最終回です。
タイトルで察している方はいるでしょうが、敢えて言います。
なんと最終回は三話あります(予定)
所変わってセンゴク、おつるサイド
マンシェリーの献ポポに協力しがてら、ラダーンの真意を探る
ローとセンゴクが接触し、ロシナンテの真実を伝える
センゴクがローを見逃し、ラダーン戦に参加するように促す
開幕と同時に放たれたラダーンの矢に大多数の戦士達が脱落。
「ラダーン!! 聞いたぞ、サカズキを口論で黙らせた上になにやら祭りをするとな!! わっはっは!私が元帥じゃなくてよかった」
「おだまりおかきオヤジ! 大目付は無責任でいい気なもんだよ」
ドレスローザにやってきた大目付の"仏のセンゴク"と"大参謀"のつる中将。
かつてドンキホーテ海賊団を追っていた二人がドフラミンゴの護送の任に就いたのは一体何の因縁だろうかと思いながらもラダーンは二人を出迎えた。
「大将赤獅子──何故海賊を捕えない?」
「わたしの中で、今の彼らは国を救った英雄──勇者だ。 十年もの間この国はおろか、世界の闇に巣食った巨悪の一角を打ち破ったその偉業は讃えられてしかるべきだ。無論あの状況下で略奪を行っていた海賊は既に捕らえたが……この国では海賊ではない勇者たちにはチャンスを与えてもいいとは思いませんか、おつるさん?」
「……私には理解出来かねる物言いだけどね。だからといって、エルデの流儀には口を出しはしないよ。ただ、ちゃんと責任はとるんだよ」
「勿論ですとも」
「ラダーン様! こいつエルデへ持って帰ろう!戦った時から目をつけていたんだ!」
──と、そこへフレイヤが割って入る。
こいつと言って引っ張ってきたのは海楼石の錠で拘束されているベビー5だった。
「こいつの──なんと言ったか?ブキブキとかいう能力があれば、もっと戦いが楽しくなる! それにほら、見ての通りメイドだから普段はローデイルで働かせればいい!」
「フレイヤ……お前なぁ、エルデではもう大規模な戦いは無いのに、わざわざ連れていく必要もなかろう?」
「角人連中の粛清はあるではありませんか! そうだ、いっそのことメスメル様へと預ければいい!この女は絶対に役に立つ!」
フレイヤは実のところ脳筋──元々剣闘士の出であったからかもしれないが戦いにしか興味がない騎士だった。
彼女をラダーンが海軍へと連れだしたのは、エルデの地で燻っているよりも戦地へと行かせた方が彼女の性には合っているだろうと判断したからという経緯があったりする。
結果、彼女は外の世界を存分に謳歌しているが自由すぎるのが偶に瑕であった。
「……大将赤獅子、アンタも難儀な部下を持ったねェ」
おつるに同情されたラダーンはフレイヤに
(私……必要とされてる!?)
なお、当のベビー5が内心ノリノリだったことは言うまでもない。
それから、ラダーンはとある人物と対面し、ひとつの用事を済ませ旧王の台地に仁王立ちして"麦わらの一味"とローを待っていた。
「来たか」
見やれば視線の先には"麦わらの一味"の姿とコロシアム参加者達の姿があった。
その士気は高く、どうやら先のドンキホーテファミリーとの戦いでの不甲斐なさを払拭するため。そして、何よりも今度こそ"麦わら"への恩を返すべく多くの戦士がこの場に集ったのだった。
「来たぞォ~~~!!! 赤獅子のおっさん!!!」
ルフィに合わせて「うおおおお!!!」と戦士達の声が空気を伝いビリビリと轟く。
それを受けたラダーンはニヤッと笑みを浮かべる。
「……思いの外、参加者が多いようだ。 ラダーン様、雑兵は我らが──」
「不要だ。 オウガとフレイヤには海の方を任せる。いいな?」
時間的にはそろそろルフィ達に恨みを持つ大艦隊がやってくる頃。邪魔されてはたまらないと──その気になれば一瞬で片付くが──信頼する部下に後ろを任せることにした。
「承知」
「さあオウガ! どっちがより沈められるか競おうではないか!」
「……フレイヤ、お前はもう少し落ち着きを覚えろ。それにおれの方が沈められるに決まっている」
「なっ!? 言ったな!? ならば目にもの見せてくれる!この"ガンメンの盾"で……ああ!?ぶっ壊れてる!?」
「あの最高幹部に壊されたんだったな。 帰ったら戦車隊に直してもらうんだな」
「くっ……また出費が……!!」
「お前はいつも余計な武具を買いすぎだから金欠になるんだろうが。ルーンとベリーの無駄だ」
「余計とはなんだ!? 有意義に使っているだろ!?」
くだらない口論をしながらオウガとフレイヤは一足先に連合艦隊を迎え撃つべく海へと向かった。
「ラダーン様、そろそろ始めましょうぞ」
「うむ。 では……開催の音頭は任せるぞジェーレン」
「御意」
ジェーレンとレナードは来たる戦士達へと近づきながら声を張り上げて宣言を始める。
これからエルデの英雄であり、海軍大将であるラダーンに挑む戦士達への敬意を以て。
「勇者達よ!よくぞ臆せず来た! 時は来た!祭りの時間じゃ!
大将赤獅子、ラダーン様は今!お前達を待っている!
勇者達よ、戦いたまえ! 誉と共にラダーン様を討ち破り自由を手にするがよい!
さあ戦祭りじゃ!!ラダーン祭りじゃあああああ!!!」
ジェーレンの開催の音頭が終わるとともにラダーンも武器を取り出し、臨戦態勢に入る。
──二振りの大剣ではなく、身の丈ほどの大きさの獅子の鬣があしらわれた黒鉄の大弓を。
「いくぞおおおお!!!」
「"麦わら"に続けぇ~~~!!!」
「「「うおおおおお~~~!!!」」」
ルフィを先頭に、続々と戦士たちが駆け抜ける。
コロシアムでは装備の重量制限があったが、その縛りは今回無く各々の本来のポテンシャルを発揮できる状態であった。
だからこそ、誰も彼もが自信にあふれている。 ドフラミンゴに操られるという屈辱もあったが、試合ではない戦闘ならばと誰もが意気込んだ。
ラダーンは静かに大弓に
「さあ、開幕だ」
槍が黒く変色し、武装色の覇気によって強化される。さらに能力を併用することで重力による強化も受け、原作さながらのラダーンの槍が完成する。
目標は──"麦わらのルフィ"。
チュン……
大弓から放たれたにしてはあまりに静かなその射撃は、実のところあまりの速さに音を置き去りにしていると気づけたのは一体この場に何人いただろうか。
「み、みんな避けろォ~~~~!!!」
ただ一人、先頭を駆けたルフィだけが理解していた。あの射撃の脅威を。それ故に警告の叫びをあげた。
狙われたルフィは九蛇海賊団──女ヶ島で矢に覇気を纏わせる技術を知っていたため、その槍から感じられる覇気から受けたらマズいと察し、全力で回避することに成功した。続けてルフィの叫びを聞き幾人かの戦士たちが回避に成功する。
だが、流星の如く放たれた槍を多くの戦士はそれを視認することも出来ず──
──結果、槍に籠められた覇気と重力によって発生した大爆発に巻き込まれた。
爆発によって生まれたクレーターには一撃で気を失い、無惨にも倒れ伏す戦士たちの姿があった。
「………は?」
「おいおいおいおい………弓で出る威力じゃねェぞ!! あの弓矢は大砲か何かか!?」
あまりの威力に"ゴッドウソップ"が恐れおののく。
一味の中で狙撃手を担うだけあり、狙撃の腕や知識には自信がある。 だが、ラダーンのそれはウソップの想像をはるかに上回った。
「爺ちゃんが砲弾ぶん投げてきた時みてェだ……」
思い返すはウォーターセブンを出航した時のこと。 英雄ガープの"拳骨
あの時はクー・ド・バーストで逃げることが出来たが、今回はそうではない。 あの弓撃に立ち向かわねばならないのだ。でなければ一方的に狩られるだけの戦いになってしまう。
「大方能力も関係してるんだろうがヤベェな……受けるならあの矢は完全にぶっ壊さねェといけねェ!!!」
そう意気込むがラダーンは既に二射、三射と槍を撃っていて、後方の戦士たちがなすすべなく大爆発で倒れていく。
そして四射目が再びルフィ達目掛け射られ──
「バーリア!!!」
突然現れた不可視の壁によって──否、バリアによって直撃を免れた。
「大丈夫だべか!?ルフィ先輩!!!」
「トサカ!!」
バリバリの実のバリア人間であるバルトロメオ。そのバリアはあのラダーンの一撃をも防ぐことに成功した。
「すげェ能力だな……あれを防ぎきっちまうとは」
「トサカ君、ありがとう。あのままだったら私たち肉塊になっていたかも」
「怖えーこと言うなロビン!!!」
(ゾロ先輩とロビン先輩が褒めてくれてるべ!!?感激だべ~~~!!!)
「よし、これなら安全に近づける!! バルトロメオ、このままバリアを張って進むんだ!」
「おめェが仕切るんじゃねェべ!!!キャベツ!!! "バリア
バルトロメオのバリアによる猛突進を先頭に残った戦士たちはラダーンへと近づいていく。
その間、ラダーンは槍を射続けるも衝突の度に一時的に歩を止めることしか出来ず、これ以上は無駄と悟り──星砕きの大剣を手に取った。
「さあ来い"麦わら"!!! そして、歴戦の戦士達よ!!! ここが──この戦場が!!!わたしたちの魂の場所だ!!!」
次回更新はまた遅れます。多分。
楽しみにお待ちください。