それいけ念能力者ちゃん 作:まるかいてちょん
突然だが
これらのスキルは非常に強力だ。前提として私の場合大天使スキルに自分の攻撃値+1.15倍の聖属性攻撃追加効果があるのだが、この場合自分の攻撃値のおよそ1.5割が通常攻撃に加えて耐性を貫通しスキル効果により相手に入る訳だ。
それは間違いなく強い。効果だけ見たら最終進化よりもかなり有用に見える。でも有用なのは見た目だけで効果は最終進化に軍杯が上がる。いや、言い方が悪かったかもしれない。ここは単純に最終進化がおかしいと言うべきだろう。
最近ネットに公開された
そんなぶっ壊れの
種族スキル【善なる者は天へと向かう】
・聖属性攻撃修正強化
種族スキル【穢れなき光身】
・カルマ値+に応じて聖属性ダメージ強化修正
これを見た時情報が投下された2ch民は思っただろう。なんだテンプレじゃん……と。だが違うのだ。修正強化と聞くと素の攻撃力が強化される事でガン積みしているバフもあってかなり強くなると思うかもしれない。
違う。想定があまりにも違いすぎる。通常のゲームだと修正強化と言っても基礎攻撃1000に+60のダメージ修正とかだろうが、なんとこのユグドラシル、脅威の基礎攻撃力最大50%アップを敢行したのだ。これは狂っているとしか言えない。
これが強化バフ500%増加ならまだ分かる。基礎攻撃力を強化するバフが5000%だとしたら10分の1程度しか攻撃力が増えないからだ。でも最大で基礎攻撃力1.5倍はここ何ヶ月かユグドラシルをプレイしているだけの私でもやばいと分かる。
何故なら先程の基礎攻撃力1000の1.5倍である1500に強化バフ(先程の5000%)を乗せたとしたら基礎攻撃力1000の時とは単純に1.5倍の火力が出ることになる。これだけでも如何にやばいかわかっただろう。
………しかしまあ幸いな事にゲーム性が終わったというレベルの強化ではない。あくまで聖属性攻撃ダメージ強化なのでいくらでも対策は積める。それにこれが光るのは主に天使系魔法詠唱者だからまだマシだし、あくまでダメージだけの修正なのでこれでやっと天使がユグドラシルの最強種族人間を上回ったかどうか程度だ。
それでも私の場合で考えると、大天使の聖属性追加攻撃効果が実質1.225倍の火力を常にたたき出すようになり、これは戦士系の純物理攻撃力2割弱程の火力が場合によっては弱点属性で常に飛んでくるという事になる訳で……アンデッド系に対しては天使系戦士でも阿鼻叫喚の地獄を生み出せる事になる訳だ。
それ以外の種族に対しては相手も最終進化とか特殊進化があるので1歩前に出ている程度だが、基本職業レベル>種族レベルという法則がある以上、職業レベルだけで固められる人間種と同等というのは普通に化け物種族だ。つくづく天使を選んで良かったと思う。それぐらいには天使が(異形種の中では)強すぎる。逆にこれでも人間種との力関係が対等程度なのが悲しいところだが……。
ともかく、現在はそんな最終進化を目指して日夜励んでいる。最近はナインズとのパイプもでき、順調そのものだ。そしてそんなパイプの中で、幾人か仲良くなったものもいる。横にいる2人はまさにそれだ。
「ソウラちゃ…あ、ソウラちゃんって呼んでいい?」
「いいですよ。じゃあ私もやまちゃんって呼びますね」
「うっ、それはそれで照れるな〜……。ところでソウラちゃんって結構若い感じするけどゲームやってて怒られない?」
「……うーん、まあ家は自由が売りなので。テロリストになっても怒られませんよきっと」
「ええ〜?」
やまちゃん…やまいこさんが驚愕するが、そもそも家のルールを決めるのは既に私の権利なので、テロリストになろうが成りたいと思えば成れるのだ。
しかし私の普通に本気の発言が結構響いたのか、もう一人のにくぼー……異形種キャラクターが疑問を述べてきた。
「いくらなんでも自由すぎない?私が若い頃は結構縛り多かったけどな〜」
「茶釜ちゃんおばさん出ちゃってるよ」
「あ、やべ。私若いからね!?ソウラちゃん!?」
苦しい言い訳を行う異形種。その姿は可愛子ぶっているようだが全く可愛くない。声こそ良いものを持っているが、正直キモイ。どれくらいキモイかと言うとキモイ彗星の天使よりは確実にキモイ。だがそんな気持ちはお首も出さず、微笑みで返答する。
「………」
「おい!それ絶対分かってない顔だろソウラちゃん!」
私がここまで茶釜ちゃん(ぶくぶく茶釜)を雑に扱う理由はやはり見た目にある。まずはなんと言っても例のブツをアバターで模してしまうセンス。それを揶揄されて可愛げがあると弁明する精神性。どれもある意味賞賛に値する。でもアバターの造形は完全にアソコなので軽蔑もする。
「分かった!分かったって!じゃあ私の年齢ソウラちゃんにだけこっそり教えるから納得して!」
「はい、わかりました」
「うむ、納得が早くて結構。では私の年齢は………」
茶釜さんが耳元に近寄ってきて囁く。正直危ない光景だ。そしてそんな感じで年齢を聞き終えた私は一応納得する。
「なるほど……でも私15歳ですよ?」
「「ファッ!?」」
精神年齢はともかく肉体年齢はこの通りだ。アバターは通常攻撃のリーチを考えてそこそこ盛っているが、見た目年齢は15歳程度。つまりそのままな訳である。
「私普通におばさんかもしれない」
「あ、でもそうなると今度作るギルド加入条件まずいんじゃない?入れるかな?」
「確かに。たっちさんかモモンガさんに頼み込んで何とかしてもらう?」
「……大丈夫ですよ。私社会人なので。自由にできるって言うのはそういう事です」
一瞬雲行きが怪しくなるが、影が薄くても私は一応社会人なので、ギルド加入は問題ないはずだ。やまちゃんに茶釜さんもそれを聞いて安堵の息を漏らす。
「じゃあ大丈夫……なのかな?ボクはそういうの決める立場じゃないから分からないけど」
「15で社会人ってのも世知辛いよね〜。一世紀前は当たり前に学生してただろうにさー」
「だから茶釜ちゃんおばさん出てるよ」
「……やまちゃん、私達もうおばさんなんだよ……」
その背中には哀愁が漂っていた。なお肉棒然とした姿なので何も可愛そうではなかったが。
「ところで2人とも結構ガチ構成ですよね?どこかそういう構成情報を教えてくれるサイトとかあるんですか?私まだ上位職ひとつしか持ってなくて」
「やまちゃんはともかく私は結構中位職で固めてるよ?仲間内で共有とかはするけど結構手探りかな。現状は」
「うーん、なんかデータキャラみたいに言われてるけど、ボクも上位職は2つくらいであんまり変わらないよ?」
この段階で上位職2つについてるのは十分凄いと思うが最前線は既に最上位職とか持ってるそうなので確かにあまり変わらないかもしれない。一応
「うーん。天使系種族は強いけど、私の切り札である回避盾はプレイヤー相手だと上手くいなして使わないと簡単に見切られるからねぇ。困ったもんです」
「プレイヤー相手?ああ噂の公式大会ね。初期から多く開かれている小規模大会の大規模版で、小規模大会の優勝者に配ってる上位職、チャンピオン以上の職業が優勝したら貰えるやつ」
「チャンピオンはボクも欲しかったな〜。でもソウラちゃんも今話題の天使種族だから十分強いんじゃない?」
まあ強いことには強い。回避盾もここぞで使えば必殺技をスカせるし、運命の天使長もバフを纏わないと強くない職業とは違い、純粋に火力の高いソードマンにさらに積めるというタイプ。
なので間違いなく強いのだが、実の所公式大会に出てくるような特殊種族とか職業を積んだ相手には運命の天使長のステータス上昇量(通常の上位種族より下)という弱点を突かれる事になり、結果
そしてバフは魔法が込められたレアアーティファクトで解除できてしまうので、公式大会でそれが使えるなら実質ステータスはガチ構成のそこそこ下という悲惨な状態に。これが至高天なら解除にも抵抗できるのだが……。
そんな感じなんですよ2人とも……と私。
「うわぁ。現状だとみんな職業強くないからあれだけど、後半になると運命の天使長で一気に苦しくなる奴だね……でもそれまでに至高天行けば解決できるじゃん!頑張ろうよ!」
「天使の進化クエストは1人専用っぽいから手伝えないけど、クエスト探すの手伝おうか?それならボク達にもできるよ」
「そうですね、ありがとうございます。いや頑張ってワールドアイテム取り返して良かったです」
「ワールドアイテムはほんと感謝してるぞウリウリ〜」
ここまで来れたのもは運が良かった。これも2ch民の犠牲のおかげ……おかげ……言うほどおかげなのだろうか?そもそも2ch民がナインズ襲撃しなければもっと楽に入れたのでは?おのれ2ch民。
2ch民はいくら雑に扱ってもいいという風潮……あると思います