ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩! 作:ニコラス―NICORUTH―
エルフ王国。八欲王の息子にあたる人物によって興され大陸の中でも西側の、エイヴァーシャ大森林に位置するこの国が、大きな変革を迎えたのは、つい最近のこと。
それまでの王、デケム・ホウガンは、通りがかったある人物により崩御し、人々はその圧政と、歪んだ思想野望から解き放たれた。
それ以降は目覚ましい発展を遂げており、領土とともに勢力を増しつつある。
そんなこの国の首都。かつてデケムが暮らしていた巨木
・・・を撤去して新たに建てられた、同国には珍しい、石造りの西洋風の王城。
エルフたちは巨木に居を構える生態を有するのに、何故郷にならって郷に従わずにわざわざこのような城を建てたのか。
それは、この国の過去との決別の為である。
デケムはエルフを最強の種と証明すべく片っ端からエルフの女に子を産ませ、功をあげれば、その子とすらも交わろうとまでした。
抗おうにも仮にもプレイヤーの血を引く先王は、並のエルフを優に超えた力を持つ故に、誰一人として彼に逆らえなかった。
故にそんなエルフ王国の血と精液臭い汁の混じったような歴史を払拭するべく、彼の居城の一部は盛大に燃やされ、残りは別途使用方法に
そんな新王城の綺羅びやかな装飾に彩られた一室にて。
「 おお、スゲーなぁーッ!( A○男優 )
まだまだ元気じゃんね。 」
「 あったりまえよ!あのバカな愚民どもの相手やら石高管理やらをしていて、溜まってたんだから! 」
「 竜ちゃんすっかり女になっちゃってえ・・・昔が懐かしいよ。名実ともにクソビッチだ。 」
「 昔っていつのこと?河川敷でAV拾ってオカズにしてた時? 」
「 二人でアーコロジーの街中歩いてたら、突然爆乳のエロエロなねぇちゃんが裸晒してオッパイ見せてきた時じゃんね。
あの時さぁ、二人してスゲェ白いオシッコだしたの。 」
「 よく覚えてるわね、そんなこと。 」
「 目茶苦茶印象に残ったもんあの時のこと。寧ろそんなに覚えてない竜ちゃんの方が可笑しいって。 」
「 十数年くらい前の話でしょそんなの。覚えてないわよ。 」
暗がりの部屋の中、ファンタジーのアニメやら映画にはよくでてくる、四角に赤いカーテンの引かれた見るからに豪華なベッドの上、女が二人、ギシギシとナニかをしている。
麗しい胸のデカい女が、別の女、いやこの様子だと男だろうか、その上で上下に乱高下しているのが、カーテン越しに確認できる。
お楽しみのご様子のようだ。
石高という言葉がでた通り、この女はこの国のトップと呼ぶべき存在だ。
ある人物から、このエルフ王国の管理者の座を継いだ彼女は、常日頃国家運営の業務に追われていた。
その一つが、土地ごとに作物の採れる量を測量するというもの。
かつての安土桃山末期に差し掛かった頃に、豊臣秀吉が行った制度を参考にしている。
エルフ王国の国民の中には、当然のことながら農家も含まれる。デケムが阿呆みたいな量を年貢として分捕っていたであろうことくらいは想像につくので、一定の量を全体に定めるのではなく、土地ごとに採れる量を計算して決めるということにした。
これが経済回復の成果をだし、国全体に経済的余裕を持たせるにまで至っている。
といっても、この中世ヨーロッパじみた世界観では、米などあろう筈もない。その為、この測量の対象は主食である麦や野菜、果物類である。
その他にも書類仕事の激務に追われ、彼女が愚民と呼ぶエルフたちの起こした諸々のトラブルへの対処。さらにはあの大墳墓や他国の勢力をも警戒しなければならない。
そんな日々を送れば、色々と溜まってしまうのも無理はない。
鬱憤、ストレス、アドレナリン、そして性欲諸々。
それで合間にこうして発散することが多くなってきていた。
その多くは、他者との姦淫であるが。
英雄色を好むとはいったものだが、それが男だけとは限らないわけである。
お相手は多岐に渡った。屈強な戦士。聡明なる魔法詠唱者。不法入国の後に捕らえられた他国の冒険者。
もはや滅びたも同然の他国の兵士。
様々な相手と身体を重ね、交わってきた。
性欲ならびストレスの解消に。
今回のお相手は、古い仲である友人だ。
エルフ王国に来た当初、まさか彼に会えるなどとは、女は思ってもみなかった。
まさか、ホモの団傘下の呪術師ギルドが来ていたとは思いもよらなかったのだ。
このギルドとは、ギルドマスターとあと一人、女性のプレイヤーぐらいとしか関わってはいなかった。
だから、この幼馴染みがユグドラシルを始めたと聞かされてはいても、このギルドにいるとは思いもよらなかったのだ。
しかしこうしてまた巡り会ったのも、運命か何かなのだろうか。
相性もそこそこ良く、ネクロフィリアの気があるはずの彼も、酷く感じているようだ。先ほどから、胸の高鳴りが収まっていない。
既に夕べから13回ほどしているのだが。
生涯の良きパートナーにだってなれるだろう。
彼がゾンビでなければ。
部屋中になにかを打ちつける音が鳴っている。余人がいたならば、ベッドのカーテンの奥でなにが起こっているのか一目瞭然だろう。それくらいに激しい逢瀬の真っ最中であると。
そして、多くの者は気まずさ故に、なにも言わずにその場を立ち去るのだ。今は、二人の時間なのだから。
知古たる二人は今はただ一対の雄と雌となって、お互いに感じ合い、お互いに交わり合う。
ただ貪欲に快楽を貪るさまは、国民にはあまり見せられたものではない。
そして、そんな密かな宴は突然に終わりを迎える。
『 おい
至急これますか?
セ○クスの途中で悪いけどよ。 』
マネージャーもとい前任者の女、タソ女史からの〈 伝言 〉である。彼女も愛しいダーリンが留守だからか、それとも激務で疲れ気味なのか両方なのか、少し機嫌の悪そうな声色だ。
ジジと呼ばれた男?と熱い
受けは、ここ最近が初めてだったが。
「 えぇ、マジィ?こっからいいとこなのにぃ。 」
『 つべこべいわずに来いホイ。そのデカチチの姉ちゃんの話は気になっけども。あぁ、それと・・・ 』
「 なに? 」
『 あまり盛んなよ、エロく見えんぞ。 』
「 いいたかっただけ? 」
『 いいたかっただけ。 』
一世紀以上前の漫画の名悪役、その名言に肖った冗談。そんな口が聴ける内は、彼女もまだ大丈夫だろう。
「 分かったわよ。着替えて行くから。 」
『 受け答えは? 』
「 はぁ~・・・ウッス。今行きまーす。ほれいくよジジ。起きなさい。 」
『 そうそう。 』
「 あぁ、いいとこだったのにぃ・・・ 」
「 それで、なにか問題でも? 」
「 あぁ、問題らしいっちゃ問題らしい。 」
それから数分。女は宣言通りに着替えてタソの下に足を運んでいた。
傍らには、同じような格好をした、彼女の馴染みもいる。
どこぞの軍服をベースにした、純白の改造服。
これらも伝説級クラスの装備である。
「 また暴動?蟲蔵が潤うわね。 」
「 あそこジメジメしててやなんだよねぇ。 」
「 文句いうな。サクラにしばかれるぞ? 」
女はうんざりしていた。
この頃、エルフ王国は、前王の代の諸々の皺寄せとも言える事案が多くなっている。
かつてデケムに孕まされた女ども、或いはその身内が現政権の方針に異を唱えて反逆を企てることが多くなったのだ。
それらのテロリストへの対処も、彼らの仕事の一環である。
今回の騒動も、そんなところだろうか。
そうして捕縛された幾人かは、この女もとい『 爆龍卿 』の名のもとに、『 蟲蔵 』と呼ばれる施設に送り込まれる。
この蟲蔵は様々な能力を付与する蟲等の生産プラントであり、事実上エルフ王国の収容施設の役割を担っている。
そんなところに放り込まれたエルフたちはどうなってしまうのかは、想像するに難くはない。
その管理人たる魔法詠唱者「 サクラ 」はこの場にいない。
彼女は殆ど現場にいることが多く、タソからもそんなにお呼びがかからず、それ故日常的にもあまり顔を合わせることはない。
まったくエルフたちにも困ったものだ。前任が善意から独裁者を打ち倒して人民解放を成し遂げたはいいが、そいつらの内にも碌でもないのが混じっていたとは。
全員とは言わないが、感謝の気持ちというものがまるで感じない。あの男から縁切りを言い渡されたバカな女といい、人間は一度被害者になれば何をしてもよいとでも考えるものなのだろうか。
自分たちも大概で言えたものではないがと思った女であるが、彼女の考えていた事柄とは少し違ったようだ。
「 今回はそんなんじゃない。ていうかもっと厄介。 」
「 厄介? 」
「 スレイン法国の残党どもが集まりつつあるそうな。
国土を取り戻そうって湧いてきたんだろうな。
もうあそこは重役も人出も軽並死んで国として成り立っちゃいないってのに、ご苦労なもんだよな。 」
「 なあんだ。他所よりは強めだろうけども、あいつら、基本雑魚じゃない。
とっとと片せば問題ないわ。 」
「 そうなんだけどなぁ、もう一つあるんだ。厄介事。 」
「 なあに?ドラゴンも湧いてきたの?それとも上の動物園の奴らかな?どっちにせよ雑魚じゃんね♪ 」
ジジの言うドラゴンとは真なる竜王のことであろう。確かにこれの襲来は非常事態ではあるが、所詮奴らも八欲王なるプレイヤーに絶滅寸前に追いやられた敗者である。
これに関しては八欲王が強く、そして竜王側がユグドラシルに関してほぼ無知だったという事情が大きいのだろうが、トカゲ風情がそれほど厄介とは思えない。
動物園とはこのエイヴァーシャ大森林のすぐ北に位置するアベリオン丘陵の亜人たちだが、奴らはもっとお話にならない。
それに彼らの主な戦争の相手はローブル聖王国であるので、わざわざこちらに喧嘩を売る理由もない。
所詮は畜生である。
と、すれば、薄々と勘づいてくる。
アレか?またアレなのか?
「 トブの大森林ってとこがある。こっから東北東の方角にいったとこの森林地帯なんだけど、この頃その辺りに怪物がでるって噂が立ってんだと。んでだ・・・ 」
あぁ、やっぱりだ。まったくとは言えないが、およそエルフ王国と関係のない地名がでる時点で、それに自分たちが顔を突っ込まねばならない事態であることが今、確定してしまった。
「 ほれ、これ見ろ。 」
タソがそうして取り出すのは、彼女のペルソナ、ネクロノミコンのスキルによって生成されたパソコンだ。
画面には大陸西側の図が表示されている。
東側、中央の方角から、なにかのラインのようなものが張り巡られている。
中にはこのエルフ王国もそのなかに含まれていた。
この感じをみるに、このライフラインは、この世界に何かしらの影響を与えているであろうことは間違いないだろう。
「 こないだ、つっても三カ月も前かな。シモキタザワでの騒動の時にデケェモンスターがでたろ?
その時にこの地脈からエネルギーを吸い取ってたのを観て、ちょっと興味が湧いたから調べてた。
この大陸にはこれが通ってるらしい。 」
「 龍脈、みたいね? 」
「 そう。それあたしも思ってさ、暫定的にそのまま呼んでる。丑御前はこれを取り込んで自分たちのリソースに回していたから
よく目を凝らすと、全体的に色合いは統一されているが、色が濃くなっている部分があることをジジが指摘する。
「 あれ?ここだけちょっと彩度濃いじゃんね。 」
「 そう。トブの大森林辺りのライフラインの魔力が集まってる。いや、なにかが横取りしてる。あの時と同じだ。つまり・・・ 」
「 なるほどね。あれみたいなのがその怪物の正体だと。そりゃ一大事だこと。 」
「 また、あれみたいのが湧いてるみたいなんだ。
あんなのが暴れだしたら収拾がつかない。
丁度タドコロと晴信がワーカーの仕事でここら辺にいるらしいが、いかんせん二人じゃ不安要素が大きい。
そこで、オメェらには法国をチャッチャと片すのとは別に、このトブの大森林に直行してタドコロたちと合流の後にこのバケモンを始末してほしいわけだな。 」
「 要はステハゲの手伝いってこと? 」
「 そうだよ(肯定)。アタシらとしても無視できねぇしな。オメェらもいれば、充分でしょう。
丑御前のあれを考えると多分怪物は現地人が変異したものだろうから、あの時くらいの戦力は多分必要ない。 」
「 もとが弱っちいから? 」
「 そうだよ( ホモは二度刺す )。この世界の連中ってのはデスナイトが伝説のモンスターになるくらいにはユグドラシル基準では弱い。それはもう周知の事実だからな。 」
「 えぇ~、最強さん強いじゃんか。 」
「 最強さんは後から手を加えたからだろ。肩書きだけだったのを本当に最強にしようってさ。 」
「 ま、実際は雑魚だけどねーッ! 」
「 70レベあれば上等でしょ。
・・・法国残党の処理については、
ジジ、アンタ前にあの辺りにいたことあったんだってね。
先生あたりと一緒にあいつらの手助けにいって頂戴。 」
「 えー、面倒くさーい! 」
レッドウィザードは駄々をこねる。彼自身重労働はあまり好まない。そんなものはもっぱら取り巻きのゾンビにやらせるのである。勿論、得体の知れぬバケモノなど、出来るだけ関わりたくないと考えている。
「 文句いわない。残党の中に可愛い子いたら好きにしていいから。
それに、アンタのゾンビには高レベルの奴もいるし、どうにかなるでしょ。
先生だって、ペルソナのエキスパートじゃない。 」
「 そうだぞジジ。」
この場にいる誰のものでもない声が聴こえたその瞬間に、女はその方向に目を向ける。
銀髪に目隠しをしていてラフな格好に身を包んだただならぬ気配の男。
そこに立っていたのは呪術師ギルドの長だ。
幻想響のギルドマスター同様に、ユグドラシルに於いては最強クラスの精神系魔法詠唱者である。
「 面倒をほっぽりだそうとするのはキミの悪い癖だ。 」
「 ユーイチ。 」
「 おはよう。精液臭いねキミたち。さっきまでヤッてただろ?エルフ王国の現国王、爆龍卿ともあろうものが身嗜みに気を配らないとは、国の維新にかかわりそうじゃないか? 」
「 国土を侵し、民衆を犯し殺し、穀物を無断で無銭で無秩序に貪らんとする
それで奴らの好きにさせたら、アイツに示しがつかないじゃない。愚民どもも五月蝿くなるだろうしね。 」
「 アイツというのは・・・どっちだい? 」
「 どっちもよ。
あの法国の猿どもは、自分らのナニを扱くために
自分らを正義とする為の象徴として。
これを信じぬお前らは悪だ、とね。
ウチだって、捕らえられたエルフを奴隷として帝国やらに卸されてたのよ。
デケムのバカ真似のせいでね。
なにが六大神よ。奴らの信仰も、これまでの500年も、
愛のように爆発させてやるわ。 」
軍帽のツバの影がかかった爆龍卿の真紅の眼には、焔が灯っている。法国との因縁も、前王の負の遺産の一つであるが、今更和解などできようはずもない。
どちらかが滅び、どちらが生き残る。
といっても、もはやスレイン法国は風前の灯である。
奴らが残ったところで、どうともならない。
人思いに、いや人としても思わず肉塊として滅してやるのが、せめてもの情けか。
・・・この女はそんなもの掛けるつもりはないが。
「 あぁ竜ちゃんムスッとしてて可愛いなぁ。
・・・そんな竜ちゃんも好きだよ。死ぬほど♡ 」
「 よしなさいよジジ。アンタのそれは洒落にならないんだから。お土産は確保しとくから、アンタはタドコロの方をお願い。いいわね? 」
「 あらほらさっさーッ。 」
「 それでなんだけども・・・ 」
「 ん、なに? 」
「 ハヤカワの代わりに、ボクに行かせてくれないか? 」
その場にいた全員は、その進言に豆鉄砲を喰らったようなリアクションをとる。
ユーイチはそこまで積極的な性格ではない。
ギルドで方針を決める時も、他のメンバーの意見を尊重し、その纏めに徹する。
そんな彼が、自分が行くと言いだす。
これはかなり、珍しい状況であったが、タソは即座に、その真意が分かった。
「 なるほどな。立地的にも、その線はあり得るよな。 」