ハスターなオリ主と米花町   作:ラムセス_

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沈黙の15分〈子供達の成長〉

 

 爆破翌日。

 あの東都線爆破については、犯人はいつもの通りプラスチック爆弾を使った犯行だと分かった。

 

 警察の調べによると、監視カメラに犯人の姿は映っていなかったようだ。

 スロープを使って幹線道路に逃げたらしく、行方は依然として掴めないまま。

 

 相変わらず東都ではプラスチック爆弾の収穫量が桁違いなんだよな。

 俺はどこか地下の秘密栽培施設から爆弾のタネが飛んできてると確信しているんだが。

 これを言うと降谷さん怒ってコナンくんにチクってくるし。

 

 コナン君が悩ましそうに目を細めて苛立たしげに外を見た。

 

「顔なら俺も見たけど……証言に信憑性がないのがな」

「子供が真っ暗闇のトンネルの中千里眼で見たって、大人は誰も信じてはくれないものね」

「ああー、黄衣さんのままならない気持ちがわかるー……!」

 

 分かってるのに言えない、その気持ちでコナン君が悶えている。

 俺はそんな考えてないんだけどな!

 俺を思って悩んでくれているのなら嬉しい限りだ。

 

 本日は俺たちは阿笠邸にて子供達を遊ばせている。

 俺はちょっと阿笠博士に公安の頼んだスパイ道具の進捗を確認しにきているだけだけど。

 

 もちろん、あの後大宇宙展には行ったわけだが。

 ただ、子供たちもあの爆発が何かの興味の方に優って気もそぞろだったのがなんとも。

 タイミングが悪かったとしか言いようがない。

 

 元太君がなんだか脆そうなお手製ヘッドギアを振り回して言った。

 

「ゲームしようぜゲーム!博士の新作あるってよ!」

「ふっふっふ。ごほん!なんと!簡単なデバイスを頭につけることで、視線と脳波で動かすゲームじゃ!」

「あら。既存の研究も結構あるやつじゃない。気分転換?」

「うむ。古い友人に最近課題があると相談されての。視線による操作はどうしても誤作動を起こしやすいし、精度を高めると高くつくのをなんとかしたいと」

「なるほど。で、お手製のヘッドギアであれこれ試行錯誤してたのね」

 

 子供達がわーーい!とテレビの前に集まってきた。

 星の精も喜び勇んでヘッドギアを装着している。

 ただし、サイズが合わずにそのまますとんと落下。

 羽周りにはまってしまいすごくブスくれてモゴモゴ言っている。

 

 ちがう。ほしのせーはそういうのは望んでない。ほしのせーを裏切った。

 

 かわいそうだったので、俺が魔術でのデバイス適応がてらサイズを縮小して、うまく頭にはめてやった。

 星の精は喜び勇んで装着した様子を皆に見せびらかしている。

 

「ほしのせーもつけた!ゲームする!」

「え……星の精と僕らって目の位置が違いますけど、できるんでしょうか……?」

「大丈夫。俺が調整済みだからな。みんなで楽しみな」

「やった!やろうぜみんな!」

 

 元太君たちがテレビに向かって意気込むのを尻目に、コナン君が相変わらず考え込んでいるようだ。

 スマホを確認して眉間に皺を寄せている。

 

「あの爆発、普通に考えれば都市政もしくは朝倉都知事への恨みがあったと考えるのが妥当だけど」

「何か違和感ある?」

「うん。あの外なる神の加護だと思うけど、『そこじゃない』って思うんだ」

 

 真実の神ダオロスの加護が囁いているのであらば、その言葉は誰よりも何よりも重いだろう。

 コナン君はスマホ画面を見せて来た。

 

「黄衣さん、ここ!北ノ沢村の来週のスノーフェスティバル!ここに来週連れてってくれない?」

「いいけど、降谷さんたち来れないよ。東都湾沖で見つかった封印ダゴンの移送作業があるから」

「えっなにそれそんなのいたの?……じゃなくて。大丈夫、そんな危険はないはずの案件だし」

 

 コナン君は一瞬ゾッとした様子で「ダゴン」の言葉に身を引いた。

 見つかったのはほんの偶然だったが、こんなに日本の首都近くにあるのはびっくりだった。

 

 ダイバーが清掃活動中に見つけて、危うく大ニュースになるところだったんだよな。

 「東都湾内に巨大な魚の怪物が発見!怪異か!?」って見出し付きであとちょっとで報道されるところだった。

 

 幸い完璧に封印されていたから周辺の人間に健康に影響はなかったが。

 あの濁った海で確認するため近づいたダイバーさんは、SAN値がガリっと削られて可哀想なことになった。

 

 なにはともあれ、ダオロスさんの導きならば行くしかない。

 俺は咳払いして宣言した。

 

「なら張り切って来週二泊三日で行くとするか。せっかく雪まつりだしな、たまにはスノーレジャーもいいだろ!」

「雪合戦!そり遊び!行くぞオメーら!」

「おう!」

「歩美も歩美も!」

 

 素早く参戦した子供達が拳を振り上げて盛り上がる。

 コクーンを流用した脳波ヘッドギアをつけてても、耳は聞こえるからな。

 俺たちの会話を聞いていたらしい。

 

 志保ちゃんが「いいんじゃない?あなたと遊ぶようになって、この子達もあらごとには慣れっこだもの。多少スリリングな方が喜ぶわよ」と薄く笑って肩をすくめた。

 コナン君がため息をつく。

 

「お前らなぁ……変なことすんなよ。星の精と一緒に大人しくしてろよ」

「ほしのせーがいれば安心!ほしのせーは強くなった!!みんなを守るッ!」

 

 キリリとした星の精には、博士お手製のヘッドギアがつけっぱなしでビヨビヨ動いている。

 

 うむ。可愛いことだ。

 俺がみんな守ってやろうねぇ。

 

 そのように、俺はニコニコ笑顔で頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 さて、一週間後。

 やってきました北ノ沢村移設五周年スノーフェスティバル。

 

 会場にはいくつも人の背丈ほどの雪像が並んでいて、スノーモービルやソリが楽しめるコーナーもある。

 食事も充実していてフランクフルトや焼きそばなどそこそこの量の屋台も並んでいるようだ。

 

 特に沢尻湖にはこの時期白鳥も来るようで、スノーシュートレッキングが人気らしい。

 また、混浴の露天風呂があるとのこと。

 こちらは猿が入ってくることもあって、どちらかというと入浴目的の人よりカメラマンが多い印象だ。

 

 子供達が開始早々広いスペースを見つけて遊び耽っている。

 

「すげーはえー!星の精やるじゃねーか!」

「楽しー!星の精ちゃん疲れない?」

「ほしのせーは大丈夫!力持ち!みんなもっといいもん食って大きくなる!」

 

 勢いづいた星のオウムが子供達の乗ったソリを引っ張って飛び回っているのだ。

 奥の方の、人のいない林の近くで遊んでいるようだ。

 しかしすごいスピードだ。

 風を切って子供たちを乗せたまま加速する星の精に敵はいない。

 間違いなく速度違反である。

 

 コナン君が「早い早い早いオメェら止まれ!スノーモービルじゃないんだから!投げ出されたら怪我するぞ!!」と怒って静止した。

 

 一時停止違反の車を止めるパトカーみたいにソリを脇に止めさせる。

 降りて来た子供達はみんなしおしおになっている。

 

「星の精も!こいつらに煽てられたからってやり過ぎない!」

「ほしのせーは強いもん…強くなった…」

 

 怒られた星の精がブツブツ言いながらしおっとしょげかえって元太君の後ろに隠れた。

 隣からやってきた志保ちゃんが、しっかりと向き合って星の精を嗜める。

 

「友達を怪我させたくないでしょ。あなたは投げ出されても平気かもしれないけど、私たちはとっても弱いわ。痛くて死んでしまうかもしれない。わかる?」

「…………うん。ほしのせーは酷いことした…ごめんなさいする…」

「いい子ね」

 

 おとうちゃん…おかあちゃん……。

 俺が何やら感慨深げにしていることがバレたのか、コナン君にギロっと睨みつけられた。

 俺は咳払いして少年探偵団を注意した。

 

「少年探偵団諸君。星の精という後輩のいい先輩でいられるよう努力しましょう。OK?共に非行に走らせてはダメです」

「はい……すみませんでした」

「ちょっと調子に乗りすぎました…」

 

 光彦君たちがしょぼっとしている。

 アセアセと困った顔の阿笠博士が「みんな、チュロスを買って来たぞ」と渡している。

 俺の方こそ大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

 ともあれ。

 しばらく遊んだら、調査再開と行こうではないか。

 





・星の精
すくすく健康に健全に育っている。
凄く良い子。
子供達には完璧に受け入れられているので、もし触手姿を見られても最後には暖かく迎え入れられるだろう。

・ニャルラトホテプ
今寝込んでる。
夫が行きずりの星の精に触手食べさせたから精神的苦痛でベッドに屍を晒している。
あまりにむしゃくしゃしたので細かい知性体を6種族ほど族滅させた後、泣き腫らした。
「分かってます。我が夫が羽虫の流儀に染まり過ぎて触手食なんてエロのエの字も感じてないことぐらい…僕が最愛であることぐらい。でも…でも…!無知シチュを楽しめるのが僕の特権だと思ったのに!」(号泣)

・ハスターのコメント
ちょっと何言ってるかわかりません…。
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