ハスターなオリ主と米花町   作:ラムセス_

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投稿しないと趣味に力が入らない。
感想がついてないか5分に一回調べてしまう……。
やはり人生死あり、投稿は命なり。(迫真)(ぐるぐるお目目)



業火の向日葵〈グルメの神〉

 

 ここのところは高級食材祭りである。

 

 先日の航空会社からの献上品による海鮮鍋は実に美味しかった。

 陸奥湾ホタテと利尻昆布はふたつとも丁寧に解凍済み。

 俺がみりんや醤油で鍋にしたが、鶏肉やエビを加えればもうたまらん味わいになった。

 昆布は丸ごといただいた。

 出汁をとっても美味しいが、せっかくなら食べたいよね。

 

 良き良き。海鮮は正義。

 

 ちなみに、普段の神社でのお供え物は茶碗に盛られた生米とかで貰っても困るんだよね。

 野菜もあるが、そいつらはその後の行き先が決まってることも多かったので手出したことはなかった。

 

 だが、企業の神棚はそういうことはないわけで。

 

 特に生モノが多かったから、捨てられるくらいならと手を出した形だ。

 俺が感謝を受け取ったことを示すために遠慮なく受け取ったのだが、それが結構衝撃の出来事だったらしい。

 

 複数の報道で「航空会社の神棚でお供え物が謎の消失!神からの『お礼の言葉』が残される!」とすごい報道になってしまったのだ。

 

 そしてなんか俺がグルメな神に思われ出したらしい。

 いや、普通の野菜には興味を示さず高級ホタテに食いついた形だからな。

 そりゃ妙に舌が肥えてると思われても仕方ないか。

 

 全国各地で自作神棚に地元のグルメをお供えする行為がSNSで流行って、俺は急なグルメ祭りに見舞われることになったのだ。

 

 せっかくのお供え物を無駄にするのは主義に反するし、全て回収、俺が食べて感想付きで返事をしている。

 そして、いつのまにかとてつもない社会現象になってしまったというわけだ。

 

 自社商品をお供えして「神様も召し上がりました!」とコメントを公開する企業とか。

 「俺の店の13代に渡る秘伝のタレをお供えしてみた。野菜の炒め物に使ってくれたらしい。パンチが効いててすごく美味しいって返事が来た!」とか。

 「料理下手ワイ氏、失敗チョコを供える。美味しかったけどたぶん塩と砂糖間違えてるよって感想きた。神様ごめん……」とか。

 

 時々とんでもないもの食わせられそうになるから、その際はお怒りの言葉と多少の神罰を下すことにした。

 お前は一生勃たなくなればいいんだよ。食材を無駄にしやがって。

 あと小さい君、どんぐり備えられても困るのね俺。食べ物にしてね。

 

 まあ、俺にかかれば安心なものとそうでないものを見分けるなど簡単なことだ。

 安心なものはコナン君たちと家で美味しくいただいている。

 

 ちょっぴり食卓が豊かになって、俺たちは舌鼓を打ったのであった。

 

 対して、ひまわりについてはというと。

 

 キッドが命懸けで回収したひまわりに傷がない調べたところ、飛行機の煤汚れだけで修復する必要はないそうだ。

 これは本当にキッドのお手柄だ。

 俺たちが気づく前にひまわりが地面に叩きつけられていたら、それだけで終わりだ。

 降谷さんでも救助はできるだろうが、絵画という繊細な品を傷めずにとなると未知数。

 

 しかも、今回のキッドの行為は飛行機に爆発物を仕掛けるという凶悪な事件だ。

 どうしても自然と現場の空気は重くなった。

 

 明らかに人命に関わる犯罪だ。

 中森警部も「キッドのやつめ…何を考えとるんだ」と深刻そうな顔をしていた。

 まあ、キッドは冤罪なんだがな。

 

「この国の神が現れなければ、我々は全員死んでいたということだ。あの殺人鬼は一刻も早く捕えねばなるまい」

 

 チャーリー警部の発言に、キッと園子ちゃんが睨み上げた。

 キッドファンの彼女からすれば、そのチャーミングさを理解するものとして許すことのできない発言なのだろう。

 

 なお、スタッフに化けて室内に来ているキッドがダブルピースしている。

 今度園子ちゃんにファンサしとけよ君。

 

 だが、日本に憧れるひまわり展を開くにあたり、問題も発生している。

 他の所有者が貸出を渋ってるのだ。

 凶悪犯罪者に狙われる美術館に貸し出せば、うちのひまわりも傷がつくのではないかも恐れているのだ。

 

 その心配もまぁ、当然だろう。

 次郎吉氏がこの後挽回できるかは……まあ、営業にかかってるとしかいえないか。

 

 

 

 

 さて、そんなわけで本日はコナン君たちが美術館に行ってくるらしい。

 

 朝早くから子供達と一緒に出かけるそうだ。

 開館一番、まだ客が少ない時間にひまわりを見に行くんだとか。

 オウムは連れていけないので星の精はポッケの中だ。

 有名な絵を見るということで、星の精もワクワクしている。

 

「気をつけてな、コナン君。交通事故しないようにー」

「わかってる!」

「クス!」

 

 星の精がブンブン触手を振り回した。

 

 最近、星の精は絵に目覚めたんだよな。

 扱いやすい水彩絵の具としっかり水張りしてやった水彩用紙を渡してやれば、意外と写実的に筆を動かした。

 上手い!偉い!とみんなから褒められて星の精は鼻高々。

 

 ただ、色合いは独特だ。

 単純に人間は地球環境に合わせた三色型色覚で物を識別しているが、星の精は違うと言うだけだ。

 星の精はあらゆる環境にて獲物の高精度の識別が可能なように、魔力による表面成分の違いを感じ取っている。

 そのため色の把握も人間とは根本的に異なるのだ。

 

 まあ、これはこれで芸術的ではあるんだが、人間として暮らすにはちょっと壁があるかもしれん。

 将来的に、人間の色の見え方をエミュレートするデバイスを渡してやってもいいか。

 

 下のポストから郵送物を持ってきてくれたマモーさんが「何通か不審なものも来ております」と机の上に慎重に並べてくれた。

 

 ファンレターぐらいなら可愛いものだ。

 変な粉が入ってたり殺害予告が来たり、やっぱり有名商売は苦労もするのだ。

 時々爆弾送られることもある。いい加減にしぃや。

 

 いつも通り魔術を用いてマモーさんに開けてもらい、中身に危険がないことを確認する。

 

「……キッドカードが入っています。ラ・ベルスーズの左、最初の模写をいただきに参りますと」

「うぅん、意味はわからないな。俺も絵画にはそこまで詳しくないし」

「絵画に関係のある暗号ということか?」

 

 降谷さんに問いかけに、俺は頷いた。

 

「たぶんね。ラ・ベルスーズってたしかゴッホさんが描いてた絵だよ。女の人の絵。でもそれしか知らん」

「君は予想だにしないところで博識だな…」

「いやゴッホさんが描いてる時は俺しげしげと見てたから知ってるだけじゃんね。というかキッドまた暴れるんか」

 

 念話を入れてみると、渋い声で「はーい、こちらキッドでーす」と返事があった。

 

『よぉ、急にどうした。俺の事務所に予告状送って』

『なんかじいちゃん…ええと、知り合いが5枚目のひまわりが狙われてるって伝えてきてさ。ついでだしそっちも危機感煽ろうかなと』

『今隣で降谷さんが暗黒の炎をたぎらせてるよ』

『マジ?』

『……キッド。先に僕に連絡貰えばこちらの人員で警護ぐらいつけるんだが……?』

 

 おおっと怒りの降谷さん、拳に黒い風を込め始めた!

 キッドは「でもでもだってぇ!」と暴れ出したようだ。

 

『このままじゃ次郎吉相談役のひまわり展も中止だし!ついでにここらで見事キッドの盗難を防いだ!みたいなニュースで盛り立ててやろうと思ったんだよ!』

『うん。そのまま豚箱に突っ込まれても悪く思わないでくれ』

 

 すげなく降谷さんが逮捕宣言を出すなどした。

 キッドは「やってやろうじゃねえか!監獄脱出!やってできないことはない!はず!」と明後日の方向に気合を入れている。

 

 せっかくなら捕まらないように努力した方がいいんだがなぁ。

 いや、風として偏在する降谷さんから逃げ切るのが至難の業なのは分かるが。

 

 ともかく次郎吉氏と中森警部に連絡するべきだろう。

 なんとなく今回、中森警部の元気がないから心配だが。

 

 連絡して鈴木邸の会議室へと向かう。

 俺は探偵業務が凄まじく忙しいため免除されていたが、今日もサムライの会議が入っていたらしい。

 すでに皆は集まっていたようだ。

 

 俺、降谷さん、諸伏さんで部屋に入ると、皆ぺこりと頭を下げて歓迎してくれた。

 

 実はこの中で1人、チーター運輸の石嶺さんだけは俺たちと面識があったりする。

 

 彼は主に美術品など慎重な扱いの求められる物品の運搬のエキスパートだ。

 だから、仮封印の処置が完了した怪異品の運搬にも携わってもらっている。

 つまり降谷さんたちの身分を知っているということだ。

 

 それでも動揺一つしないあたり、仕事人だなぁと思う次第である。

 

 俺たちが着席したことを確認して、絵画の修復師の東さんが口を開いた。

 

「やはり黄衣さんに送られた予告状が示すのはこの2番目のひまわりではありませんね」

「すでにこの暗号が示すものがわかっているのですか?」

 

 俺が問いかけると、皆が頷いた。

 流石、専門家は仕事が早い。

 東さんが丁寧に説明してくれる。

 

「三幅対のラ・ベルスーズを真ん中に置いて、左側かつ最初の絵画とは5枚目のひまわりです。現在はSOMPO美術館に所蔵されているかと」

「なるほど、5枚目……」

 

 やはりキッドの言うように5枚目ということに辿り着いていたらしい。

 まあ、本題は真犯人にひまわりを破壊されないことだ。

 俺としても、せっかくの名画を壊されるのは悲しいし。

 

 もしもの時はこっそり俺が魔術で時を戻して復元してやろうかな。

 

 犯人が何を考えているのか知らないが。

 珍しくやる気のキッドもいることだし、ひまわり損壊は絶対に阻止させてもらおう。

 

 …………うーん。

 もしハスター招来の機能に気付いて壊そうとしてるなら、あまりに真っ当すぎるので俺から弁明しなければと思うなど。

 旧支配者招来デバイスとか破壊一択だよね。わかる。

 





・全国うまいもん貢物スペシャル
全国放送。
TV側で作った大きな神棚に名産品料理を置いて行って、神の感想を乞うもの。
気を遣ってハスター側もやや長文で情感たっぷりに感想を書いた。
神がグルメ知識すごく豊富で「鰹節の旨みが強い。手火山式鰹節を使ってるのかな。気品のある香りが麺に絡んでる」とか言い出すので料理の神疑惑が出ている。

・最近のハスター
あらゆる美味いもん食べてはニャルの横でお手紙したためてる。
ニャルは「え…羽虫の餌美味しそうに食べてる…しかもあの量をずっと。専用の分身作ってあんな丁寧に返事まで…やっぱりキモ…」って顔してる。
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