永遠の切り札   作:古明地こいしさん

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Encounter with a cat

「はァっ、はァっ、助かった...」

 

坂本が礼を言ってくる。が

 

「礼を言うのは早い、せめてここ出てからにしてくれ」

 

「お、おう。そうだな、にしてもそのマジシャンみたいな格好...」

 

今更だが格好を見る。変だな、それと...

 

「お前は何時まで出てるんだ?アルセーヌ」

 

俺の後ろを漂うように飛んでいるアルセーヌに問う

 

【異界のアイテムが我をこちらに強く居座らせてくれる。"ソレ"を外せば我は仮面に戻るだろう】

 

「フツーに会話してっけど、えっとアルセーヌ?はなんなんだ?」

 

「さぁな、とりあえずアルセーヌが出ていると目立つから今は仮面に戻っててくれ」

 

仮面を差し出しそれに吸い込まれるようにアルセーヌが収まる。再び付けると止めていた足を動かす

 

「それにしても広いな、こんな広い建物ならみんな違和感に気づくと思うんだが」

 

「だよな、入る時の見た目もなんか凄かったし」

 

彷徨って行き止まりに合う、いや俺1人なら跳べばなんとかなるかもだが

 

「仕方ない、壁蹴破るか」

 

マキシマムドライブでなんとかなるだろうとメモリをマキシマムスロットに差し込もうとしたその時

 

「バカか!そんな事したらこの"パレス"の主に気づかれるだろ!!」

 

動きを止める、坂本かと思って見るが坂本も今の声がなんなのか分かっていなかったようだ。辺りを見ても誰もいない

 

「おい、出口を知りたいんだろ!?ワガハイが案内してやるからここから出してくれ!」

 

「人型猫!?」

 

「猫じゃねーよ!モルガナだ!次言ったら怒るからな!」

 

もう怒ってる気がする

 

「出口、分かるんだな?」

 

「お、そっちの金髪より話が分かるじゃないか!ああ!だからここから出してくれ」

 

「いや明らかに怪しい...っておい」

 

坂本の話を無視して牢屋を開ける。幸い鍵は鍵かけに引っ掛けてあったから苦労はなかった

 

「んー!シャバの空気はうまい!」

 

「...ふむ、生きてる。アルセーヌやさっきのランタン持ったカボチャとは違うのか?」

 

「気安く触るんじゃ、あっにゃぁ...ってお前、ペルソナが使えるのか?」

 

「「ペルソナ?」」

 

俺たち2人は声を揃えて聞き返す

 

「ああ、簡単に説明すると心理上にあるもう1人の自分だ、それが覚醒すると黒いのが言った奴が出る」

 

「もう1つ、"パレス"とは?」

 

「飲み込みが早いな!ここは人間の歪んだ欲望が生み出した空間。それをワガハイはパレスと呼んでいる」

 

歪んだ欲望...確かに鴨志田の思想は歪み切っている

暴力、性的な嫌がらせ、そしてさっきの処刑と言っていたのを見るに王様気取りというのは間違いないのだろう

それが具現化したものか。ガイアメモリも概念的な物を力に変えるものだから近しいな

 

「いたぞ!」

 

「やべぇ!?見つかった」

 

俺は前に出てメモリを取り出す

 

「下がってろ」

 

【ジョーカー!】

 

「来い、アルセーヌ!」

 

「なっ!?」

 

坂本ではなくモルガナの驚いた声が聞こえた。驚く事はないのになぜ驚いたのか。ガイアメモリを見たからか?

 

「はァっ!」

 

アルセーヌと連携して妖精とランタンを攻撃する。アルセーヌは赤黒い炎を

俺は紫色のエネルギーを拳に貯めて殴る

 

「お、お前、その力は!?」

 

「話は後でするからモルガナは下がってろ」

 

「...」

 

返事がないが、了承と思っていたが

 

「へっ、ならワガハイも見せないとな!意を示せ!!ゾロ!!」

 

モルガナの頭上に飛び出た、ペルソナというもの

つまりモルガナもこの世界での能力者みたいなもんか

 

「へへっ、どうだ!」

 

突風が吹き荒れる

風に切り札...

 

「フッ...」

 

「何笑ってるんだ?行くぞ!着いてこい!」

 

メモリを抜いて走るモルガナを追いかける。マスコットキャラクターみたいな小さい身体なのに素早いな

 

「止まれ!」

 

俺たちに手で静止するように小さな声を出すモルガナ

俺と坂本はモルガナの見る先を見つめる

 

「あそこか?」

 

「ああ、あの扉の先なんだが見張りが邪魔だな...」

 

「倒せばよくね?」

 

「分かってねーな、暴れればあの場所が二度と使えなくなるだろうが。これだからトーシロは」

 

「んだと!?」

 

坂本の荒らげた声のせいでコチラに気がいったのか歩き始めた。どうにかしないとと思ってメモリを取ろうとするといつの間にか所持していたあるものに気づきそれに急いで擬似メモリを差す

 

「金髪のせいで...やるしか」

 

【スタッグ】

 

「なにを」

 

投げたスタッグフォンが変形しクワガタ虫になり、敵の方へ飛んでいってくれる

 

「お、お前....ホントに何者だ?」

 

「お互い様だろ、ほらモルガナ。案内頼む」

 

「もう何が起きてんのか頭がパンクしそうだぜ...」

 

スタッグフォンの方へ敵が向かっていったのを確認した俺たちは扉を開け、部屋に入る

 

「お、おい!行き止まりじゃねぇか!騙したのか!」

 

「少しは考えろよ...お前なら分かるだろ?」

 

「まぁ出入りするって言ったら目につく場所だと通気口しかないからな」

 

「分かってるじゃねーか。んじゃ、助かったぜ、またな」

 

そう言って来た道を戻ろうとするモルガナ

 

「お前、どこ行くんだよ?」

 

「ワガハイにはまだやるべき事があるんだよ」

 

「次捕まったら知らないからな」

 

「そこまでバカじゃないっての」

 

坂本と共に外へ出てなんとか元の世界に戻ってこれた

 

「城...じゃない...学校...とりあえず入るかってもう昼過ぎじゃねぇか!?」

 

「転校初日から遅刻か...先が思いやられるな」

 

「そういや蓮、お前の格好...」

 

「ん、あぁ、制服に戻ったな。さっきのメモリや携帯の話なら放課後とかにしてくれ。流石に先生待たせてるのがな...」

 

あぁと言うと別行動する

 

「道に迷った...って、もう昼過ぎよ?家でも歩いて来れる時間なんだけど...はぁ、いいわ。問い詰めないであげる」

 

話のわかる担任だと思い、黙って着いていく

 

「体調不良でこの時間になっちゃったけど、転校生の」

 

「雨宮蓮です」

 

小声で話すつもりもないのか「アレが例の」「人を殺しそうな雰囲気」

と、俺という本人は聞こえてるんだが

 

「席は...あそこ、空いてる席ね」

 

教壇から見える生徒達が座る椅子

そこにポツンと空席は窓側、今朝会った子がいたがまぁいいかと机に向かってると

 

「嘘」

 

「...」

 

覚えられていたようだ。それに周りがざわめき始めている

 

「嘘、高巻さんと知り合い?」

 

「もう手出してるとかヤバすぎでしょ」

 

「というか高巻さん鴨志田先生ともデキてんでしょ?二股じゃない?」

 

散々な言われようだ。俺もだが高巻...も迷惑千万

というか鴨志田とデキてるって意味はあの世界にいた...あの男か

黙って鞄を掛けて座る

するとコンコンと窓ガラスから音が

 

「スタッグフォン?」

 

そういやあの世界から放置したまんまだったな

外で待機してほしいんだがと考えた矢先

どこかへ飛んでいった

 

 

 

 

授業も終わり、坂本を探そうとしたが担任の川上先生に呼び止められる

 

「聞いたんだけどあの坂本くんと遅れて登校したんだよね?君がどうするかは自由かもしれないけどあの坂本くんとは関わらない方が...噂をすれば...」

 

「なんなんスか、別に悪いことしようって訳じゃないんスけど」

 

「そういう事じゃなくて...髪も黒くしてこないし...」

 

「すみませんした...屋上で待ってる」

 

屋上でと、それだけ俺に告げると坂本は階段を登って行った。それを見てると

 

「いい?坂本くんとはあまり関わらない事、退学になっても責任とらないからね?」

 

「はい、忠告痛み入ります」

 

形式上は受け取っておこう。ここで上から目線というのも悪印象だ。まぁ転校初日に遅刻の時点で印象は最悪だが

川上先生が去っていくのを見届けると階段を登る

 

「立ち入り禁止...入って退学にならないよな?」

 

少し不安だが扉を開ける

 

「お、来たな」

 

「呼ばれたからな。それよりコレらのことだろ?」

 

メモリを取り出す、それと同時にスタッグフォンが飛んできてくれる

 

「そのクワガタはなんなんだ?」

 

「スタッグフォン、携帯電話式のメモリガジェット...としか説明つかんな、他に知らないし。こっちはガイアメモリ。正直あるのがビックリなんだがコレ、架空のアイテムなんだ」

 

「は?」

 

「まぁ作り話に出てきた変身ヒーローのアイテムってこと。使うと超人になれる...んだが、あの世界...パレスではあの姿が優先されるみたいだな」

 

思い出す、黒コートの姿を

 

「あの姿つーとマジシャンみたいなやつか。アレは知ってんのか?」

 

「いや、アレについてはモルガナの方が詳しいだろうがもう会えんだろうし、会えたとしても現実世界にあんなのいたら即研究の為に捕獲されるだろう」

 

「ま、そうだよな。なんたって喋る猫だもんな」

 

[誰が猫だ!誰が!]

 

今朝ぶりだろうの声が聞こえた。辺りを見るがどこにもあの小さなマスコットキャラクターがいない。気の所為か、そう思ったらタンと無造作に置かれている机の上に猫が降りてきた

 

「まさかとは思うがモルガナか?姿違うぞ?」

 

「こっちに来たらそうなってたんだよ、それよりお前。名前は?」

 

「...雨宮蓮、聞いてどうするんだ?」

 

「いや、ちゃんとセイジツさを見せねーとと思ってな。なぁ蓮、取り引きしねぇか?ワガハイと」

 

「「取り引き??」」

 

今日一の驚きは...猫に取り引きを持ちかけられたことかもしれない。猫じゃないが




寝ます...

ヒロイン

  • 双葉
  • かすみ(‪✕‬‪✕‬‪✕‬)
  • 千早
  • 貞代
  • 一子
  • 一二三
  • 10股
  • いやダメだろ彼女がいてetc
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