ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩!   作:ニコラス―NICORUTH―

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エロいぜ、勇者王!

 

『 は、はは。はははははははは。ははははははははははははははは!! 』

 

 白霧を抜けていくと、甲高い笑い声が室内中に響いた。

ぶら下がっていたなにかが降りてくる。口を開けて、ギザギザの歯と舌を剥き出しにして高らかに笑っている。

首から見えるあれは、歯か?人型はしているようだが、明らかに人間ではない。

 

 

『 よくぞ辿り着いた、田所浩二ィ!不遜なる汚たらしき狗猿!土壌潤す汚物の化身よ!かつてこの地下墳墓を築いた貴様が、よもや挑む側となろうとは!

滑稽である!勇敢である!

称賛しよう!嘲笑しよう! 』

 

その場に佇むそれの全貌がよくみえた。異様に長い両手足と、複雑な形の翼をしていた民族衣装の男。

あの長さ、ラーメン屋の爺さんといい勝負だ。

その瞳は血走ったように赤く、オレより少し明るいか同じくらいの彩度の褐色の肌には、なにかの入れ墨が入っている。

総じて、異形と呼ぶに遜色はないが、その全体像はそれが人型のフォルムをしていると認識できる。

それは狂ったように嗤っていた。

あの威厳を感じる風貌で、ドンッ!(ワンピ)と構えている。もしかしなくても、あいつが番人でいいよな?

声も入り口で聞いたのとおんなじっぽいし。

 

『 我が流儀に従い、血で饗そう!

そう、貴様の血と、我が鮮血で!

戦士にとって、血湧き肉躍る戦いに勝る馳走もない!! 』

 

「 お前が、このフロアの主ってことでいいかな?(普通の質問) 」

 

『 なに? 』

 

「 怒った?オレ怒らす気なかったんだけどよ。気に障ったようなら申し訳ないッス! 」

 

『 いや、よい。貴様の不敬、強大なるカマソッソは許そう!

貴様の道化の面と、それにそぐわぬ勇猛さでもって!!

しかしなんだこの神殿!この神殿の者たちは!滑稽、実に滑稽である!! 』

 

「 滑稽? 」

 

『 そう、滑稽である田所浩二!この神殿の者たちは、貴様ら去って久しい神々が戻ると本気で信じ!大地を民の血で染め上げた!老若男女問わずに!

己らの信ずる神が、己らの流す血など見てもおらぬというのに!!

猿、蜥蜴、カエル、イツァムナーにも勝るような大蜥蜴すらも!奴らは根掘り葉掘りと、殺し続けたのだ!!

あぁ、しかし。あぁしかし・・・ 』

 

「 オレ自身、そうではない。 」

 

『 そうだ、そうだとも。貴様は、奴らの人身御供を目の当たりにしたこの神殿の神!

あの国の生贄たちが、己らに捧げられたものだと知っている数少なき者!!

貴様はその鮮血に涙した。

彼奴らの行いを、悪逆であると糾弾して!

己らはそれを望まぬと!!

奴らはそれに気づかなかった。己らの殺戮が、自らの神をはずかしめているとは露ほども思ってはいなかったのだ!!

双子とカエルが帰らぬ時!宝物殿の鍵たる指輪が忽然と消えた時も、彼奴らは貴様の存在に気づくことはなかった!!

己らのそれは、過ちではないと尚も信じて疑わぬ!

既に奴らに残された最後の神、髑髏の神すらも奴らを覚えておらぬというのに!!

神なき神殿など、伽藍堂も良いところだ!

だが、この神殿の者たちは神々の忘却の彼方に葬られたことを知ることはない!

貴様が抱く想い、汚物にすら劣る愚行を恥じるその哀憐を、知る由もない!

しかし貴様は、過去に捨てたはずのこの地を忘れられずにいる!

カマソッソは憂う!貴様らの悲劇を!!

無為に殺された猿どもを!! 』

 

「 猿って人間のことか?

人間はホモ(確信)サピエンスってそれ一番いわれてるから。

見たところ、人間には見えないけどよ。 」

 

 そう、種族名にホモってついてるなら、人間はホモなんだよなぁ・・・( トンデモ理論 )

この世界の人間種がホモサピエンスかどうか、そして同性愛者かどうかはおいといて。

するとこいつは人間を気にする言動の理由を丁寧に、そして暑苦しい口調で語ってくれた。

 

『 猿は我が糧!糧ゆえに無下に殺してはならぬ!!

それまで摂って食っていたものがなくなった時!

貴様を一体なにで腹を満たすというのだ!!

彼奴らは猿で腹を満たすこともせぬ!

ただ貴様に見せる為にのみ、殺したのだ!

そう、望まれず神に捧げられし贄として!

そして貴様は、それに苦しみここにいる!

これを憐れといわずしてなんとする!悲劇と呼ばずしてなんとする!! 』

 

 そうか。このカマソッソという兄ちゃんはオレのこともナザリックの連中のことも知ってんのな。

言ってることも一見すれば目茶苦茶だが、割と的を射ているし、好感が持てますな。

ソシャゲとかにいたら、114514人が課金してガチャ回しそう・・・回しそうじゃない?

しかし、ここの番人ということは戦う他、ないです。

 

『 では、本題と行こう!我が力を!強大なるカマソッソが威を示そう!!

来たれ、シバルバーの大鎌よ! 』

 

 カマソッソの腕に、部屋のそこらかしこに潜んでいたコウモリたちが集まっていき、大きく三日月のように鋭い刃と長い柄を形作っていく。

そうか、こいつの得物は大鎌なのか。

ユグドラシルなんかでも使ってるのはいたが、そいつらは尽く厨二病を拗らせてるのが大半だったっけな。

だが、やっぱりカッコいいからね、合うやつには合うんだよな。

あの兄ちゃんは、まさしくそれだ。

なにもかもが噛み合ってんねぇ。惚れ惚れしそう・・・しそうじゃない?

カマソッソ。前にあるじぇんとが教えてくれたっけな。

マヤ文明の冥界にある、死者の館にすまうコウモリの神。

それらしい怖ろしさはあるが、それよりもスタイリッシュさ、オサレさが勝る。誇らしくない?

 

『 真面目にオナシャス!センセンシャル! 』

 

 ・・・ん?なんださっきの声は?そして、TDN?

淫夢語録いってる時点で真面目も糞もないってそれ一番いわれてるから。ただ、常にそうやってヘラヘラしてもいられないけどな。

それよりも、目の前の勇者王だ。

 

『 では行くぞ!貴様の鮮血で以って、カマソッソを楽しませよ!! 』

 

「 オッスお願いしまーす!! 」

 

 オレは浅打を構え、俊敏なステップによって、距離を一気に詰めた。

キーン!(迫真)という鈍い金属の音が部屋中に響き、オレたちの戦いの幕があがる。

かち合う鎌と刀。だがあちらの力はかなり強い(確信)。

見るからにスピードタイプだからそんなに力ないかと思ったが、そんなこともないです。

あんなの得物にしてる時点でそれなりに相手もマッチョなんだって頭に入れとくべきだったな。

はやくも失敗した。

しかし、本当なら距離を取って戦いたいところだが、こんな狭い空間のなかでやり合う上に、魔獣も今連れていない。

こんな密室なんだし、距離も取りにくい。

ならば接近戦で戦う対面がでてくるが、最初にそれが来た、来たなぁ!!なだけともいえる。

MP消費だって考えなきゃいけない。

ペルソナを使うタイミング、見極めて行かないと不味いですよ!?

 

 

 

 

 エルフ王国。敵対していた法国の戦力のすべてを滅ぼしたことで、事実上長年の大敵に勝利した同国は、一先ずの安寧を得ていた。

スレイン法国の領土もすべて手に入ったが、森林地帯で暮らすエルフたちにとって、拓けた地形はどうも手が余る印象が否めなかったが、問題はそれではない。

少なくとも、今この場における彼らにとっては。

 

「 ねぇ竜ちゃ〜ん、ステハゲ起きねぇよーッ!? 」

 

 精神が心の海に赴いているその頃、タドコロの肉体は、王城の一室のベッドのシーツの上で横たわっていた。

リザードマンの集落の惨状に心痛め、苦々しい表情を浮かべていたあの顔は、健やかにまぶたを閉じている。

炎の魔神と呼ばれた、正真正銘異形の化け物を斃し、その怨念を封じて弔ったから、タドコロはそのまま精神の疲れもあってかこうして眠りについている。

意識を失ったこの男を、そのまま連合国に返すには不安要素があるとして、ジジとユーイチは国へ連れて帰ったのだ。

 

勿論連合国にいる彼の大先輩にもそれを伝えねばならないが、今現在はこの茶色の人狼の容態の方を気にせねばならなかった。

そして目覚めぬタドコロの側には、連れ帰った張本人のうち一人と、旧友の女がいた。

 

「 お~いタドコロ(お茶)、生きてる? 」

 

「 ダメだってこの分じゃ聞こえないって。レム睡眠でぐっすりな奴には文字通り馬の耳に念仏なんだから。 」

 

「 この分じゃ、"これ"かしらね? 」

 

 女、ヴァスタヴァイン卿は腰に差している軍刀に手に掴む。ジジの腰にも、似たような刀があった。

彼らは、タドコロの現在の状況に心当たりがあるようだった。

 

「 んじゃステハゲ、心ここにあらずなの? 」

 

「 でしょうね。無事に戻ってこれればそれに越したことはないけれども。

・・・こいつの刀、どんなのかしらね? 」

 

「 陛下!陛下! 」

 

「 なによ騒がしいわね!? 」

 

「 敵襲です!ケツピン軍がまたしても、空飛ぶ車で迫っているとの通達!! 」

 

「 なんですって、もう(ジーク)!

・・・マネさんに伝えなさい、彼を呼ぶようにと・・・ 」

 

「 呼ばれるまでもありませんよ。 」

 

「 !? 」

 

 ヴァスタヴァインは驚いていた。招集をかけようとしていた人物は既に、自分たちのいる部屋にいたのだ。

容姿端麗なこの女性は、彼女たちもよく知るある男の関係者だ。同じようにユグドラシルの最後を迎えようとログインしていたところ、やはりこの世界に転移してしまったのだという。

 

「 マネさん、いたの!? 」

 

「 いましたとも。貴女たちはおそらくここにいると考えましたもので。

そちらの田所さんのことはかねがねお聞きしていました。

彼が嬉しそうにユグドラシルでできた友人のことを語ってくれていたので。

・・・では、当人を呼びましょうか。 」

 

 マネさんと呼ばれた女は、〈伝言(メッセージ)〉を飛ばす。相手は、彼女が長年付き添った男だ。

 

『 タクヤ、大陸がピンチです。至急来れますか? 』

 

 

 

 

大鎌をひたすら刃で受け、弾いていく。

やはりあちらの腕力が強すぎる。集中を少しでも欠くとすぐにオレの身体から血が出そう。

いやーキツイっす。息も詰まるし、酸欠で死にそう。

やっぱり勢いとノリで接近戦は無理があったか。

だが、もう遅い( 親父ィ )。

鎌の装飾の髑髏たちの青い眼光が、オレの生命を狙って熱い視線を向けている。

おぉ、怖い怖い(マリク)。

出し惜しみはしていられないです。

相手がコウモリみたいな感じなので、神聖属性の通りが良いことを祈りながら、オレは広い石造りっぽいフロアの中、叫んだ。

 

「 ペルソナァァァアアアア!! 」

 

 ナザリックが関わっていない人物との正々堂々とした戦い。それに覚える高揚感ゆえに高らかに叫ぶ。

オレの身体から、眩い光を放つそれが飛翔する。

 

「 ホルス!〈コウガオン〉!! 」

 

 放たれた第九位階精神系神聖属性魔法が、オレごとカマソッソを聖なる光で焼いた。

オレは奴の力が弱まったのを見計らい、即座に距離を取る。

神聖弱点というわけじゃないけども、いやーキツイっす。

流石第九位階。HPバーの数値上のダメージ以上に身体に響くな。

そしてこれ一発で大人しくなるほど、相手も優しくないです。

当たり前だよなぁ!?

 

『 呼び出したか、貴様の内なる神を。

だが、それがどうしたぁ!? 』

 

 悍ましい瘴気とともに、湧き出るアンデッドの群れ。

道中に出てきたのと同じ奴だ。一体一体処理しても埒があかない上、グズグズしてると距離を詰められる。

しょうがねえなぁ。

こっからはいつもの通りに魔法やスキルを撃ちまくるか。

 

なるべくはアイツにもダメージがいくようにしないとな。

 

「 ホルス、〈 刹那五月雨撃ち 〉だ。 」

 

 無数の光の光弾が、スケルトンごとカマソッソに振りかかる。不浄な骨の軍勢はこれでクリアしたが、やっぱりアイツは健在だ。

 

『 ワン!ワン!ワン! 』

 

 また、TDNすね。それよりもカマソッソだってそれ一番いわれてるから。

 奴と接近したら、さっきと同じになって押し負けるだろう。つまりこのままヤツを生かしておくわけにはいかねぇ・・・(悟空さ)

ここはオメェの出番だぞ。

 

「 ヴィシュヌ、〈ゴッドハンド〉! 」

 

 一番愛用してるペルソナの、物理攻撃スキル。巨腕に吹き飛ばされそうになるが、アイツ耐えてやがんぞ。

まるでトイレで気張ってる便秘気味のオッサンみたいだ、たまげたなぁ。

しかも、またアンデッド湧いてるし。

やりますねぇ!(称賛)

じゃ、その気合いを絶やしてやるか。

 

「 〈 アカシャアーツ 〉、いきますよ〜イクイク。 」

 

 今度は全体物理攻撃だ。ユグドラシルにはいなかった奴と言えど、スケルトンはスケルトン。

やはり骨らしく打撃には弱いらしい。

さっきよりもでごたえを感じさせながら全滅だ。

しかし、やはり折れない。

しかも、まだオレに迫ってくる。

なんてハチャメチャな奴なんだ。

ハチャメチャが押し寄せてきますよ〜来る来る。

 

『 ワン!ワン! 』

 

『 しつこい方ですねぇ。ここは私が。 』

 

「 よしいけ、玉藻!(ポケモントレーナー) 」

 

 オレの身体から、黒塗りのヴィシュヌに代わって、ふつくしい美女が現れる。

桃髪のツインテールに、肩と胸元が露出した、紺色の巫女装束の出で立ちだが、なにより目を引くのは、その狐の耳だ。

 

『 我が行く手を阻むかぁ!毒婦めがぁ!! 』

 

『 お黙んなさい!コウモリキャラなんて、刑部ちゃんとキャラ被りもいいところです! 』

 

 刑部って誰だよ。

そんなことは置いといて、いわれるがまま玉藻を呼んでしまったが、大丈夫なんだろうかと思ったが、どうやら問題ないみたいだ。

こいつステゴロも強くないすかね?

流石にヴィシュヌや白虎程ではないにしろ、華麗な身のこなしと鏡を巧みに駆使してカマソッソとすっげぇ渡り合ってる。はっきり分かんだね。

 

『 ワン!ワン!ワン! 』

 

 んだよお前よぉ。時折視界ジャックされてヨツンヴァインになってるTDNがでてきて犬のマネしてるんだけど。これなんなんすかね?

 

『 FF内から失礼しますよぉ。 』

 

 玉藻、お前そんな状態でよく喋れますね。

 

『 一応これでもやんごとなきなんとやららしいので。

それよりもそのサブリミナルTDN、それ、貴方ですよん。 』

 

 ファッ!?オレはTDNだった・・・!?

野獣先輩は淫夢一章にもでていた可能性が微粒子レベルで存在し・・・

 

『 そういうことじゃ、ないです。

私とかヴィシュヌさんよりも、貴方という人物の根本に近い存在というかなんというかですねぇ。 』

 

『 オナシャス!認知してください、オナシャス! 』

 

「 おう、やだよ(即答)。認知しろとかオレいつ結婚して子ども拵えたんすかね? 」

 

『 それ私の理想なんですがそれは・・・( 良妻狐 ) 』

 

『 オナシャス!センセンシャル! 』

 

「 いや急に認知しろっつわれても困惑するし、お前がオレとかいわれてもペルソナ欄にもTDNなんて居ないんですがそれは・・・( 困惑 ) 」

 

『 たわけ。そうではない。 』

 

 ファッ!?オイOYKTぁ!(失礼)いつの間にかオレの後ろに背がちっこい黒髪の女の子が!(パズー)

 

『 そのメジャーリーガーは、そなたの斬魄刀だ。 』

 

「 斬魄刀?なんすか、それ? 」

 

『 今そなたが手に持ってる浅打のことだ! 』

 

 女の子は、オレが握っている刀を指さした。

 

「 はえ~、つまりこれ呪われた武器、世にいう妖刀ってヤツなんすかね? 」

 

『 違う、そうでもない!その斬魄刀の、ひいてはそなたの内なる力。魂の写し身だ。 』

 

『 さっきからこのカマソッソを蚊帳の外にして、なにを駄弁っている!

敵に背を向けるとは、戦士の名折れだぁ!! 』

 

『 あの、説明入るなら手短にお願いできません!? 』

 

『 よかろう。では心して聞け・・・ええと、名はなんといったか。 』

 

『 田所浩二っすね。 』

 

『 そうか。では聞け、田所よ。貴様の持つ斬魄刀がいかなる刀かを。 』

 

「 オッスお願いしま〜す。 」

 

 そんで女の子はオレにこの浅打について、あのTDNがサブリミナルにでてくる現象について教えてくれた。

なんでもこの浅打は斬魄刀っていう特殊な刀らしくってぇ、これの所有者と寝食を共に過ごすことによって、その魂を写し取るらしい。

そうして斬魄刀は浅打から、特殊な力を持ったその人物だけの、オリジナルの刀になる。

これを始解というらしい。

・・・なんかタクヤさんが好きな漫画の内容まんまだな。

 

『 そしてこの斬魄刀の本体の姿も人によって千差万別。

貴様の場合は、そのTDNなる男なのだ。

つまり、貴様が持ってるその刀は、浅打とは別の名前がある。

本来ならばうん数年数十年かかったりかからなかったりするが、どうあれ既に始解に至る域に、貴様は居るということだ。 』

 

 はえ~、すっげぇオサレ。いよいよ以てユグドラシルから遠のいてきましたなぁ。

僕らはついていけるだろうか、新要素が次々とでてくるスピードに(ポエム)。

 

『 ついていけるだろうかではない、ついていくのだ。

そのためにそなたがするべきは、その男から斬魄刀の真の名をききだして、とっととあのコウモリの怪人を下すことだ。 』

 

『 ぜひそうしてほしいところですね。私もいい加減キツくなってきましたので。

・・・このコウモリ、タフすぎやしませんか?

この私渾身の一夫多妻去勢拳を喰らってなんで立ってられるんです!?

のっけから人類悪が相手なんて、ルールで禁止ですよね?

( タフ ) 』

 

『 戦いにルールなどあろうものか毒婦よ!

そのようなものがあれば、今日までの戦場の悲劇は何一つとして起きていない!

完全に至れぬゆえに争うのが人類(サル)であろうが!

それでも足掻き、それを脱却せんとするのも人間(サル)であろうが!! 』

 

 玉藻もキツくなっているらしい。これはオレも新しい力を得なければ・・・( 使命感 )

おい、お前名前なんっつうんだよ。

多田野数人じゃ、ないんだろ?(教えて)くれよ。

 

『 名乗れば認知していただけるんですね? 』

 

「 おう、考えといてやるよ。 」

 

『 考えといてやるじゃねぇよ、田所。 』

 

「 ・・・ん?また誰か増えてる・・・増えてない?

オレンジ髪のジャニ系イケメンニキは初顔っすね。 」

 

『 そなた、此奴も知らぬというのは流石に考え物だぞ? 』

 

『 今はオレのことはいいんだ。それよりも、そのメジャーリーガーだかサッカー選手だかはお前自身だ。

お前に他の何よりも近い、お前の力であり、もう一つの意思だ。

ただの剣じゃねぇし、時にはお前を拒絶することだってある。

だからこそ、なによりも真摯に向き合ってやれよ。 』

 

 なによりも真摯に・・・か。思えば、ナザリックのそれまでの所業をみて、オレ自身精神的にかなり来ていた自覚がある。"オレも当事者の一員、悪くいえば加害者になってしまった"と考えてしまっていた節があったからだ。

だからこそオレは、リザードマンの集落のあの有り様にも勿論ショックを受けたし、炎の魔神、いや、ザリュースのあの痛ましい姿を見て、いたたまれなくなった。

取り返しのつかないことをしてしまったように思えてしまったから。

オレが、彼らから大切なものを奪い取って彼をあんな姿にしてしまったように思えてしまったから。

だからこそ、オレは見たくもなくなってきていたナザリックに立ち向かわなきゃいけないし、どこかで自分自身の気持ちにけりをつけるべきなんだろう。

「 オレは悪くねぇ 」「 お前らのことなぞ知るか 」とあいつらを、ナザリック(オレたちの過去)を否定する為にも。

それには先ず、自分を見なおさなきゃならん。

きっとそれが、この場所がある理由だってはっきり分かんだね。

 

 その一歩が、これだ。

 

 ―――ホモと和解せよ。

 

「 お前、なんていうの?教えて、どうぞ。 」

 

『 いいんですか? 』

 

「 いいよ、来いよ。心にかけて心に。 」

 

『 ・・・ありがとナス。

オレの名は――――――― 』

 

 ―――――へぇ、いいねぇ。オレにぴったりじゃないか。

 

 お前、最高だぜ?

はやくも(絆が)堅くなってんぜ?

 

『 あの、そろそろいいですか? 』

 

「 おう、ありがとな玉藻。一旦戻って、どうぞ。 」

 

 狐娘の姿が、その場から消える。

オレの中に戻ったのだ。ゆっくりやすんでくれよな、頼むよ〜。

そして、オレは改めて勇者王と対峙する。

 

『 貴様・・・ 』

 

「 みとけよ、見とけよ〜。 」

 

 オレの呼んだ。そいつの名前を。

 

 

 

 

 

生杉(いきすぎ)ィ!! 」

 

 その瞬間、刀を握っていたはずのオレの手には、置き換わるように分厚い鉄塊(グレートソード)が握られていた。

 

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