ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩! 作:ニコラス―NICORUTH―
あれは嘘だ(大嘘)。
その前に1話挟みます。
ぬわぁぁあん疲れたもぉぉおおん!!
タドコロじゃないが、今はそう言いたい気分だ。最も、今はそんなことしてる場合じゃないが。
オレは絶賛、刀剣怪盗少女と斬り合っている。それもスタンドっぽいものことペルソナを呼び出しながら。まるでジ○ジョとブ○ーチ辺りが悪魔合体したみたいだぁ・・・
彼女はさっきからゴロゴロと雷を落としまくるわ昔懐かしの武やんの得物で斬り掛かってくるわ、仮想敵であったナザリックのNPCの一体二体は知らない所でとっくに死んでるわ、この世界への転移二日目にして情報量が過多になっていて、正直わけがわからなくなり始めているが確かなのは、
目の前で斬り合っているのは、口ぶりからしてうちのギルマスの女であろう、ていうかであること。
酒の席でもうっすら聞こえてたし、大方女のトラブルだと感じていたが、どうもおかしいと感じていた。
くどいようだがうちのギルマス、ルルはめちゃくちゃモテる。それでその手の経験も豊富。秦の始皇帝の度量とどこぞの国の反逆の王子さまの美貌を併せ持っているからな。
そんな彼が女から逃げるなんて考えられない。
よほどの事情があったのだろうと思ってみて、
蓋を開ければ、案の定というべきか、でてきたのはこの怪傑ゾロだか三銃士だかのコスプレみたいな格好をして、「 彼は何処? 」って言いながら土足で他所のギルドに突っ込んで刀を振り回す危険な女だったと。
多分バレンタインになにかあったんだろうな。
浮気、移り見、デートに遅刻どころか欠席と来れば、処したくなる気持ちは分かるが、実行に移す神経どうかしてると思う。どう見たってこの人地雷でしょ。
おっかなすぎるわ。それに危なっかしい。
こんなんアイツに近寄らせられるわけねぇだろ。
彼はオレの人生最高のマブダチなんだぞ?
それがアホみたいな女遊びで殺されてたまるか。
ということで、今現在オレ、あるじぇんとは親友を護るべく、こうしてペルソナ「 ランスロット 」をはじめ、ユグドラシルの位階魔法を駆使して、この化け物を相手取っているわけだな。
このペルソナは固有のスキルがあるらしく、これによってこいつとオレの装備した武器、というより武器として認定された物体は、スペックを保持したままオレに合うように「 最適化 」されるらしい。
つまりは、ランスロットをつけとる間、どんな武器でも装備できる、というわけだ。
あちらのペルソナは、「 源頼光 」。
平安時代の英雄の中でもかなり有名な武人で、あの金太郎こと坂田金時の後見人でもある。
成したのは、鬼の王酒呑童子、ならびにその配下や、土蜘蛛などの妖怪の類の討伐。
後世の作品においては、女性として描かれることがあったらしく、この女のペルソナの元はそれで間違いない。
この頼光は、多少伝承と異なる描かれ方をしたらしい。
多重人格者だったとか。牛頭天王の化身で、丑御前は弟じゃなくて別の人格っていう。
どこぞのゲーム好きな高校祭とか、もっと遡ればジキル博士のような、あんな感じだ。
多重人格の設定は良いと思うんだ。身体が化け物なら、ヤマタノオロチの血を引いてるとかっていわれてる鬼の頭領を策ありきとはいえ倒せるのも頷けるからな。
現代からチート能力貰って異世界転生してきましたよりはよっぽど筋が通ってる。
化け物には化け物ぶつけるんだよ、てな。
しっかし、女というのはいただけない。それもあんなナイスバディとは。
平安時代は男尊女卑だってのに、あんなんどうやって誤魔化すんだ。
女性説自体なら上杉謙信とかにもあるから別に構わんが、あんなにもボンキュッボンに描くと、その手の性癖にも見える。
それこそペロロン辺りが好きそうな。
アイツは胸は小さい方がいいらしいが。
きっと先人の中には、この頼光で致したペロロンの大先輩と呼ぶべき気持ち悪い連中が、数多くいることだろう。
オレは、御免だがな。
過度な女体化は、偉人への最大の不敬にも見えるだろうしな。
それはそうとこの女、一撃一撃がやたら重い。
ペルソナ使いの分以外は、純粋な前衛職ビルドなのか?
それに、あのペルソナのスキルなのだろう、雷を常時エンチャントしてるせいで、火力が爆上がりしてるってところか。
かち合う度に、痺れがこっちにも響いてくる。
相当な威力だろう。まともに受けたらと思うとゾッとする。
これをルルにぶち込もうと考えて乗り込んできたのなら、尚のこと通すわけにはいかない。
死んでも守り通すし、この雷も凌ぎきってみせる。
『 お~い、生きてるか〜! 』
「 バッチェ生きてんぜ? 」
『 あっそっかぁ。んじゃ、防御バフつけっから気張れ! 』
「 ありがとナス! 」
それに引き換えタソさんはいいよな。離れたとこからオレにバフ盛ったり、回復してくれたりするんだもの。
これは良い女。ギルマスは彼女とくっつくべきだろう。
少なくとも、目の前の他人を虫よばわりする奴よりはよっぽど良い。
「 しつこいよ、貴方? 」
「 申し訳ない。貴女の妨害が、オレの仕事なもんで。 」
「 だからさぁ、騙されてるんだってば。気づこうよ? 」
あいも変わらず、この女とは会話が成り立ってるようで成り立ってない。
彼女はルルがオレを騙しているといっている。確かにアイツはペテンが得意だ。
だが、それでも友情やらなんやら、青臭い者には報いてくれる。そんな信頼がある。
何辺もいうようだが、十年付き添った仲なのだ。
彼女より、あいつをよく知っている。
知った上で、付き合っているのさ。
「 騙されたから、殺す理由になると? 」
「 殺す?違うよ。責任取ってもらうだけ。 」
「 責任を取る。どんな風に。今の自分が危険な存在だと理解しているのか?
それこそ見え透いた嘘じゃないか。 」
「 嘘じゃないもん。 」
「 嘘だよぉぉ!?( RN ) 」
どう見たって殺す気で来てるじゃないか。
もうそのガンギまった顔、思いきり人殺しの目だぞ。
「 ほんっと腹立つね。 」
「 お前こそ、自身の言動が鼻につくものだと知れ。
・・・それと一ついいか? 」
「 なに? 」
彼女の半ばキレ気味の返事の後、オレはこう問うてみた。
そう、雄臭い匂いの漂う大事な所を指さして。
ワーウルフのタドコロならば、すぐに分かったのだろうが、ここまで強いといい加減オレでも気づく。
・・・たまってんなぁ、オイ。
「 生えてんだろ?おち○ぽ。 」
「 ・・・!? 」
冷え切っていた表情が、赤くなってんぜ?
この反応、イエスといっているようなものだ。
「 図星だな。なるほど、ギルマスが逃げた理由はそれか。 」
「 ・・・ 」
「 知ってるようなら悪い、いや、知ってても悪いが言わせてもらうとな、ルルはな、ふ○なりはダメなんだよ。
なんでも女は生えてねぇほうがいい、自分が攻めのほうがいい、て何回聞いたことか。
わがままなもんだよな。十年間ずっとこうだ。 」
「 ・・・ 」
「 あのバレンタインの日、アイツになにしようとしたんだ?
欲望のままに襲おうとしたんだろ? 」
「 ち、違う・・・ 」
『 嘘をついちょる!( レスリング ) 』
ここで容疑を否定する彼女に待ったをかけたのは、オレのバックアップをしてくれていたタソさんだ。
曰く、彼女はあの日、ルルと一緒にいたらしいから、なにがあったのかを知ってるはずだ。
「 タソさん、けつなあな確定でいいんだよな? 」
『 そうだよ(肯定)。あのバレンタイン、みんなで待ち合わせた時に、私以外の奴みんな責任取らせよう、ケツを攻めようって息巻いてたの聞いてたゾ!
断ろうものなら、無理やり襲うって! 』
『 あるじぇんと。 』
「 ルル。〈伝言〉か? 」
『 オレは彼女と、HALと付き合ってデートをしている時に、度々オレの尻への視線を感じていた。
女の胸を見る時と、似たような感じのものだ。
タソの証言は紛れもない事実だ。 』
「 女でねぇのによくわかんな? 」
『 それは言うな。とにかく、今は彼女を落ち着かせてくれ。オレは十四人ものふた○りに責められるなど御免だ。 身勝手なようだが、頼む。 』
「 任しとけよ、ギルマス・・・
だってさ。たとえ男相手でも、無理やりはイカンよな。
オレが言えたものじゃないけどな。 」
昨夜、オレはアウラを陵辱した。アレはアレで最低なクズだったが、それでも端からみれば、最悪な行為だ。だから、オレが彼女を否定する権利とやらはないのかもしれない。
だからオレは彼女を否定はしない。
アイツのもとに通さないだけだ。
誰かを守るのに、権利やらなんやらが必要なものか。
「 だったらなに?私をレイパーとかなんとかって言いたいの!? 」
「 違う。アイツから手を引け、それかもう少し待てと言いたいんだ。 」
「 待ってなんになるの!? 」
凄まじい形相とともにこう、なんといえばいいか、覇気が彼女、HALさんから放たれる。
かなり凄みを利かせているらしいが、それでも怯むわけにはいかない。
彼女がひとまず、落ち着いて話をするという選択に至るか、この場を立ち去るまでは。
「 だから、落ち着きなさいよ。
そうやって、彼が悪い彼が悪いとばかり・・・ 」
「 うるさい! 」
鬼気迫る剣幕とともにオレに斬りかかるHALさん。そんなオレと彼女の間に、割って入る影が一つ。
それは昨日も見た、緑衣の女。
数年もの間握り、振るい続けた名刀で、斬神刀皇を受け止め、それを力強く弾いてみせた。
「 ヨーム・・・! 」
「 ようやっと入り込めましたよ!
さっきから聞いていれば貴女!自分のことばっかじゃないですか! 」
「 自分のことでここにきたんだけど? 」
「 責任を取らせたいなら、まず最低限それらしい態度を見せるべきでしょう?なのになんですか、責任取れ責任とれと口では言いながら、やってることは破壊魔まがいの八つ当たりではないですか! 」
「 そうだぜ(肯定)。そもそも恋愛ってのは、相手と思い合うからこそ成立するんだぜ?
身体お目当てで逃げられたらそれまでだと割り振れよ。
言うようで悪いがな、どうせアイツだって、15人も一度に誑かすろくでなしなんだ。 」
「 マリッサ、いたのか? 」
「 いたよ。ていうか気づけよ!? 」
「 これ以上暴れるのはやめてください!このシモキタザワは、貴女とは関係ないじゃないですか! 」
「 あるよ。彼、いるんでしょ? 」
「 他が割を食うんだよ。こっちだって、穏便に済ませてほしいんだし、だからコイツも暴れんなっていってんだろ。
端から見ても今のお前はアイツに会うべきじゃない。
こうなるくらいなら別の人探せ。 」
「 ・・・他の人なんてどうでもいいよ。 」
二人もオレに加勢してくれるようだが、ダメだ。話よっぽどルルに脳を焼かれているらしい。
まったく引いてくれない。
「 彼以外、いらない。彼しか愛せないの。
他の男なんて彼に比べれば俗物だよ。
・・・ねぇ、ルルくん。どうしてでてきてくれないの?
ねぇ・・・ねぇ!! 」
これは不味い。さらに病んでしまったな。
これはもう、平和的解決は無理かもしれない( 絶望 )。
「 ああ、そっかぁ(察し)。
・・・こいつらが死ねば、いい加減でてくるか。
じゃあお友だち全員殺したげる! 」
「 だからこっちの話を・・・ 」
「 うるさい! 」
「 聞きなさい!! 」
HALさんの斬撃のタイミングに合わせて、ヨームは再び刀を返してこれを弾く。
そこから怒涛の連撃に繋げていく。
「 人間の、屑龍閃!! 」
彼女が得意とするカウンター技。スキルではなく、プレイヤーの技能。相手の攻撃を弾いて、それを起点に目にも留まらぬ九度の斬撃を喰らわせる、シンプルながらも使い手を選ぶ技だ。
確か、元ネタは流浪人の話、だったか?
これをPVPでの前衛職同士の斬り合いで使うものが結構いたのを覚えている。
うちのギルドの前衛職とか、それこそ今みたいにヨームもよくこれを使っていた。
ただ、このように、ステータスとして速度を要するので、武やんみたいな動きの遅い前衛が使うには向いていなかったらしく、前にタドコロもそんなことを言っていた。
ちなみに、これの正式名称はヨームの叫んだ通りそのまま「 人間の屑龍閃 」で、名付け親は人間の屑と付いてるから誤解されることも掲示板なんかで多かったが、ユグドラシル屈指の淫夢厨であったタドコロではない。
他の誰かの命名がそのまま広まって定着したらしい。
確か、ギルドランキング5位の、天空都市のとこのプレイヤーだったかな?あれ生み出したの。
ともあれ、その九つの一閃は、HALの肉を引き裂き、その華奢な身体から、赤い血を噴き出させて、地に沈め、同時にペルソナも消滅した。
「 どうですか。少しは頭は冷えましたか? 」
「 ・・・ 」
刀を握ったまま、ヨームは彼女に語りかける。斬り裂かれたその身体からは鮮血が流れ、その眼は心身の疲労故か純粋にダメージ故か、光が消えている。
俗にいう、レイプ目というやつだ。
「 もう少し、考える余地があるんじゃないですか?
動機がどうかも、貴女がどうしたいかもわかりませんが、仕返しをしたところで、碌なことにはなりませんよ。
ここは、ゲームの世界じゃないんですから。 」
「 ・・・ 」
女は答えない。その赤い花のど真ん中で倒れる様は、何処か儚げで、ある程度は、あいつの中身も好きになっていたのだろうことを悟らせる。
その胸中は、やはりギルマスへの思いで一杯一杯だろう。
そして、何故自分が拒絶されるのか、こんな目に遭うのだ、という疑問も、きっとあるだろう。
「 ヨームの言うとおりだよ。あいつへの好意は本物なのかどうかは定かじゃないが、頭を冷やすべきだぜ? 」
「 マリッサ、〈 伝言 〉使えるか? 」
『 いやいいよ。私が伝えっから。 』
「 ありがとタソさん。 」
戦闘のサポートをしてくれたギルマスの女に礼を言い、オレは血塗れの女に近寄り始める。
「 ・・・近寄んないでよ。 」
「 まだ話せる元気があるんだな。 」
「 だから近寄んないで。 」
「 そういうわけにはいかない。そのままにしておけないからな。 」
「 私になにするの? 」
「 介抱するんだよ。 」
「 彼じゃなきゃ嫌。 」
「 身体で選んだ男の癖に、よくまぁそこまで到れるものだ。 」
「 貴方に、なにが解るの? 」
「 お前こそ、なにがわかる? 」
「 触らないでよ。近寄りもしないで。そんな下賤な目で私を見ないでよ。 」
こいつ、いいとこのお嬢様か?ぶくぶく茶釜だってここまでいわなかったぞ。
まぁ、ギルマスも身体で遊んだんだろうな。
「 貴方なんてね、彼に比べれば、下の下の下だよ。
男として三流以下。 」
「 私は彼が大好きなの。貴方にはそんな人、いる?いないよね。 」
「 ルルくん、こんなに思ってるのに、どうして会ってくれないの?
ねぇ?どうして?どうして?
・・・どうしてどうしてどうしてどうして!? 」
そのまま、感情のままに、女は立ってみせた。
なるほど。色欲もここまでくれば大したものだ。伊達に5大欲求の一つではないらしい。
オレも、それを食い扶持に生きてきたたちだしな。
「 正直、ドン引きだぜ、アタシ?ここまで熱あげるのはわかるがさ、なんでそんな相手を殺そうとするんだ? 」
「 私はよくわかりませんけど、可愛さ相まって憎さ百倍って奴じゃないですかね?
だからってやり過ぎだと思いますが。
・・・! 」
「 どうした、ヨーム? 」
「 感じるか、お前も。 」
ヨームはこういうのに、酷く敏感だ。ユグドラシルの前衛職がリアルな身体能力を要求するからか、彼女は居合いを心得ているらしいが、それ故に、そんな感性、いってしまえば直感が冴え渡るのだろう。
だから、今目の前の血染めのHALさんが漂わせる、悍ましいオーラにも気づくことができる。
オレはどうかって?なんとなくだが感じ取れる。
「 なにをどう感じるんだよ? 」
「 ・・・思い返せば、おかしいと感じるところが多かった。彼女はルルさんに会うために、どう知ったかはわかりませんが、このシモキタザワに来た。 」
「 それでお前は、それを止める為に出張ったんだよな? 」
「 そうだ。だが彼女は尚も暴れた。ただただ彼をだせ彼をだせってな。 」
「 でも、冷静になれば、他に人がいる、その人が止まれといえば、ひとまず暴れるのはやめる筈なんです。
ここにルルさん以外のプレイヤーがいるのなら、他にもいるはずで、それ以上暴れるのなら、複数人に囲まれて取り押さえられることくらい、あんなんでもわかります。 」
「 そっか。あいつだって、ユグドラシルのプレイヤーなんだもんな。PVPで複数を相手取るのは自分が不利になることくらい、知ってるはずなんだ。 」
「 現にお前ら二人来たもんな。でも、依然彼女は、ルルをだせとばかりいっている。雰囲気も、中身は同じ人間であるはずなのに、化け物みたいに感じた。 」
「 それで、思い当たるものがあるんですよ。 」
「 それってもしかして・・・ 」
「 ペルソナです。 」
ヨームのその一言の直後、HALさんの身体から、おどろおどろしい力が溢れ出る。
色で表せばそれは、心の平穏を意味する青ではなく、禍々しい、赤だった。
『 当たってっかもしんないぜそれ?HALのバイタルがヤバいことになってる!勿論逆の意味で! 』
「 ルルくん。ルルくん、ルルくん・・・ 」
「 会いたいよぉ、会いたいよぉ・・・ 」
「 どうして会ってくれないの?
どうして?
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!? 」
HALさんの悲痛な声とともにそれは確かに聴こえた。
『 憐れな娘よ。男に泣かされ、虫に泣かされた娘よ。
分かりますよ、貴女がなにを望むのか。
・・・ご命令とあれば、母は鬼になります。 』
これは、彼女のペルソナの意思だった。
その直後、HALさんの仮面から、黒い涙のようなものが流れ、彼女の身体に広がっていく。
なんだ?なにが起こっている?
「 なんだなんだ? 」
「 昨日、私たちはこの世界で初めて戦闘を行った。その時、私は自分のペルソナの声を聞きました。
つまりペルソナも、自分の力として実体化している。 」
「 オレもさっき聴いた。それがどうし・・・! 」
この時、オレは察する。そうか、そういうことか。
うちのギルドの考察班、烈怒さんやスネークさんではないが、あの二人ならば、きっとこういうだろう。
「 HALさんは、ペルソナに乗っ取られている。 」
あの異常な精神状態は、それならば合点がいく。
そうして彼女の身にヤバいことが起きていることにオレたちが気づいた一方で、HALさん、いや、彼女であったものがオレたちの前に、佇んでいた。
不味いな。さっきよりもヤバいオーラがぷんぷんする。
ただの恋愛トラブルの対処のはずが、エライことになったな。
『 表にでてみれば、虫が三匹ですか? 』
その透き通るような、それでいて響き渡るような、声からして、彼女はHALさんではないと分かる。
髪型や姿形は彼女のまま。だが、その肌は薄黒く、その額には第三の目が発現してオレたちを見つめている。
桃色の髪は白く染まり、そしてそこからは、角のようななにかが現れていた。
服装もなんだか童貞を殺すセーターみたいになり、腿に装備された装甲には、巨大な腕型のユニットが取り付けられている。
そしてその手には、変わらずあの武やんの愛刀が握られている。
恐らくだが、あんなもの、ユグドラシルには存在しない。
ペルソナが実体化したことで発生した、なにかだ。
それが、彼女を呑み込んだ。
「 お前は誰だ?HALさんを何処にやった!? 」
『 フフフ、これから壊される虫どもに、名を名乗るというのは憚られるところですが、良いでしょう。
我が名は、丑御前。
我が現身は、我が身のうちに。
男が恋しいと啜り泣いていますよ。 』
「 何っ!? 」
それからでてきた名は、意外、いや、それでいて十分あり得るものだった。
丑御前。源頼光の弟。手のつけられない暴れ者で、兄によって討伐されたが、こっちの方は別人格という解釈。
ギルマスがペルソナは進化することもある、といっていたのを覚えているが、それとも違うようだ。
あの丑御前は、ペルソナのようで別のナニカとして現れている。そんな感じがする。
『 まことに申し訳ありません、いえ、やはり虫にそう感じるのも野暮ですが、消えてもらいましょう。
―――左様。どうせこの世は地獄なれば。 』
HALさん、いや、丑御前の背後からそれは現れ、彼女は宙に浮かんでいく。
『 これは・・・テウルギア!? 』
「 ペルソナの必殺技!? 」
「 あんなんユグドラシルの規模を超えています! 」
ビルなど比べるまでもなく、恐ろしく巨大な、黒い怪異。金の装飾のついた、六脚。
『 矮小十把、塵芥になるがいい! 』
牛とも蜘蛛ともつかぬそれは、片脚を挙げている。
その蹄でもって、オレたちを踏み潰すつもりだ。
まさに、道中のアリを、芋虫を踏みつけるように。
あんなもの、まともに受けようなんて到底思えない。
『 Escaaaaaaape!! 』
ランスロットが、もう一人のオレが『 逃げろ 』と叫ぶ。今この場には、考える余地など、ない。
「 二人ともオレに引っ付け!
〈
『
刹那、シモキタザワの街並みは、破壊された。
突如現れた異業の怪獣の、その一踏によって。
突風はビルを容赦無く薙ぎ倒し、雷は大地を焼き払う。
『 フハハハハ、ハハハハハッ!! 』
蹂躙されゆく灼熱都市。その女怪、男恋しさと色欲に狂った女の成れ果てが嗤う声が、木霊すばかりである。
女のヒステリーって怖いなぁとづまりすとこ。
でもここまで来てしまうとfgoタグも欲しい・・・欲しくない?