ライフや手札は勿論、墓地に送られたカードや効果処理の管理や確認もする必要あるので。
あと凄い長くなる。効果の説明を一部省いた部分あるのに、1万文字越えたんですが。
神のカード。
それは他の有象無象のカード達と違い、圧倒的なパワーを持ち尚且つ希少性の高いカードである。
相手にフィールドに攻撃表示で召喚されたモンスターの攻撃力を2000ダウンさせ、0になった場合にそのモンスターを破壊する【オシリスの天空竜】。
攻守で4000ありながら、自身以外のフィールドのモンスターの攻守を半分にする効果を持つ【邪神ドレッド・ルート】。
守備表示である限りその神以外のモンスターを相手は攻撃対象に選べず、その神は守備力が4000もある驚異の鉄壁力を誇る【
必ず勝てるとは言わないまでも、上記以外でも神のカードが1枚でもあれば戦況を大きくひっくり返せるだろう。
しかし大きな力を扱うには持ち主の技量が問われる。強いが故に神のカードのパワーを活かせる場面を自身で判断しなければ本来の実力を発揮出来ない。
それが神のカードである。
───尤も、何事にも例外は存在するが。
「おい。そこのお前」
「え、なに。誰アンタ」
「お前が近ごろ噂の『八百万の神使い』だな」
「やおよろず……? ごめん、知らない噂なんだが」
八百万の神使いと呼ばれる少年が道を歩いていると、突如として同い年ぐらいの人物に話しかけられる。
お前が噂の人物だなと確信気味に言われたが、当の本人には心当たりが無い。それにその噂すらも聞いた事が無い。誰かと間違えていないだろうかと首を傾げる。
「多くの神のカードを持ち、それを本来の実力以上のパワーで扱える奴、とでも言えば伝わるか?」
「あー……なるほどな。確かに俺だ」
「ふっ。やっぱりな」
しかし噂の内容を聞くや否や、少年───神使いは自分自身が噂の人物だと。
たった1枚持つだけでも相当の実力があると見なされる神のカードを多く持ち、それを手足のように自由に操る様子から名付けられた『八百万の神使い』。
その噂の人物が目の前に居ると判明するや否や、声をかけた相手は表面上は冷静さを保ちながらも内心では冷や汗をかいていた。
「俺は『神殺しのゴスター』。俺と
「証明するしないはどうでも良いが、
神使いからすれば、相手が強いかは二の次である。
純粋に
「「
八百万の神使い
LP:4000
手札:5枚
神殺しのゴスター
LP:4000
手札:5枚
「俺の先行から行かせてもらうぞ神使い」
~ターン1 神殺しのゴスター~
「俺は【フォッシル・ダイナ パキケファロ】を攻撃表示で召喚」
星4/岩石族/地属性 攻撃表示
フォッシル・ダイナ パキケファロ
ATK:1200
DFF:1300
効果:①このカードがリバースした場合に発動する。フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
②このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにモンスターを特殊召喚できない。
「カードを2枚伏せてターンエンドだ」
神殺しのゴスター
LP:4000
手札:2枚
モンスター
攻撃表示 フォッシル・ダイナ パキケファロ
魔法・罠カード
伏せカード×2枚
「お前がどんな神のカードを持ってるか知らないが、特殊召喚を封じられては折角の神のカードも召喚出来ないだろう?」
神使いがどんな神達を扱うかは分からない。故に先行を取り、フィールドに召喚した【フォッシル・ダイナ パキケファロ】の効果で、モンスターの特殊召喚を封じた。
どんな神で在ろうとも、召喚するにはそれなりの代償が必要。
例をあげると【オベリスクの巨神兵】はモンスターを3体リリースする必要があり、1ターンの間に召喚するのなら最低でもモンスターを3体、フィールドに召喚する必要がある。
故に先行を選んだ。
先行で相手の展開を防ぎ、神のカードを出させずに勝利する。
これが神殺しと呼ばれるゴスターの戦略の一つである。
~ターン2 八百万の神使い~
「ふっふっふっ。ゴスターって言ったか? アンタに俺の持つ神のカードを見せてやるよ!」
「なに? 特殊召喚は封じた筈だが」
「特殊召喚? 違うんだよなぁ。この神のカードは通常召喚で場に出せるんだ!」
まさかと言った様子でゴスターは神使いを見る。
神には代償、もしくは一定の条件が必要。それはこれまで戦ってきた神のカードを使う決闘者達から推測した内容だったからこそ、神の召喚に必要であろうモンスターの特殊召喚を封じれば神使いは何も出来ないとゴスターは思っていた。
「現れろ! 俺の神モンスター!」
不味いと内心焦りながらも、ゴスターはセットした罠カードを見つめて平穏を取り戻す。
そのセットしたカードの内の1枚は【奈落の落とし穴】。攻撃力1500以上のモンスターが召喚された際に破壊して除外する効果を持つ。
いくら強力な神だろうとも、この罠カードがあれば大丈夫だと。召喚された途端に除外して序盤から勢いを崩そうと意気込んでいたが、神使いが召喚した神にゴスターは絶句する事になる。
「なっ! それが、神……?」
星4/悪魔族/闇属性 攻撃表示
ゼミアの神
ATK:1300
DFF:1000
通常:相手をだまして、破滅の道へと誘うことを得意とする邪神。
「雑魚じゃねぇか」
「雑魚だと? 俺の神の何処が雑魚だって言うんだ!」
「全部」
そう。召喚されたのは神は神でも、お世辞にもあまり強いとはいえない。もっと言えば、ただの雑魚であった。
名前に神は入っている。入っているが、どんな強力モンスターが召喚されるのかも思いきや、攻撃力も守備力も乏しく効果も無いとなれば、思わず雑魚と言ってしまっても仕方がない部分はあるだろう。
そして地味に攻撃力が1500以下なので、ゴスターが伏せている【奈落の落とし穴】の発動条件を回避している。
「そこまで言うなら神の力を見せてやる! 行け【ゼミアの神】、相手モンスターに攻撃だ!」
ゼミアの神
ATK:1300
VS
フォッシル・ダイナ パキケファロ
ATK:1200
1300-1200=100
神殺しのゴスター
LP:4000→3900
「たった100ダメージ。痛くも痒くも無い」
「俺はこのままターンエンドだ!」
八百万の神使い
LP:4000
手札:5枚
モンスター
攻撃表示 ゼミアの神
魔法・罠カード
無し
~ターン3 神殺しのゴスター~
「俺は魔法カード【ドラゴン・目覚めの旋律】を発動。手札を1枚捨てて、ドラゴン族を手札に2枚加える」
通常魔法
ドラゴン・目覚めの旋律
通常魔法:手札を1枚捨てて発動できる。攻撃力3000以上で守備力2500以下のドラゴン族モンスターを2体までデッキから手札に加える。
「更にリバースカードオープン。速攻魔法【手札断殺】を発動。互いのプレイヤーは手札を2枚捨てて、新たにデッキから2枚ドローする」
「さっきから手札交換が多いな。墓地肥やしが目的か?」
「ふっ。言うわけが無いだろう」
モンスターの特殊召喚を封じる【フォッシル・ダイナ パキケファロ】が破壊されてしまったが、問題は無いと手札に加えたドラゴン族2体を墓地に送り、新たに加えた2枚のカードを確認しながら戦略を組み直していく。
戦闘破壊は少し意外であったが、突破しようと思えば【サンダーボルト】のような全体除去であったり、【心代わり】のようなコントロールを奪うカードを発動してから、奪ったリリースして上級モンスターをして墓地を送ったりと、方法自体は豊富に存在する。
故にゴスターは焦らない。
突破されるのは想定内。召喚して様子を見たのは相手の出方を伺うため。そして今は次に繋ぐターンだと、墓地に落とした2枚のドラゴン族モンスターへ視線を向けながら、このターンでの動きを決めた。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
神殺しのゴスター
LP:3900
手札:2枚
モンスター
無し
魔法・罠
伏せカード×2枚
~ターン4 八百万の神使い~
「アンタに俺の持つもう一体の神を見せよう!」
「もう一体の神だと!?」
カードを伏せて相手の行動を伺うゴスターに対して、神使いは2体目の神を召喚すると高らかに宣言する。
やはり
「俺はフィールドの【ゼミアの神】をリリースし、現れろ戦いを司る神!」
星5/天使族/光属性 攻撃表示
戦いの神オリオン
ATK:1800
DFF:1500
通常:戦いの神と言われている天使。その戦いを見た者は誰もいない。
「フレーバーテキストで煽ってるのか?」
「いや、別にそんなつもりじゃないんだが……」
一瞬にしてその気合いは消滅した。
戦いの神の癖にその戦いを誰も見た事が無いってなんだ、喧嘩売ってるのかとテキストに対して怒るゴスターであったが、神使いは真面目に
「召喚時にリバースカードオープン。罠カード【奈落の落とし穴】。破壊して除外だ」
「くっ……オリオン!」
上級モンスターにしては貧弱なステータスであったが、それでも攻撃力1800は初期ライフを半分近くも削る危険なモンスターだと判断し、ゴスターは【奈落の落とし穴】で【戦いの神オリオン】を破壊して除外した。
そうして【戦いの神オリオン】はフレーバーテキストの通り、誰にも戦う姿を見せずに除外ゾーンへと消えていった。
「俺はカードを4枚伏せてターンエンドだ!」
八百万の神使い
LP:4000
手札:1枚
モンスター
無し
魔法・罠カード
伏せカード×4枚
~ターン5 神殺しのゴスター~
「俺は【暗黒の
星4/ドラゴン族/闇属性 攻撃表示
暗黒の竜王
ATK:1500
DFF:800
通常:暗闇の奥深くに生息するドラゴン。目はあまり良くない。
「そのまま神使いに
「攻撃? アンタ今、攻撃と言ったな?
「攻撃宣言時に発動するカードだと? まさか、【聖なるバ───」
「【邪神の大災害】!」
「…………なんだそれ」
攻撃時に発動する有名カード【聖なるバリア -ミラーフォース-】が発動されると想像していたゴスターだったが、想定外過ぎて困惑しながら神使いへと質問した。
「このカードは相手の攻撃時にフィールドの魔法・罠カードを全部破壊するカードだ!」
「つまり攻撃は?」
「このカードじゃ止められないな!」
地味に使いにくそうだ。
そう心の中で呟く神殺しだったが、この罠カードに対して発動出来るカードは手札にもフィールドにも存在しない。よって自分フィールドの2枚の伏せカードが破壊されるのを指を加えて見る事しか出来ない。
「くっ……。俺の伏せカードが」
「そして破壊された3枚の【黄金の邪神像】の効果発動! 破壊された時の効果として、自分のフィールドに邪神トークンを召喚するぜ!」
通常罠
黄金の邪神像 ×3
効果:セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分フィールド上に「邪神トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守1000)1体を特殊召喚する。
邪神トークン×3 守備表示
ATK:1000
DFF:1000
「なら攻撃をプレイヤーからトークンに変更。戦闘で破壊、メインフェイズ2でカードを2枚伏せてターンエンドだ」
神殺しのゴスター
LP:3900
手札:0枚
モンスター
攻撃表示 暗黒の竜王
魔法・罠
伏せカード×2枚
~ターン6 八百万の神使い~
「アンタに神を見せてやる!」
「あぁ、うん……またか」
2度ある事は3度ある。
その言葉を体現するように神のカードを召喚しようとする神使いであったが、ゴスターがこの
「邪神トークン2体をリリースして、現れろ【
星8/雷族/光属性 攻撃表示
創世神
ATK:2300
DFF:3000
効果:自分の墓地からモンスターを1体選択する。手札を1枚墓地に送り、選択したモンスター1体を特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
「なんだ。少しはマトモな神も居るようだな」
「ん? 何言ってんだ。さっきから神のカードを使ってただろ?」
「俺はアレらを神のカードとは認めない」
最上級モンスターにしてはまぁまぁの攻撃力、そして硬めの防御力。ようやくマトモな神が召喚されたと何故か敵なのにホッとするゴスター。
「俺は【手札断殺】の時に墓地へ送った【千眼の邪教神】を選択し、創世神の効果発動! 手札の【
星1/魔法使い族/闇属性 守備表示
千眼の邪教神
ATK:0
DFF:0
通常:人の心を操る邪神。千の邪眼は、人の負の心を見透かし増大させる。
「攻守0でレベルも1……リリース要因か?」
「俺の神のカードにケチを付ける気か!?」
「ケチを付けられるような強さなのが悪い」
相手のカードに対してケチを付けるのはマナーが悪いと自覚のあるゴスターだったが、わざわざ「これが神のカードだ!」と何度も宣言された挙げ句、肩透かしを喰らうようなカードを使われ続けては呆れてしまうのも無理は無いだろう。
「創世神で暗黒の竜王に攻撃だ!」
創世神
ATK:2300
VS
暗黒の竜王
ATK:1500
2300-1500=800
神殺しのゴスター
LP:3900→3100
「俺はこのままターンエンドだ」
八百万の神使い
LP:4000
手札:0枚
モンスター
攻撃表示 創世神
守備表示 千眼の邪教神
魔法・罠
無し
~ターン7 神殺しのゴスター~
「ドロー……なるほど。性能はともかくとして、八百万の異名に相応しいプレイングだな」
「え、そう? 誉めても何も出ないぞ?」
「だが、俺も神殺しの異名を背負ってるんだ。その実力をお前に見せてやる」
ゴスターの手札は
しかしこの状況を挽回するカードがあると言わんばかりに、神使いへと勝利宣言に近い言葉を投げる。
「リバースカードオープン。罠カード【リビングデッドの呼び声】を発動。対象は【暗黒の竜王】だ」
前のターンに付せたカードを発動させたゴスターは、効果により【暗黒の竜王】をフィールドに特殊召喚。
【リビングデッドの呼び声】は自分の墓地のモンスターを蘇生する効果を持つが、代わりに攻撃表示でしか特殊召喚出来ない誓約がある。
このままでは返しのターンで【創世神】との戦闘で破壊されてしまうが、ゴスターの目的はフィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体を特殊召喚する事にあった。
「さらにリバースカードオープン。速攻魔法【地獄の暴走召喚】を発動」
速攻魔法
地獄の暴走召喚
効果:相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する。
「俺はフィールドの【暗黒の竜王】を対象に、デッキから【暗黒の竜王】を2体召喚する」
「俺は【千眼の邪教神】を選択し、守備表示で特殊召喚!」
条件がやや厳しく、相手のフィールドにもモンスターが召喚されてしまう魔法カードだが、その効果は強力である。
しかしこれでは攻守0の【千眼の邪教神】はともかく、未だに【創世神】の攻撃力は越えられない。故にゴスターは手札に握っているたった1枚のカードを発動する。
「俺は手札から魔法カード【
魔法カード
龍の鏡
効果:自分のフィールド・墓地から、ドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
「俺はフィールドのドラゴン族3体、そして墓地のドラゴン族2体を除外して【
星12/ドラゴン族/闇属性 攻撃表示
F・G・D
ATK:5000
DFF:5000
効果:ドラゴン族モンスター×5
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードは闇・地・水・炎・風属性モンスターとの戦闘では破壊されない。
「神がどんなに強くても、それ以上の攻撃力。そして戦闘破壊耐性を持つモンスターで倒せば良い」
「攻撃力……5000!?」
ゴスターが【ドラゴン・目覚めの旋律】でデッキからドラゴン族を回収し、【手札断殺】で墓地に落とす。更に【地獄の暴走召喚】で
いくら神のカードが強力だろうとも、それ以上の攻撃力を持つモンスターで上から叩き潰せば良い。
単純であるが故に見落としやすくハマりやすい。これがゴスターのデッキの切り札であり、
「【F・G・D】で創世神に攻撃」
「ぐわあああ!」
F・G・D
ATK:5000
VS
創世神
ATK:2300
5000-2300=2700
八百万の神使い
LP:4000→1300
「ターンエンド」
神殺しのゴスター
LP:3100
手札:0枚
モンスター
攻撃表示 F・G・D
魔法・罠
無し
~ターン8 八百万の神使い~
「くっ……!」
神使いのフィールドには守備表示の【千眼の邪教神】が3体。
守備表示のモンスターが攻撃されてもダメージは入らないが、それも【千眼の邪教神】がフィールドに居る限り。全てフィールドから居なくなれば、
このターンで状況を挽回して勝利するカードは神使いのデッキには入っていない。
しかし勝利へと繋ぐまでの時間を稼ぐ神のカードは既に墓地へ眠っている。そしてその神のカードを召喚するには条件が必要である。その条件を満たすために、神使いはデッキからカードをドローする。
「ドロー!」
引いたカードはレベル1の効果モンスター。
その効果は今の状況では意味の無い。もっと言えば発動条件を満たしていないカード。だが今の神使いの必要な部分は効果ではない。レベル1で召喚可能なモンスターである点だ。
「俺は手札から【
星1/悪魔族/闇属性 攻撃表示
魔轟神ルリー
ATK:200
DFF:400
効果:このカードが手札から墓地へ捨てられた場合に発動する。このカードを特殊召喚する。
「上級モンスターは引けなかったようだな」
「…………いや、これで良い。この神が欲しかったんだ」
「なに?」
どう考えても【F・G・D】に勝てない攻守。仮に攻撃力を上回る隠し玉を持ってたとしても、戦闘では破壊されない効果があるのだから大丈夫。その筈だと、自身を奮い立たせようとするゴスターだが、神使いから嫌な雰囲気を感じる。
不吉? 不幸? 不安? いや、どれも違う。感じているのは負の感情だが、これはまさしく……
「アンタに俺の持つ最高の神を見せよう! 俺はフィールドの
「墓地からモンスターを召喚!?」
「現れろ。絶望を司る神!」
星12/悪魔族/闇属性 攻撃表示
絶望神アンチホープ
ATK:5000
DFF:5000
効果:このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの表側表示のレベル1モンスター4体を墓地へ送った場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
このカードがモンスターゾーンに存在する限り、他の自分のモンスターは攻撃できない。
このカードが戦闘を行うバトルステップ中に1度、自分の墓地のレベル1モンスター1体を除外して発動できる。このカードはそのダメージステップ終了時まで、他のカードの効果を受けず、戦闘では破壊されない。
「なっ!?」
そう。ゴスターが感じていたのは絶望の気配であった。
今まで神使いが見せてきた神のカードとはまさに別格。名前に負けないほどの攻守は正しく絶望を象徴するのに相応しく、苦労して召喚した【F・G・D】と同格のモンスターが召喚させた事にゴスターは絶句した。
しかしある疑問がゴスターの脳裏をよぎる。
それはいつ墓地に【絶望神アンチホープ】が送られたか、だ。
神使いが発動させたカードの中には、モンスターを墓地に送る効果は機会はあった。しかしその機会───【創世神】の効果で墓地へ送られたのは【魔轟神トピー】と言う全く別のカードだった。
そして伏せたカードが破壊されて墓地に送られる場面はあったものの、それらが発動して【絶望神アンチホープ】が墓地へ送られた覚えはない。ならいったい何処で墓地に送られたのだろうか。
「神使い、そのモンスターはいつから墓地に居た」
「ゴスターがカードを墓地に送る機会をくれたからな! その時にだ!」
「……なるほど。俺の【手札断殺】か」
「正解!」
墓地に次へ繋がるカードを落としていたのは、何もゴスターだけでは無かった。
神使いも予め【絶望神アンチホープ】を墓地へ落としており、機会が訪れた時に召喚出来るよう考えており、レベル1の【千眼の邪教神】を【創世神】の効果でフィールドに召喚したのはそれが狙いであった。
神使いは切り札である【絶望神アンチホープ】を召喚した今、攻撃を仕掛けたくはあるが、ゴスターの【F・G・D】には戦闘破壊による耐性がある。攻撃仕掛けては意味が無いと、このターンは勝利を目指すのではなく、勝利までの道を作る時間だと焦る気持ちを抑える。
「俺はこのままターンエンドだ」
八百万の神使い
LP:1300
手札:0枚
モンスター
攻撃表示 絶望神アンチホープ
魔法・罠
無し
~ターン9 神殺しのゴスター~
「いくら攻撃力が並ぼうとも、俺のモンスターには戦闘による破壊耐性がある。行け【F・G・D】、攻撃だ」
神から漂う絶望を振り払うかのように、ゴスターは自分のモンスターは負けないと【絶望神アンチホープ】に攻撃を仕掛ける。
同じ攻撃力同士のモンスターで戦闘が発生した場合、相討ち扱いとなり戦闘をしたモンスター達は同時に破壊されるが、ゴスターの【F・G・D】には戦闘による破壊がある。この場合、戦闘による耐性が無いモンスター……つまりは【絶望神アンチホープ】のみが破壊される。
「その時に【絶望神アンチホープ】の効果発動!」
「効果だと?」
「墓地のレベル1モンスター1体を除外して、絶望神の効果発動。絶望神はダメージステップ終了時まで他のカードの効果を受けず、戦闘では破壊されない!」
F・G・D
ATK:5000
VS
絶望神アンチホープ
ATK:5000
DRAW
「F・G・Dと同じ戦闘耐性か。厄介な……」
尤も、そのままであった場合であるが。
墓地のレベル1モンスターを1体除外する条件付きながらも、戦闘による破壊耐性に加えて他のカードの効果を受け付けない【絶望神アンチホープ】は、【F・G・D】との戦闘が発生したが破壊もダメージも起こらなかった。
「ターンエンドだ」
神殺しのゴスター
LP:3100
手札:1枚
モンスター
攻撃表示 F・G・D
魔法・罠
無し
~ターン10 八百万の神使い~
「ドロー!」
【F・G・D】に攻撃しても戦闘では破壊されず、攻撃力が同じでダメージが通らないので戦闘しても意味が無い神使いは、ここで勝利に必要なカードが欲しいとドローする。
そして引いたカードは神の名が入っている罠カード。
発動条件は相手が攻撃宣言をした時である。
神使いもゴスターも互いに伏せてあるカードが1枚も無い中、神使いは引いたカードをフィールドに伏せる。
「俺はこれでターンエンドだ!」
八百万の神使い
LP:1300
手札:0枚
モンスター
攻撃表示 絶望神アンチホープ
魔法・罠
伏せカード×1枚
~ターン11 神殺しのゴスター~
「戦闘による破壊耐性は厄介だが、その神は効果発動のコストとして墓地のモンスターのレベル1を除外する必要がある。何が言いたいか分かるか?」
「…………」
「【F・G・D】の方が上と言う事だ。行け、【F・G・D】。絶望神に攻撃だ」
戦闘による破壊耐性を付けられると言っても、それはあくまで墓地のレベル1モンスターを除外した場合のみ。攻撃を続けていれば、いつしかレベル1モンスターは居なくなり、戦闘による破壊耐性は付けられない。
そう発言するゴスターに神使いは無言になり、図星を付かれて何も言い返せないのだと一人で納得したゴスターは、【絶望神アンチホープ】へと攻撃を仕掛ける。
「攻撃? 本当に攻撃で良いのか?」
「ハッタリなら止めろ。大方、さっきの【邪神の大災害】のように攻撃を止められないカードだろう?」
神使いのフィールドには伏せカードが1枚。
それがブラフと決めつけるには判断材料は少ないが、攻撃を仕掛けなければ【絶望神アンチホープ】が効果を発動して戦闘による破壊から身を守ったり、他のカードの効果を受けなくなったりと、長引けば厄介な効果を残す事になる。
いつ逆転の一手を握られるか分からない以上、ゴスターは早めに決着を。そうではなくとも、逆転される可能性も少しでも低くしようと攻撃を取り止めない。簡潔に言えば、ゴスターは焦ってしまっていた。
F・G・D
ATK:5000
VS
絶望神アンチホープ
ATK:5000
「リバースカードオープン」
「まさか聖バリか!?」
「好きだなぁ、聖バリ。けど悪いな。これは聖バリじゃない」
罠カード
神風のバリア -エア・フォース-
効果:相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主の手札に戻す。
「ただのそっくりさんだ」
「F・G・Dがデッキに……!」
故に伏せカードによる警戒が薄くなってしまっていた。
伏せカードによって【F・G・D】はEXデッキ戻って───EXデッキから召喚されたモンスターが手札に戻る効果を受けた場合、手札ではなくEXに戻る───しまい、ゴスターのフィールドはガラ空きとなってしまった。
そしてゴスターの手札にはこの状況を打開出来るカードも、次のターンまで凌げるカードも無い。つまりは……
「…………ターンエンド」
神殺しのゴスター
LP:3100
手札:2枚
モンスター
無し
魔法・罠
無し
~ターン12 八百万の神使い~
「ドロー! そしてバトル! 【絶望神アンチホープ】で
「ぐっ……あああああ!!!」
神殺しのゴスター
LP:3100→0
神使いの勝利である。
「これが神のカードの力だ!」
「この俺が、負けた……?」
「強かったなアンタ! またやろうぜ!」
そんな中、神使いは心の底から楽しかったと笑顔を向けながら、ゴスターへと手を差し伸べる。
その表情には曇り一つ無く、神のカードを持っているからと有頂天になっている様子も、見下している様子も無い。あるのは純粋な善意であった。
「……ふっ」
ゴスターはそんな神使いの表情を見て笑い、差し伸べられた手を握る。
ずっと神を倒すための対策ばかり考えていて、
「次は負けない。今度会った時こそお前を倒して、神より強いと証明する」
「今でも充分強くね? 紙一重の戦いだったと思うんだが」
「なに? 神だと?」
「漢字違うけど?」
クールな印象だったが、意外とゴスターは天然なのかもしれない。
神使いは今度会った時はもう一度
YouTubeで遊戯王の動画見てたら作りたくなったので実際に作ってみました。ゼミアの神や戦いの神オリオンが入ってたのは、その見てる動画の影響です。
まぁそれ以外にも攻撃力1200を突破出来て尚且つ通常召喚(レベル4以下)可能なモンスターだったり、オチ要因用のモンスターを考えたらゼミアとオリオンが丁度良かったのも理由ですが。
それとカードを全然知らないので、検索サイトとにらめっこしながら「えっーと、神って名前が入ったカードは~……っと」って感じで調べてました。名前に「神」が入ってるカードしか使えない縛り難しいって! 実際に使った事あるのアンチホープや魔轟神ぐらいしか居ないって!
ここで裏話を一つ。
実はアンチホープをエースとして扱う主人公の話をボツした事があります。理由な召喚が大変だから。レベル1を4体並べるの手札管理とか面倒だって!