ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩! 作:ニコラス―NICORUTH―
こないだ近場の神社の神主さんに春祈祷して貰ったら、
八方塞がりと言われたりした。
なにはともあれ、今年も、オナシャス!センセンシャル!!
『 田所浩二・・・田所浩二・・・ 』
「 ・・・んにゃぴ。 」
『 起き給え田所浩二。その道化の面の寝顔など、見せられたところで私にはなんの利もない。
喜ぶとすれば、電子の海を意味もなくたゆたっている暇人くらいだ。 』
「 頭いきますよぉ・・・ファッ!? 」
たまげたなぁ。パッと目を覚ましたら、無数のお星様が瞬いて目がぐるぐるしそうになる。
さっきまでオレは、トブの大森林にいたはずなんだけどなぁ・・・もう気が狂うッッ!!
『 気狂いを起こされても困る。ここはキミの中とも、人の真理とも言える場所なのだから。 』
オレの中?オレの中の中って宇宙かなにかなんすかね?
小宇宙、感じるんでしたよね?(聖闘士星矢)
目の前のオールバックの男は、中々ハスキーな声でオレに語りかけていた。
『 キミの小宇宙という例えはある意味的を射ている。
人の脳の神経細胞は、宇宙空間の構造によく似ているという。そうである以上、すべての人間の無意識と繋がっているこの場所が星空のように見えてしかるべきだろう。
星の数だけ、人間の心がある。
人は皆、この世界と見えざる因果の鎖で繋がっているのだ。 』
『 因果の鎖? 』
『 実際に鎖が繋がれているわけでは無い。しかし、人が人である以上、この世界とは無縁ではいられない。
人は意識せずとも、他者を妬むこともあれば、憎悪することもある。
人間が人間である限り、逃れられぬ宿命だ。 』
無意識と繋がっている・・・あっ(察し)。
ここは・・・"心の海"じゃな?
ヴィシュヌが初めてでてくる時にいってたよな?
でもなんで、オレがこんなとこに来る必要があるんすかね?
「 すべての事象にはわけがある。君の精神が今、この場にあることにもね。 」
「 精神?んじゃオレの身体はどうなってんすかね? 」
『 キミたちが炎の魔神と呼ぶ、あの
精神はこうして肉体を一時的に離れ、この奇妙な真理の宇宙を仰いでいる。
いや、少し語弊があるか。 』
「 語弊?オレ幽体離脱してるんじゃないの? 」
『 少し違う。今キミは、夢を見ている。極めて現実に近い感覚を、肌や神経が感じ取る。リアリティを追求しすぎたような、そんな夢だ。
あまりにもできすぎた夢として、田所浩二という一個人はこの集合無意識の海を認知し、この場にいる。
そう、キミがこの幾年を過ごした、あの世界のように。 』
あの世界・・・ユグドラシルのことか?
『 そうだ。娯楽ではあるだろうが、同時にもう一つの世界だったと私は思っている。
五感に制限を設けたとしても、より精密に作られた贋作は、本物と大差がないからだ。
そしてキミは、そこで過ごした時間の遺産に、自身の考えうる中で最悪な形で向き合うことを余儀なくされているわけだ。 』
「 ・・・ 」
『 沈黙は意味を為さない。キミは前に進むべくして進まねばならない。
だからこそ、ここにいるのだろう。 』
『 アンタは誰なんだよ(今更)。 』
『 私は、キミの一側面であって、キミではない。
私を知り得る誰の心の中にも私は存在する。 』
「 どういうことだよ( 事実確認 )。」
『 キミのその姿の大元、即ち野獣先輩と同種の存在だ。
ネットの海の者たちは、私の一言に心震わせ憧れを抱き、我が存在をその魂魄に刻みつけ、今日に至るまで語り継いでいる。それだけのことだ。
尤も、弱者が強者の言葉を真似たところで、それそのものは大きな意味を為さないが。
強者を強者たらしめるのは、力だ。弱きものが強い言葉を吐いたところでどうともならないからね。 』
野獣先輩と同種?つまり、ネットミーム由来ってことか?
いわれてみればこのオールバックのあんちゃん、どっかで見たことあるような・・・
『 では、行こうか。 』
『 何処へだよ? 』
『 理の淵へ、だ。あそこで、キミなりの答えを見出すとしよう。 』
男の指さした方向に、それは建っていた。
大昔のデカい墓場のようなそれが、この宇宙空間みてぇな景観の中では自然と目立っている。
まるで現実世界、オレたちの転移したあの世界を目茶苦茶にしたように。
正直、こうやって嫌でも見せられると、自分はユグドラシルコインがまだあって、セキュリティがまだ生きてるからという理由で、アレを避けていたようにも思えた。
楽しいことも、あの息が詰まりそうな空気も、もう、終わったことなのだから、と。
―――ナザリック地下大墳墓。
それをひと目みただけでも、過去が掘り起こされそうで息が詰まりそうになる。
『 苦しいか、田所浩二。無理もないことだ。人は皆弱者。
弱者にとって、目を背けたくなる事実こそが、尽く真実なのだから。 』
「 そうッスね。実のところ、あれはもう、視界にも映らせたくなかったんだよ。 」
『 彼らの忠誠心という名の
「 そうだよ。少し前、帝国でも思ったことだけどよ、
過去は過去、今は今なんだよな。
それだって事実じゃないか。オレはもう、ギルドアインズ・ウール・ゴウンのプレイヤーじゃない。
あいつらの崇める、至高の御方々とやらではないし、あいつらの上になんて立ちたくもなければ、あいつらの声だって聴きたくもない。 」
『 だが、いずれは彼らと対峙しなくてはならない。だからこそ彼らを殲滅し、過去の遺産を清算せねばならない。
彼らの崇拝とは、理解から最も遠いものであり、彼らの思い描いた獣王メコン川など、至高の御方などはじめから存在しないと、キミ自身の手で知らしめねばならないのだ。 』
オレと男は、星空の中、大墳墓へと足を進めていく。
こんなところに見慣れたものが不自然に立っていることに、忌避感そのものはあるが、恐怖とかそんなものを一切感じない。
前の丑御前の時のルルやあのラーメン屋の爺さんが話していたことが思い出される。
認知が、神話や神さまの形を作ったとかって言ってたよな。心の海にあのナザリックがあるということは、
きっとアレにも、意味があるのだ。
この先やっていくには、あの中の中へ突入しなければならないのか。オレの脚はゆっくりと歩を進め、だんだんと大きくなってくる大墳墓。
近づく毎に高まる不安。やはり本能は、彼処に近寄ることすら拒否したがっている。
おそらくこれが本物のナザリックならば、より酷かったのかもしれない。
吐き気がして、その場でゲロったかもしれない。
トブの大森林に行くと聞いた時も、内心不安でならなかった。
連中に鉢合わせて、変に崇拝されて、晴信がオレを洗脳しただのなんだのと変な言いがかりをかけられてアイツに迷惑がかかるかもしれない、最悪オレを無理やりナザリックに連れて行こうとするかもしれないと。
ただでさえ、アイツは十五股の件で精神的負担がかかっているというのに。
ギルドメンバーの印象も、それなりに悪くなってしまった。
みんなが悪いわけじゃない。こんなの、一体誰が想像できたのか。だがよ、なんであんなモン作ったんだって思ってしまう自分もいる。
たっち・みーやウルベルトはんを悪いっていいたいわけじゃない。ただ、なにかしら思うところができてしまった。
あの日、あの二人がユグドラシルにいなくて本当に良かったとも思ってる。
それくらいに、今のナザリックとは、オレにとって負の遺産、ユグドラシルの癌細胞とすらも思えてしまうものになってしまっていた。
しかし、逃げてはいけませんよとどっかで言ってる自分もいる。行かねばならなかった。
バハルス帝国のあの光景を見てから、ずっと抱いてきた"なにか"。オレの中で燃えるそれは、あのリザードマンの集落を見てから、より勢いが強まっている。そんな感じがする。
あの炎の魔神のようなものが、自分の中にもいる気がするのだ。
炎が燃え盛るそれは、唸り声を上げながら、全身にまとわりつく鎖を外して、今にも昔のギルドメンバーの像に喰らいつこうとしている。
虎よ獣よ、良いよ乞いよ、と地の底で叫ぶ。
それが、今抱えている"それ"のイメージだ。
どこかで踏ん切りをつけてこれを消さねばならない。
オレ自身、ナザリックへの憎しみに囚われるなんて、御免なんだ。本来ならば、もう関わりたくもなかったしあちらの財貨が尽きた後の作業はレイムかMUR、平野店長辺りにでも任せようとも思っていたが、もうそうは言っていられないです。
獣王メコン川じゃない、野獣王タドコロとして、おれはあの墓場に向き合わねばならない。
ある意味これは、オレ自身の宿命なのかもしれない。
酷いもんだ。もう昔のことなのに、いまだにオレに付き纏い、足を引っ張ってきやがる。
ナザリックがオレに縋り付いてきやがる。のでこれをどうにかせねば・・・(使命感)
そう思っていると、とうとう入り口手前にまで来ていた。
なるほど。造形そのものは本物のナザリック地下大墳墓まんまだ。
大理石状に見える外観と、その朽ちようは遜色ない。
だが、入り口前に、記憶にある通りならば存在しないものが一つだけあった。
刀だ。入り口に刀が無造作に突き刺さっている。
これは一体、なんだ?
そんな疑問に、隣の兄ちゃんは即座に答えてくれた。
『 あれは浅打だ。これよりあの神殿の中で、キミがその手に握り、敵に対して振るうこととなる刀。 』
「 敵?あのなかにやっぱり誰かいるのか? 」
『 これからキミは、あのナザリックに住まう番人たちと戦い、そのなかでキミ自身の答えを探さなくてはならない。 』
「 番人?いるのか、ナザリック階層守護者? 」
『 キミの知る者たちではない。
あのようなハリボテに、キミの相手は務まる筈がない。所詮造物だ。他者の痛みを真に知ることもなければ、死の恐怖を超越することすらない。
嘆かわしい限りだ。
涅マユリの人造死神の方がまだ評価に値する。 』
「 誰だよそれ? 」
『 キミは知らなくともよいことだ。
だが、彼はおそらく、一度知れば多くの魂魄にその存在が刻まれる。それほどに印象深い人物だとだけ言っておこう。 』
ふーん、と思いながら、オレは刀の一本を引き抜いて、それをじっくりと見てみた。
鍔。柄。そして刃。
継ぎ目すらない、美しいフォルムだが、みたところ、普通の刀にしか見えない。しかし、これまでのどの武器とも違う雰囲気を醸し出していた。
『 あの中にいる存在は、キミが直に目にするべきだろう。そして、キミが使える手段のなかで、あの内部においては、武器はその浅打と、一つだけだ。 』
「 その一つって? 」
『 キミも知り得るものだ。キミの側に控える、己自身だよ。 』
「 ペルソナか。 」
確かにな。ペルソナはもともと、この心の海からでてきたのだから、ここでも使えるのは納得だ。
だが、他の階位魔法が使えないか。辛いですね、これは辛い。が、やらねばならない(使命感)
ステータスを確認すると、レベルはそのままだし、ペルソナも今使っているのがそのままだ。
ヴィシュヌよ玉藻よ、頼りにしているぜ。
頑張るんだぜぇ〜?
『 頑張ってねじゃないです。アナタも頑張んですよぉ! 』
オッス頑張りまーす。
さて、いよいよあのナザリックに突入、というときに兄ちゃんからこう言われた。
『 心してかかれ田所浩二。これから起きることに、目を背けることはできない。 』
これは本物のナザリックじゃない。だから階層守護者は居ないらしいが、それの代わりにいるという番人は、その口ぶりを察するにオレにとっても、無視できない存在なのかもしれないが、これまたこいつの言う通り、実際に見てみなければわからない。
だがどんな相手が来ようとも、自分がやることは変わらないです。
神殿の中にはいり、階段を降りると、どこからともなく声が聴こえる。
『 よくぞ来た!悍ましき皮を纏うもの!野を這う獣の王を騙りしものよ!!
神として貴様の力を見定めよう、貴様の心臓を喰らおう!
戦士たちよ、功をあげよ!!
我が威光を、示すがよい!!
・・・1500人の血に染まりしシバルバー、その深淵に迫ってみせよ!! 』
勇ましい感じの声だ。こう、英雄然としているような。
そしてその号令に続いて、暗闇の奥からガシャガシャ音を立ててなにかが来る。
武装した骸骨。スケルトンとかそういう系だが、ナザリックで採用しているPOPモンスターとも、専用エネミーであるナザリックオールドガーダーとも違っている。
赤や青、緑のラインが骨格に入っていて、手に持つそれぞれの剣や槍、弓もかなり大型だ。
エネミーにしては強そう(確信)。
それが10もいる。
そのうち、大剣を持った一体がオレに迫り斬り掛かってきた。
やはりスケルトンだ。肉がない分、身軽らしい。
そのまま間近にまで来て大振りな刃が振り下ろされるが、
その骨はオレの肉を切り裂くよりも前に剣を持ったほうの腕を切断され、そのまま左肩から右脇腹まで綺麗に真っ二つにされていた。
動画でたまにでてくる、居合いとかそんな感じに。
そう、その手に持っていた、浅打という刀で、だ。
なるほど、使い勝手は他の刀とそう変わらなさそうッスね。
ていうか、刀は普段使いしないけどな。
そして、エネミーたちがいっぺんに襲いかかってくる。
おいおいいっぺんに来られると、オマ○コ壊れるわぁ。
だがこ↑こ↓は冷静になれ(海馬)、相手をよく見て刀を振り回す他ない。
槍を躱して首を落とし、その槍を奪って、弓兵が矢を撃つより早く投擲して、助骨を巻き添えに背骨をぶち抜く。
刀で斬る場合、狙うはやはりこの背骨だ。
奴らは骨だけのアンデッド。心臓も脳みそもない。
ならば、その骨の急所を直接叩くしかない。
人体骨格の構造において、最も重要な部位。
ここを叩けば、連中もひとたまりもないだら。
しかし、こうやって一体一体倒していくのは面倒、ならばペルソナはどうだろうか。
ユグドラシルのルールが適用されるかどうかもわからないが、この分ならば十分殺しきれると確信は持てますねぇ。
ヴィシュヌのゴッドハンドやアカシャアーツは物理攻撃でよく効きそうだし、MP持ちのよい玉藻も使えるが、この空間の情報が少ない以上、下手にペルソナは使えない。
この奥には、確実に手強いのがいるからな。ダンジョンってのは、そういうものだ。
今はただ、堅実に、この刀とオレ自身の精神を頼りに、前に進んでいくしかない。
スケルトンの一団を倒し切ると、おかわりとばかりに奥からさっきよりも大量のスケルトンたちと、それに混じって霊体のようなエネミーが出会え出会え(上様)と湧いてきた。
「 んあああああああああああッッッ!! 」
オレは自分を昂らせる為に、大声で叫び、それらを斬り捨てていく。
シャーマンとテイマー職でビルド組んだはずなのに、これだとオレ、サムライみたいっすね。
まるで時代劇とかそんなかんじだぁ・・・
お江戸に御座いますな?
『 いいえぇ、お江戸にはまったく御座いません。 』
こういうユグドラシルでは見なかったモンスターがいるからなのか、元来の、というか、ユグドラシルのスケルトンや吸血鬼の花嫁は見受けられず、無数に仕掛けられたトラップも、発動しないのをみるにおそらく存在しないだろうことを踏まえて、やはり現実のナザリックとは構造が違うらしい。
エネミーをひたすら斬って斬って斬りまくるが、今度は異様にデカいゴースト系が複数体群れを成してきた。
これは倒すのに手間がかかりそうだ。こんなところで時間を喰って精神的消耗を大きくするより、最小限のMP消費で、この場を早期に突破すべきだな。
結局、ペルソナを使わざるを得ないわけだ。
「 良いよ、来いよ、白虎!〈 マハジオダイン 〉!! 」
オレの心の海から現れる、文字通りすっげえ白くなってるトラ。動物の王だってはっきりわかんだね。
それがグオォと叫ぶと、眩い雷が敵の集団に振りかかり、それらを焼き焦がして、殲滅した。
いやいつみても白虎すごいカッコいい(小並感)。
王者の威光、感じるんでしたよね?
大昔の中国じゃ百獣の王はライオンじゃなくて虎だったらしいッスね。
それも頷けますな。
こうしてオレは、ナザリック第一階層、二階層、三階層と中の中を進んでいくと、白い靄のようなものが、行く先を隔てている。
これって、この先ボス戦ですよって言ってるようなもんだよなぁ。
あの声の主は、そこにおるんじゃな?
別のゲームだったら、『 この先、ホモがあるぞ 』とかって床に書かれてそうな雰囲気だよなぁ。
そして触れてみれば、案の定、スッと通り抜けるようだ。
やっぱりな♂
それじゃ、いきますよ〜いくいく。
番人ってのは、どんな奴なんだろうな。
声的に暑苦しそうな感じだったよな。
どうあれ、ぶっちゃけると、シャルティアがそのまま居るよりはマシかな?
ガイドの兄さんは一体―――?