生体宇宙艦『プロトコル』は進化する   作:いくら

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3「現」

 

 私が目覚めてから三日が経った。

 あれから宇宙船を二隻、それと周辺を漂う小惑星を食べることで腹を満たしている。

 幾分か武装も強化された。

 

 

 ビームライフルlv5

 アームパーツlv2

 エネルギーシールドlv3

 光学通信lv1

 情報蓄積lv1

 

 残量5p

 

 

 下記二つの能力は宇宙船を捕食したことで新たに得た機能である。

 光学通信とは、光を符号化して周囲へ飛ばし、それを読み取ることで情報化する通信方法であり光速での通信が可能であり、電波による通信よりも送受信可能なデータ量が多い宇宙では当たり前の通信手段である。

 

 こによって同じ機能を持つ周囲の宇宙船とコンタクトを取ることが可能となった。

 しかし私の目的が食欲を満たすための『捕食』である以上、この機能は相手の秘密通信の傍受くらいにしか使えないだろう。

 それも今のレベルの通信技術では難しくオープン通信しかキャッチできないが……

 

 情報蓄積は私が保有可能なデータ量の上限を引き上げる機能だ。

 私の『進化』は捕食対象が持っていたテクノロジーを解析して、自分の機能として再錬成することができる。

 それを考えればデータ化されているものも捕食することで読み取ることができるはずだ。

 しかし、今まで私の保有情報がアップデートされたことはなかった。

 

 それは単に私が持てる最大データ容量が、捕食した船が持つデータ量に対して不足していたからだ。

 この機能をレベルアップさせることで、いずれ私は捕食した船が保有する情報を記憶することが可能になるだろう。

 

 しかし、どうして最初の船を捕食した時点でこの二つの機能が芽生えなかったのかという疑問がある。

 この二つの機能は標準的な宇宙船には必ず搭載される機能だ。

 ならば最初の船を捕食した時点で強化候補として出現してもおかしくはないように思う。

 

 いやいや、考えてみれば食った船に搭載されていた機能で私の強化候補に入らない機能は他にも幾つもある。

 なぜ発現しないのか……

 

 もしかすると……私が強く欲した機能しか模倣することはできないのだろうか?

 確かに、私は攻撃する手段が欲しかった。防御する手段が欲しかった。金属を効率的に回収する(アーム)が欲しかった。

 

 

 けれど、ではどうして……私は通信や記憶などという機能を欲したのだろうか?

 通信機能やデータの保管機能を持つ金属の塊など、全ては捕食対象のはずなのに……

 

 

 そんな風に自問自答を繰り返しながら、私は今も飢えを満たすために無限の宇宙を彷徨っていた。

 

 そんな時、

 

『SOS……SOS……こちらは私船(プライベートシップ)です。現在宇宙海賊船三隻に追われています。もしも周囲に軍事能力を持った戦艦が存在するのなら、どうか助けていただけませんか?』

 

 私はそんな通信を拾った。

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