カードショップ店員をしている一般JK(転生済み)です。前世のデッキを使ってたら前作ラスボスと勘違いされてました。   作:SSS級侵略者ファンチ=メン

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4話 魔女VSラスボス系JK(中)

「きゃああああ! アマネ様〜〜!!」

 

「あ、あんな大型モンスター、手札一枚で受け切れるわけありませんわ!!」

 

「アマネ様はどうするつもりなのかしら!?」

 

 周りの生徒達が悲鳴をあげるが、この状況はピンチですらない。むしろ軽々と乗り越えなくちゃいけない状況だ。

 

「ボクは墓地の【混沌障壁】の効果を発動っ! このカードを除外して手札を一枚捨てる! その攻撃は無効化される!」

 

『ハア……ッ! え? きゃっ!?』

 

 ミゼリアが攻撃しようとした瞬間、地面から黒いオーラが噴き出て、ミゼリアの攻撃を中断させる。

 

「この効果が終わった時、ボクの手札が0枚ならデッキから一枚ドローする」

 

「くっ……! 手札をわざと減らしていたのはこのためだったのね!! けど、あいつはこんな戦法使ってないのに……」

 

 ボクのことを前作ラスボスの関係者とでも思っているのかな? まあ使ってるデッキがデッキだから勘違いしても仕方ないか。

 

「次こそ攻撃を当ててみせるわ! ターンエンド!」

 

「ボクのターン。ボクはパンデモニウムの効果で二枚の手札を捨てて、魔力ゾーンに魔力カードを置く」

 

「手札が0枚……! くるっ!」

 

 混沌の魔力を使うデッキの特徴として、手札が0枚の時に追加効果を発動するものが多い。

 

 エンドレス・ゼロ。確かラスボスはそう名乗ってたっけ。今思うと結構ダサいな。

 

「ボクは墓地の【混沌の円環】の効果発動! 手札が0枚の時、このカードは墓地からプレイすることができる!」

 

「墓地からプレイするですって!? それにあのカード! あれはカケルが苦戦した……!」

 

 カケルってのは主人公の名前ね。やっぱり、販促アニメ1期の部分は終わってるんだ。

 

 ボクのフィールドにある【混沌の卵】の上に円環が現れる。この【混沌の円環】というカードは主人公を苦しめたカードだ。

 

 ただこの二枚のコンボはラスボスも使っていないんだけど。

 

「【混沌の卵】の効果発動! このカードは1ターンに1度、自身に混沌カウンターを置くことができるっ!」

 

「混沌カウンター……! そのカードもカウンターを使うのね」

 

「どうやら知っているみたいだね。親切心で教えてあげるよ」

 

 カードゲームアニメの住人あるあるで、彼らは相手の使うカードのテキストを読まない。それはボクの心情的にはフェアではないから、知らなさそうなら教えることにしている。

 

 もっとも闇のカードバトラー以外になんだけど。

 

「【混沌の卵】は攻撃できないし、防御もできないモンスターだ。その代わりに相手の効果では選ばれないんだけどね。

 このモンスターは自身の効果で自壊し、その時に置かれていたカウンターの数に応じてデッキからモンスターをサーチあるいは召喚できるよ」

 

「なるほどね。それでいて【混沌の円環】の効果でさらにカウンターを加速させるという戦法ね」

 

 ボクはその言葉にニヤリと笑う。

 

【混沌の円環】は条件に応じて混沌カウンターを、自分の場に置くことができるアーティファクトカードだ。

 

 これの強いところは混沌カウンターの入れ替えが可能なところ。必要に応じて生み出した混沌カウンターを他のカードへ移し替えることで、強い効果を引き出す。

 

「これでボクのターンは終わりだ」

 

「なら私のターンっ! 私は【魔女達の再会】を発動! 自分の場に魔女がいる時、手札またはデッキから魔女を呼び出すことができる!」

 

『お願い……! マスターを助けにきて!』

 

 ミゼリアがそう呟くと空に大きな穴が開く。そこから新たな魔女が現れる。

 

「私は【(ことわり)の魔女セリア】を召喚する!!」

 

 魔女達はヒロインの使うカードだけあって美少女系カードが多い。魔女達はみんな可愛らしいデザインをしている。

 

 これがホログラムとはいえ実体化して動いてることに熱いものを覚えるな。

 

 ……と変なこと考えている場合じゃない。

 

「【理の魔女セリア】の効果! 召喚時に2枚ドローして1枚捨てる! さらに追加効果! 他の魔女がフィールドに存在する時、墓地の魔女と名のつくスペルを1枚使うことができる!」

 

 魔女の真価はここからだ。魔女達はハイランダーであることで効果を発動するもの、そして他の魔女がいることで発動する効果がある。

 

【理の魔女セリア】は2ドロー1枚捨てるという効果と、墓地のスペルの無料発動の二つの効果を持つ。

 

 特に後者の効果は強力だ。なにせ唱えられるスペルに制限がない。

 

「私は【魔女達の決意】を発動する! フィールドに二体以上の別種類の魔女が揃っている時、手札からさらに二体の魔女を召喚する!!」

 

 ここから畳み掛けるようにコンボが連鎖するっ!

 

 一度爆発すると手が止められないほど連鎖するデッキ。それがゼクスが使う魔女デッキの真価だ!

 

「現れよ! 【(さくら)の魔女サクラリス】、【(めぐり)の魔女ノエリア】!!」

 

 さらに二体の魔女が召喚される! 先行三ターン目にしてこの展開力は他デッキよりも群を抜いている。安定性や再現性に欠けるが、出力はかなり高い!

 

 普通ならボクの負けはほぼ確定している。だが、ゼクスはこれだけでは止まらない。

 

「このスペルは4種類の魔女がフィールドに揃っているときにコストを支払わず唱えることができる。私は【魔女達の宣戦】を発動!!」

 

 ゼクスは手札を出し切っている。恐らくこれが最後のアクションだろう。

 

「【魔女達の宣戦】の効果で私はデッキから最後の魔女を呼び出す!」

 

 ゼクスは一度目を瞑った後、カードゲームお馴染みの召喚口上を唱える。

 

「天地に根ざす光の花、世界を護る慈しみの冠よ! 【花の魔女フィオレッタ】、この世界に魔女の花を咲かせよ!!」

 

 とんがり帽子の魔女に花の意匠をこさえた服装を着た魔女が召喚される。

 

「ご、五体の魔女を三ターン目に!?」

 

「わ、わたくしの時でさえ三体しかいなかったのにその上がございますの!?」

 

「アマネ様が負ける……!? そんなはずは……!!」

 

 一見するとボクの絶体絶命だろう。

 

「【桜の魔女サクラリス】の効果。他の魔女全員に【先駆】を与える! 【花の魔女フィオレッタ】の効果! 手札を全てと山札の上10枚を公開し、手札、山札、墓地の全てのカードが別種類の時、魔女達のパワーとタフネスを二倍にする!!」

 

 これが魔女ハイランダーの真価!

 

【桜の魔女サクラリス】による召喚酔いしない効果を全体に付与し、【花の魔女フィオレッタ】の効果で全体のスタッツを倍にする効果!

 

 これで一気に相手のライフを削り切る。それに魔女達の力はこれだけではない!

 

「魔女達で一斉攻撃の時にさらに効果発動! 【廻の魔女ノエリア】の効果で魔女全員に【幽撃】を付与! 【界の魔女ミゼリア】は攻撃時に相手の場のカードを全て破壊する!!」

 

【幽撃】は平たくいうとブロックされない効果だ。魔女達はモンスターでブロックされず、またミゼリアの効果でこちらの盤面は全て破壊されてしまう。

 

 ミゼリアが雷撃を放ち、混沌の卵や混沌の円環を破壊する。その後魔女達がそれぞれの魔法で一斉攻撃を仕掛ける。

 

「きゃあああああ!! アマネ様ああああ!!!」

 

「お願い! どうかアマネ様に奇跡を!!」

 

 みんながそれぞれ阿鼻叫喚の反応を見せる中。

 

 ボクはその中で勝機を見出し、ニヤリと笑う。

 

 よくぞボクの手札が0枚の時に、このカード達を破壊してくれた。

 

 この状況はボクが望んだ通りの展開だ。

 

「これで終わりよ! これで私の……!」

 

「勝ちだと思ったかい? よく見るといい。ボクの盤面を」

 

 魔女達が一斉攻撃して巻き上がった煙の中。

 

 その中から黄金の眼光が光り、巨大な翼を広げる。

 

 ここはいっちょカッコよく召喚口上を唱えることにしよう!

 

「我が手に解き放たれしは、千年を超えてなお眠らぬ終末の龍! 大地を切り裂き、世界を凍てつかせる絶望の旋律を奏でよ! 【混沌龍アポカリプス】を召喚する!!!」

 

 八枚の翼を広げて巨大な黒と黄金の龍がボクのフィールドに顕現する!!

 

 その様子にゼクスは驚愕の表情を浮かべていた。

 

「な……!? ど、どうして!? どうして貴方のフィールドにモンスターが!? 一体何をしたっていうの!?」

 

「ふふっ、キミのおかげだよ。キミの魔女達が混沌の龍を呼び起こした。そのカラクリを教えてあげよう」

 

 ボクは笑いながらそのカラクリについて語り始めるのであった。

 

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