ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩! 作:ニコラス―NICORUTH―
ルプスレギナを始末した後、オレたちはまたひたすらに瓦礫の川を歩き回り、生き残った奴はいないか探す作業に戻る。あいも変わらず、でてくるのは石屑に木片、それに物言わなくなってしまった人肉と骨、鎧や盾の残骸ばかり。ナザリックの悪辣極まる凄惨な蹂躙劇を、オレたちに教えてくれているようであり、これまでみてきた通り、かなり容赦なく手酷くやったみたいで人っ子一人でてきやしないです。
ただ、あの悍ましいオブジェクトの数が、目に見えて少なくなってきているのは、どこか救いに思えた。あの褐色女曰く、あれはウルベルトの創ったNPCの作とのことだ。
あれもカルマ値は最低の-500だったと思うが、さすがに大量にあんなもの作るよりかは、真面目にオレたちを探したほうが良いと考えたのだろうか。
「 タドコロ、お前どこまであの地獄の
「 そう、ですねぇ。まず各階層を守ってる階層守護者ってのがいてぇ、それが1〜7、第8階層以外レベル100なんすねぇ。双子が守っとったのは第6階層っすね。 」
「 まぁ、それは当たり前だよなぁ。とで、その8階層、聞くからに直接戦うタイプじゃないんだルルォ?
そこに要はやはり・・・ 」
「 "アレラ"っすね。モモンガの課金を超えた課金の果てに生み出した狂気の産物。一体一体が凄まじい戦闘能力を持っていて、ご存じの通り、1500人を一掃するという成果を上げてますね。
階層守護者のヴィクティムは、自爆して相手を拘束する守護者で、そこにアレらをぶつける、てのを想定してる。
といっても・・・ 」
「 といっても? 」
「 実際には第8階層に着く頃には、1300人くらいまで減ってたすけどね。 」
「 ほぉ?どうしてだゾ?残り200人は? 」
「 階層のあちこちにトラップがあるのは当然として、その中に黒の棺ってとこに転移するのがあったんすけどぉ、そこの領域守護者がね・・・ 」
「 領域守護者? 」
「 階層守護者よりも狭い1フロアを担当してるNPCですね。その中にある意味、レベル以上のポテンシャルを発揮した奴がいましてな。 」
「 どんな奴ゾ? 」
「 名前は恐怖公。見た目はデッカイ台所の、あいつッスね。あいつの管轄、
「 同士討ちかゾ? 」
「 そうっすね。 」
「 ほぉ。てことはよほど精巧に"アレ"を再現してたのか。仮想現実の中だというのに我を忘れるほどに。職人の技だなぁ。そんなんでてきたら、そらそうなるゾ。
正直オラもゾッとするゾ。 」
MURはんと昔話に花咲かせながらも、この屍山血河の中を掻き分ける。やはり生きているものがいる気配は見られない。ここら一帯も、生存者は0人らしい。
「 一人や二人くらい生きててほしかったが、ものの見事に死人だらけ。この分だと生き残りはアルシェちゃんくらいか? 」
「 まだそうとも限らないッスね。こ↑こ↓とは別の区画に移ってる可能性もありますねぇ。何処かに身を隠していることも考えられる・・・考えられなくない? 」
「 ここだけでみんな死んだと考えるのは早計か。確かにそうだが、一つ懸念点があるゾ。 」
「 それはなんすかね? 」
「 あのメス犬が言ってたろ。他にもあいつの姉妹が現場に残ってるってな。コイツらが生存者を見つけだしたら、そいつの命はない。この世界の手がかりも一つなくなる。
なんならこちらが見つかれば、デあの悪趣味なオブジェを作った奴の耳にもその知らせが届くかもしれない。シモキタザワが狙われる前に、そいつらも殺しておく必要があると思うゾ。
なんなら、そいつらもあのエルフ共のように生け捕りにした方が情報も得られる気がするゾ。 」
あぁ、そういえば、あいつそんなこと言ってましたね。
てことは、あと数人、あちら側の奴らがいるわけだ。
オレは正直、ナザリックのことに関してはすべてを覚えているわけではない。一部NPCの名前を忘れてる。仮にもオレの作ったルプスレギナですらそうだからなぁ。
NPCの中でも、名前覚えてるのは一部階層守護者、領域守護者と、最強の個ッッ!(
トラップなんかは何処にどう貼られてるかなんか忘れてるからな。
いや、それは当たり前か。オレが貼ったわけでもないから、いちいち全部覚えられないです。覚えてるのはその張本人、ギルドマーズファクトリーの長くらいなものだろう。
・・・ん?
「 タドコロ。 」
「 MURはん、気をビンビン感じるんでしたよね? 」
「 そうだよ。気づいてるな。 」
「 誰か見てますね。 」
MURはんは、気を操るキ・マスターのスキルを持っている。これによって、近くに敵とか人を感じるとその存在に気づく事ができる。
「 そこかゾ。 」
MURはんの姿が一瞬にして消え、次の瞬間には戻ってきた。後年にキ・マスター系に追加されたスキル〈 瞬間移動 〉である。プレイヤーやNPCの気を感じることによって、その人物のもとに瞬時に転移する。魔法ではないからMPも消費しない、ぶっ壊れスキルですね。ただ、かなりレベル上げないと覚えられないけどな。
そしてそんなMURはんが掴んでいるのは、和風メイド服の女。大正浪漫、感じさせるんでしたよね?
「 お前さっきからオレらのことチラチラ見てただろ? 」
「 う、うぅ・・・ 」
その少女、いやこれを少女と呼ぶにはあまりにも不適切か。それは一見人間っぽくみえるが、そこはやはり異形種ギルドのNPC。触角や硬い甲殻のような髪、いや髪に擬態した殻からそれは化け物であることを察せられる。
「 コイツもナザリックでいいな? 」
「 そうっすね。戦闘メイドの一人っすね。名前は忘れたが。 」
「 メ、コン、川、様・・・ 」
首を圧迫されながら、それはオレにこう問いかけた。
「 どうして、ルプーお姉様を・・・ 」
「 お前に話す義理はないです。MURはん、オナシャス。 」
「 おし、じゃあぶち込んでやるぜ。 」
一度手を離した次の瞬間に、チョップをかますと、そのメイドは真っ二つに切り裂かれ、消滅した。
そして、それを知ってか、いや、タイミング的には偶然か。あの虫メイドがオレを見つけたことを、〈伝言〉辺りで知ったか、似たような改造メイド服の女たちが、オレたちの前に現れる。
「 獣王メコン川様、でよろしいですね? 」
リーダーっぽいメガネの女、ええとなんってったかな?
「 ユリお姉様。何故、至高の御方ともあろうお方が、斯様な虫けらと行動をともにしているのでしょう? 」
「 何かしらの精神汚染を受けていると考えられますわ。
ルプスレギナお姉様を殺したのも、きっとそのせいでしょう。 」
「 タドコロ、あの無礼な黒髪の女どもに覚えは? 」
「 あぁ、覚えてますね、あの2人。金髪はソリュシャン。種族はショゴスだったか?黒髪のメガネじゃない方は、ナーベラル・ガンマっすね。二重の影のくせにあの顔にしかなれない雑魚ッス。 」
「 ほぉ。種族レベル1ってことか。それならわざわざ二重の影で作る意義がないな。 」
実際そうなんだよなぁ。確かアレを作ったのは二式炎雷だったか。大分極端なビルドをしてたんだが、確かに二重の影の他者への変身という特性と噛み合いが悪いってスネ。
「 一応お前らに言っとくけどよ、ルプスレギナを殺ったのはオレ自身の意思だってそれ一番いわれてるから。 」
「 !? 」
オレのこの一言に、メイド共は動揺を隠せていない。奴ら視点では、必死こいて探した至高の御方とやらが、まさか自分の作ったNPCを殺すなんて思いもよらないだろうからな。
あのオブジェを作ったらしいデミウルゴスも、オレたちに褒められたくてやってた節があるし。こいつらも確かカルマ値+寄りだった真ん中の奴以外は、活かしておく意味がないです。強いていえばアウラをアレしてるらしいあるじぇんとへの土産くらいしかそれらしきものがない。アイツもKMRに悪魔合体がどうとかっていってたな。
「 今、なんと? 」
「 だから、アレ殺したのはオレ自身の意思だっつったルルォ?精神汚染なんてもの受けてないです。 」
「 お姉様、やはりメコン川様は何かしらの洗脳か、魅了にかかっている可能性が・・・ 」
「 いい加減に受け入れろ。お前らはお前らの言う創造主に棄てられたんだ。理由はどうあろうが。中には不本意だったのもいるだろうが、こんなことしたところでみんな戻ってくるわけないゾ。」
「 このヤブカぁ、御方々を愚弄するかぁ・・・! 」
「 事実を言ったまでゾ。でなきゃ大墳墓にその御方々とやらが誰一人いないなんて状況になってないからな。
所詮は遊びゾ。暇を持て余したお前らにとっての神、のな。そんな奴らがお前ごときにまともに取り合うわけないゾ。それに必死に振り向いてもらおうとするお前らは滑稽ゾ。
これをオレたちの言葉で、"骨折り損のくたびれもうけ"というんだゾ。 」
MURはんのナザリックNPCのプレイヤー神格化を利用したレスが炸裂しますね。口論でも強いッスね。実際のところ、あのモモンガが何かしらの要因で一時的に離れて、そのまま転移したってのが通説だが、奴らの俺らへの妄信を加味すれば、これくらい突き刺さる言葉もなかろうよ。
「 遊びだと? 」
「 貴様!訂正なさい!! 」
「 する気はないゾ。なんでする必要があるんだ?(正論)お前らの言う御方々、アインズ・ウール・ゴウンが神ならば、万民を殺し尽くした殺戮者どもに、何故神が微笑むんだ?
奴らとて、心あるものゾ。非道な行為を働くものに、哀しみや怒り、失望を覚えないわけがない。 」
「 微笑みますとも。だって御方は、ヘロヘロ様はそのように私を・・・ 」
「 お前は神と自分を同列に考えるのか?そうあれと創ったからといって、そのヘロヘロというやつがお前と同じだと、お前のやったことに喜ぶとだれが証言できる?
人間種とはいえ、ここまで殺す必要はあったか?ないよなぁ!?少なくともその御方とやらならば、ここまでの真似はしないゾ。それこそよほど頭のイカれたやつでない限りは。 」
その指摘は的を射ている気がする。
オレたちは元は人間だ。そう、ナザリックが殺しまくった奴らと同じだったのだ。人種がどうとかはともかく、そうである以上は、人間種に対して、なにも感じなくなったとしても、むやみ矢鱈に殺しまくったりはしないはず。
しかし、こいつらは生まれついでの異形種だ。それゆえに人間種を殺すことになんの躊躇いもないどころか、遊びのように殺す者だっている。
その差異故にそんな奴らの勘定で、みんながどうなるかなど推し測れる筈がない。
奴らは化け物で、オレたちとは価値観が違う。
「 貴様に、御方のなにがわかるのだ!?このゴキブリめぇ!! 」
「 メコン川様を洗脳したのみならず、至高の御方々を侮辱するとは!! 」
こいつら、オレが操られてるって体で話を進めてますねぇ。よほど現実をみたくないのか、或いは真面目にそう信じ込んでいるのか。
そういえばお前さ真ん中の奴さ、さっきこいつらと一緒にでてきたときからさ、中々喋んねぇよな。
いずれにせよ、貴女方には死んでもらいます。
「 こいつらは、オラが相手するゾ。いいな、タドコロ? 」
「 いや、MURはんの手を煩わせるまでもないです。
トオノ、やれ。 」
「 グゥゥゥウ・・・! 」
オレの乗っていたお気にの魔獣、ジュラシックな彼、トオノ。
種族名は"
こいつはちょうど85。それもおれのビーストテイマーとしてのスキルで実数値は10ほど上がっている。
コイツには、一つ芸がある。
それは・・・
「 アァァァァァアア!! 」
雄叫び一つで、自分より遥かにレベルの低い相手を即死させることッスね。スキル〈恐怖の咆哮〉だ。
まさしく"世界のトオノ"ッス。
このスキルによって、ナーベラルとソリュシャンは即死。
ま、63と57レベルだからね。多少はね?
んで、生き残ったのは、消えゆく巨大カマキリとクッソ汚い粘体に挟まれた、デカチチのメガネメイドだけッスね。
「 あのお姉さんはなんで死なないゾ? 」
「 あぁ、アイツは・・・ 」
あぁ、ダメダメダメ!( 現場監督 )あの娘なんていうんだっけ?
「 お前なんていうんだっけ? 」
「 ユリ・アルファにございます。 」
「 あぁ、そうだ。ユリ。コイツはアンデッドなんすよ。 」
「 ほう。吸血鬼・・・いや、デュラハンかゾ?
そのチョーカーは首と胴体をくっつけて固定してる。
でいいかゾ? 」
「 左様に御座います。 」
さっきまでの敵意が嘘であるかのように、ユリは丁寧に答える。トオノのスキルで姉妹たちが殺られて自分の負けだと知った以上、もう抵抗する気はないんだろうな。
エラく潔い。やまいこさんがカルマ値+150に作ったからかな?
その謙虚さ誇らしい・・・誇らしくない?
「 まずオレさぁ、お前のことさ、活かしてやろうと思うんだけど、お前どう? 」
「 ・・・よろしいのですか? 」
「 構わん。お前悪い奴じゃないし。ホントはこんなこと、したくなかったんだろ? 」
「 ・・・かような真似をしたところで、やまいこ様はお戻りにはなられないことくらい、わかっていました。しかしながら・・・ 」
「 周りに流されざるを得なかった、か? 」
「 はい。 」
「 詳しくはウチで聞くか。MURはん、今日はここらで打ち切って、一旦帰りましょうよそうしましょうよ。 」
「 おっそうだな。 」
こうしてオレたちは、帰路に就いた。ていっても、〈 転移門 〉でシモキタザワまで移動してすぐすけどね。
しかしだ。
転移したところがなぁ・・・
「 ハァッ・・・ハァッ・・・♥ 」
「 おうおかえり。その人も、ナザリックの? 」
「 そ、そうッスね。 」
「 お熱い仲みたいだが・・・ 」
「 あぁ、彼女があまりにきかん坊でな。この通り、大人の階段を登らせている。だんだん馴染んできたらしい。 」
「 あ、アウラ様・・・ 」
「 ユリ・・・見ないで・・・ハァ♥もっとしてよ♥ 」
「 もっと欲しいか? 」
「 うん・・・欲しい♥・・・来てよ♥ 」
「 アイツ、もしペルソナ使いだったら、もれなくマーラ様がペルソナになってるゾ。 」
ローションまみれで身体のあちこちに鞭打たれたり、噛まれたりした跡のついたダークエルフのロリと竜人。思いっきり交わってやがるんだよな。こんな絵面R-18まったなしなんだよなぁ。やっぱりこ↑こ↓はユグドラシルじゃないってハッキリわかんだね。
それで、ユリもあるじぇんとに任せるとして、彼女からは有益な情報が得られた。
曰く、アレを指示したのは、守護者統括のアルベドらしい。
その際はナザリック内で意見が割れたらしいが、多数決によって、根掘り葉掘りギルドメンバーを探すことが決まり、あの惨状を作り出すことになる。
途中、アホみたいに強いドラゴンがでてきたらしいが、そこにはナザリック最強のルベドをぶつけて、なんとか相討ちに持っていったそうだ。
そのドラゴンは、真なる竜王とかいうらしく、ユグドラシルでは見なかった魔法を使うらしい。
そのドラゴンのことも気になる。特にあるじぇんとが喰らいついたが、それよりもナザリックをどうにかしなければならない。
オレはあの大墳墓に戻るつもりはない。
やはり、あそこは潰すしかないのかもしれない。
窮屈なようで、楽しかった。オレたちのナザリック。
それがこの世の地獄となったのならば。
腹を括らねば、ならないのかもしれない。
一方、その頃。別の場所では。
「 国3つを滅ぼした悪魔の巣窟、ナザリックか。 」
「 どうするの、サトル? 」
「 うーん、皆さんはどう思います? 」
「 オレはパス。だっておっかないもん。 」
「 オレもペロロンさんに賛成。触らぬ神に何とやらってやつだ。 」
「 私も、ですね。気にはなるところですが、今が楽しいので、深追いはしないほうが良いかと。そういうモモンガさんは? 」
「 オレもですね。オレには今のギルドがありますし。ほとぼりが冷めるのを待つか、西側には近寄らないほうが無難でしょう。 」
あるじぇんとは現在のシモキタザワにおいて、数少ない貴重なノンケ、というか両刀使いです。