アビドスの6人目   作:____―--

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月虹 3

 信じていいんだよね、先生。

 

ノートに書かれた一文を、私は指でなぞる。

 

『補習授業部の全員守ってあげて』

 

 トリニティの別館、合宿所として使われることになった施設内の一室にて。

 

 私は机の上にノートを広げていた。そばには教育方法に関する本が山積みになっている。

 

 一次試験全員合格出来なかったことで、補習授業部と私達は学園から離れ、補習目的の合宿をすることにした。……意図として外界からの連絡を断ち、裏切り者が何者かのコンタクトを防ぐ狙いもあるのではないかと私は踏んでいるのではと色々と考え込んでしまっていた。

 

 ナギサと話して以来、あらゆる物事に裏があるのではないかと勘ぐってしまう。

 

 そろそろ時間なので、自室から出て廊下を歩き始める。

 

「なにこれ、アズサがやったのかな?」

 

 通路にはトラップが仕掛けてあったのだ。よく偽装され、凝った作りだが邪魔なのでトラップを解体しておく。そして四人が居るであろう部屋をノックして声をかける。

 

「入っていい?」

 

「あ、先生! どうぞ!」

 

ヒフミの元気な声と共に、私は部屋の中に入る。

 

「全員無事到着したみたいだね。で、アズサ。通路にトラップが仕掛けてあったけど、私が引っかかるかもしれないから解除しておいたよ」

 

「……! すまない、先生に危害が及ぶ可能性を失念していた。次からは先生を巻き込まないようにする。にしても先生は凄いな、ほとんどが引っかかるトラップを見破ってしまうとは。さすが先生だ」

 

「あはは、たまたまだよ」

 

「しばらく使われていない別館の建物と聞いたので、冷たい床で裸になって寝ないといけないのかと思っていましたが……。広いですし、きちんとしてますし、可愛いベッドもあって何よりです。……これならみんなで寝られそうですね、裸で♡」

 

「裸で寝るほど暑くは無さそうだね。エアコンも暖房もついてるし」

 

 ハナコの言葉に私は返すとコハルが顔真っ赤にしてわーっと騒ぎ出す。

 

「さっきから何でちょいちょい『裸』を強調するの!? それにヘッドの数もちゃんとあるんだから、みんなで寝る必要無いでしょ!?」

 

「せっかくの合宿ですし、そういうお勉強も必要ではないでしょうか?」

 

「ハナコ、勉強する内容は補習の内容がメインだからね」

 

「そうよ! ここまで来て、エッチな勉強とかありえない! 死刑!」

 

「多分無いと思うけど、ここでするとしたら迷惑はかけないでしっかり跡も残さないでね。貸してもらってるんだし。あとはしっかり同意の上でね」

 

「まあ〜♡」

 

「ギャアアア! 先生死刑! 死刑!!」

 

「えーっ」

 

ハナコが手を合わせて喜び、コハルはヒートアップして私にポカポカ叩いてくる。

 

「その、これから一週間寝食と勉強をともにするので、みなさん仲良く……」

 

 ヒフミがなんとかこの場を収めようとしてくれた。二次試験までの一週間、ここに滞在して補習授業部との合宿を行う。

 

「ちなみに先生は私たちと同衾されないのでしょうか♡」

 

「求められなければしないよ、でもみんなきっと大丈夫でしょ? 私が生徒たちの部屋に踏み込んでも余計に緊張するだけだろうし」

 

「求められればする!? エッチはダメ! 死刑!」

 

「コハルは落ち着いてね」

 

 ハナコの言葉を軽く受け流し、コハルのヒートアップも軽く受け流す。

 

「では、荷物を片付けて早速お勉強を……」

 

「あら、でもその前にやることがあると思いませんか? ヒフミちゃん?」

 

「えっ……?」

 

「なるほど、敵襲を想定してトラップの設置を?」

 

「いえ、そうではなく……お掃除、ですよ♡」

 

 この合宿所は長い間使われてこなかったのか、埃なども溜まっている。確かにそんな環境下で勉強するのはあまり好ましくない。

 

 ヒフミもお掃除することに同意してくれたので、みんなでお掃除を始めることに。

 

「それでは汚れても良い服に着替えてから、十分後に建物の前に集合としましょう」

 

「私は汚れても良い服を持ってないから、近くのホームセンターで買ってくるね」

 

「待ってください、先生。プール掃除も行うので、水着も買ってきてくださいね♡」

 

「わかった、そうするね」

 

 ハナコの指示に従って水着も買うことに。ホームセンターでジャージ、掃除用の道具を。スポーツ用品店も追加で寄り、水着も購入して戻ると、体育着姿のみんなが待っていた。ただしハナコは水着姿である。

 

「お待たせしました、みなさん早かったですね?」

 

「アウトーーーーーー!!」

 

 ハナコの格好にコハルからのダメ出し。ヒフミは苦笑い、私はハナコに水着の理由を尋ねる。

 

「ハナコ、どうして水着なの?」

 

「動きやすく、汚れても大丈夫な格好をとなれば水着が適していると思いましたので♡」

 

「そっか。じゃあ別に……」

 

「先生ダメよ! ハナコ、今すぐ着替えて!」

 

 結局、ハナコはきちんと体操着に着替えて掃除を行った。

 

 まずは建物周辺の雑草刈りで、麦わら帽子を被って草刈り鎌を手に持ち、草を刈り取る。終わったら大きな建物内の各地を綺麗にしていく。

 

 合宿所という場所を訪れるのは私としては初めてだった。アビドスに合宿所はあったらしいが、すでに砂に埋もれて使い物にならなかったし、合宿する機会すらなかった。さすがお嬢様学校と心の中で呟く。

 

 最後に掃除することになったのは屋外プール。これも長い間使われていないらしく、汚れもひどい。そんな光景をアズサが眺めていた。

 

「このサイズだったし、昔はきっと使われていた時期もあったんだろう。元々は、にぎやかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない。それでも、こんな風に変わってしまう。『vanitas vanitatum』……それが、この世界に真実」

 

「ヴァニタス、ヴァニタートゥム?」

 

「古代の言葉ですね、『全ては虚しいものである』……確かに、そうなのかもしれません」

 

 虚しい、私の心に似合う言葉だと不意に思うとハナコが続ける。

 

「……アズサちゃん、ヒフミちゃん、コハルちゃん、そして先生! 今から遊びましょう! 今から掃除して、プールに水を入れて、みんなで飛び込んだりしましょう! 明日からは頑張ってお勉強をし続けないといけませんし、となると今日が最後のチャンスかもしれないじゃないですか。今のうちにここで楽しく遊んでおかないと! 途中からは別のことで、色々と疲れてしまうかもしれませんし……! さあさあ、早く濡れても良い格好に着替えてきてください! プール掃除を始めましょう!」

 

 ハナコの号令で水着に着替えに行こうとするとき、アズサの言葉が耳に入った。

 

「……うん。たとえ全てが虚しいことだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない」

 

 虚しくても最善を尽くす。そんな言葉に、彼女の抱えているものの重さを感じていた。

 

更衣室でラッシュガードに着替えてから戻る。他のみんなも水着に着替えて戻ってきた。ただしハナコは制服姿のままだった。

 

「ハナコ、水着に着替えないの?」

 

「ええ、私はこの格好で掃除をします」

 

「……そっか」

 

「それよりも先生、私は失望しました」

 

「え?」

 

ハナコが私のラッシュガード姿をジロジロと見てくる。

 

「どうしてラッシュガードなのですか!?水着というのは体に密着して、ボディラインがクッキリと出るものです!先生の健康的な身体を引き立て、かつその魅力を余すことなく発揮する格好が水着なのです!なのに何故ラッシュガードという安直な格好なのですか!?」

 

「んー……?」

 

熱弁する彼女に私は首を傾げ、ハナコが詰め寄ってくる。次にコハルが私の姿をじっと見てくるが……。

 

「オッケー! 先生は大丈夫よ!」

 

「コハルちゃん!?」

 

「エッチじゃないわ! 露出も少ないから大丈夫よ! ハナコとかいうおバカさんとは違うわ!で、ハナコ!! あんた掃除の時は水着でどうして今度は制服なの!?『濡れても良い服』ってあんたが言ったじゃん!?」

 

「これが濡れても良い格好ですよ?」

 

「はあ!? バカなの!?」

 

コハルとハナコが言い合いを始めてしまったので、コハルを落ち着かせることにした。ハナコの制服の下に水着を着ているので許してもらえないかということで結局納得してもらった。

 

プールの掃除が始まり、ブラシで浴槽の汚れをこすり落としていく。ハナコがホースを持ってきて水を撒き、掃除は順調。彼女が執拗にこちらへ水をかけてくるのは何故かと思ったものの、気にせず掃除を続けていく。掃除が終わってプールに水が満たされる頃には、日が暮れていた。

 

「結局、プールに入って遊ぶことはできませんでしたね」

 

「そういえば、水を入れるのは結構時間がかかるものでしたね……。ごめんなさい、失念していました」

 

「いや、謝ることはない。十分楽しかった」

 

「そうだね。それに掃除して綺麗になったものを見ると心の中も安らいでくるよね」

 

そう言ってプールサイドに腰掛け、三角座りをする。

 

「ふふっ、そうですね♪」

 

するとコハルが黙って私を見つめてくる。

 

「? どうしたの、コハル?」

 

「……死刑! 先生死刑!」

 

「えーっ!?」

 

「あら、コハルちゃんどこがエッチだったのか、ぜひとも私に教えてもらえませんか?」

 

「ひょ……表情がエッチだったの! なんか儚げで!」

 

「儚げ……?」

 

コハルの言葉に首を傾げるしかない。何もしてないのだが……。

 

「……私、何かした?」

 

「先生は何もしてませんよ。ただ罪作りな人ですね♡」

 

「アズサ、わかる?」

 

聞いてみるも彼女は真顔で首を左右に振る。

 

「あはは……。みんな疲れていると思いますし、そろそろ帰りましょうか」

 

ヒフミの一言で、掃除はお開きとなった。私も水着から着替えるために更衣室へ向かうことにした。水着に付着した塩素をシャワーで落とそうと、頭から水をかけていると……。

 

「あら先生」

 

 ハナコが今度は水着姿で現れた。

 

「ハナコ、どうしたの?」

 

「先生がシャワーをされていたので……一緒に浴びようかなと♡」

 

「そっか。いいよ」

 

 特に断る理由もないのでそのままシャワーを浴び続けようとすると、彼女は同じシャワーで浴び始める。つまり身体が密着するような姿勢に。

 

「普通に隣のシャワー使えば良いのに……」

 

「いえ、せっかくですから♡ 誰も居ないシャワー室で二人きり、水着姿……♡」

 

「恐らくあなたが期待するようなことは起きないと思うけど」

 

「先生、私は別に何も求めていません。ただ先生とこうしていたいだけなのです♡」

 

「そう……」

 

 ハナコが私に対して何かを求めてくるような様子は見られない。ただ一緒にシャワーを浴びているだけ、それだけだった。彼女の受けの良い身体がときおり触れることはあれど、それ以上のことは何も起きない。

 

「先生……水着姿の私とシャワーを浴びて、何か感じることはありませんか?」

 

「特には」

 

ハナコの問いに対して私は素直に答えると彼女は少し残念そうにする。

 

「……そうですか。では、えいっ♡」

 

ハナコがいきなり抱きついてきた。

 

「ちょっと動きづらい……」

 

「どうですか? 何か感じませんか?」

 

「身動きができない……」

 

「そうですか。ではそろそろこの辺で」

 

ハナコが私から離れて後にする際、独り言が聞こえてきた。

 

「手強いですね、先生は」

 

「?」

 

ハナコがシャワー室から出て行った後、私はシャワーを浴び終えてシャツ姿に着替える。夜使って、四人それぞれに合わせた教材を作らなければ。自室で机にずっと向き合っていると、ドアがノックされた。

 

「あ、えと、先生、いますか?」

 

「ヒフミ?どうぞ」

 

 ドアを開けるとヒフミが不安そうな様子で入ってきた。

 

「眠れない?」

 

「そうですね。あれこれ考えていたら、あうぅ……」

 

「そっか。ホットミルクはいる?」

 

「いえ、大丈夫です。ただここで少しだけお話を……」

 

「うん」

 

 ヒフミはベッドに座り、私は机の椅子で向かい合う。彼女から打ち明けられたのは、部長としての重圧、不合格になって退学になったらという恐怖、そしてナギサからの指示で彼女もまた裏切り者探しに加わっていたこと。ナギサはヒフミを遠回しに脅し、裏切り者を見つけなければ退学にするという意志を示していた。

 

「わ、私はその、裏切り者だなんて、そんな話……。みんな、同じ学校の生徒じゃ無いですか……今日だって、みんなでお掃除をして、一緒にご飯を食べて……。これで誰が裏切り者なのかを探れだなんて、そんな、そんなこと……」

 

「ヒフミ、大丈夫。落ち着いて」

 

「は、はい……。すみません……」

 

私は彼女を落ち着かせるために彼女の手を握ると、彼女は少し落ち着いたようだった。そして私の手を握り返してくる。

 

「私は今からヒフミに指示を出すね。全員合格できるように頑張って。裏切り者の件はまったく考えなくていい、全部私がやる。責任は全部私が取るから」

 

「先生……」

 

「大丈夫、ヒフミはみんなを見守ってあげて。それだけでいい」

 

 ヒフミの表情は少し明るくなった。私は彼女から手を離すと、ヒフミはベッドから降りて立ち上がる。

 

「ありがとうございます、先生! 私に何ができるのかは、まだ分かりませんが……。でも、今は私にできることを精一杯頑張ります!」

 

「うん。一緒に頑張ろう」

 

「はい!では私はこれで……おやすみなさい、先生」

 

ヒフミが部屋を出て行くのを見送ってから、再び机に向き合う。裏切り者が例え居ようと居ないだろうと、補修授業部のみんなは必ず守る。それに直感だが、四人の中に悪い人はいないはず。それぞれが抱える事情が、彼女たちを追い詰めているのだろうと私は考えていた。

 

 ヒフミだって、補修授業部加入前は普通の女の子だった。でも今は上の立場の人達の陰謀に巻き込まれ、理不尽に疑いの世界へ引き摺り込まれてしまった。突然友人たちを疑えなんて受け入れ難い話だろう。そう考えれば、守らねばならない。

 

「よし、やるか」

 

私は気合を入れ直し、再び教材作りに取り掛かるのだった。

 

ーー

 

 夜が明けた。結局眠れたのは三時間程度。それでもなんとか今日分の教材を作り終えた。

 ハナコ、ヒフミは恐らくできるタイプなので、量は少なめ。アズサは基礎固めさえできれば後は理解が速い。コハルは一から百までを分かりやすく徹底して教える。まとめ終わったところで、ヒフミが部屋に入ってきた。

 

「おはようございます、先生。朝食の用意ができたので、呼びに来ました」

 

「ありがとう。すぐ行くね」

 

 机から立って、私はヒフミの後ろをついていくと食堂へ。既にみんな集まっており、料理が並んでいた。みんなに挨拶して、料理を食べ始める。

 別にトリニティの食事に不満があるわけでは無いのだが、不思議とラーメンや餃子といったものが恋しくなる。お嬢様学校でとる食事というのはどうしても気を配ってしまって、食べづらい。

 

 パンを食べながら隣の席に座っているアズサを見る。フォークをくるくると回して、遊んでいるように見えたので注意しようと思い、声をかけようとしたら……。フォークの先が首元に突きつけられていた。

 そして、そうなる前に私の手がフォークを掴んでいた。

 

「……気づいていたか。先生は本当に鋭いな」

 

「アズサ、行儀が悪いよ。食事中はフォークを回さないの」

 

「……分かった。先生の言う通りにする」

 

 アズサが素直に従ってくれたので手を離すと、彼女はフォークをテーブルに置いた。明確な殺意のようなものは感じないが、アズサは私を試していたのだろうか。ハナコだけがニコニコしながらその様子を見守っていた。

 

ーー

 

 朝食後、最初の授業を始める前にヒフミがいきなり模擬試験をしようと言い出した。昨晩彼女は過去の試験問題をかき集め、二次試験を想定した問題を用意してくれていたのだ。これが彼女なりにできる精一杯のことなのだろう。私は彼女を尊重し、試験官として試験を見守ることに。

 

「では……試験始め!」

 

 私の声と共に、四人は一斉に問題を解き始める。そして一時間後四人分の試験用紙を回収する。採点した結果、ヒフミだけ合格している現状だった。これが現状の限界だろう。

 

 コハル、アズサは一年生試験なので、ヒフミとハナコが二人をサポートしていく。ヒフミが今後どうやっていくかを話していく中で、彼女は勉強頑張ったご褒美としてあるものを用意してくれていた。それは……マスコットキャラのお人形さんの山だった。

 

「こちらです! 良い成績を出せた方には、この『モモフレンズ』のグッズをプレゼントしちゃいます!」

 

「あ、モモフレンズ! いいなー!」

 

私がモモフレンズに反応を示すも、他のみんなは知らない様子。

 

「何これ、変なの……。豚?それともカバ?」

 

「ち、違います!ペロロ様は鳥です!見てください、この立派な羽!そして凛々しいくちばし!」

 

「……目が怖い。それに、名前もなんか卑猥だし……」

 

「えぇっ……!?た、確かにそう仰る方も一部にはいますけど……。よ、よく見てください。じっくり見ると何だか可愛く……」

 

止めよう。ヒフミとコハルがエスカレートしそうな気配を察した私は間に割って入る。

 

「ヒフミ、これウェーブキャット!?寝る時抱いても良さそう!あれはピンキーパカかな?スリッパ買おうか悩んだんだよね」

 

「あ、先生!先生もモモフレンズの魅力が分かってくれたんですね!」

 

ヒフミの注意を逸らすのに成功。するとアズサがモモフレンズの人形をじっと眺めていた。

 

「アズサちゃん、そのお人形が気になるんですか?」

 

「……か、可愛い!」

 

彼女は人形を恐る恐る触って感触を楽しんでから、ぎゅっと抱きしめた。

 

「可愛すぎる……!なんだこれは、この丸くてフワフワした生物は……!」

 

「アズサちゃんも気に入りましたか?」

 

「ああ!良いモチベーション管理だ。約束しよう。必ず任務を果たして、あの不思議でふわふわした動物を手にしてみせる!」

 

「はいっ、ファイトです!」

 

コハルとハナコが困惑する中、ヒフミは新しいモモフレ仲間が出来て嬉しそうだった。

 

「ごめんなさい!先生にモモフレンズをあげることは出来ません。これは勉強のご褒美なので」

 

「あ、そうだったね。……通販で買おうかな」

 

勝手に舞い上がっていたが、それは出来ない。私は羨ましそうな目でモモフレンズの人形を眺めるのだった。

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