ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩! 作:ニコラス―NICORUTH―
その後、オレたちは、シモキタザワの居住区、主に来賓のプレイヤーを迎え入れたり、ギルメンの部屋がある宿舎が建ってたりするエリアに行き、今いるメンバーを数えたりしていた。概ねサービス終了前に来ていたプレイヤーは全員いて、誰かが消えたとかということはなかった。
その他にも、ユグドラシルとまるで違っていた点が目立っていた。
その一つは、さっきいってたように、表情が動くということ。そして五感を感じられるということだった。
ゲームの中では味覚と嗅覚が制限されていた。
これは電脳法という法律に基づく仕様だ。
嗅覚に関してはさっきKMRがタクヤさんを焼いたといっていたときに焦げた香りを嗅げたので確認済み。
そして味覚は、
「 うわっ、きったないわね!? 」
自分の腕を舐めた。すげぇしょっぱく感じた。これでこの世界では五感を自由に感じられるという事実が明らかになった。
これらからするに、これはゲームではない。確実に現実に起きている出来事だ。
「 タドコロ! 」
オレの呼ぶ声と、空からの降り立つドラゴン。背に乗っているのは外を見てきてほしいと頼んでいたあるじぇんとだ。
「 どうだった? 」
「 まるで違う場所だ。ムスペルヘイムは灼熱地獄みたいな世界だったが、ここはそれとは違う。この外は平野だ。
プレイヤーらしき存在も見当たらない。 」
「 ということは、オラたちはシモキタザワごとこの未知の世界に飛ばされてきた、てことかゾ? 」
「 そう、ですねぇ。やっぱりこれは王道を往く、
異世界転生すかねぇ! 」
オラワクワクすっぞ( 悟空さ )。異世界転生っつったらよ、何かしらチート特典が貰えて、チート無双してハーレム侍らせれるってそれ一番いわれてるから。
「 この場合、転生じゃなくて、転移じゃないか?私らトラックに撥ねられたわけじゃないんだぜ? 」
あ、そっかぁ。そこんとこオレニワカっすね。21世紀にはこういうどっか別の世界に飛ばされる異世界転生ものなんてのが流行っていた。んだが、あれと違うのは、オレたちは明確に死んでこっちで生まれ直されたとかってわけじゃないんだよな。
花火見ながらサービス終了する瞬間を待ってたら、別の世界に来ていた、てところすね。
確かに転生じゃなくて、異世界転移すね。
「 そうだよ( 肯定 )。だがログアウトできず、この姿のままこっちに来たってことはオラたちの元の身体はどうなってるゾ? 」
「 どうなってるかはどうでもいいわ。どうせあっちは碌な世界じゃないもの。 」
「 だよなぁ。私は婚期逃したしさ。 」
「 オラもゾ。KMRァ、お前はどうだ? 」
「 僕も、良縁には恵まれませんね。タクヤさんは? 」
「 ウッス。オレは元々男の方にしか興味ねぇからよ。そんなものとはハナから無縁さ。・・・ん?タドコロ、どうした? 」
「 いや、あれみて下さいよ。 」
オレはある場所を指さした。その先には、頑強な鎧に身を包んだ少女の姿。
なのだが・・・
「 イキスギ!イクイク!ンアー!枕がデカすぎます! 」
それを見たレイムは思わず叫んでいた。
「 アリス!やめなさい!淫夢ごっこは恥ずかしいのよ!! 」
「 お、大丈夫ですか?大丈夫ですか?バッチェ冷えてますよ。シモキタザワで淫夢ごっこは流行ってるってはっきりわかんだね。 」
オレたちは驚いた。なぜなら彼女たちはNPC。拠点防衛の為に創られたNonPlayerCharacterであり、プレイヤーのアバターと違って中の人がいないからだ。
それがオレたちと同じように口を動かし、自分の意思で動いて、こうしてそこにデカい枕があるように仰向けにねそべっている。AIにしては、挙動言動が自然だ。
これが、シンギュラリティですか?
「 たまげたなぁ。 」
「 勝手にたまげてろといえないですね。 」
「 ど、どういうことよ!?もしかしてNPCが自我を持ったってこと!? 」
「 見た感じ、そうなるな。おい、そこのNPC。 」
あるじぇんとに呼ばれて、淫夢ごっこをしていた異形種NPCが、さっと立ち上がってこちらに来た。
「 お前、名前と職業をいえるか? 」
「 アリスは魔王ではありません。勇者です。勇者なので、皆さんの盾になれます。 」
この黒いサイドポニーの少女はアリス。本当は世界を滅ぼせるやべーやつなんだが、どういうわけかホモガキと化した自動人形、という設定のNPC。
職業はブレイブ・パラディン。聖騎士の上位職業のうち一つで、本人の言う通り、いわゆるタンクのポジションを担う。
このパラディンっていうのはタンク職の中ではけっこう万能よりな職業で、専用の補助魔法とか矢を跳ね返すスキルなんかも使えるんだよなぁ。
確かに口は動いているし、自分がなんなのかもばっちぇ認識している。
ということは・・・
「 NPCが、実体化した・・・!? 」
「 ・・・!おいKMRァ!今いるNPCを各自チェックするゾ。タクヤさん、蓮さんと平野さん、その他今いる迫真ユグドラシル部メンバーにも手伝うよう、伝達お願いするゾ! 」
「 わかりました。 」
「 ウッス! 」
指示を受けた二人はKMRのだした〈 転移門 〉の中に消えていった。これは転移魔法の中でも最上位の魔法だ。
みたところユグドラシルでのそれと大差はないようで、問題なく使用可能らしいっすね。
「 ちょっとMUR、なんで急にそんな切羽詰まったみたいになってるのよ? 」
「 NPCが自我を持った。ということは誰か裏切る可能性がでてくるからだゾ。ここにいるアリスは設定通りの人格のようだが、なにせさっきこの世界に来たんだ。他もこうかどうかはわからないゾ。早期に全部見ておかないと、最悪な事態が予想されるゾ。 」
MURこういう時に特に頭の回転速いっすね。このシモキタザワは3000レベル分NPCがいるんだが、そいつらみんな同じように自我が芽生えている可能性がありますあります。ただ、そいつらがアリスと同じように、設定欄や属性まんまの性格になるかどうかは現状わからないので、今こうして焦りながらも、それの確認をギルドぐるみで行うということにしたんですねぇ。
居住区とは別の区画にもNPCはいる。なので、MURはんたちはシモキタザワを回ることになりますね。
「 タドコロ、お前も頼むぞ。 」
「 ん、おかのした。 」
「 ちょっと待ちなさい。 」
「 ん? 」
「 あるじぇんと、あんたヨームはどうしたのよ? 」
レイムの指摘できづいたが、そういえばいないっすね。とすればヨームさんも同じく外に出ていたのか。
「 オレとは別の方向を見に行ったんだ。歩きだしそんなに遠くには行ってないと思うが、気になるし探してくる。ここは現状、なにが起こるかわからんからな。このシモキタザワとは別に、転移してきたギルドもあるかもしれないし。 」
「 んじゃ私も連れてってくれよ。 」
あるじぇんとに同行するメンバーとして名乗りを挙げたのは、マリッサさんだった。
まぁ、未知の世界というのには人一倍以上に興味ありそうだし、多少はね?
「 ついさっきいったばっかだけど、なにが起こるかわからないからな。いざって時は自分の身は自分で守れよ、普通の魔法使い。 」
「 大丈夫だって安心しろぉ!?伊達に数年もユグドラシルやってた訳じゃないんだよ。 」
「 そうか、んじゃコイツに乗れ。KMRさんが撃てたのをみるに魔法は使えるみたいだが、なるべくMP消費は抑えたいだろ? 」
「 よっしゃ! 」
マリッサは嬉々としてドラゴンの背に乗った。
「 それじゃ、行ってくる。 」
「 気をつけるゾ。 」
大翼で羽ばたくその様に、生命の力強さ、感じるんでしたよね?そのリアリティを見るに、モンスターも実体を得ているみたいっすね。
オレもあとで、魔獣たちをみてやるか。
「 それじゃ、外のことはあるじぇんとたちに任せて、NPCの確認、しますよ。するする・・・ 」
「 アリス、この区域にいるNPC、どう、集まりそう? 」
「 ウッス!おまかせください! 」
アリスは、目も眩みそうな笑顔で会釈した。この笑顔、やっぱり作り物には見えないです。
ユグドラシルからこ↑こ↓に飛ばされたことで、心を得たということか。
ゲームのキャラとは思えないほどに、なんか現実的。
これはMURもヤバいってなるのは無理もないです。
「 よくぞ来た。我が
「 ( いら )ないです。 」
んで、アリスに呼んできてもらったのが、コイツ。王冠被っていて常に険しい表情をしたオッサンだ。
こいつはオレが作ったNPCだ。
こいつのことは、オレがよく知っている。子種がどうとかっていってるが、ユグドラシルはスタッフがあくまでテーマの「 未知の探求 」をしてほしかったからか、その手のヤツ( 意味深 )には厳しく、そういう性的な真似をすれば、BANされる可能性だってあった。
のだが、オレはネタや性能の両立を追求し、検討に検討を重ねた結果、こんなキャラになった。
権力にものいわせる、半裸にマントの裸の王様みたいな種付けおじさんである。
当時は若く、自我に目覚めるとは思ってもなかったんだよなぁ。
どうやらオレのことはわかるらしいので、次はどこまで設定通りなのかを見ていくか。
「 自分のことをいってみて、どうぞ。 」
「 よかろう。我が名は、子種王メタモン。そなたに生み出されし者。ドルイドを修めている。 」
おお、よくわかってるじゃない。子種王メタモン。こいつの名前はそういうのだ。
何故メタモンなのか?なんか好きなんだよなぁ、あまりポケモン知らねぇけどよ。
その昔、野獣先輩には、その正体についてたくさんの新説が囁かれてたんだよなぁ。その一つが、メタモンだったというのもあるのかもな。でもぶっちゃけ可愛いダルルォメタモン?あの昔のギルメンのヘロヘロをデフォルメしたみたいな見た目に、あのつぶらな瞳がプリティー、エロい!
なんにでもなれるっていう唯一無二の個性も光るんだよな。
同じくらいすこなのは、なんだったかな、あのマッシブなオタマジャクシみたいなやつ・・・
あぁ、そうだ。ニョロボンすね。
この子種おじさんに話を戻すか。こいつは自分の名前とビルドを認知してるのは、わかりますね。んじゃ、設定の方はどうかな?NPCは自由にデザインを考えられる他、設定欄にあれこれ書き込めるんすよね。
タブラは結構重要なポジションの奴を、ビッチにしてたが。
当然、オレもこの子種王にそれに負けず劣らぬやべー設定をぶち込んでる。それをこいつは覚えていてくれてるか。
まぁ、アリスの反応や、こいつ自身の言動をみるに、そのままだろうけど、ま、一応はね?
「 お前は自分がどんなやつかわかるか? 」
「 余は、子種王。親しきもの、尊きもの、戦にて功をあげしもの、強き者、特に幼男子に子種をくれてやるのが定め・・・! 」
あぁ、やっぱりそのままみたいっすね。
なにかを感じたような反応を、オレのNPCは示す。
「 どうした、子種王? 」
「 近くに、強き者がいる。子種をくれてやらねば。 」
強き者?あるじぇんとたちのことかな?
・・・いや、違うな。おそらく敵が、近くにいる。
もしやとは思っていたが、この世界に転移してきたのは、オレたちだけじゃないらしいな。
ならば、あるじぇんとやヨームさんが危ない。この世界がどこまでユグドラシルと同じかはわからない以上は、どんなやべーやつがでてくるかわからないです。
しっかし子種王はよく感じ取れますね。探索特化の職業スキルは積んでなかったはずなんだけどなぁ。
「 抜け駆けはいかんよ、子種王。 」
小種王と同じ気配を感じてか、オレの横から、渋かっこいい感じの軍服のオッサンが歩いてくる。
その嗄れながらも虎みたいな顔からは、凄まじい威圧感を感じさせ、全身からは、強者であるがゆえの"覇気"を醸し出している。
こんな見た目だが、名前と設定はやはり巫山戯ていた。
オレの仲間がよ、子種王に便乗して、他のNPCも似たようなのにしちゃったんだよなぁ・・・
アリスも淫夢厨だしよ。むしろあの娘はまともな部類まであるかもしれない可能性が、微粒子レベルで存在してますね。
他にもヤバい設定盛り込んだのばかりで、あの大墳墓とかだったら作り直しになりかねないのばっかだってそれ一番いわれてるから。他のギルドにはこういうのが、一定数いるって聞いてるけどな。
そんなこいつらだけどよ、正直ギルドの防衛力としては、古巣の大墳墓よりも高いし、あそこのNPCよりも強いってそれ一番いわれてるから。
だってあそこ、レベル1のメイドとかにもリソース割いてたしよ。
「 アナルアサシン大総統・・・! 」
この子種王の呼んだ名前こそ、このNPCの名称だ。いつ聞いても、この世の終わりみたいな名前っすね。ま、いいけどよ。近接戦闘を得意とするビルドが組まれていて、動きも俊敏な軽戦士。
そして、その名の通り、
「 私もその者に、子種を授与せねば・・・! 」
変態だ。変態郵便屋ならぬ、変態大総統だ。こんなにダンディな見た目が、この一言で台無しになってしまう。
これもうわかんねぇな。
しかし、大総統もビンビンになにかを感じている。
これはますますヤバいかもしれない。ヤヴァいヤヴァい・・・
「 ほう。では、そなたも参るか。 」
「 そうしたいが、歩いていくのも芸がないことだ。ここは君の背中を借りたいが、どうだね? 」
「 構わん。余の後ろをくれてやろう。 」
そう言って子種王は後ろを向いて、その背に大総統をおぶった。オッサンがオッサンをおんぶしてるとか絵面がもう絶望的なんだよなぁ・・・
「 〈 ウッドランド・ストライド 〉! 」
特にドルイドの覚える転移魔法。子種王は大総統ごと飛翔し、どこぞの方向に飛んでいった。
「 あの方角、あるじぇんととマリッサさんの行った所じゃないかゾ? 」
「 とすると、やっぱりヤバいのと出くわした可能性がありますあります。 」
「 じゃあ助けに行かなきゃ・・・(使命感) 」
「 あ、おい、待てい!(江戸っ子) 」
「 ん? 」
「 迂闊に動くのは不味いゾ。ここがどこで、なにがあるのかよくわからない以上、慎重に行動するべきゾ。
まずは、これゾ。中に込められてるのは、〈
そう言ってMURが手渡したのは、包まれた羊皮紙だった。スクロールというアイテムっすね。
色々制約があったりするが、これに魔法を封じ込めて、好きなタイミングでMP消費なしに使える。
自分の覚えてない魔法も、これでなら使えたりしますねぇ!
あるじぇんとたちがヤヴァいかもしれないということで、忘れかけてたが、こ↑こ↓はオレたちにとって、未知のエリア♂( レスリング )なんだよなぁ。
下手に動けば、手痛いしっぺ返しを喰らう可能性が、ありますねぇ!
であれば、少しでも状況を把握しておいたほうが良いのはなおさら。
「 MUR偉いっすね。 」
「 いやぁ、それほどでもない( SNNSK )。それよりも早くシルルォ!? 」
「 いきますよ〜イクイク。〈
そして、このスクロールの魔法は、離れた位置の風景を見ることができる、優れ物ですね。
ユグドラシルじゃあ、買い物の時間帯なんかをみるのに使われてたり使われなかったりした。
PVPとかでも使われてたり使われなかったりしてた。
というのも、その手のことは、探知特化のビルドしたプレイヤーとかがやってるのが主だった上、これだけだと見られているのが、
「 貴様、見ているな!( DIO ) 」
「 NBTさんのエッチー!( SZKちゃん ) 」
とバレることが多かったので、色々面倒な名前の魔法を複数個使ってバレる可能性を薄めるのが主流だった。
ただ、これ一つだけで、相手の状況がわかるのも事実だったので、使用者も一定数おりますねぇ!
つまり、これの方がお手軽なのは確かなんだよな。
実際見るだけなら、これで足りる。
今もそう。オレたちはあるじぇんとのヤツがなにに出くわしたのか、子種王や大総統がなにを感じとったのかわからない。だからこれでその正体を明らかにする。
さて、鏡よ鏡。オレの友だちが、仲間がどうなってるのか見せて、どうぞ。
んで、いざ見えた時の感想はというと・・・
「 これもうわかんねぇな。 」
「 ポッチャマ・・・ 」
唖然とするしかなかったんだよな。
色々とカオスの様相が強スギィてな。
あいつら、ダークエルフっぽい色黒の金髪のロリショタと戦い、いや、あれを戦いといっていいんすかね。
なにせ相手がビーストテイマーらしき魔獣を連れた少年?に、内気っぽいドルイドの、見た目的に、双子すかね?
ビーストテイマーの方が、
に対して、あるじぇんと側は5人もいる。
早期に切り札の一つ、〈 ドラゴラム 〉を発動してキングギドラみてぇなドラゴンと化したあるじぇんとと、そんなドラゴニックな彼の連れのドラゴンたちが魔獣の群れごとテイマーを蹂躙し、子種王の呼んだエレメンタルを盾にして、ヨームさんのペルソナと剣術、大総統の剣閃が、ドルイドを切り刻んでいる。
さらにそこにマリッサさんもペルソナ発動、と思いっきりこっちが優勢なんだよなぁ。
これもうわかんねぇな( ホモは二度刺す )。
しかし、あのダークエルフ、どっかでみたことがありますねぇ。
うーん、確か、ナザリックで・・・