生体宇宙艦『プロトコル』は進化する 作:いくら
私に備わった『進化』とは、私の主食である金属を使って自身にパーツを追加していくことで装備を拡張する機能である。
しかし金属を捕食することで得られるのは『原材料』であり装備を拡張するためにはその装備の『構造データ』が必要になる。
故に、新たな
今回私が襲った船に搭載されていた武装は三つ。
――ビームライフル。
――アームパーツ。
――エネルギーシールド。
全て1pの金属量で獲得可能であり、私が保有する金属量は現在3pだ。
全ての武装を獲得することが可能である。
しかし、それはしない。
――ビームライフルlv3
今現在、私には精密な腕も防御力も不要である。
今、最も急務なのは最速で敵船を撃破すること。
腹を満たすこと。
新たな武装の獲得を確定した瞬間、私の身体に砲門が追加されていく。
100mという小型であることもあり、現在の私の形状は戦闘機に近いものだ。
羽の下に一門ずつ、そして頭部に一つ、ビームライフルを搭載した。
砲弾のエネルギーは周囲の金属を吸収して変換する。
それから私は何百発ものビームライフルを放ち続ける。
敵船内をゼロ距離のビームライフルで掘削し、反対側に出た瞬間に機体を反転させ、また潜る。
私には『自己修復』の機能がある。
捕食した金属を消費することで自分の機体をデフォルトの形状へ再生する。
故に、長期戦になれば私は自分の十倍以上のサイズを持つこの船にも有利に戦える。
それに、大抵の宇宙船には自分の内部を攻撃するような兵装は備わっていない。
船内に侵入した時点で私の勝利は揺るぎなかった。
――5pの金属を獲得。
船を食らい尽くす頃には、それだけの金属が貯蓄されていた。
本来は合計で10p程度あったように思うが、修復とビームライフルの弾丸に金属を消費したため損失してしまった。
私に搭載された『捕食』は金属にしか有効ではないが、捕食したものは情報化されて補完される。
故に、私の体積が増えることはない。
修復機能を1pだけ残し、4pで武装を強化する。
――ビームライフルlv5
――エネルギーシールドlv2
――アームパーツlv1
これが現在の私の性能だ。
しかしエネルギーシールドやビームライフルに使用される力は、私のジェネレーターから生成されるものであり、ジェネレーターの稼働には金属が必要になる。
それにジェネレーターのエネルギーはこうして遊泳しているだけでも徐々にだが消費されていく。
生きている、というだけでエネルギーが必要というわけだ。
腹が減る。
次の得物を探そう。