勇戦のアルヴヘイム   作:葵衣なつ

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第34話『邂逅』

 星歴10017年10月2日午前11時、私たちは帝国に到着した。

 

 帝国の門前で諸々の検査を受けた後、ロード・オブ・アーカイブスを定められた場所に止め、必要な荷物を取り出す。

 

「おお」

 

 行き交う多種多様な種族の人々、流石は魔術と共和の大陸と行ったところだろうか。

 

 白炎に教えてもらった西の大陸と違い、東の大陸に数多なる種族の人々がいる理由。

 

 それは最西端の王国『ガルド』と東の大陸の間に存在する魔界への入口『魔界の門(サタナエル・ゲート)』から発せらせる『魔粒子型マナニウム』の影響を他大陸以上に受け、その結果として人体の遺伝子情報が上書き、魔術を使うことに適した身体へと変化したから…らしい。

 

 例外として精霊術や魔獣の使役法に目覚めたアルトランドたち『エルフ族』や、マナニウムを直接身体中に取り込み、『身体強化』に特化した力を得た『獣人族』みたいなのもいるとか。

 

「じゃあボクはホテル取ってくるね」

 

 荷物を全て取り終えた後、白炎はホテルを取りに一足先に街中へと入って行く。

 

「俺は少しアルを借りていく」

 

 アルトランドはアルの腕を掴み街中へ行った。

 

「…どうしましょうか」

 

「どうする…?」

 

 いつの間にかヨナも消えており、取り残された私とメイは事前に渡されたお金をみる。

 

「…とりあえずなんか食べたい…」

 

 腹が空いてきたのでメイにそういうと、レストランを探すことになった。

 

「どこにしましょうか?うむむ…」

 

 メイはすぐ近くにあったマップを見ながら良さげなレストランを探し始めたのでその間に私は周りを見渡すことにした。

 

「にしても広いなぁ…カザエラムの比にならないよ…」

 

 土地勘がない上にマップもろくに読めない私がひとたび迷子になれば皆とそう簡単に合流できないだろうと考えていると、メイが肩を叩いた。

 

「見つかりました!」

 

 ◈◈◈◈◈

 

 はぁはぁ…はぁはぁ…。

 

 追ってくる人を巻くために、迷路のような路地をひたすらに走る。

 

「嫌だ…」

 

 思い出すのはパパとママが知らない人たちに殴られ、蹴られ、いたぶられていた少し前のこと。

 

 そして、パパとママが身を挺してわたしを助け出した『あの日』の出来事。

 

 その後わたしはこの国に流れ着き、しばらく路地裏で暮らしているとパパたちを甚振った人たちが追っかけてきて、今は逃げている。

 

「パパ…ママ…ッ起きてよ…ッ」

 

 両腕で落ちないように握りしめているのはパパとママに託されたぬいぐるみである。

 

 それはパパ曰く『魂魄起動機兵(ゴーレム)』と言い、わたしがピンチになった時助けてくれるらしいが、あの日以来一度も起きてくれない。

 

「あっ…」

 

 足に力が入らなくなったのか何も無いところで転んでしまった。

 

 痛い、苦しい、嫌だ。

 

 走ってきた方角を振り向くと、すぐそばまでパパたちをいじめた悪い人たちが追ってきており、見つかるのも時間の問題だろう。

 

「…嫌」

 

 見つかり、捕まると何をされるか何となく察していた。

 

「嫌だ…助けて」

 

 悪い人がわたしを見つけたのか、その人の手が怪我して動かせない足に近づいてくる。

 

「助…けっ…て…」

 

 それが届いたのか、振り絞って出した声と同時に悪い人が奥まで飛ばされていた。

 

「大丈夫!?メイ!その子をお願い!」

 

「はい!ご主人様!」

 

 メイ、と呼ばれた女性が私を抱き抱える。

 

「あんた…何者だ?」

 

「私はルナだ!」

 

「そうか、じゃあ死ねェ!」

 

 悪い人が短剣を握り、ルナという女性に向かって走り出す。

 

「木の葉よ舞って!咲たまえ!芽吹たまえ!」

 

 女性がそう呟き、手を悪い人へと向ける。

 

 すると悪い人の足元から植物のツタのようなものが伸び、捕らえた。

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