海軍大将"赤獅子"   作:ざいざる嬢

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息抜き投稿。

このネタ絶対あると思ったけど、意外なことに無かったので書いてみました。




海軍大将『赤獅子』

 

 

 偉大なる航路(グランドライン)新世界、ドレスローザ。

 新世界にある世界政府加盟国であり王下七武海である"天夜叉"ドンキホーテ・ドフラミンゴが治めている島国だ。

 だがそれも、数日前の話。ドフラミンゴは王下七武海脱退、同時にドレスローザ国王退位を宣言。

 真偽の確認と共に場合によってはドフラミンゴを捕らえるため、そしてドレスローザへと向かっているという海賊"麦わらの一味"と同盟を結んだ"七武海"トラファルガー・ローの真意を確認すべく、海軍元帥であるサカズキの命で海軍大将"赤獅子"が現地へ赴くこととなった。

 

 そんな状況にある中、この日コリーダコロシアムでは『メラメラの実』を優勝賞品とした一大イベントが行われていた。

 

 コロシアムを少し離れた場所から見つめる巨影がひとつ。

 赤い獅子のような長髪をたなびかせ身長6メートルを超える巨体を持つ男は、背中に身の丈ほどある黒い双大剣を背負い、仁王立ちしていた。

 

「……祭りか」

 

「ダメですよ()()。コロシアムは警察と海兵の立ち入りは禁止になっていますから。 ましてや、あなたほどの方が参加されては……」

 

「うむ……仕方ない、か。 では大人しくグリーンビットへ向かうとしよう。ここはメイナードとバスティーユに任せるとしよう」

 

 部下を連れ、幾つかの指示を出しグリーンビットへと歩を進めた男の歩みに迷いはない。

 部下の海兵たちはその歩みに頼もしさを覚えた。

 

──海軍大将"赤獅子"

 世界徴兵により"緑牛"と共に海軍大将として迎えられた最大戦力。

 大将に迎えられてから、彼は破竹の勢いで活躍しインペルダウンLEVEL6の脱獄囚を次々と捕らえ、多くの海兵から賞賛と尊敬、信頼を得るに至った。

 

(……どうしてこうなったかなぁ)

 

 そんな"赤獅子"は内心頭を抱えていた。

 その理由は彼の過去を語らなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 偉大なる航路(グランドライン)、新世界にエルデと呼ばれる島がある。

 この島にはローデイルという国の首都と島のどこからでも目にすることが出来る黄金樹が聳え立っている。

 ただし、ローデイルは世界政府非加盟国であるが、特殊な海域なためかあまり海賊や海軍といったものの被害には遭うことはなく、むしろ内戦の方が盛んであった。

 

 理由はローデイルを治めていた女王マリカの死去。

 マリカによって統一されていたエルデの地はマリカの死によって崩壊し、マリカの血を引く者たちでの熾烈な争いが繰り広げられることとなった。

 "赤獅子"ことラダーンもその1人であった。

 

 だがラダーンは少々特殊な生まれであった。

 所謂前世の記憶を持って生まれてきていたのだ。

 彼は生まれてしばらくして、細部がことなるもののこの世界を有名なゲームである『ELDEN RING』の世界だと確信した。

 

「よりにもよってラダーンかよ!?」

 

 ELDEN RINGという作品においてラダーンとはデミゴッド最強の一人とされており、作中における破砕戦争においてもう一人の最強と名高いデミゴッド『ミケラの刃、マレニア』との戦いで相打ちになり、その身を腐敗に侵され正気を失いながら死体を集め慟哭砂丘を彷徨うという哀れなものになってしまっている。

 更に言えば、追加コンテンツで配信された『SHADOW OF THE ERDTREE』において、デミゴッドであるミケラによって蘇生。最終的には魅了されてしまいミケラの約束の王としてDLCのラスボスを飾った。

 

 言ってしまえばラダーンは最強だったが故にミケラに狙われてしまい、最終的に尊厳全てを失うような末路を迎えてしまうのだ。

 

「どうしよう……作品としては大好きだけど、この世界で生きるとなるとキッツイぞ……」

 

 転生したらラダーンだった件について。と頭を抱えながら、微妙に設定が異なるエルデの地を彼は原作知識を使いながら、そしてラダーンの名に相応しいだけの力を持つべく努力した。

 当然、重力魔法を扱えるようにと原作における魔術街サリア、そして母であるレナラが治めるレアルカリアにて魔術の勉強をしようとしたが、不思議なことに両方存在したものの、魔術というものは存在しなかった。

 だが、母から与えられた()()()()()を口にすることで重力を操る力を得たので良しとした。

 

 そして、結果だけを語ればラダーンはエルデの地をマリカに代わり統一した。

 陰謀の夜が起き、『黄金のゴッドウィン』が死んだことをキッカケに破砕戦争が起きてしまってからは自身の最大の敵であるミケラとマレニアを警戒しながら、巨大な蛇に変身できるようになった(ライカード)を叩きのめし説得し、人形へと姿を変えることが出来るようになった(ラニ)の協力を得るために敵対する刺客をぶちのめし、忌子として捨てられた兄弟(モーグとモーゴット)の手を取りローデイルの守りを盤石なものにし、離反したミケラとマレニアを迎え撃つことに成功した。

 ラダーンは運命を乗り越えたと歓喜した。

 

 そして、ラダーンは新たなるエルデの王として君臨することになったのだが、ラダーンは「なにかおかしくない?本当にこれELDEN RINGの世界か?」と疑い始めた。

 何せマリカは本当に死んでいるし、半身であり自分の父でもあるラダゴンはいない。ゴッドウィンも死んだが肉体も死んでおり、死体から死の芽が蔓延るようなこともなく、死に生きる者が現れることもなかった。

 黄金樹は現状ただ黄金に輝くだけのデカい樹だ。律すら掲げられないし、エルデンリングもない。

 ラダーンは首をかしげながらも、フロム作品では語られていないことが多いし自分が生まれたこと(ラダーンに転生したこと)で何かしら原作とはずれてしまったのではないかと推測した。

 

 だが、それは意外な形で裏切られることになった。

 

 

 

 とある日、ケイリッドにある赤獅子城から海賊船が接近しているという報告を得たラダーンはこれを沈め、海賊たちを一掃した。

 そして、その後を追うように()()が現れた。

 

 その軍艦の帆のマークを見てラダーンは慟哭した。

 

「『ELDEN RING』じゃなくて『ONE PIECE(ワンピース)』かよ!!」

 

 ──ラダーンの前世の記憶がいつかの様に溢れ出した。

 海賊王ゴールド・ロジャーの死によって始まった大海賊時代。 彼が遺した"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を求め多くの者が海賊となり偉大なる航路へと挑む。端的に言えばそういう話だ。

 そんな冒険と浪漫あふれる話なのだが、とびっきりの厄ネタが多いことでも有名だ。

 原作の最新話辺りの展開から、もしかするとこの世界におけるマリカの死は世界政府が関係しているのではないかと疑うネタもあり、ラダーンは『ELDEN RING』よりもこっちの世界の方がヤバいかもしれないと嘆いた。

 ついでに言えば、重力を操る力も悪魔の実『ズシズシの実』によるものだとようやく理解した。

 

 

 そんな厄ネタに晒されている中、ラダーンに世界政府からの書状が届く。

 それは原作において語られた『世界徴兵』で、内容は「ローデイルを世界政府加盟国として認める代わりに海軍大将としてラダーンを迎えたい」というものだった。

 これにより時系列的には頂上戦争後、3D2Yの期間であると推測された。 ──それと同時にこの世界に"藤虎"ことイッショウが存在しないのではないか、という予測も出来た。

 

 ラダーンも大いに悩み、悩みに悩んだ結果受け入れることとなった。原作の流れは既にエルデとローデイル、ラダーンが存在することで変わっている。否、変わるだろう。 ならば、今後ローデイルを、エルデを守るためにもラダーンは原作に介入することを決意した。

 ローデイルは最もこの国を愛するモーゴットを代理の王として任せ、その補佐を兄妹に頼み、幾人かの部下を連れ海軍本部へと向かった。

 

 

 

 

 

 ──そして現在。

 ラダーンは"七武海"を脱退した"天夜叉"ドンキホーテ・ドフラミンゴを捕えるべく、ドレスローザへと到着し通報のあったグリーンビットへ──。

 

 

『ドフラミンゴは"七武海"をやめてなんていねェッ!!シーザーを返しても何の取引も成立しやしねェんだ!! おれ達は完全にハメられた!!』

 

「理屈が分からねェ……一体……!」

 

『説明は後だ!! その島から早く逃げろ!! 急げ!!』

 

「ゲェー! か……海軍!! いや……いいのか!?」

 

「おまえにしちゃあ上出来じゃねェか!! まさか海軍大将がお出ましとはァ……おいロー!! 七武海をやめたおれは恐くて仕方ねェよ!!」

 

「……!! ウソをつけェ!!!」

 

「世界政府の力を使って、わずか十人あまりのおれ達を騙すためだけに……!! 世界中を欺いたってのか!!?」

 

「大きなマジックショー程……意外に簡単なところにタネはあるもんだ」

 

 

 グリーンビットの砂浜で王下七武海"死の外科医"トラファルガー・ロー。 シーザー・クラウン。 "ドレスローザ国王"ドンキホーテ・ドフラミンゴ。

 そして──

 

「フッフッフッ!!お前か……世界徴兵で海軍大将に特任された"赤獅子"。噂はよく聞いてる……。"緑牛"と共に実力は折り紙付きの化け物だとな」

 

 海軍大将"赤獅子"ラダーン、この四人の強者が集っていた。

 ラダーンはイッショウの代わりにこの場にいることを申し訳なく思いつつも、原作における悲劇を少しでも回避すべく動き出す。

 

「わたしは海軍の新参者だが、おぬしの行動は理解しかねるな。 聞いたところによれば"七武海"のルールを違反しているという話も聞く。 それに……そこにいるシーザー・クラウンが言っている"ジョーカー"という名はおぬしのあだ名か何かか?」

 

「フッフッフ!! おれを調べたきゃあ……それなりの覚悟で周到に裏を取って物を言うんだな!! フッフッ……それで? 今海軍は今回のローの処分をどう決めた!?」

 

「……報じられた麦わらの一味の件、記事通り同盟なら"黒"! 彼らが……ロー、おぬしの部下になったのなら……"白"だ!!」

 

「「!!」」

 

「返答によっては……わたしの仕事は、おぬしと麦わらの一味の逮捕になる」

 

 ラダーンの告げた内容にシーザーが騒ぎ出し、ローは「"麦わら"と俺たちに上下関係はないっ!!! 記事通り"同盟"だ!!!」と叫ぶ。

 

「そうか。ならば称号は剥奪。 この場でひっ捕らえ……それで済めばいいか?」

 

 ラダーンは背負った二振りの大剣を能力で操作し、両手で握った。同時にゴゴゴッと地面が、大気が揺れる。

 瞬間ラダーンは跳躍し、紫に輝き回転しながらローへと襲いかかった。

 思わずローはシーザーの首根っこを掴みながら飛び退く。

 ラダーンの一撃はローを捉えずに終わったかに見えたが、その一撃は砂浜の大半を吹き飛ばし、かつその下の地面を隆起させた。

 これに巻き込まれる形でドフラミンゴにも余波と隆起した地面が襲い掛かり、ドフラミンゴはそれを自身の能力で細切れにし事なきを得た。

 三人は無傷だが、これが直撃していたら両者ともにひとたまりもなかっただろう。

 

「元帥の教育はどうなってんだ!! 野良犬がァ!!」

 

「……これまでの相手とは次元が違うな」

 

 ドフラミンゴは青筋を立て悪態を吐く。

 ローも冷や汗をかきつつも険しい顔つきだ。

 対してラダーンはにやりと余裕たっぷりに笑う。

 

「なに、ほんの小手調べよ。 ここからが本番だ」

 

 ラダーンを中心に直径二メートルほどの岩石が無数に浮かんだ。それぞれが紫色の光を帯び、何らかの能力であることがローとドフラミンゴの共通の理解となった。

 

「祭囃子には丁度いい」

 

 ドンッ!という音と共にラダーンは両手を振り上げローへと叩き下ろす。 ローはすぐさま能力を発動し、森の中へと逃げ出し時間稼ぎに徹する。

 

「フッフッフ! 鬼ごっこか?ロー!!」

 

 逃げ出したローを追おうとするドフラミンゴだったが、それをラダーンは大剣で行く手を遮る。

 

「どういうつもりだ"赤獅子"? おれの邪魔をするのか?」

 

「どうするつもりか、だと? ……()()()()()()()()

 

 ドフラミンゴを遮る方とは逆の大剣を森へと向け、ラダーンは大剣を起点に能力を発動する。

 そうすると正面から大剣へとあらゆるものが引き寄せられていく。樹が、草が、鳥が──そして、ローも。

 

「なっ!? す、吸い込まれるってのか!?」

 

「否。 正確には()()()()()()()()()()()、というのが正しい」

 

 要はラダーンは能力で重力の方向を大剣へと変えたのだ。結果、大剣へとあらゆるものが引き寄せられ、落ちていく。

 

「"ROOM"!! "シャンブルズ"!!」

 

「甘いッ!!」

 

 能力の移動で逃れようとしたローだったが、それを()()()()()()ラダーンはそこへと岩石弾を放つ。

 まさか移動先に攻撃が用意されているとは思わず、ローはそれを受けてしまう。

 

「なッ!? ぐぅっ!!」

 

「フッフッフ! おかえり、ロ~~~~ッ!!!」

 

 更にそこへ追撃を仕掛けるドフラミンゴ。

 ローは絶体絶命の危機へと追いやられた。

 

 

 

 





ラダーン
転生者。ELDEN RING世界に転生してしまったと思っていたら、ONEPIECE世界だったという現実をなし崩し的に受け入れた。
原作を変えるためにめちゃくちゃ鍛えた結果、ラダーンの名に恥じないだけの強さを得た。転生チートとかはない。寧ろ原作ラダーンがチートみたいなもの。
ズシズシの実の能力者。イッショウと原作ラダーンのやることは大体全部出来るし、なんなら戦技『星雲』なんかも使える。覇王色持ちで纏える。
ズシズシの実ではフワフワの実のように自分を浮かせるということは本来できないものの『ラダーンなら出来る』という思い込みでこれを克服。おかしいけど、ラダーンだからこれぐらい出来る。


続きはまた気が向いた時にでも。
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