―――ある決闘者がいた。
『彼』は、四体の竜とともに地を駆け空を舞い、人々の視線を釘付けにした。
だが、ある日を境に『彼』は『悪魔』と呼ばれるようになる。
かつて世界を崩壊の危機にまで追いやった悪魔のデュエリスト。
そのまま世界は終わりを迎えるかと思われた時。あるカードが『彼』の暴虐を止めることとなる。
『彼』は力を四つに裂かれ、異なる四つの次元に四人の少年として生まれながらも、決して諦めはしなかった。
そしてついに『彼』は復活を果たした。しかし、またしてもあるカードが『彼』の存在を否定する。
『彼』は再び力を削がれ、『悪魔』とまで呼ばれたデュエリストは今度こそ消滅した・・・そう思われていた。
僅かに残った『彼』の欠片は、次元の壁を越えて異なる世界へと辿り着く。元いた次元とは違う、遠い遠い次元の、ある世界。
何の因果か、自身に反旗を翻した分身である『榊』と同じ姓の家の『長女』として生まれることになる。
かつてともに戦った四体の竜。かつてほどの力は無く。『代替』と成り果ててなお、『
◆◇◆
「バトル! 『フレイム・ウィングマン』で先生の『
「攻撃力の低いモンスターで攻撃ィ? ヤケになったノーネ?」
「いいや、違うぜ先生。俺の『E・HERO』が自分より攻撃の高いモンスターとバトルする時、フィールド魔法『スカイスクレイパー』の効果で攻撃力が1000アップするんだ!」
「何ですとー!?」
【
ATK2100→3100
VS
【
ATK3000
焔を纏ったHEROが、鋼鉄の巨人に急降下攻撃を仕掛ける。速度の乗った一撃は分厚い胸の装甲を貫通し、腕に纏っていた炎のエネルギーが内部機構を蹂躙する。HEROが腕を引き抜いて離脱すると、鋼鉄の巨人は小爆発を起こしながら崩れ落ちた。
「ノォォォ!? 我が『
落下した装甲の一部がクロノスの頭部に落下し、ライフを減少させる。それは戦闘ダメージによるものではなく、相手モンスターを破壊した『フレイム・ウィングマン』の効果によるところが大きい。
【クロノス・デ・メディチ】
LP3000-3100=0
「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ、先生!」
デュエルが終了し、勝利した少年・・・
「(ほぉ、あやつ・・・中々に見どころがあるではないか)」
まさかの結果に周囲がどよめく中、十代とクロノスのデュエルを見ていた遊奈は、刃のように鋭い視線を十代に向けていた。途中危ない場面こそあったが、終盤の『フレイム・ウィングマン』と『スカイスクレイパー』の流れるようなコンボは、見事という他なかった。
追い詰められた状況でも諦めない心。
デッキに眠るカードを引き当て、勝利への道筋を描き出すドロー力。
そして何よりも・・・。
「(観客を沸かせるエンタメ力、か)」
驚き・・・困惑・・・恐怖・・・。観ている人間の心を掴み、視線を釘付けにするのがエンタメデュエル。一口に『エンタメ』といっても様々な形がある。どうやら十代は観衆を驚かせるタイプのエンタメのようだ、と遊奈はそう分析した。
<<受験番号72番、榊遊奈さん。試験デュエルを行いますのでデュエルフィールドまで来てください>>
自分の名を呼ばれ、遊奈はすっと立ち上がると階段を下りていく。途中、先にデュエルしていた受験番号110番の十代とすれ違う。「次はお前の番か。面白いデュエルを期待してるぜ!」と声をかけてくる彼に「ふん。当然だ」と短く返す。
デュエルフィールドに着くと、向かいのコートには十代とデュエルしていたクロノスが立っていた。どうやら、試験時間が押している関係で引き続き彼が試験官役としてデュエルを行うらしい。
「シニョーラユーナ。私はクロノス・デ・メディチ。デュエルアカデミアの実技最高責任者なノーネ。電車の遅延で試験に遅れたという連絡ーハ貰いましターガ、それはそれこれはこれ。試験とはいえ、手心を加えるつもりはないノーネ」
「ふん。御託はいい。ようは、勝てばいいのだろう?」
クロノスの話に興味のない遊奈は、早く始めろとデュエルディスクを展開する。そんな彼女の態度に、クロノスは「今年の受験生は試験官に敬意と言うモノーヲ・・・」と小声で文句を言いつつデュエルコートを起動させた。
「「デュエル!(ナノーネ!)」」
【榊 遊奈】
LP4000
【クロノス・デ・メディチ】
LP4000
「先攻は受験生からナノーネ」
「ではありがたく貰おう。我のターン、ドロー!」
元いた世界とは異なり、この世界でのルールでは先攻プレイヤーの1ターン目にもドローフェイズが存在する。最初は違和感を感じていたものだが、今や慣れたもの。昔の癖で先攻ドローを忘れる、などというミスは決してないと思って頂こう。
「(ふむ。まずは様子見といこう)我は手札から魔法カード『オルタナティブ・ディザイア』を発動する」
「『オルタナティブ』・・・? 初めて見るカードでスーノ」
遊奈が発動したカードに、観客席からもどよめきが起こる。デュエルアカデミアを受験する以上、デュエルタクティクスだけではなく、カードの知識もまた人並み以上に要求される。しかし、そんな彼らも見たことの無い未知のカード・・・どよめきが起こるのも無理はなかった。
観衆のどよめき。興味津々といった視線。次は何をするといった予想の声。どれも久しく忘れていたものだ。やはりデュエルは大勢の観客がいなければ面白みがない。
「この効果により、我は手札の『覇王の竜魔導師』とデッキの『ダークヴルム・オルタナティブ・ドラゴン』をそれぞれ1体ずつ墓地へ送り、カードを2枚ドローする」
「フゥム。手札交換なノーネ」
「それだけではない。発動時に我の場にモンスターが存在しない場合、デッキからレベル5以上の『オルタナティブ・ドラゴン』1体を手札に加えることができるのだ。当然ながら我の場にモンスターはいない。よって、デッキからレベル8『オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン』を手札に加える」
手札交換と墓地肥やし、さらにはサーチまでこなして見せる遊奈。手札が減るどころか増えてすらいるが、クロノスは「ふん」と鼻を鳴らす。
「最上級モンスターを手札に加えたところーデ、あなたの場に生贄にできるモンスターはいないノーネ。いくらモンスターをサーチしようが、使えないのなら宝の持ち腐れでスーノー」
「ふっ、果たしてそうかな?」
「ニョ?」
「我は墓地の『ダークヴルム・オルタナティブ・ドラゴン』の効果を発動。我の場にモンスターが存在しない場合、墓地から特殊召喚できる。現れよ! 『ダークヴルム・オルタナティブ・ドラゴン』!」
空間に穴が開き、そこから刃のような翼を持つドラゴンが飛び出してくる。ドラゴンが遊奈のすぐ傍を通り過ぎていくと、その風圧でデッキから1枚のカードがめくれて宙を舞う。
【ダークヴルム・オルタナティブ・ドラゴン】
【闇属性/星4】
【ATK1800】。
「『ダークヴルム』の効果により、我はデッキから『オルタナティブ・ディザスター』を手札に加えるぞ。さらに『覇王の竜騎兵』を通常召喚!」
【覇王の竜騎兵】
【闇属性/星4】
【ATK1800】
「『覇王の竜騎兵』は、このカード以外の『オルタナティブ・ドラゴン』の数だけパワーアップするが・・・いまはどうでもよい。我は『ダークヴルム』と『竜騎兵』の2体をリリース! 手札から『オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン』を特殊召喚する!」
『ギャオォォォッ!』
2体のドラゴンが光の粒子に変換され、混ざり合い、別の姿を形作る。頭の先から尻尾の先から光のヴェールが剥がれていき、姿を現したのは・・・
【オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン】
【闇属性/星8】
【ATK2500】
『攻撃力2500のモンスターを、1ターンで召喚しただと!?』
『それだけじゃない・・・。手札消費もほとんどない』
「我はカードを3枚伏せ、これでターンを終了する」
遊奈の場に、裏側表示のカードが3枚浮かび上がる。攻撃力2500のモンスターに、3枚のカードが伏せられている。先行1ターン目としては、中々に手堅い布陣であると言えるだろう。そして遊奈の終了宣言により、クロノスのデュエルコートのターンランプが点灯する。
「私のターン、ドローッニョ」
デュエルコートのデッキホルダーから飛び出したカードを、クロノスは二本の指で難なくキャッチすると「どれどーれ?」と確認する。いまある手札とドローカードを照らし合わせてこのターンの行動を決定すると、即座に行動へと移す。
「まずは『大嵐』を発動しまスーノ! フィールドの魔法、罠カードをすべて破壊なノーネ!」
「・・・通す」
フィールドに嵐が吹き荒れ、遊奈の場に伏せられているカードをすべて巻き上げて破壊している。嵐が過ぎ去った後に残されたのは、二色の眼を持つ昏い赤のドラゴンのみ。
「フィールド魔法『
鋼鉄と歯車に彩られた街並みが形成された直後、砲撃によって街は崩壊しガレキの山と化した。一見すると無意味な行動に、気の早いものは「なんだ? プレミかー?」と己が無知をさらす。しかし、そのコンボの恐ろしさを知るものは真剣な眼差しでクロノスのフィールドを見つめていた。
「フフフのヒー。『
【
【地属性/星8】
【ATK3000】
【
【地属性/星8】
【ATK3000】
『攻撃力3000のモンスターが2体!?』
『す、すごい・・・これがクロノス先生のデッキの力か』
『あの72番、終わったな』
『こんな強力モンスターを2体も出されちゃ、勝てるわけないよなあ』
ガレキの山の下から、鋼鉄の巨人と機械仕掛けのドラゴンが姿を現した。その攻撃力はともに3000ポイント。攻撃力2500の赤いドラゴンを召喚してみせた遊奈の上を行くかのように、クロノスは攻撃力3000のモンスター2体をフィールドに並べて見せる。実技最高責任者の肩書に恥じぬ確かなタクティクスに、観客席から悲嘆の声が漏れ出るのは無理からぬことであろう。
並のデュエリストであれば、攻撃力3000のモンスター2体を前にして戦意が挫かれていたかもしれない。だが、遊奈はただ不敵に笑うだけだった。
「ほぉ、攻撃力3000の大型モンスター2体を1ターンで揃えて見せるか。アカデミアの実技最高責任者の肩書きは伊達ではないようだな」
「ヌヌ・・・。今年の受験生は敬意というもノーガ・・・。オホン。気を取り直しまシーテ、バトルなノーネ!
クロノスの指示を受けて、機械仕掛けの巨人が腕を弓のように引き絞る。それが限界まで達した時、弾かれるようにして鋼鉄の拳が、遊奈の昏い赤のドラゴンに向けて打ち下ろされた。攻撃力の差は歴然。当然、攻撃力で劣るドラゴンが破壊される・・・その場の誰もがそう確信していた・・・。しかし。
【榊 遊奈】
LP4000-1750=2250
「・・・」
「アバ? ナゼ破壊されてなイーノ?」
「ふっ、我は破壊された『覇王門の守り人』の効果を発動していたのだ。このカードは魔法カードとしてセットすることができ、破壊され墓地へ送られた場合に、我の『オルタナティブ・ドラゴン』1体にこのターンの破壊耐性を与える。最も、この効果の対象にしたモンスターの攻撃力は半減してしまうがな」
【オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン】
【ATK2500→1250】
墓地ゾーンから取り出したカードを掲げて見せる遊奈。それは先ほどの『大嵐』でまとめて破壊されたカードの1枚であり、オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴンに耐性を付与していたのだった。
「しかーし、破壊できなくてもダメージは通るノーネ!
機械仕掛けの巨竜が、鋼鉄をも溶かす熱線のブレスを放つ。オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴンは耐性により破壊されないが、その攻撃の余波は確実に遊奈のライフを削っていく。
【榊 遊奈】
LP2250-1750=500
「ニョホホ。絶体絶命でスーノー。カードを1枚伏せて、ターンエンドなノーネ」
「エンドフェイズ、『守り人』の効果が終了し『オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン』の攻撃力も元に戻る」
【オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン】
【ATK1250→2500】
「・・・ふっ」
残りライフ500まで追い詰められ、攻撃力3000の強力モンスター2体を前にして、遊奈はいまだ余裕のある笑みを浮かべていた。大型モンスターの殴り合い、気を抜けば一瞬でライフを失ってしまうという緊張感。観客の驚き、期待、デュエルはこうでなくては。
遊奈にとって、クロノスほどの実力者が相手でよかったと思える。初手に『大嵐』を引き当て、さらには『
「くくく・・・。我のターン、ドロー! 我は装備魔法『闇竜族の爪』を『オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン』に装備! この効果により、攻撃力を600ポイントアップ!」
【オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン】
【ATK2500→3100】
『オッドアイズ』の攻撃力が、僅かながらクロノスの『
「バトル! 『オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン』で、貴様の『
「ムムム。そう何度も我が『
【オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン】
【ATK3100→1850】
クロノスが発動したカードにより、『オッドアイズ』のブレスが勢いを弱めた。鋼鉄と歯車を軋ませながら、巨人が腕を後ろに引く。矢をつがえた弓のように、限界まで引き絞られた鋼鉄の拳が放たれる。ブレスを真っ二つに引き裂きながら、昏い赤のドラゴンを粉砕するかと思われた攻撃は・・・風切り音とともに虚空を殴りつけた。
「なぬっ!? ドラゴンがいないノーネ!」
「ククク。『収縮』の発動を焦ったな。我は『オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン』の効果を発動したのだ」
「モンスター効果でスート!?」
「お互いのバトルフェイズにこのカードをリリースすることで、我の墓地から『オルタナティブ・ドラゴン』モンスター2体を呼び出すことができるのだ。再び現れよ『ダークヴルム』! 『覇王の竜騎兵』!」
【ダークヴルム・オルタナティブ・ドラゴン】
【DEF1200】
【覇王の竜騎兵】
【DEF1200】
床に黒い穴が開き、そこから2体のドラゴンが出現する。だが、その表示形式は守備表示・・・仮に攻撃表示だったとしても、攻撃力で劣る2体ではクロノスの『
「うまくかわしたことは評価しまスーノ。しかーし! 下級モンスターを何体並べたところで我が『
そうクロノスが吠える。いま遊奈のフィールドにいるモンスターで、攻撃力3000のモンスターを打ち倒せる可能性があるのは、自身以外の『オルタナティブ・ドラゴン』の数だけパワーアップする『覇王の竜騎兵』のみ。しかしそのためには、他にも何体もの『オルタナティブ・ドラゴン』を必要とする。最も、もし5体の『オルタナティブ・ドラゴン』が並んでいたとしても、守備表示では攻撃権はない。
つまり、次のターンで蹴散らされる壁モンスターにすぎないのである。・・・このままターンをクロノスに渡すのであれば、だが。
「まあ、そう結論を急くな。いまはまだ我のターンであり、我の手札もまだ残っているのだ。貴様に見せてやろう。我が『エンタメ』の、その一端をな」
「『エンタメ』ー? フフーン、デュエルに『エンタメ』など必要ありまセーンノ。デュエルに必要なノーハ、確かな勝利を掴むためのデュエルタクティクスなノーネ!」
「ふん。まあよい・・・。すぐにその認識を改めることになるのだからな! 我は手札より速攻魔法『瞬間融合』を発動! 『ダークヴルム』と『竜騎兵』の2体を融合する!」
「メンマ!? バトルフェイズ中に融合でスート!?」
極彩色に輝く渦が出現し、そこにドラゴンと竜騎兵が飛び込んでいく。2つの異なる魂は遥か遠い世界で一つとなり、新たな力と姿となって顕現する。
「漆黒の闇より生まれし反逆の牙よ! 異なる力と姿を得て、新たなる反逆の狼煙を上げるがいい! 融合召喚! レベル8『ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン』!」
『ギュオォォォォ!』
【ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン】
【闇属性/星8】
【ATK2500】
渦を斬り裂いて飛翔するのは、刃の如く鋭いAGOを持つ漆黒のドラゴン。かつて『エクシーズ』の名を冠していたドラゴンは、『エクシーズモンスター』の存在しないこの世界で『融合モンスター』へとその装いを変貌させていた。
「何が出てくるかと思エーバ、攻撃力2500? そんなモンスターでは、我が『
どんな強力モンスターが出てくるかと身構えていたクロノスは、肩透かしだと言わんばかりに鼻を鳴らす。確かにステータスだけで見れば、『ダーク・リベリオン』の攻撃力ではクロノスのモンスターを倒すことはできない。しかし遊奈はただ静かに笑みを深めるだけだった。
「・・・貴様に次のターンなど、渡さん。このターンが貴様の最後だ」
「ニョッ!? ・・・いやいや、ワタシの場には攻撃力3000のモンスターが2体。ライフも無傷。この状態から一気に勝負を決められるわけが無イーノ・・・」
遊奈の唐突なファイナルターン宣言に、クロノスは一瞬動揺するも、すぐに平静を取り戻す。『ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン』の攻撃力は2500。対してこちらのモンスターはどちらも攻撃力3000なのだ。さらに言えばライフも無傷の4000。例え戦闘補助のカードを使ったとしても、このライフを一度で削りきれるわけがない。そう高を括る。
ただ遊奈は静かに笑い、鋼鉄の巨人を指さした。
「行け、『ダーク・リベリオン』よ! 『
「攻撃力で劣るモンスターで攻撃でスート? 何を狙っているのかわかりまセンーガ、迎え撃つノーネ、『
AGOに漆黒の電撃を纏い、反逆の黒き竜が飛翔する。すかさず遊奈は手札のカードを1枚墓地ゾーンへと送りこむ。
「我が『ダーク・リベリオン』がモンスターと戦闘を行う場合、そのダメージ計算前に手札を1枚捨てることで、その相手モンスターの攻撃力を0にし、元々の攻撃力を『ダーク・リベリオン』の攻撃力に加える! トリーズン・ディスチャージ!」
「マンマミーヤ!?」
【古代の機械巨人】
【ATK3000→0】
【ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン】
【ATK2500→5500】
床スレスレの超低空を飛行する『ダーク・リベリオン』の翼が開き、漆黒の雷撃が機械の巨人に向けて放たれる。電撃によって動きが大きく鈍った巨人を、鋭いAGOが斬り裂いた。
「い、一度ならず二度までも・・・なノーネ・・・がっくし」
【クロノス・デ・メディチ】
LP4000-5500=0
力尽きてデュエルコートの床と一体化したクロノスを一瞥し、遊奈は無言でデュエルフィールドを後にする。
そんな彼女を興味深そうに見つめる男女が2人。
一人は、端正な顔立ちをした長身の青年である。藍色の髪を肩ほどまで伸ばし、デュエルアカデミアの生徒であることを示す青の制服をきっちりと着こなしている彼は、遊奈の背中に鋭い眼差しを向けていた。
そしてもう一人は、背中の中ほどまで伸ばした明るい金髪に青い瞳の少女だ。彼女もまた、青年と同じくデュエルアカデミアの生徒であることを示す青い制服を着ている。遊奈を見つめる彼女の瞳には、青年とは違い好奇の色が多分に含まれていた。
「110番に、72番・・・。今年の受験生は1番の三沢大地以外、見どころのある子はいないと思っていたけれど・・・最後の最後にとんでもない子たちが来たわね」
「ああ。そうだな」
クロノス・デ・メディチ。デュエルアカデミアが誇る実技最高責任者にして、成績優秀者が集う『オベリスクブルー』の寮監も務めている人物。その肩書きに違わぬほどのデュエルタクティクスを持つ彼を、二人の受験生は見事倒して見せた。それも、試験用に調整されているデッキではなく・・・クロノス自身のデッキを相手にだ。
110番の遊城十代は『押収』でライフが減っていたところに、バトルで破壊したモンスターの攻撃力分ダメージを与える『フレイム・ウィングマン』の効果で辛くも勝利を拾った。しかし、72番の榊遊奈は『歯車街』と『古代の機械射出機』のコンボで大型モンスター2体を速攻で並べられながらも、真正面から粉砕してみせた。
「・・・あの72番。まだ
「奥の手? クロノスを倒した『ダーク・リベリオン』以外にも、まだ何かあるということ?」
「ああ」
少女の問いに、青年は首肯で答える。自身も高いデュエルタクティクスを持つ彼は、遊奈がまだ余力を残していることを見抜いていた。今回フィニッシャーとなった『ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン』の他にも、まだ強力なカードを隠している。彼の
【→To Be continued...】
TIPS:
【オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン】
【闇属性/星8/ドラゴン族/効果】
【ATK2500/DEF2000】
(1):このカードは自分フィールドの「オルタナティブ・ドラゴン」モンスター2体をリリースして手札から特殊召喚できる。
(2):自分のレベル8「オルタナティブ・ドラゴン」モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、相手に与える戦闘ダメージは倍になる。
(3):自分・相手のバトルフェイズにこのカードをリリースして発動できる。自分の墓地から「オッドアイズ・オルタナティブ・ドラゴン」以外の「オルタナティブ・ドラゴン」モンスターを2体まで選んで守備表示で特殊召喚する。
【ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン】
【闇属性/星8/ドラゴン族/融合・効果】
【ATK2500/DEF2000】
融合モンスター以外のドラゴン族・闇属性モンスター×2
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみEXデッキから特殊召喚できる。
●自分フィールドの上記カードをリリースした場合に融合デッキから特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に、手札を1枚捨てて発動できる。ターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分このカードの攻撃力をアップする。
(2):自分・相手のバトルフェイズにこのカードをEXデッキに戻して発動できる。自分のEXデッキから「ダーク・リベリオン・オルタナティブ・ドラゴン」以外の「オルタナティブ・ドラゴン」融合モンスター1体を、融合召喚扱いで特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける戦闘ダメージは0になる。
【ダークヴルム・オルタナティブ・ドラゴン】
【闇属性/星4/ドラゴン族/効果】
【ATK1800/DEF1200】
(1):このカードが召喚に成功した時、自分のデッキからレベル4以下の「オルタナティブ・ドラゴン」1体を守備表示で特殊召喚できる。この効果を発動するターン、自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードを守備表示で特殊召喚する事ができる。この効果で特殊召喚に成功した時、自分のデッキから「オルタナティブ」魔法・罠カード1枚を手札に加える事ができる。
【覇王の竜騎兵】
【闇属性/星4/ドラゴン族/効果】
【ATK1800/DEF1200】
このカードはルール上「オルタナティブ・ドラゴン」カードとしても扱う。
(1):自分フィールドに「覇王の竜騎兵」以外の「オルタナティブ・ドラゴン」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードの攻撃力は、自分フィールドに存在するこのカード以外の「オルタナティブ・ドラゴン」モンスター1体につき300ポイントアップする。
【覇王門の守り人】
【闇属性/星3/戦士族/効果】
【ATK1200/DEF1200】
このカードはルール上「オルタナティブ」カードとしても扱う。
(1):このカードは魔法カード扱いで手札から魔法&罠ゾーンにセットできる。
(2):セットされているこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、自分フィールドのレベル8「オルタナティブ・ドラゴン」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの攻撃力は半分になり、このターン、戦闘・効果では破壊されない。
【オルタナティブ・ディザイア】(通常魔法)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札とデッキから「オルタナティブ・ドラゴン」モンスターをそれぞれ1体ずつ墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする。自分フィールドにモンスターが存在しない場合、さらにデッキからレベル5以上の「オルタナティブ・ドラゴン」モンスター1体を手札に加える事ができる。