NOXIS   作:成道真生

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第4話 残映ーザンエイー

朝日を受け、地下のベッドから起き上がったノクシスは、静かに階段をのぼる。

 

1階。テーブルには朝食が置かれていた。

 

フィル「あ、ノクシス。おはよう」

ノクシス「あぁ……」

フィル「ご飯、食べちゃってよ。食べ終わったら墜落現場と、それから脱出ポッドを見に行こう」

ノクシス「……わかった」

ガンダス「おう!おはよう!」

 

昨晩もたっぷり酒を飲んだのだろうか。ガンダスは朝から一段と酒臭い。

 

フィル「おやっさん、今日から現場行かないと」

ガンダス「わかってるよ!今回の金はもらえねぇんだろ?ったく……しかたねぇな……いただきまーすっ!」

フィル「いただきます!」

ノクシス「……い、いただきます……」

ガンダス「今日は脱出ポッド見に行くんだろ?」

フィル「うん。その前に墜落現場に行こうと思っててさ。もしかしたら、ノクシスがどこの星から来たとかわかる手がかりが、まだあるかもしれないし」

ガンダス「ん……そうか。じゃ、俺は先に現場行っとくかな」

フィル「うん、そうしてよ」

ノクシス(……うまい)

 

朝食を終えた3人。

 

ガンダス「よし!んじゃ久しぶりに現場に顔出すかな〜っと……くらぁ!?」

フィル「行ってらっしゃい!おやっさん。よし、俺らも行こう」

ノクシス「あぁ……うん」

 

 

その頃、作業現場。

 

―キュイイイイ……

―ドドドドドドド、ガガガッ!

 

作業員A「ん?なんだ?」

作業員B「どうした?」

作業員A「いや……なんかここ、ドリルが動かねぇし。刃が欠けちまったんだよ」

作業員C「あぁ? 親方ー!!」

ノックス「ん? どうした!」

作業員C「ドリルが欠けちまった!」

ノックス「なぁあにいい!?」

作業員A「ここだけ鉱石の質が違ぇんだよ」

ノックス「……わかった! 一旦作業中止!新しいドリルが来るまで休憩だ!」

 

作業員たち「おっす!」「やったー!」

 

ノックス「おい、新しいのの手配たのむわ」

作業員「わかりやした!」

ガンダス「おう!ノックス!来てやったぞ?なんだ?今日はもう終わりか?」

ノックス「ガンダス、この野郎。久々に来たと思えば……。今ちょうど新しいドリル持ってきてもらってるとこだ。それまで休憩だよ」

 

ノックスはガンダスの声を聞くや、足場の高所から器用に飛び降り、そのまま眼前へと降りてくる。

 

ガンダス「よう、兄弟」

ノックス「何が兄弟だ! 腰はいいのかよ?」

ガンダス「おう、心配かけたな!」

 

そう言いながら、なぜかコサックダンスを披露する。

 

ノックス(……絶対嘘だな、腰痛)

 

ノックス「そんなことよりよ、大変だぞ」

ガンダス「ん?」

 

ノックスの表情が曇る。空気に不穏な気配が漂い始める──。

 

 

4日前、ノクシスが脱出ポッドで墜落した場所。

 

フィル「ここだよ。ここで君を助けたんだ。……ん〜、何もないみたいだね」

ノクシス「そうだな……」

フィル「よいしょっ」

 

フィルは大きめの岩に腰掛ける。ノクシスも隣に座った。

乾いた風が、優しく2人を撫でていく。

 

フィル「はー……気持ちいいね」

ノクシス「……うん……」

 

静かに頷くノクシス。穏やかな時間が流れる。

 

フィル「あと2日で、オイラは母星に帰るんだ」

ノクシス「え?」

フィル「ほら、昨日おやっさんが言ってたろ?俺たちはこの星に“出稼ぎ”に来てるんだって」

 

フィル「この周辺の惑星はさ、このザハルダも、オイラの母星グリンデラも、全部ちょっと前まで“侵略”を受けていたんだ」

 

ノクシス「……侵略?」

 

“侵略”という言葉が、晴れた空を鋭く切り裂いた─

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