ハスターなオリ主と米花町   作:ラムセス_

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百万ドルの五稜星〈中間決着〉

 

 北海道東照宮の地下から空っぽの木箱を回収したなり。

 

 先に何者かが盗み出していたようだ。

 かなり立派なお社に保管されていたから、神器みたいでちょっとテンションが上がったのだが。

 残念ながらスカということで、ややガッカリな俺である。

 

 それと、会議室に仕掛けられた盗聴器から俺たちの動きを伺っていた斧江拓三、カドクラ一派はまとめて捕縛した。

 

「何を考えているんだ?こんな人里近くで銃撃戦なんて。警察を舐めているのか?あ?」

 

 暗黒の波動を滾らせた激怒の降谷さんが風で全員縛り上げて、ドスの利いた声で威嚇するなどしている。

 どうせ公安案件として処理するのだから隠す必要はない、ということなのだろう。

 

 どうでもいいけど俺の化身になって降谷さん、キレやすくなったよな。

 いや俺のせいじゃないけど。俺のせいじゃないけどさ。

 

 戦闘は一方的で、発砲されたほぼ全弾を風でひとまとめにして見せつけるように手からパラパラ撒くなどして威嚇。

 そのまま狼狽える暴漢たちをマモーさんが魔術で昏倒させてゲームセットである。

 

 降谷さん、それはドラゴンボール仕草なんよ。

 でも惑星破壊はできないけど惑星文明破壊はできるから、サイヤ人編の一番最初ぐらいなら出れる戦闘力かもしれない。

 うーむ。俺はどうだろ。

 結構いい線まで行くと思うんだが。

 

 俺がどうでもいいことを考えていたら、コナン君が慌てて福城聖に駆け寄った。

 

「福城さん!大丈夫!?」

「ああ……弾が掠めただけだからね」

 

 福城聖はこっそりと俺たちの後をついてきていただけだ。

 それでコナン君に向けられた初撃を咄嗟に身を挺して庇い、負傷した。

 肩を弾丸に抉られて出血しているようだ。

 

 コナン君が慌てて治癒魔術を発動し、それはすぐに塞がれた。

 しかし疲れと緊張は無視できないのだろう。

 彼は砂利の上にへたり込んで息をついたようだった。

 

「僕を庇ってくれてありがとう、福城さん……もう他に傷のあるところはない?」

「大丈夫さ。勝手についてきただけとは言え、君を助けられてよかったよ」

「………」

 

 コナン君は暗く俯いた。

 ブレスレットがある限り、コナン君が銃弾程度にやられることはあり得ない。

 それなのに無用な危険に晒してしまったと後ろめたく思っているのだろう。

 

 彼の自宅で「母親のように、人々を助ける医者になりたい」と言っていた姿を思い返す。

 所詮魚の戯言だ。

 

 諸伏さんがひょいと覗き込んで首を傾げた。

 

『……福城さんはどうしてここにいるんだ?偶然じゃないよな』

「君たちの後を追ってきたんだ。もしかしたら父の死の真相が分かるかもしれないと思ったら、居ても立っても居られなくて」

 

 福城聖は切なげに笑って空を見上げた。

 

「口に出すと恥ずかしいけれど、僕の家族は仲が良かったんだ。厳しくも優しい父に、愛情深い母。僕は幸せだったと思う」

「……福城さん」

「だから本当にわからないんだ。二人がどうしてあの日、前触れもなく居なくなってしまったのか。二人の致死量分の血だまりの中、父の死体だけが見つかっていないのか」

 

 簡単な話だ。

 自死しようとした二人のうち一人は、それを最後のトリガーとして深きものどもに変貌した。

 深きものどもは人間以上の生命力を誇る。

 それが彼の父を一人現世に留めさせた。

 

 精神が人であろうと、魚の化け物には人間社会での居場所はない。

 だから家に帰らず、海にも還らず、ただ彷徨っている。

 

 愛する妻の死骸を前に、どれほど絶望したか……変貌した己に、死ぬのが遅かったとどれほど後悔したかは俺には分からない。

 所詮蛆虫、取るに足らない魚の悲劇。

 俺が気にするほどのことでもない。

 

 降谷さんが全員を縄で縛り上げて、そっと近づいてきた。

 縄は魔術で出したらしい。

 じっとりと怒気のこもる声で、背後から俺に囁きかけた。

 

「そろそろもう少し落ち着いてくれ……激鬱と激怒を行ったり来たりして僕がどうかなりそうなんだが」

 

 降谷さんの表情は割とガチギレ気味だった。

 ギロリと睨まれて、俺はしおっと触手を縮れさせた。

 すんません…それもこれも全部この魚どもが悪いんです…本当です……。

 

 とりあえず小魚は無傷を確かめたあと家に帰しておく。

 

 不満そうだったが、あらゆる意味で彼に教えられることはない。

 乗ってきたスクーターは壊れていたので、代わりにタクシーを用意して諸伏さんが押し込んだ。

 

 彼のタクシーを見送り、少しだけ息を吐く。

 

 ニュッと星の精がポッケから顔を出して「クスクス?」と声を出した。

 ちょっと寝ていたらしく、衝撃でようやく起きたようだ。

 昨晩は旅行先でテンション上がって、ずっと枕でお手玉してコナン君を困らせてたもんな。

 むにゃむにゃと触手をくねらせて何事か言っている。

 

 銃撃音が止んで、なんだなんだと神社の人たちももそもそと出てくる。

 銃声はしていたが、聞き慣れなくてなんだかよく分からなかったのかもしれない。

 「敷地内で爆竹は流石に…」とボソボソ言いながら神主さんが近づいてきた。

 

 そして縛り上げられたならずものの軍団を見て「なんとぉ!?」と驚愕にあたふたと逃げようとした。

 面白いかよ。とても牧歌的。

 

 降谷さんが慌てて立ち上がって頭を下げた。

 

「あ、僕たちは怪しいものではありません!本当に!彼らは僕らが追っていた犯罪者でして!暴れたためやむなく捕縛を!」

「ほ、本当かね!?な、なんと!早う警察を呼ばんと!!」

「僕らが既に呼んでおりますのでご安心を。騒がしくして申し訳ありません」

 

 慌てていた降谷さんだが、一応信じてくれたらしい気配を察知して落ち着いたようだ。

 降谷さんはツラがいいからな。

 にっこりと微笑んで丁寧に説明すれば、ある程度の説得力が出る。

 そこに「探偵黄衣ハスタの事務所のものです」と添えれば完璧だ。

 

 警察の方も既に公安の応援を呼んでいるので問題ない。

 

 意識を取り戻したらしいカドクラが、眉間に皺を寄せて呻いた。

 自身の状態に気付いたようで、驚愕に目を見開いて喚き出す。

 

「グッ……なんなんださっきのは!貴様ら一体何をした!」

『さあな。お前達が同士討ちでもしたんじゃないか?自分の身の丈も知らず、斧江圭三郎の宝を狙うほどだもんな。そうでも不思議じゃない』

「クソ、ふざけおって!」

 

 諸伏さんの揶揄うような口ぶりに、カドクラは歯軋りしたようだった。

 

 既に縛り上げられたカドクラにできることは何もない。

 それに、コナン君を撃とうとした段階で俺が少し強く睨みつけたからな。

 

 まあ、三日もすれば心から反省するだろう。

 

 

 やってきた公安の人員に銃刀法違反どもを引き渡し、俺たちはようやく一息ついたのであった。

 





・真面目にドラゴンボール界の検討をしてるハスター
まず俺の魔術は通るのだろうか。気で阻害されたら結構面倒だぞ…。
実は怒りや悲しみを、よそごとを考えることで紛らわせている。
魚のせいで情緒不安定。

・星の精
昨晩夜更かししたのでおねむ。
後に友達がピンチだったと聞いてびっくりして泣いて友達の顔面に張り付いた。
星の精が夜更かししたから!友達が死んじゃった!!!やだ!!!友達に髭生えてジョリジョリになる!!!

・コナン君
死んでないよ〜僕は死んでないからね〜。
あと幽霊になったら髭が生えるわけじゃないからね。諸伏さんは生前から髭が生えててね。
いい子の星の精は僕の話聞いてるかな???
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