《急成長》スキルから始まる異世界人の《技能樹(スキルツリー)》が何かおかしいんじゃが!? 作:天都ダム∈(・ω・)∋
◆
「ティイイイイイイイイイイイイイック!」
右腕が癒え、かろうじて動かせる様になったイツキが、名を呼びながら咆哮し――左手で構えていた刀を、思い切りぶん投げた。
「…………本当にお前は! 人使いが!」
傷を負っても、イツキは刀の柄に触れ続けていた。
それは即ち、己以外を扱う不届きな所有者を縛る呪い、《業炎剣カルマイド》の【炎熱付与】によって熱され続けていた、という意味であり。
《
空気すら焼くほどに赤熱した刃を、飛び出したティックが掴んだ。
柄を握ってすら、じゅう、と皮膚が焼ける音がする。
ティックは刀を使うためのスキルなど持っていないが……元より磨き上げられた刃だ。
「――――荒いな!」
“
無論、その間を埋める薄い膜ですら、金属の硬度に守られているが。
無尽蔵に赤熱した刃は、その甲殻を熱し、溶かし、ずぶりと皮膚まで入り込む。
『キイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!』
さすがの“
「ワーブ!」
「っ、伸びろ、
取っ組み合いから開放されたワーブは、名前を呼ばれただけで、すぐさま意図を把握し、
ティックの足を絡め取り、引っ張って、空中に投げ出す。
「これで終わりだぜ蟻のバケモン!」
仲間が無事に範囲からでたことを確認したイツキは――――。
癒やされた右腕を、高らかに伸ばし。
最後の力を込めて、振り下ろした。
「――――――鉄は電気を、良く通すんだぜぇええええっ!」
【雷槌】。
天から伸びる、光の一閃。
雷槌が、ティックが突き刺した刀目掛けて落ちる。
『ガッ、ギッ――――――』
《
『ギ、ギイイイイイイイイイイイイイ! ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!』
外と中、二箇所から浴びせられた電撃。
外殻全体に伝うエネルギーが、何度も体内で循環し続ける。
なまじ、種として強くなりすぎた――――皮膚、血管、臓器、細胞。あらゆる身体部位が金属の性質を持つが為に。
その連鎖反応は――いかな“
巨体がぐらりと傾いて、どしゃ、と崩れ落ちた。
中の肉まで焼かれたのだろう、焦げ臭さが漂い……それは今度こそ、戦いが終結したことを意味していた。
「へっ、ざまあみやがれ」
その場にペタン、と尻餅をついたイツキは、“
「――――今夜はこいつで、焼肉食べ放題だな!」
「嫌じゃ!」
「嫌です!」
「嫌だよ!」
「やったあ!」
四人が同時に叫んで、そのうち一人だけが、あれ? と首を傾げた。