一部の生徒に激重感情を抱かれる偽物たちのブルーアーカイブ 作:ヒッキーn世
アヤメのキャラが崩壊している気がしなくもないけどこのままいきます
今回怪談及び白蓮に関する独自解釈を含みます
そしてやってきた丑三つ時。一同は仮眠をすませ集まっていた。
「いよいよか……ところで百蓮は私たちが持っていていいのかい?」
「使える人が持っていた方が有効だからそうするだけ」
「そうか。それでナグサは来ているんだね?」
「さっき百鬼夜行に入ってきたのを確認した。大分風貌は変わってたみたいだけど」
「いろいろと変わり果ててしまっているようだからね。……来たか」
寒風が雪を纏って吹き荒れる。防寒対策はしているものの、それでも寒いものは寒い。
「アヤメ……きたよ……♪」
その寒さの化身、ナグサが姿を現す。
「あれ?なんでアヤメじゃない人たちがいるの?……いらない」
「なに、”アヤメじゃない人”って。私のこと、見ようともしないくせに」
氷の波が押し寄せてくる。
「……っ!焼夷手榴弾、投擲!」
燃え上がる爆炎が氷を溶かす。辺りには一時的にむわっとした暑い空気が立ち込める。
「ふう、やはり事前に準備しておいて正解だったな」
安堵するセイカたちとは違い、ユカリたち百花繚乱は攻撃されたことに驚きを隠せない。
「なぜ……なぜですの!ナグサ先輩!なぜ身共たちを……?」
「?……あ、ユカリか。ねえユカリ、アヤメ捕まえるの手伝ってよ」
「な、ナグサ先輩?そこにいるのはアヤメ先輩では……」
「なに?みんなもアヤメの顔と声は覚えてるでしょ?雨の日でも、太陽のように明るい笑顔。何もかも包み込むような優しい声…。私は指先さえも凍りついてしまいそうな中で、あの水色の羽織を目にして思ったんだ。全部投げ捨てて、わがままを言いに来た馬鹿な私を──包み込んでほしい…って。「しょうがないなあ」って笑う姿を見せてほしかった。もう一度、私たちの委員長に戻ってほしかった。だから私はアヤメを捕まえるの。そして一生私のモノにするの。そうしたらきっともう二度と……私の前からいなくならないから」
「……そんなこと思ってたんだ……やっぱり私はあんたが嫌いだよ」
後輩たちの前でフル詠唱(なお原作まま)をキメるナグサ。その目はもはや正気ではないと気づいてしまう。
「あーもうっ!ユカリ!ああいう手合には何言っても通じないの、わかった!?」
「は、はい……」
「でもどうすんだキキョウ?ナグサ先輩ってすごい強いしあの変な力まであるんだぞ!?」
「……言ったでしょ、私たちはサポートにまわってあの人たちを主力として運用するって」
「そうはさせませんよぉ?ナグサちゃんには早く怪談として”完成”してもらわないといけないのでぇ……」
その場に突如として無数に湧き出してくる傘のような不気味な存在。
それこそはシュロが”怪書”の力で生み出した付喪神だ。
それらは百花繚乱やセイカ、ユメノたちに襲いかかる。
「ふふ……一緒に、なろ?」
「じゃあずっとそいつと一緒にいなよ」
1人残されたアヤにも危機は迫る。
地面からは彼女を閉じこめんとする氷柱が何本もそびえ立ち、前方からはつららが何本も飛来してくる。
そのうえナグサはその隙間を縫うように、氷でできた銃による射撃を通してくる。
「ぐっ……!これしんど……」
話をするにしても最低限彼女を正気に近づけないといけない。
そう思いつつこちらも攻撃を繰り返すが、遮蔽物に阻まれる上に当たっても大して効いているように見えない。
こういう時こそセイカを頼ろうと振り返った先には……彼女はいなかった。
「は!?」
「……やはりこの近くにいたか。君が本物のアヤメだね?」
「……本物というかアヤメは私だけなんだけど?」
戦場をこっそり抜け出したセイカは近くに潜んでこの状況を盗み見ていたアヤメのもとへやってきていた。
「ふむ、すまないね。ただ私にとっては彼女の方が見慣れているものでね。みんなが言っていた”アヤメ”は君だったのか、と思ってね」
「……それで、なんの用?」
「なに、アヤメ委員長ならこの状況をなんとかできるのではないかと思ってね」
「私に”助けて”って?」
「ああ、君ならどうにかできるだろう?」
無条件の信頼、あるいは丸投げ。
頼ってくる人々、誰も見ようとしない”私”。
それが嫌で百花繚乱を辞めたのにそれでもそういう輩がやってくる。
そんなもの……!
「うるさいっ!私のことなんにも知らないくせに!ただの頼れる委員長だとしか認識してないくせに!私がどんな思いでこれまでやってきたか何一つ知らないくせに!」
溜め込んだ怒りを顕にするアヤメ。
「知らないよ、そんなもの」
それを無表情で一蹴するセイカ。
予想外の反応に彼女は思わずたじろぐ。
「ああ知らないとも。そもそも私は部外者だ。だが君の同僚だった彼女たちも知らないだろう。何故だと思う?それは君が何も言わなかったからだ。それとも何も言わなくても察してくれるとでも思っていたのか?だったらそれは傲慢というものだ。他人の心の内を知る方法などない。そんなことすらわからなかった君は……どうしようもなく間違えたんだよ!」
徐々に口調を荒げながら詰め寄るセイカ。
それに対しアヤメも叫ぶ。
「話せばよかった⁉私の苦しみを何も理解できないお前が「彼女なら知っている」
「え?」
「君によく似た……見た目だけではなく内面もよく似た彼女なら君の苦しみも悩みも理解できるだろう。だからぶつけてみるといい。鏡越しの自分に、あるいは君に依存している彼女に、君の思いを」
「……なんであんたに従う必要が?」
「おや、冷静になるのが思ったより早いな。……なに、そうした方が気分がいい、というだけの話だよ。経験者からのアドバイスだ。自分の気持ちには正直になった方がいい。言いたい事が全くないとは言わせないぞ?」
話を聞き終えたアヤメはやけくそになったような崩れた笑みを浮かべて言う。
「……わかった。あんたに乗せられてあげる」
走り去って行くアヤメ。
「ふう、発破をかけた甲斐があったかな?こうなれば後は当事者たちの話、ひっそりと援護でもしようかな」
そう呟くと彼女もまた戦場へと戻っていった。
一方こちらでは未だアヤとナグサが熱い、いや冷え切った戦いを繰り広げていた。
「アヤメ……なんで抵抗するの?私のこと見捨てないって……足手まといでも泣き虫でも一緒にいてくれるって言ったのに!」
もはや数えきれないほど見た攻撃をなんとか回避していく。
さっきからこんな感じの発言を常に聞かされ続けたアヤは、精神的にも肉体的にも限界だった。
「ああもうっ、うるせぇ!何がアヤメだよそもそも俺はアヤメじゃないってさっきから言ってんだろうが!」
それ故に留めていた言葉が口からこぼれる。彼女にも事情があるんじゃないかと寛大な心で抑えていた怒りの感情を込めた言葉が。
「もうこの際だから代わりにお前に言うけどさ!すぐ俺を頼るのやめろよ!そりゃ俺がしたくてしてることだからさ、多少はいいんだよ多少は!でもいちいち頼んでくるなよ俺抜きでもどうにかなるやつだろそれ!その上トリニティに入ってからは礼も言わないやつが多いし!ああっもう言ってたら逆にいらいらしてきた!」
「そうだ!頼りすぎるな!」
漏れ出るどころかあふれ出る言葉は止まらない。
その勢いはナグサを少し戸惑わせた。
「え……な、なに?アヤメ……」
「お前もさ、アヤメ依存から抜け出す努力をしろよ!俺は会ったこともないしどんなやつかもはっきりとは知らないけどなんかそいつがかわいそうじゃん⁉こんな重い感情ぶつけられても迷惑なだけだって!」
「そうだよ!正直重いって」
「で、でも……アヤメが私に……」
「大丈夫だって言ったって限度があるだろ⁉」
「そもそも最初からあんたのこと友達だと思ったことないから!」
「ほらこいつもこう言って……いやあんた誰⁉」
相手を責め立てるアヤ。
さらっとそれに賛同するアヤメ。
か細い反論を繰り返すナグサ
ついにこの場に三者が集った。
「え?アヤメが……2人?」
「ああ、そっちがアヤメか。よろしく」
「え?よろしく。……なんでそんな冷静なの?」
「いや、いろいろ言ったらすっきりしたっていうか……」
「まあいいや。せっかくだし私も言いたい事言わせてもらうから」
並び立つ全く同じ姿の2人。
「というかなんでそっちが百蓮持ってるの?」
「奪ったんだよナグサから。そっちの方が扱えそうだから渡そうか?」
「いやいいよ。そもそもそんなものがなくても攻撃はできるし」
そう言ってその身を怪談と化すアヤメ。
怪談の攻撃は怪談に通用する。
簡単に言えばポケ〇ンでゴーストタイプの弱点がゴーストタイプであることと同じ原理である。
「じゃあ俺も……ほいっと」
百蓮に触手を巻き付かせるアヤ。
先ほどまで神秘的なオーラを纏っていた銃が禍々しい雰囲気を纏う。
これにはアヤメもドン引きである。
しかしそもそも百蓮を十全に扱えていない彼女にとってこの手は有効であった。
「ええ……それ一応うちが代々受け継いできた大事な物なんだけど……」
「ならこんな部外者に渡さないでよ。それより”うちの”ってやっぱ大事には思ってるじゃん」
「……それは言葉の綾だから!」
「わかったわかった、そういうことにしとくよ。それよりも……」
「……あの馬鹿ぶっ飛ばしてやらないとね」
共に構える2人。
それに対するナグサも、ようやく混乱から解放されたらしい。
「よくわからないけど……アヤメは……アヤメは私のモノだからね……」
懲りずに彼女自身の思い描く”アヤメ”を求めるナグサ。
しかし彼女と相対するのは互いに理解者を得た苦労人たちである。
「ちょっとしばらく」
「大人しくしててもらうから!」
最強の怪談とは何なのか。それを決めるかもしれない戦いが今ここに、幕を開ける。
「なんでアヤメまで出てきてるんですかぁ⁉あちらのアヤとかいう人も怪談の力を使えてますしぃ……これでは……これではぁ……⁉」
自称最強の怪談家を置き去りにして。
碧園セイカ
やはり有能なフォックス
アヤメに接触し発破をかけた
六花アヤ
感情を爆発させた人
理解者を既に得ているためメンタルは(溜めこまなければ)平穏
持っている能力は怪談関係
七稜アヤメ
予想だにしない形で理解者を得ることになった人
大分フラストレーションが溜まっている
百花繚乱のことを思うところはあれど大事に思っているのは、そういう演出の前例もあるのに百花繚乱所属の表示が消えていなかったことに対する独自解釈
御稜ナグサ
アヤメに縋る哀れな少女
ダブルアヤメを見て逆にテンションが上がっているかもしれない
例のフル詠唱は入れてみたかったので入れた
後悔はしていない
箭吹シュロ
なんか可哀そうな感じになった子
というわけでアヤメ参戦です
ところで今回はちょっとハーメルンらしいギミックを入れてみました
まあ簡単な奴ですけど
多分次回当たりに終幕です
では久しぶりに……
面白かったら高評価・コメントお願いします!(コピペ)
……ちなみにユメノ編の構想は(全くと言っていいほど)ないです