《急成長》スキルから始まる異世界人の《技能樹(スキルツリー)》が何かおかしいんじゃが!?   作:天都ダム∈(・ω・)∋

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“芽吹きの暦” Ⅲ

 

 むかしむかし、とっても昔。皆が生まれるよりも、ずうっと昔。

 この世界をつくった神様がいました。

 広い広い、なにもない大地に、創造神さまはいのちの種を蒔きました。

 

 種はやがて芽吹き、育ち、さまざまな“人間”が生まれました。

 知恵をつけた“人間”は、時に争い、時に手を取り合いながら、

 暮らしを便利にする、いろいろな“技能《スキル》”を鍛え上げ、文明を築き上げました。

 

 そんな日々の積み重ねが、やがて“歴史”と呼ばれるようになった頃。

 突然、“人間”たちの前に、“魔物”が姿をあらわしました。

 彼らは、牙を持ち、爪を持ち、毒を持ち、武器を持ち、“人間”を攻撃するのです。

 

 “人間”は手を取り合い、“魔物”に立ち向かいました。

 けれど、“魔物”はとても強くて、凶暴で、その上、いくら倒しても、どこからともなく現れるのです。

 ながいながい戦いの末に、“人間”は“魔物”との戦いに、負けてしまいました。

 

 只人(プレーニア)森人(エルフ)鋼人(ドワーフ)獣人(ビースティア)小人(リトレリア)翼人(ウィンディル)鱗人(マーマリア)竜人(ドラグニア)夜人(ナイトレア)巨人(ギガンティアン)も。

 

 あらゆる“人間”を、あらゆる文明を、あらゆる歴史を。

 いのちが栄えた全ての大地を、わけへだてなく。

 “魔物”たちが滅ぼしてしまったのです。

 

 創造神さまは嘆きました。

 どうしてこうなってしまったのだろう、どうして終わってしまったのだろう。

 

 やがて、創造神さまは、世界の真ん中に、大きな大きな穴を開けました。

 星の中心に届く、深い深い深淵、いずれ”奈落(マリス)”と呼ばれることになる空洞です。

 次に、世界を綺麗にするために、ありとあらゆるものを、洗い流すことにしました。

 

 大地を埋め尽くす“魔物”を、いつかの文明の名残を、歴史の残骸を、終わってしまったいのちたちを。

 全てのものが、持ち上げられた海の水によって、押し流されて”奈落(マリス)”の中へと飲み込まれていきました。《マリス・レーアの大洪水》です。

 

 やがて、なんにもなくなった大地の上で、創造神さまは考えました。

 次はきっと、“人間”のための世界になりますように。

 今度こそ、いのちの種を蒔き直した創造神さまは、“人間”たちに、二つの贈り物をしました。

 

 一つは、“技能《スキル》”。

 かつての“人間”たちが築き上げたものを記録していた創造神さまは、あたらしい“人間”たちの役に立つようにと、その文明を《技能樹(スキルツリー)》として与えてくださいました。

 

 そして、もう一つ。

 

 ”奈落(マリス)”は全ての悪いものを飲み込んでくれましたが、放っておけば、いつかまた溢れかえって、“人間”を滅ぼしてしまうでしょう。

 

 ですから、彼らが一度にあふれかえらぬように、世界の色んなところに、悪いものが少しずつ出てくるための出口を作りました。

 

 ”奈落(マリス)”の奥からやってくる“魔物”と、かつての“人間”の遺物が眠る場所。

それらは“迷宮《ダンジョン》”と呼ばれ、わたしたちの生活を、今も支えているのです。

 

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