カードショップ店員をしている一般JK(転生済み)です。前世のデッキを使ってたら前作ラスボスと勘違いされてました。   作:SSS級侵略者ファンチ=メン

3 / 8
 今日はこの後、17時と18時に投稿します!


3話 魔女VSラスボス系JK(前)

「はい、授業はここまで! 昼休みの時間だぞ〜〜!」

 

 授業が終わり、生徒達の待ちに待った昼休みがやってくる。ボクは終わるなり、大きく肩を落とす。

 

「はあ……なんでこんなことに」

 

「まあまあいいじゃないの。未知のバトラーと戦うのも成長のために必要なことだよ!」

 

「コトネはもう〜〜!! まあいいけどさ。ボクが勝つし」

 

 負けてやるつもりはない。そんな強気な気持ちが前に押し出されてボクはそう言ってしまう。

 

 コトネはそれを聞いて短く口笛を鳴らす。

 

「自信満々だね。流石、私が知る限り最強のバトラー。期待してるよ、アマネのバトル」

 

「よく目に焼き付けるがいいさ。ボクの本気というやつをね」

 

 と言ってボクは腰のデッキケースに触れる。

 

 約束の昼休み。ボクはグラウンドに向かう。グラウンドの中央にはゼクスと、グラウンドを取り囲むようにたくさんの生徒が見学に来ていた。

 

「陰陽さんがバトルするらしいですわ! 陰陽さんのバトル、とてもすごいのよね」

 

「あれこそ気品のあるバトルという感じですわね。お手本にしたくて、わたくし毎回動画撮っていますの!」

 

「なにそれずるーい! 私にも今度見せてよ! あ、始まるよ!!」

 

 女子生徒達に囲まれてカードバトルするのも一興。

 

 ボクは手首にバングルを巻く。これはバトルバングル。これを使うことでモンスターやスペルが実体化し、没入感のあるバトルが楽しめるというわけだ。

 

 このホログラム技術の発展も現代日本と違う点か。このホログラムがあるおかげで、E&Dはここまで発展したといえる。

 

「さてやろうか。手加減はしないよ」

 

「私もそのつもりです。では始めましょうか」

 

 バトルバングルを装着し、ボクらは同時に掛け声を発する。

 

『アルターオープン!!』

 

 E&Dは通常デッキ40枚、魔力デッキ20枚、アルターカード1枚でデッキを構築し、バトルをする。アルターカードっていうのは某有名なカードゲームでいうところのフィールド魔法だ。

 

 アルターカードは最初からフィールドに存在し、魔力を生み出す役割をしている。E&Dではマナコスト製を採用しているのだ。

 

 E&Dでは土地カードやマナを魔力カードと呼んだりする。この魔力カードを使うことでモンスターやスペルを使うことができるのだ。

 

「私の先行っ! 私は闇の魔力を魔力ゾーンに置いてスペル発動! 【魔女達の開幕】!!」

 

 スペルカードは呪文や魔法カードといったものだ。一度使えば墓地に行く使い切りのカードだ。

 

「一応確認するけど妨害はあるかしら?」

 

「ないよ。どうぞ効果処理まで」

 

「そう。このカードの効果で山札の上五枚を見て、五枚とも別のカードなら山札の中から魔女とつくカードを二枚手札に加えるっ!」

 

【魔女達の開幕】、それは1コストで2枚サーチできるという破格のスペックを誇る代わりにサーチまでの条件が厳しいカードだ。

 

 E&Dはデッキにカード1種類につき、最大4枚まで入れることができる。普通の構築なら4枚や3枚積むカードがほとんどだから、山札の上5枚もみれば1枚は被りが出てしまう。

 

 しかしゼクスのデッキに限ってはそれは起こり得ない。何故なら。

 

「山札の上五枚に被りはない。よって山札から魔女とつくカードを二枚手札に加える。私は【魔女達の反逆】と【魔女達の再起】の二枚を手札に加えるっ!」

 

「ハイランダーデッキ。そのカード、一種類一枚しか入れないだろ?」

 

 ゼクスが使うデッキは魔女をテーマにしたハイランダーデッキだ。一種類一枚しかデッキに入れられないという縛りの代わりに、強力な効果を持つカードが多いのが特徴だ。

 

 ちなみに【魔女ハイランダー】と呼ばれるこのデッキは前世でも環境デッキに食い込むほど強く優れたデッキだった。

 

「よく知っているわね。やはり貴女は……。ターンエンド」

 

 意味深なことを呟いて、ゼクスはターンを渡してくる。

 

 さて、ボクのターンだ。

 

「ボクのターン、ドロー。ボクは【アルター・オブ・パンデモニウム】の効果を使う。手札を二枚捨てて、ボクは魔力ゾーンに混沌の魔力を一枚置く」

 

「そのカードと混沌の魔力、どこで手に入れたの?」

 

「さあ? ボクに勝てたら教えてあげる」

 

 ボクは少しおどけながら捨てるカードを決める。

 

 普通の魔力カードは魔力ゾーンに置くためにコストを使ったりしない。ただ混沌の魔力は別だ。混沌の魔力は魔力ゾーンに置くたび、自分の手札を二枚捨てないといけない。

 

 名前といいデメリット効果といい、ラスボスちっくなカードデザインをしている。というのもこの混沌の魔力とそれを使うカード群は、販促アニメの一期ラスボスが使っていたカードだ。

 

「ボクはアーティファクトカード【混沌の渦】を使用。手札を偶数枚捨てる。捨てたカード2枚につき1枚、魔力デッキから混沌の魔力を魔力ゾーンに置く。ボクは手札を二枚捨てて、混沌の魔力を一枚魔力ゾーンに置く」

 

 アーティファクトカードは某カードゲームで言うところの永続カードだ。使ってもフィールドにとどまり続け、効果を使うことができる。

 

「さらに手札を減らした……!? あいつはそんな戦法取らなかったはず……。何が目的なの?」

 

「さあ? 何が目的なんだろうね。ボクは【混沌の卵】を召喚してターンエンド」

 

「見たことないカードね。私のターンっ!!」

 

 ゼクスは慎重なゲームメイクを進めていく。【魔女ハイランダー】はスペルを駆使して、魔力ゾーンに火、水、土、風、光、闇の六色の魔力を揃えて、魔女を召喚して一気に勝負を決めるというものだ。

 

 カードゲームには速攻戦を得意とするアグロ、中盤にかけて勝負を決めるミッドレンジ、終盤にかけて一気に勝負を決めるコントロールなど、デッキタイプが存在する。

 

【魔女ハイランダー】はミッドレンジよりのコントロールといったところ。つまりターンが経過すればするほど、強い動きができるデッキだ。

 

「【魔女達の祭壇】を発動するわっ! デッキから五枚のカードを墓地に送る。墓地に送ったカードが全て別種類のカードなら、魔力デッキから二枚、魔力カードを魔力ゾーンに置く!」

 

 基本的に魔力ゾーンに魔力カードは一ターンに一枚しか置けない。けれどカードを使って追加で魔力カードを置くことができる。これをブーストと呼ぶ。

 

 今、ゼクスが使ったカードは1コストで2枚ブーストできるという破格の性能を誇る。その代わりにハイランダー構築じゃないとこの強力な効果は使えない。

 

 それにハイランダー構築の欠点として、原則使えるカードは一種類につき一回まで。このカードが二回使われることは考えなくてもいいということだ。

 

 さて、ボクが警戒しないといけないのは増えたコストで何を使うかということだ。

 

「【魔女達の再誕】をプレイっ! 墓地にある魔女と名のつくモンスターを一枚フィールドに蘇生するっ!」

 

【魔女達の祭壇】で魔女カードを落として、【魔女達の再誕】で蘇生する。

 

 綺麗なコンボギミックだ。これで好きな魔女を蘇生することができる。

 

「私は【(かい)の魔女ミゼリア】を召喚!!」

 

【魔女達の再誕】はわずか2コストで使えて、墓地に指定枚数以上のカードがあり、かつ墓地にあるカードが全て別種類なら、コスト関係なくモンスターを蘇生できる。

 

 今、召喚された【界の魔女ミゼリア】は7コストのモンスター。2ターン目に出てきていい性能ではなく、状況は一気にゼクスへ傾いた。

 

「さて楽しませてもらうよ」

 

「その余裕はいつまで続くかしら? バトルッ!!」

 

 バトルフェイズに突入する。界の魔女ミゼリアは召喚したターンでも攻撃できる。このまま数ターン殴られたらボクの負けが確定するだろう。

 

 ボクの手札は一枚。さて、ここをどう乗り切ろうか。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。