ハスターなオリ主と米花町   作:ラムセス_

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明日は遊びに行くのでたぶん更新はお休みです。


神様純愛劇場、そのほか事後処理

 

 あれからしばらく、サイコパス扱いされてる俺である。

 

 扱いに困ったミ=ゴは、結局本国に蹴り返すことになった。

 財界もその超技術の山が名残惜しくはあったのだろうが、いかんせん相手の技術力の方が高いのが問題だ。

 「侵略・搾取されてしまうのでは」「外交にかこつけて威圧的に振る舞われるのでは」との疑念が噴出。

 

 特にそのミ=ゴが平然と残虐な殺人を犯したことが問題視され、外交は見送りとなったのであった。

 妥当な判断ではあるのだろう。

 ミ=ゴの精神性は割と利己的だし、普通に交流を始めたら争いは避けられなかったからな。

 

 

 そして同時に、荒ぶる神ハスターを鎮めるため早急に神社で神事が行われた。

 

 

「なんでぇ……どうしてぇ……」

『当然なんだよなぁ』

 

 俺は机に突っ伏してベソベソした。

 事件のあらましが伝えられてすぐ、偉い人がたくさんやってきて俺にナムナムしてきたのだ。

 しかも怯えがちに距離取られた。

 警視庁にもしばらく来なくていいよってなったし、慰労の品がたくさん事務所に届けられた。

 

「絶対降谷さんが有る事無い事吹き込んだんだ!俺人間に怯えられること何にもしてないもん!!」

「僕はただありのままの事実を伝えただけだ。殺人を犯した宇宙人にキレた君が種族ごと滅亡させようとしたと」

「キレてないもん!な、ニャル!!」

「はい。第一、羽虫如きにキレたりしませんよ。下等生物は目が腐ってるんです」

 

 俺のそばで頭を撫でてくれていたニャルが、俺の味方をしてくれた。

 先ほどふらりと事務所に遊びに来てコナン君達を震撼させたニャルだが、良いところもあるのだ。

 

 俺は感動してニャルに抱きついた。

 セクハラかもしれんが今は夫婦だし問題なかろう。

 

「うぅーーー!ニャル!!!」

「ええ、僕は何があろうと貴方の味方ですよ。……というか羽虫の行動にはマジに理解できないんですが」

「本体、目の前で似たような生物が絶滅させられそうになれば怯えるのが心情というものだろう」

「でも我が夫はこんなにも羽虫を愛しているんですよ。僕がこんな格好してる意味考えたことあります???」

 

 ニャルは嫉妬をむき出しに降谷さん達を睨みつけた。

 降谷さんがうーーんと唸ってからヒソヒソと話し出す。

 

「考えたら、あれは猫好きが極まった奴が自分の彼女に常に猫のコスプレを強要させてるみたいなものか?」

『夜のお店じゃん』

「予想よりちょっとキモかった…いやだいぶキモいな黄衣さん」

「そこ!!!俺が泣かないとでも思ってるのか!!!」

 

 俺は再びニャルに泣きついて、そして普段から俺に付き合ってくれている事実を噛み締めて叫んだ。

 

「愛してるニャル!!いつもありがとう!!!」

「ッ!!あ、あなた……♡」

 

 俺たちは感動的に抱き合い、喜びを分かち合った。

 なおキスはしたことがない。

 俺は単に奥手だから。ニャルはそういう文化がないから。

 

 降谷さんが後ろで「!?!?本体、止めてくれ!俺まで『トゥンク…』ってなる!嫌だ、嫌だ!」と言いながら諸伏さんに抱きついた。

 

『?????』

「何何何安室さんが壊れた!?」

「違う、違う…本体の極まった愛情と喜びが逆流して…うぅ…」

『ええんやで、力一杯抱きしめても。相手がゼロなら受け止めるまでだ』

「ヒロ……!じゃあ失礼して」

 

 降谷さんは勢いよく諸伏さんを鯖折りにした。

 「ぎゃあああああ!ギブ、ギブ!」と野太い悲鳴が聞こえてくる。

 ニャルは後ろの喧騒を全然気にしてないホワホワ幸せ笑顔で俺を見る。

 

「でも本当に良かったんですか?滅ぼすならいっぱい楽しそうな企画を思いついてたんですが」

「具体的には?」

「ラジコンユニットを投入して、無数にいる奴らを殺していくんです。一定数殺したらランダムに選ばれた三択の中から選んで一段階機能解放できて、そのまま殺し続けてスコアを競うんです」

「それも聞いたことあるゲームだな。買ったのか?」

「はい。簡単操作で意外と楽しく遊べましたね」

 

 なるほど。それは一考に値するかもしれない。

 俺は次の機会があったら実施しようと心に決めてニャルと笑い合う。

 

 コナン君が「邪神笑顔……」と呟いた。

 そんな邪悪な顔しとらんわい。

 今いい感じのラブロマンスじゃったろうが。

 

 ニャルがヨイショと席を離れ、扉の方に向かう。

 もう帰るようだ。

 

「ああ、じゃあ僕はこれで。僕がいない間も、僕のことだと思って化身を愛でてくださいね」

「それはちょっと違うんじゃよ」

 

 え?とニャルがパチクリした。

 いや外なる神的には何も間違いじゃないんだけど、でも降谷さんは違うじゃろ。

 諸伏さんが「新感覚ラブコメディ『愛されゼロ』好評発売中!」とか謎の商品紹介をぶち上げている。

 降谷さんはすっかりチベットスナギツネになってしまった。

 

 

 

 そのようにして、事後処理はまったりと終わったのだった。

 

 その後も、俺は事務所のみんなに非難轟々だった。

 邪神、ガチガチの荒御魂、ニャル2号などなど。

 

 ニャル2号は許されざる侮辱だと思ったのだが、全会一致で可決され俺は数の力に敗北した。

 降谷さんに「僕でももうちょっと穏便に事を運ぶ」と睨まれて。

 

 しおしおになって事務所の隅で体操座りする日々が続いている。

 

 言うほどダメか?

 人間じゃないんだし、どうなろうと構わへんのだろ。

 しかもあいつ人間に危害を加えた毒虫だし、ちょっと燻煙して滅ぼすぐらい当然だと思うんやけど。

 

 でも生粋の「秩序にして善」のみんながダメっていうし、ダメなんやろなぁ。

 

 長い邪神生活でニャルと族滅ごっことか恒星バレーボールとか色々やったから、俺も感覚が麻痺していたのかもしれない。

 

 ちょっと反省、と俺はしょげかえった。

 

 

 

 

 夕方、コナン君が少年探偵団と遊び終わって帰宅してくる。

 今日は休日だ。

 降谷さんと諸伏さんも仕事を手伝ってくれているし、比較的仕事の調子は穏やかだ。

 

 帰ってきたコナン君が、降谷さんの隣のデスクについてたまっていた依頼を片付けていく。

 降谷さんは仕事が早くて幾分か終わらせてくれていたらしく、「ありがと、安室さん」「いいってことさ」と会話がある。

 

 俺も児童労働状態をなんとかしたいんだが、コナン君自身の希望もあって手伝ってもらっている状況だ。

 本当は核の推理部分だけ任せるのが吉なのだろうが、その後書類をまとめるのを別の人がやると二度手間だし漏れが出る。

 

 難しいところよ。

 

 コナン君がしばらく依頼の整理を進めていると、ふと書類に目を向けたまま話しかけてきた。

 

「あのさぁ。赤井さんって、明美さんと恋人同士なんだよね」

「だね。頻繁にデートしてるし工藤邸は愛の巣だし」

「その言い方はやめて…」

 

 急に始まった赤井さん談義に、降谷さんはいきりたった。

 突如バキッ!とボールペンをへし折って「……失礼」と言って淡々と折れたペンの処理をした。

 怖い以外の感想がない。

 

 目線はこっちには向いていないが、降谷さんがすごい勢いで意識を集中しているのがわかる。

 コナン君が至極言いづらそうに言葉を続けた。

 

「それで、明美さんは、灰原と姉妹じゃない?」

「うん、仲良し姉妹だね」

「赤井さんのお母さんは世良メアリー、MI6のエージェント」

「間違いない」

「…………でさ。メアリーさんと灰原って、めちゃくちゃ似てない?」

 

 うーん、と俺は首を捻った。

 確かに似ている気がする。ちょっと確認してみようか。

 

 チョロリと魔術を発動して、血縁関係を調べてみると。

 結果は1秒未満で取得できた。

 

 おお、と俺が目を見開いて見て、「何かわかったの!」とコナン君が食いついてくる。

 

「メアリーさんは姉妹だ。妹さんが宮野という夫を得て、志保ちゃんと明美さんを産んだんだ。だから志保ちゃんの伯母がメアリーさん、ということになる」

「それって!」

「ん、とすると…いとこ婚になるね。赤井さん」

 

 まあ法律で規制はされてなければいいんじゃないかな。

 各国まばらな対応だし、禁止されてない地域で結婚すればいい。

 

 降谷さんがそこでハッと酷いショックを受けて突っ伏した。

 

『ど、どうしたゼロ!?腹痛か!?』

「……ヘルエンジェルは、あの人は赤井の叔母さんだった……?」

『思ったよりどうでもいい内容だった。メディック呼ぶ?』

「呼ばない」

『メディーック!!メディーーーッック!!!』

「呼ばないって言ったろ!!」

 

 愉快な公安は置いておいて、急にそんな話をし出した理由を尋ねてみる。

 するとうーんと悩んでからコナン君は今日有ったことを教えてくれた。

 

「あー。今日帰りに交通部の由美さんと会って、羽田名人といい感じになってたって聞いてさ。ちょっと事件があったけど」

「お、進展あった?」

「一進一退って感じかな。ともかく、その時に灰原に、羽田浩司って人がアポトキシン4869を飲まされた件について話してたんだ」

「ああ、RUMが関与していたやつか」

 

 降谷さんが口を挟んだため、コナン君が目を丸くした。

 

「え、安室さん何か知ってるの?」

「概要だけは。珍しくRUMが失態らしくてな。任務中、声を聞かれたのにSPの一人を仕留め損ねたと言っていた」

「!」

「そこに居合わせた羽田浩司にいっぱい食わされて逃したらしい。黒田管理官もその場にいて負傷している」

 

 「まあ、特に気にすることはないさ」と降谷さんはうすら暗いニャル笑顔でせせら笑った。

 

「ほら、これが本物の邪神笑顔ってやつだ。俺は違う。な?」

『ここに社を建てよう』

「何故」

 

 俺は憮然とした。降谷さんも憮然とした。

 

 事務所の奥のキッチンにはまだ偉い人がたくさん持ってきた手土産が山と積まれている。

 俺は荒ぶってないのに。

 

 そのようにぶつくさ文句を口の中で転がしながら、今日のお仕事もつつがなくおえたのであった。

 





・健気な猫耳ニャル
ハスターのためならコスプレもするし心まで羽虫に寄せる。自らを改造して彼の愛を得るに足る形になる。
純愛かもしれない。わからない。
少なくとも二人でいる時間こそをニャルは神生の中で最も大切なものとしている。
感情が極めてビッグなため、近場にいる降谷さんは高確率で洗脳される。

・ミ=ゴ
送り返されてきたおバカを処刑して種を上げて神に捧げる儀式をして震えて寝てる。
この展開でどれだけの種族が塵になったかよく知っている。
しかも神自らが滅ぼすと口にしている。例外はない。今まで無かった。
人より長い歴史を持つミ=ゴが、星々を渡って得た情報に生存の芽は見当たらない。
冥王星から逃げ出す案も出たが、その程度で神から逃れられはしないと悲観論が漂っている。
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