一部の生徒に激重感情を抱かれる偽物たちのブルーアーカイブ   作:ヒッキーn世

1 / 25
面白そうだと思った概念を頑張って形にしてみました
誰か続きかいてください(他力本願基本読む専勢)


襲来するお姫様

 

 学園都市キヴォトス、ゲヘナ学園校区。

 その中でも比較的治安が良い立地に建てられた喫茶店内にて3人の少女が会話を交わしていた。

 

 

「ところで、君はまたアビドスに行こうなんて考えて居ないだろうね?推しに会いたいという気持ちは理解できなくもないが、衝動のままに行動することは短慮と言わざるを得ないよ」

 

 1人は金髪のロングヘアーをそのまま流しているやや身長が低めの少女。その頭からは髪色と同じく美しい金色の毛並みをした狐の耳がついている。その言動からは小難しそうな性格が見て取れる……ように()()()()()

 

「流石にもうあんな事はしないよ。ホシノちゃんに会いたいのはそうだけど……3章終わってない今会っても苦しませるだけだしね」

 

 1人はふわふわとした髪質で青と緑を混ぜ合わせたような髪色をした高身長の少女。おっとりとした雰囲気をまとっており、狐耳の少女の言葉に反省の言葉を返している。

 

「まあまあ、この子にも悪気があったわけじゃないんだし。確かに俺たちが"本物"の関係者に会ったらまずいけど、結果的に会わなかったんだからいいでしょ」

 

 1人は黄色がかった白髪を三つ編みにしたいわゆるエルフ耳を持った少女。紫紺の目を困ったように細めて狐耳の少女をなだめる彼女は優しげな雰囲気を纏っている。

 

「……結果論ではあるがそれもそうだね。少し言い過ぎてしまったようだ、すまないね、ユメノ、アヤ」

「いいよ〜セイカちゃんも私のことを思ってくれてたんだしね」

 

 

 ここまで来たらもうお分かりだろう。彼女たちは転生者であり、その容姿は今現在キヴォトスにて死亡ないし行方不明とされている生徒に酷似していた。

 

 セイカはアリウスに暗殺されたとされる百合園セイアに、

 ユメノは砂漠で干からびて死んだ梔子ユメに、

 アヤは『黄昏』の向こうへと連れ去られた七稜アヤメに似た、というか全く同じ外見をしていた。

 

 ひょんなことから出会ったこの3人は同盟を結び、本物の関係者に自身の存在がバレないようにしている。

 理由は単純で、バレた場合確実に面倒なことになると分かっているからだ。

 

『ホシノやナグサを筆頭とする激重感情持ちがどういう反応を取るか予想ができないし、私の場合も存在が露呈した場合エデン条約編が崩壊する恐れがある。故に我々は身を潜めなければならない、いいね?』

 

 このようなやり取りの結果、彼女たちは原作キャラとの関わりをなるべく避けあくまでいちモブとして傍観者であることを決めたのである。

 

 では話を戻そう。

 

 

「そういえばさ」

 

 話題を変えるようにアヤが言った。

 

「もうすぐエデン条約が調印されるみたいだけどセイカは大丈夫なの?」

「大丈夫、とは何がだい?」

「ネームドに見つからないかってことじゃない?そうじゃなくてもセイアちゃんに夢の中で会ったとかないの?」

 

 セイアはエデン条約編のキーパーソンであると言える。その開始が近づいた今、何か起こる可能性は0ではない。そう考えての2人の不安視だったのだが……

 

「ふふ、安心したまえ。その可能性は限りなく低いと言える。そもそも私は予知夢の能力なんて持っていないからオリジナルに干渉されることはないし、流石の彼女も見ず知らずの相手の夢の中に入れないだろう」

「ナギサの情報網に引っかかったりはしないの?」

「トリニティの生徒を探すのにゲヘナまで手は回さないだろうからね。万魔殿の議長には手を回してあるし、まずナギサはティーパーティーのホストとしての仕事と裏切者探しに忙しいはずだ」

「じゃあミカちゃんは?」

「ミカはこういう情報戦は苦手そうだし、わざわざゲヘナまで死人を探しに来るとも思えないからね。エデン条約編が終わるまで下手にゲヘナから出なければストーリーが崩壊することもないだろう」

 

 2人の不安をよそに持論をまくしたてるセイカ。その内容は一見穴がなく、完璧なものに思えたが、2人の表情は晴れない。

 

「ふむ、まだ不安が残るようだね。ならば逆に問おうか、何がそんなに心配なんだい?」

「なんというか……」「不安っていうよりかは杞憂なんだろうけど……」

 

 2人は顔を見合わせると口を揃えて言った。

 

「「なんかすごくフラグ立ててない?」」

 

 そこでセイカは気が付いた。確かに今までの台詞(セリフ)はとてつもなくフラグじみている、と。

 

 ――ちりんと来客を知らせるベルが鳴る。

 

 確かにここはキヴォトス、言い換えれば物語(ブルーアーカイブ)の中の世界だ。フラグには気を使う必要があったのかもしれない。

 

 ――桃色の髪と飾りのついた純白の羽を持つ少女が歩みを進める。

 

 しかし口にしてしまったものは仕方ないし、何よりこんなモブの立てたフラグなんてそう回収されないだろう。

 

 ――少女が座っているセイカの背後に迫る。

 

 そんな楽観的思考を浮かべ、なぜか顔が引きつっている友人たちに向けて言った。

 

「いやいや流石に彼女たちがここまで来るはずな「何の話をしてるのかな☆セイアちゃん?」

 

 ――少女――聖園ミカは同僚に笑顔を浮かべ、そう話しかけた。

 

 

「……え?……み、ミカ?な、なんでこんなところに……?」

「それはこっちのセリフだよ、セイアちゃん、角付き共の校区なんかにいるの?探したんだよ?セイアちゃん、急にいなくなっちゃうんだからさぁ、こっちはセイアちゃんがいなくなって大変なのにお友達とお茶なんてしちゃってさ、というかセイアちゃんに友達なんていたんだね、いっつも私には嫌味ばっか言ってくるくせに友達には優しそうだね?ねぇどうしたの?そのよく回る口で何か言いなよ?そもそもセイアちゃんはさぁ……」

 

(まずいまずいまずい!なんでミカがこんなところにいるんだ!ゲヘナにはスケジュールでも寄り付かないはずだろ!)

 

 笑顔で話しかけてきたかと思ったら急に不機嫌そうになったりとコロコロ表情を変えて早口で言葉を紡ぐ彼女を見てセイカは混乱していた。会ったらまずい生徒ランキングぶっちぎりの1位の登場もその要因だが、なにより自分を”本物”と誤認されていることが何よりもまずかった。

 この時点のミカが死んだはずのセイアに会った場合、何をしでかすのか分からない。が、彼女の目を見る限りろくなことにならなそうなことだけは他2人もわかっていた。

 

 何とか逃げる策を模索する中、1人の客が立ち上がりこう言った。

 

「なんだよテメェ、トリニティの羽付き風情が、なんか文句あんのk「黙っててよ今セイアちゃんと話してるんだから」

 

 啖呵も言い切っていないのに無情にも撃ち抜かれる一般ゲヘナ生。それに勝機を見出したセイカが叫ぶ。

 

「逃げるよ!」

 

 咄嗟に愛銃や盾を持って逃げ去る3人。

 

「そっか、逃げるんだ。じゃあ……おいかけっこしよっか、セイアちゃんたち」

 

 ミカは聞いている者が底冷えするような声音でそう言った。

 

 

 

「どうすんの!捕まったら絶対やばいやつだよあれ!」

「私に聞くな!というかあれ私のせいなのか!?」

「ひぃん!まだ死にたくないよぉ!」

「死ぬようなことはないと思うけど、あの目見てると……どうなるんだろうね俺たち」

 

 そんなことを言いながら走る3人。目的地は近くの駐車場に止めてあるセイカの車(ミレニアム製)である。

 

「っユメノ!」

「……っ!」

 

 セイカの指示に反射的に反応したユメノが金属製の盾を展開し、銃撃を受け止める。

 

「ねぇ、なんで逃げるの?私がまた傷つけると思ってるの?大丈夫だよ、もう絶対に……セイアちゃんは傷つけさせないから」

 

 ぐるぐると闇が渦巻いた正気とは思えぬ目を向けたミカが、彼女たちに銃口を構える。

 

「待てミカ!そもそも私は君の知る"百合園セイア"などではないんだ!」

「あはは、なにその冗談?……ぜんっぜん面白くないよ」

 

 銃声、それに続いて何かを弾くような金属音が辺りに響く。

 

「先行って、セイカ!ここは俺たちで足止めするから!」

「え、えっと……できるだけ早く来てね!」

「……すまない。頼んだよ」

 

 アヤとユメノが走るのをやめ、ミカの方に向き直る。

 

「ねぇ、2人で私を止める気?私これでも結構強いんだよ?セイアちゃんのお友達さん」

「知ってるよ。でも今のあなたに()たちの友達のセイカを渡すわけにはいかない」

 

 アヤがライフルをミカに向けて放つ。それが開戦の合図となった。

 

「そっか……じゃあちょっと眠ってもらうね?」

 

 ミカが弾に当たるのをものともせずに射撃しながら直進する。

 

「行かせないよっ!」

 

 ユメノが盾を構え、攻撃を防ぎながら突進する。

 

「もうそれは見たよっと!」

 

 それを見切ったミカは盾に掴みかかり、その持ち主ごと放り投げる。

 

「ユメノ!」

「はいっ、これで終わり」

 

 アヤが一瞬気を取られた隙をついて接近したミカが銃口を胸元に押し付ける。そのまま引き金が引かれてしまうその時だった。

 

「えっ?」

 

 ミカの手から銃が弾かれる。それをなしたのは()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「至近距離なら流石に効くでしょ!」

 

 今度は逆にアヤがライフルを胸元に押し付け発砲する。伝わる振動と鉛玉が彼女に明確なダメージを与える。

 数発食らった後、ミカは大きく後方に跳び距離を取る。さあ仕切り直しだ、というその時だった。

 

「待たせたね、2人とも」

 

 車のエンジン音とタイヤがアスファルトと擦れる音が聞こえてくる。白色のオープンカーが戦場へと走り寄る、後方から伸びるロボットアームによって2人を回収しながら。

 

「さて、ミカ。逃げさせてもらうよ。こんな事をしていないで早く本物の私を見つけるといい」

「っ……ここから先は通さないよ」

 

 ミカが車の進路上に立ち塞がる。パンチ一発で車を止められると判断したからである。これなら多少のリスクは負っても彼女を止められる。

 

 しかし、その判断は甘かった。

 

「言ったはずだ、逃げさせてもらう、とね」

 

 ミカの真ん前まで車が来たその時、車体が大きく上昇、端的に言えばジャンプして彼女を飛び越える。

 そのまま車は遠くへ走り去って行った。

 

 

 車体が見えなくなった頃、彼女は1人呟いた。

 

「そっか、逃げるんだ。私と一緒は嫌なんだ。そうだよねこんな悪い子のところに来たくないよねでも次はこんな事しないから起こさせないから……次は絶対に捕まえてあげるから。待っててね、セイアちゃん?」

 

 

 

 その頃逃げ切ったセイカたちは……

 

「なんとか逃げ切れたね。アヤ、ユメノ、大丈夫かい?」

「俺はなんとか。触手は使っちゃったけど。ユメノは?」

「私も平気〜……にしてもすごいね、ミカちゃんって、私ごと放り投げるなんて」

「まあ力が強いという描写は散々されていたからね。というか壁にヒビが入っていたのに平気な君の頑丈さの方が私は驚きだよ」

「それは俺も思ったよ、本当に怪我ないの?」

「ほんとのほんとに大丈夫だってば。私、今世ではだいぶ頑丈だし」

 

 車内でミカの攻撃をまともに食らったユメノの心配をしていた。

 

「今回のことは私のせいだ。巻き込んですまなかった」

「そんなぁ〜私はセイカちゃんのせいだなんて思ってないよ」

「俺もね。まあこの見た目で生まれたからにはいつかこういう事になるんじゃないかって思ってたからさ」

「……ありがとう、2人とも」

「別に良いって……ところでこの車どこに向かってるの?」

「D.U.だね。あそこならヴァルキューレもいるしミカでも手が出しにくいだろう」

「……あのミカちゃんにそこまで考える余裕あるのかなぁ……」

「「……」」

 

 その言葉に誰も答えを返せないまま車は進む。

 その先に新たな困難が待ち構えている事も知らずに。

 

「ねぇみんな、今から先生のところに手伝いに行かない?」

「いいですけど……どうして急に?」

「いやぁ~おじさんこの前いろいろ迷惑かけちゃったからさ、その恩返しじゃないけどさ」

「ん、私は行く」

「もちろん私も」

「わ、私も行くわよ!」

 

 

 偽物たちの波乱の日々は続く……のかもしれない。




 碧園セイカ

 今回の被害者枠
 元男子高校生
 わけあってセイアエミュをしているがオリジナルの言動が複雑すぎるが故に『セイアっぽい言葉遣いの別人』となっているし本人もそれを理解している
 ゲヘナ所属
 推しはミカたちティーパーティー


 鬼灯ユメノ

 元女子高生
 本人にエミュしているつもりはないが言動がオリジナルっぽい
 転生特典でわりと頑丈
 ミレニアム所属
 推しはホシノたちアビドス組


 六花アヤ

 元男子大学生
 転生者組といるときは『俺』、よそでは『私』
 百花繚乱編2章の内容を知らないため、オリジナルのこともほぼ知らない
 転生特典で近くに触手が生やせる
 特定の推しはいないライト勢


 聖園ミカ

 今回のヤベーやつ枠
 セイアをもう二度と傷つけないために暴走している
 捕まったら多分監禁される




面白かったら高評価・コメントお願いします!めちゃくちゃモチベになるので……
あと誰かこの概念使っていいのでこういう感じの小説書いてくれませんかね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。