなってしまった。

ハスミ先輩の羽でひとっ飛びできないかしら?

 

そんな事を考えていたらなにやら銃声と叫び声が聞こてきた。

まもなくハスミ先輩から通信がかかってきた。

『そちらから大きな音がしましたが無事ですか?』

『ああ、銃声が聞こえるがそっちの状況は?』

『敵の本隊が現れたので交戦中です。相手が二手に分かれているのと遮蔽物が多いため、制圧には時間がかかりそうです』

『分かった。そっちはハスミに指揮を任せていいか?』

『分かりました』

既に戦闘が始まっている以上、早く向こうに合流しないといけない。

といってもこの穴を越えるのはまず無理そう。

「こうなったらあの壁を壊して通るしか無いわね」

『いや、そんなことをしなくても良い方法があるぞ』

拳銃を構えるとカムリに静止された。

なにか良いことが思いついたみたい。

『この様子だと我らは見つかってない。裏から回って奇襲を仕掛けるぞ』

 

 

 

遠回りして戦場は向かうとヘルメット団が集まっているところを見つけた。

彼女らは瓦礫などで作られたバリケードで身を隠しつつ一方的に攻撃しているが、スズミ先輩の閃光弾が暗さに慣れた目に大ダメージを与えていて戦況は五分五分といった様子。

『よし、気づかれてないな。長射程とリーダー格に攻撃を仕掛けるぞ。撹乱できたらハスミ達がなんとかしてくれる、攻撃したら煙幕を張ってすぐに逃げるぞ』

「私、カムリのそういうところ好きよ」

「犯罪を取り締まるためとは言え、気が引けますが…仕方ありません」

キリノちゃんは渋々といった様子で頷いた。

私は奇襲に使うため、買っておいた手榴弾を取り出す。

「ほら、爆弾はこういうときに使うのよ」

『むう…なんか納得いかねぇ…』

 

私が手榴弾を投げると同時にキリノちゃんがリーダー格とおぼしきスナイパーを狙い撃つ。

「そおい!」「くらえ!」

なんと弾丸は空中の手榴弾に命中し、私達とヘルメット団の間で爆発した。

「「!?!?」」

煙がはれると、そこには全員無傷のヘルメット団たちが。

突然の爆音に思わず振り向いたのか、私たちと目が合う。

「…あなた達、よく見るとべっぴんさんだと思うの」

「おうそうかありがとな!お礼に銃弾くれてやんよ!」

彼女たちはこちらに向き直り、襲いかかってきた!

 

奇襲に失敗した私たちは今、ヘルメット団から必死に逃げ回っている。

めっちゃ怒ってる!すごく怖い!

「せっかく褒めたのに!見逃してくれてもいいじゃない!」

『あれで見逃されるわけないだろ!ていうかあいつら、我らがハスミ達と合流できないように牽制してやがる。頭使えるなら真面目に勉強しろよ!』

ヘルメット団の一部の気を引くことには成功したから、ハスミ先輩たちが制圧してくれるのを待つしかない。

しかし、工事現場は出入り口が少なく地形は向こうのほうが詳しい。追い詰められるのも時間の問題だ。

「ごめんなさい!本官が拳銃を上手く扱えないばかりに…!」

『いや、キリノの煙幕がなかったらとっくに追いつかれてる。だから謝らなくていいんだが…なんであいつらまだ追ってこれてるんだ?』

 

そうこう言っているうちにヘルメット団達との距離が縮まってくる。

「こ、これでも食らっちゃってください!」

キリノちゃんが集団を目掛けスモークグレネードを投げつけた。

「追いついたぞ、観念し…うわぁ!」

「落ち着け!奴らのライトを追っていけば見失うことはない!追い詰めてしばくぞ!」

 

どうやら私たちから光が漏れていて、それを捕捉されていたみたい。

といっても、私やキリノちゃんはライトの類を持っていない。

「となると残るは…」

『我か!くそっ、ダークモードにしておくんだった!』

カムリの居るタブレットから発する光が弱まったが、足元はくっきり見えている。

おかしいわね、光るものなんて持ってないはずだけど…

「コガレちゃん、ポケットが光ってませんか?」

「えっ?…ほんとね、何かしら?」

ポケットから出てきたのは青く輝く石だった。

周囲にこれといった光源がないにも関わらず、眩い光を放っている。

 

『お前かー!!なに余計なことしてくれてんだ!!キリノ、その石を煙幕と一緒にあいつら目掛けて投げつけちまえ!!』

「ちょっと待って!?こんなに綺麗な石を買おうと思ったらいくらするか分からないのよ…ってああっ!!」

私は片手にタブレットを持っていたせいでろくに抵抗もできずに石を奪われた。

小さくなる手品をしようと思ってたのに!

「拾ったものは警察に届けないといけませんよ!このキヴォトスでの犯罪は許されな…うわああっ!」

キリノちゃんは石とスモークグレネードを同時に投げようとしたせいかそれらを落としてしまう。

ところが驚いたことに、キリノちゃんは器用にも石と煙幕を蹴り飛ばしてヘルメット団達に命中させた。

『今だ!あっちに逃げるぞ!』

 

ヘルメット団たちの話し声が散らばって離れていく。

まだ近くに何人かは残っているみたいだけど、とりあえず身を隠すことができた。

「作業車が電子ロックで良かったですね。カムリのおかげで中に隠れることができました」

「やったわね!あとはハスミ先輩達がくるのを待つだけかしら!」

私たちは今、近くにあった作業車の運転席に隠れている。

運転席が目線より少し高くなっているからか見つかる気配はない。

ハスミ先輩たちは既にリーダー格を倒したようだけど、離れすぎてしまったのでこちらにくるには時間がかかりそう。

 

『まったく、我がいなかったらお前ら今ごろ人質にでもされてたぞ?感謝しろよ?』

「ありがとねカムリ。手榴弾が当たらなかったときはどうなるかと思ったけど、助かったわ」

「うう…本官のせいです、ごめんなさい…。いや待ってください、コガレちゃんは本官が止めたのに石を拾いましたよね?知らなかったでは済まされませんよ?…ちょっと!耳を塞がないでください!」

キリノちゃんの言葉が聞こえないふりをしていると、車体に銃弾が当たる音が少し遠くからした。

どうやら車に隠れているかもしれないと気がついたらしい。

それにしても探し方が雑じゃない?

 

「大変です!どんどん銃音が近づいてきています!このままでは見つかるのも時間の問題です!はやくここから逃げましょう!」

『いや待て、我がこの車を操縦すれば良いんじゃないか?これなら撃たれても耐えられるし速度も出る!』

「素晴らしいわカムリ!あなた天才よ!」

作業車のエンジンが起動する音がして、ライトが点灯する。

やった!あとは発進するだけ!…のはずが、車は一向に動かない。

『おかしいぞ?!制御部が電気で管理されてないから動かせない!ロックは電子錠だったのに!』

「この車MTですね。全て電気で動かせる機械はとても高額ですからミレニアムくらいでしか見られないんですよ」

「そうよね、カムリはこうでなくっちゃね、ポンコツだけど実は最強でしたとか言い出さなくてちょっと安心したわ」

『お前覚えてろよ…』

 

足音と銃声が一気にこちらに近づいてくる。

今のエンジン音とライトの光でこちらの場所が完全にバレてしまったみたい。

『それより車だ、2人は操縦できるのか?』

「私たちは運転免許を持っていないので運転できません。そうでなくとも他人の車を勝手に運転するのは犯罪です!何か他の方法を考えましょう」

『別にいいだろ緊急事態なんだぞ!というか2人は官公職員な上にシャーレとして来てるんだ!権力とか無いのかよ!」

「ダメです!許可を得ていませんし、先生に迷惑がかかってしまいます!」

「なんでもいいから早くしてー!めっちゃ撃たれてるんですけど!ピンチなんですけど!!」

 

キリノちゃんとカムリが言い合っているうちに車は包囲されていた。

作業車は工事中の不意な事故や理不尽な襲撃に耐えられる設計になっているのでまだ突破されていないけど、ハスミ先輩たちが来てくれるまで耐えられる保証はない。

『…そうだな、キリノは外を見てタイミングを伺ってくれ。煙幕の範囲には限りがあるだろ?なるべく多くを巻き込めるまで我慢してくれ』

「わかりました!」

『コガレは…作戦がある、これを見てくれ』

そう言うと、カムリのタブレットに文字列が表示されたと思うと、ウェブサイトが開かれる。

なになに、声に出すな?MT車の操作方法?

よく分からないけどこれをやればいいのね?

 

銃声がどんどん激しくなってきた。

「私たちを追いかけていたヘルメット団の殆どが集まっています!…うわっ!窓ガラスにヒビが!そろそろ限界です!」

『コガレ、いけるな?』

「大丈夫よ!」

『よし、今だッ!離脱するぞ、ロードローラーだッ!』

「このキヴォトスでの犯罪は許されな…うわあっ?!」

合図に合わせて思いっきりアクセルを踏み込む。

スモークグレネードを投げようとしていたキリノちゃんが急激な加速で倒れたけど構わず突き進む。

フロントガラスを攻撃していたヘルメット団を轢きながら一気に包囲を抜ける。

『コガレ、右にハンドルを切れ!このままハスミ達と合流するぞ!』

「分かったわ!車ってすごいのね!超爽快!」

「ちょっと待ってくださ…うわあ!」

急ハンドルでまたも倒れ込むキリノちゃん。

シートベルトしないと危ないわよ?





少し間が空いてみると、初めの頃から書きたいものがかなり変わっていてびっくりしてます。

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