アビドスの6人目   作:____―--

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のめり込みに注意しましょう。
パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。


【コユキ】You're already dead

 黒崎コユキははっきり言って良い性格したガキである。奔放で倫理観が薄く、そのくせにパスワードとかそういうものを直感で解除してくる。

 

そして何より、お金に関する感覚が超がつくほどぶっ飛んでおり、セミナーの金を横領して豪華客船のカジノで遊びまくって、C&Cと私が制圧のために出動する羽目になった。

 

 でもまあ私はクソガキに関しては耐性があるというか、もう慣れてるから別にいいし嫌いとかそういうのは一切ない。可愛い生徒に過ぎないのである。

 

 今日は恐らく退屈だからと彼女に呼び出され、金庫のようなセキュリティが厳重な反省部屋に放り込まれた。

 

「にはは! 先生来てくれたんですねー!」

 

「大人しくしてた?」

 

「してましたよー! 退屈すぎて反省部屋に持ち込んだゲーム全部クリアしちゃいました!」

 

「そっか」

 

 それにしても、ミレニアムの生徒たちというのは退屈になると問題を起こす習性でもあるのだろうか。マキのグラフィティに、ヒマリのいたずらハッキング、そしてコユキのセキュリティ破っての脱走。セミナーの二人がほぼ毎日頭を抱えるのも無理ないというか、可哀想というか。でも私も問題を起こす側だから人のことは言えない。

 

「ねえ先生! 今日は何して遊びますか?」

 

「コユキにお任せするよ」

 

「えー! じゃあ……先生、とりあえず外に行きましょう!」

 

コユキに手を引かれ反省部屋の外へと連れ出されるが、片手間にユウカにモモトークを送っておいた。『コユキをしばらく連れ出します』と。

 

「先生、カジノに行きましょう!」

 

「またオデュッセイアのゴールデンフリース号に乗り込む気!?」

 

「にはは、あれは楽しかったですね!」

 

「懲りてないの!?」

 

「先生、明日は明日の風が吹くと誰かが言ってましたから!」

 

「そのポジティブさは見習いたいよ……」

 

 どうしてこうも反省しないのやら。私だったらずるずる引きずっちゃうのに。

 

「では、ホール行きませんか!」

 

「その口ぶりからしてまあまあ通ってるよね?」

 

「理解できる先生も大概ですよ」

 

「それはまぁ……。うん。しょうがない、付き合ってあげるけど清潔なところじゃないと私は行かないからね」

 

「にははは! 私に任せてください! 今日はイベント日だから絶対良い感じに遊べますよ!」

 

「まあ、うん……」

 

 引き続きコユキに手を引かれて遊技場、パチンコ店に辿り着いた。入った瞬間、電子音のアホアホ轟音にあちこちの機械からレインボーライトが光る。

 

 私はこういうところを訪れた経験はあまり少ないというか、主にゲームセンターに置いてあって百円玉を入れて少しだけ遊べるものとかに触れてメダルを増やしていたくらいだったし、前世界線にてバイト帰りに試したこともあったくらい。

 

「先生は何で遊びますか?」

 

「怖いから……荒くないもので。最近のものはどれも重くてやりたくないんだよね。399や、ライトミドルで当たっても上位入れないとダメだし……」

 

「えー!? そんなのつまんないですよ!」

 

「お金失う怖さがあるの! コユキもちゃんとしたお金だよね? セミナーからお金借りてないよね?」

 

「ちゃんとしたお金ですよ!」

 

 コユキと別れて、迷いなくDJっぽい感じのスロット台に座った。お札を入れてメダルを貸出すると計数機のカウンターが動き出す。電子上でコインデータをやり取りするのかと、おぼつかない手でボタン押してレバーを倒して遊び始めた。それからは作業のようにベッドボタン押したらレバーを倒して、三回リールを止める。しばらく繰り返していると良い感じの演出が流れて、当たりを確定させた。

 

「よし、バケじゃない」

 

 メダルが増える状態になったら、色目押しを要求されたり、特定の一コマを止めるビタ押しというのを要求されるのでしっかり成功させる。

 

「お札一枚で当てられたなら上出来かな」

 

 独り言を呟いてコユキにメッセージを送ってみる。『もうあがる?』と送ると『早すぎます!!XD』と返ってきた。ため息をついて退席札を置いてコユキを探しにいく。

 

「先生、こっちです!」

 

 コユキが手を振って私を呼んでいた。……凄く荒いパチンコ台をぶん回している。当たれば4500の可能性があるとかいうアホアホ台。3000でびっくりしてた時代はなんだったのだろうか。

 

「コユキ、私その台は無理だよ……」

 

「にはは! 実はさっき、当たったんですけどチャージだったんです! でもまだまだ余裕なので!」

 

「勝ったからもう帰らない?」

 

「いやまだです! 私がまだ勝ってないので!」

 

「そっか……」

 

 コユキがまだ継戦するらしいので、台に戻って再び遊び始める。それからはハマっては当たってハマっては当たってを繰り返し、ほどほどの波グラフになった。スロットを遊ぶのは腕が疲れるので、時々ジュース退席やトイレ休憩を挟んだり、食事退席札を置いて近くのラーメン屋さんに食べに行ったり。

 

『コユキ、終わった?』と送ってみると『まだ!!』と返ってきた。続けてみると当たりが連発していい感じに増えていた。流石にこれ以上は贅沢だろうと集計ボタンを長押しし、カードを抜き取ってコユキのいる台へ向かう。

 

「コユキ、どう? ってラッシュ入ってる!」

 

 コユキが遊んでる台が良い感じのラッシュに突入していた。

 

「にははは!! このまま連チャンさせて一気に勝ちまで持って行きます!」

 

「振り分けでいいの来るといいね」

 

 と彼女は右打ちして見守るのだが……。STの残り回数が徐々に減っていく。

 

「あ、あれ?」

 

「カスタムは一発告知だから演出の頻度は減るよね」

 

「あ、ああ……。でもまだ! まだ終わってません!」

 

STの残り回数が十回を迎え、ゆっくりとカウントボイスが響き始めた。10、9、8、7、6……。

 

「ああああああー!!!! 終わらないで!! 終わらないで!!」

 

 5、4、3、2、1。ここで演出が入るもスルー。そしてラストはあっけなく終わった。

 

「ま、まだだよ! 残保留消化してみないと!」

 

 と言ってみたはいいものの、あっさり駆け抜けて終了。

 

「あああああー!!!!」

 

 コユキが拳を振り上げたので咄嗟にホールドして、台パンはやめさせる。

 

「コユキー! 気持ちはわかるよ!! せっかく当たってラッシュまで行ったのに駆け抜けちゃうのは辛いよね!! でもここで台パンしたら出禁になっちゃうから!!」

 

「先生、離してください!! あのクソ台を粉々にしないと気が済みません!!」

 

「と、とにかく落ち着けー!!」

 

 やむを得ず、咄嗟の判断で締め技をコユキに決めるとすぐに気絶してぐったりとしてしまった。

 

「や、やっちゃった……。とにかく運ばないと」

 

 色々手続きやった後、なんとかコユキを近くの休憩所まで運んだ。椅子に彼女の身体を横たえて、膝枕をしてあげる。

 

「うう……ここは……?」

 

コユキが目を覚ますと、私は安堵のため息をついた。

 

「起きた?」

 

「あ、先生……。私、あの台で大負けして……」

 

「ごめんね、あまりに落ち着きがなかったからつい……」

 

「いえ……。先生、ごめんなさい」

 

コユキはしゅんとして私に謝る。私は彼女の頭を撫でた。

 

「いいんだよ。コユキの気持ちはわかるし」

 

「……あの台、絶対壊れてます! だってラッシュ入っても全然連チャンしないんですよ!」

 

「うーん……そんな時もあるから。帰ろう、寄り道でバーガーでも行く? ちょっと勝ったから奢るよ」

 

「本当ですか!! じゃあ早速行きましょう!」

 

 コユキは元気を取り戻して立ち上がり、私の手を引っ張り出す。にしてもコユキの運の悪さはこんなところでも発揮されるとは。運任せのゲームだとどうしても彼女に不幸が降りかかるらしく、ゲームセンターで『喫茶店登山』やった時は二階が限界だった。私がワンコイン入れてやってみたところ、八階まで到達してコユキにポカポカ叩かれる始末。

 

 日頃の行いが運気に関わるなんて話題はよく聞く話だけど、私は信じてはいない。少なくともコユキレベルの困らせ事を引き起こしてないのに、私の人生は波乱万丈すぎるからだ。

 

「さて、コユキ。帰ったらユウカに怒られに行こっか。一緒に」

 

「にはは……。はい」

 

 コユキは苦笑いで答える。スマホの通知欄にはユウカからのメッセージが山ほど届いており、怒り心頭なのが伺える。

 

「悪いことしたから、しょうがない!」

 

 そう開き直るとコユキも笑う。まずはバーガーショップで腹ごしらえだ。




パチンコは何にもわかりません。
まどマギのパチンコで30000発出たことがありますが
次はノアです。
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