オラリオでDGPを開催するのは間違っているだろうか? 作:寝心地
「……………ここに僕のオーディエンスが」
ベルはスパイダーフォンの案内に従いオーディエンスの部屋に来ていた
長い長い道を進み行き止まりに当たるとそこには見慣れない様々な品が置かれた部屋があった
「……………ここは?」
「俺の部屋だ、中々イケてるだろ?」
声が聞こえ振り返るとそこには1人の青年が経っていた
「貴方は?」
「リーンと呼んでくれ、君のサポーターの1人だ、宜しくな英雄君」
「そんな、英雄だなんて……………ん?サポーター?オーディエンスじゃなくて?」
「まぁ、よりゲームを楽しめるオーディエンスとでも思ってくれたら良い。しかしいきなり退場した時はどうなる事かと思ったぜ、威勢良く飛び出したのは良いがふっとばされんだもんな」
ベルは最初のゲームを思い出し顔を赤くする
「す、すいません」
「全く、余り心配させないでくれよ?今回蘇ったのだって別のサポーターの誰かがお前の主神様を推薦してソイツが優勝したからだからな?」
「神様が……神様もこの大会に参加してたんですか?」
「お前が死んだ次の大会でな、兎も角俺はお前が英雄を目指して戦う姿が好きなんだ。これからも俺をお前のサポーターでいさせてくれよ?」
「はい!!宜しくお願いします!!」
ベルはリーンと握手をするとゲームに向けて外に出た
「………………………………」
アイズもまた他の参加者と同様オーディエンスの元へ向かっていた
他の参加者同様長い回廊を進み部屋に辿り着くと無数のぬいぐるみや人形が飾られた部屋に辿り着く
部屋の中心には龍のぬいぐるみを抱いた少女がソファに座っていた
「貴方が……オーディエンス?」
「そう、私はヴェンデッタ」
少女はそう言い机の上に置かれたカップの中身を飲むとアイズに隣に座るよう促す
アイズも特に抵抗する理由も無く隣に座る
「強いね貴女……………」
「……………ありがとう」
「復讐……………したいの?」
「ッ!!…………………したい」
「私が知ってる復讐したがる人は皆悲惨な目に遭って死んじゃった……………」
「…………………………」
「それでも貴女は復讐したい?今持っている物を捨ててでも復讐したい?そもそもそれができる?」
「…………………………出来る」
アイズはヴェンデッタの覚悟を問う様な質問に暫く考えた後覚悟を決めた様にそう答える
「そう、じゃあ助けてあげる」
ヴェンデッタはそう言うと立ち上がりソファの後ろにある冷蔵後から無数の菓子類を取り出す
「始まるまで一緒に食べよう?」
ヴェンデッタはそう言い2人はツムリから連絡があるまで話を続けた
フィンもまた他の参加者同様オーディエンスと対面していた
「貴方が僕を支援してくれる観客……………と言う認識で良いのかな?」
フィンの前にいるのは紳士服に身を包み椅子に座り珈琲を飲む1人の男性
「ええ、改めて自己紹介を、私はグット今回貴方をこのゲームに推薦致しました」
「推薦?そう言えば彼女にこれを渡された時選ばれたと言っていたが君が選んだのかい?」
「そうですね、しかしこの場で話しても意味はないでしょう。貴方が負ければここで話した事も忘れてしまう」
「確かに」
「時に、貴方は【勇者】と呼ばれているのでしたね」
「ああ、一族の再興の為にね」
「ふむ、私が思うに貴方はまだ芋虫の様だ」
「……………何?」
グットの言葉にフィンは疑問を口にする
「こう見えて私は貴方が思うよりずっと前から貴方を見てきたのです。貴方は自ら勇者を名乗り一族の希望になろうとした、実に素晴らしい自己犠牲だ。だが」
グットはそう言いカップを置くと続ける
「貴方は恐れている」
「…………………………」
グットの言葉にフィンは黙り込む
「何を恐れているのかまでは分かりません。モンスターではない、死ぬ事でも無いでしょう、何を恐れているのかは私も分からない、ですが」
グットはそう言い珈琲を一口飲む
「臆病者を英雄や勇者と認める者は居ないでしょう?」
「中々言ってくれるね、なら僕はこの大会で君に証明しよう、僕が臆病者ではなく勇敢な勇者だと」
フィンはそう言うと椅子から立ち上がりサロンへ戻って行った
「楽しみにしていますよ、【勇者】様」
その背中にグットの激励を感じながら