荒れ果てた大地に、黒き巨人が立っていた。
ノクシスは荒く息を吐きながら、自身の大きく変貌した両手を見つめていた。
ノクシス「はぁ、はぁ……な、なんだ……これ……」
その手のひらは、闇に包まれたように黒く、指先の一つひとつが鋼のように重厚だった。自らの姿に戸惑い、震えるような声を漏らす。
ノクシス「俺が……巨人になっているのか……」
その巨体を見上げ、人々の間に悲鳴が走る。
群衆の声「闇の……闇の巨人だぁ!」「ベリアルなのか!?」「いやぁぁぁ!」
フィルは立ち尽くし、声を失っていた。
フィル「……アニキ……」
ガンダス「行くぞ!フィル!」
ガンダスはフィルを抱きかかえ、作業現場の避難所へと駆け出した。
避難所の入り口でノックスが出迎える。
ノックス「兄弟!大丈夫か!」
ガンダス「はぁ、はぁ……あぁ、大丈夫だ」
ノックス「フィルは?」
フィル「……大丈夫だよ、親方……」
ノックス「うん。それにしても……なんだあいつは……闇の巨人なのか?」
ガンダス「……わからん……だが……闇の存在にしては……」
その時──
ピピピ……ピピ……ピピピ!
2体のレギオノイドのセンサーが反応を示す。
レギオノイドα「闇……検知」
レギオノイドβ「……光……検知」
ノクシスは震える拳を握りしめ、敵を見据えて一歩踏み出した。
ノクシス「とにかくこいつらを止められる力であるならなんでもいい!」
大地が鳴動する。巨体の一歩ごとに、地面が揺れる。ノクシスは戦闘態勢を取り、真正面からレギオノイドへ向かって走り出す。
「オゥワッ!!」
レギオノイドα「敵対反応」
レギオノイドβ「攻撃開始」
轟音とともにキャノンから攻撃が放たれる。
ズドォォオオオン!
ノクシス「デュワッ!!」
ノクシスはその攻撃を正面から受け止めながらも怯まず、キャノン装備のレギオノイドに殴りかかる。鋼の拳が鋼鉄を撃ち、火花を散らす。
だが──
ドリル装備のレギオノイドが背後からノクシスにドリルで襲いかかり、強烈な打撃を浴びせた。
ノクシス「ドゥワッ!ゥウワッ!」
反射的にキャノン装備のレギオノイドへ蹴りを放ち、ドリル装備のレギオノイドに連撃を与える。
次の瞬間──
キャノン装備のレギオノイドから高出力のガンビームが放たれる。
ジガガ! ドドドド!!
ノクシス「デュワァァア!」
直撃を受け、ノクシスは吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。地が震え、粉塵が舞い上がる。
フィル「アニキ!」
群衆の声「なんだあの巨人……」「レギオノイドと戦ってる!?」「敵じゃないのか?」
ノックス「おい!兄弟…あいつはいったい…」
ガンダス「…あの脱出ポッドに乗っていたやつだ…」
ノックス「なに!?」
フィル「アニキが…」
ノクシスは荒く息をつき、地面に伏せていた。
ノクシス「はぁ、はぁ……くそ……身体が重い……思うように動かない……」
その瞬間、脳裏に誰かの声が浮かぶ。
──
???「その子は……絶望の闇であり。私にとっての希望の闇なんだよ」
──
ノクシス「……くっ……い、今のは……なんだ……闇?……絶望の闇……?」
ピピピ……ギギガガガ。
レギオノイドが武器を構え、レギオビームとガンビームをで再度襲いかかろうとする。
ノクシスは膝をつきながら、胸を押さえた。
ノクシス「……くそ……もっと……もっと力が……!」
その時だった。
ブゥオオオオン……
ノックス「おい!なんだ!巨人の様子が…」
ガンダス「闇が…広がっていく」
胸の奥、黒いアークから濃密な漆黒のオーラが漏れ出し、全身に絡みついていく。
ノクシス「ぬ、ぅあ……! なんだ……この奥底から湧き出るようなマグマは……っ!」
その闇は鎧のようにノクシスの身体を覆い、赤黒く脈動する。瞳は黄色から真紅へと変わり、不気味な光を放った。
「ドゥワァァアアアア!!」
理性はもはや消えかけていた。獣のようにうなり声を上げ、唸りながら立ち上がるその姿は、まさに畏怖そのもの。
周囲を包む空気さえ変わる。
大地に、荒ぶる闇の戦士が立ち上がった──。