一部の生徒に激重感情を抱かれる偽物たちのブルーアーカイブ   作:ヒッキーn世

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本編後の後日談的短編集です
今回は本編でメインだった生徒たちに注目してみました
青春部単体の話はグループストーリーで出す予定です


青春部の短編集

 

 お姫様のデート大作戦

 

 

『ねえセイカちゃん。今度デートしない?』

「え?……で、デート⁉」

『いや?』

「いや、もちろん行くとも」

 

 

「ここが待ち合わせ場所か……格好はおかしくはないだろうか……うう、緊張してきた……」

「あ、セイカちゃん!おはよう!待った?」

「ああ、おはよう。私も今しがた来たところだよ(まさかこのセリフを現実で使うことになるとは……)」

「そっか、じゃあいこっか☆」

 

 

「2人が合流……よし、移動し始めた。俺たちも追うよ」

「……こんなことしてていいのかなぁ」

「デートの情報こっちに漏らしたのはあいつだしいいでしょ。邪魔するわけでもないし」

「そもそもばれないの?」

「集中してなきゃ離れた位置にいる俺たちの声だけを聴き分けることなんてできないよ」

「アヤちゃん、すっごい悪い顔してるね……」

 

 

「服屋さん寄っていい?買いたいものがあるんだ」

「いいとも。何がほしいんだい?」

「それはねーひみつ☆」

 

 

「お、服屋入った」

「うう……双眼鏡で友達のデート風景眺めてる私たちって不審者だよね……」

「別にいいでしょ。同じことしてるキャラいるし」

「その子停学になってるんだよ?」

「……ばれなきゃ平気だって。……ミカがセイカに服見せてるな」

「好きな人に可愛いって思ってもらいたいんだよね!やっぱり乙女だよね……!」

「ユメノもわりと乗り気じゃん」

 

 

「よし買えた~」

「私はあまり服には詳しくないがよかったのかい?」

「うん、セイカちゃんが選んでくれたのを買いたかったから」

「それは……ん゛っ、そ、それでは遊園地に行くとしようか」

 

 

「遊園地デート……定番だよね!」

「そうだな、まあ現実でしてるやつ見るのは初めてだけど」

「あ!ミカちゃんが狐耳着けてお揃いにしてる!」

「セイカには効いてるみたいだな。顔が赤い」

「まああんな可愛いところ見せられたらね~」

 

 

「はい、あーん」

「……あーん……(あ、味がわからない……)お。おいしいよ」

「そう?じゃあそれももらうねっ☆」

(んんっ、ミカは気にしていないんだ。気にしない気にしない……)

 

 

「ここでいつものあいつならミカの耳が赤いことにも気づくんだろうけどなー」

「恋の前では盲目ってやつだよ!」

 

 

「最後はこれ乗ろうよ!」

「観覧車か……いいよ、並ぼうか」

 

 

「最後は観覧車で……ミカちゃんのプラン通りだね」

「まああいつが考えたプラン俺たちがそのまま流してるからなぁ」

 

 

「夕暮れの遊園地というのもまた綺麗だね」

「うん、そうだね……ねえ、セイカちゃん」

「なんだい、ミカ」

「ちょっとボクになってくれない?」

「……わかったよ。ミカも真剣みたいだしね。なにかボクにあるの?」

「うん……っ」

「……!」

 

 2人の唇が重なる。つまるところこれは……

 

(ききき、キス⁉な、なんでボクなんかに……⁉)

「ねえセイカちゃん。私はあなたが好きです。……付き合ってくれませんか?」

(これは……こんなに真剣なのにボク自身を否定しちゃだめだな)

「はい、こんなボクを好きだと言ってくれるのなら……ボクはあなたと付き合いたいです」

「……嬉しいなぁ」

 

 ミカの目から涙が零れ落ちる。

 そんな彼女を優しく抱きしめる。

 

「ボクでよければ、ずっとそばにいるよ。ボクのお姫様」

「ありがとう、私の王子様!」

 

 

「流石に大事なシーンは見ないんだ」

「それくらいの良識はあるよ……俺を何だと思ってたの?」

「いやー別になにも……あ、出てきたよ!」

「……恋人つなぎ……成功したみたいだな」

「そうみたいだね……あ、ほっぺにき、き……」

「キスしたな。なんかあいつ積極的になってない?」

「告白されて自己肯定感が上がった……とかかな?」

「まあそれならいいんじゃない?今はあのカップルの誕生を祝おうか」

「……そうだね。お祝いしてあげよっ!」

 

 

 

 百鬼夜行2人ぶらり旅

 

 

「やっほ-アヤメ」

「……なにしに来たの」

「いや、ちょっと暇だから来てみた」

「じゃあどっか行けば?」

「ええー?せっかくお前に観光スポット聞こうと思ったのにさぁ」

「……ついてくんな」

「了解」

 

 歩き出すアヤメに追従するアヤ。

 

「……ここは、茶屋か」

「あら、アヤメちゃん!お友達かい?」

「はい、そんな感じです」

「そうかい、ほらなんか食べていきな!」

「ありがとうございます」

「へぇー、友達、ね」

……うるさい

「聞こえないなぁー。なにかおすすめありますか?」

「このお団子とお茶のセットがおすすめだよ」

「じゃあそれください」

「はいよ。アヤメちゃんもいつものでいいかい?」

「はい」

 

 

「おいしい……!こういうの久しぶりに食べたなぁ」

「あらよかった」

「……この辺りに住んでたの?」

「いや?まあ似たとこではあったけど」

「そう……まあ興味もないけど」

「そんなこと言ってぇ~」

「うるさい!」

 

 

「いくらですか?」

「お代はいいわよ。いつもお世話になってるからね」

「いいんですか?」

「ええ。それに……いいお友達もできたみたいだしね」

「……」

「ええ、こいつのことは任せてください」

「ええ、お願いするわ」

 

 

「……おっと、この橋がどうかしたの?」

「……ん」

「?……ああ、なるほど。いい景色だ」

「そうでしょ」

「こういうのを守りたいんだなってわかる程度には」

「……やっぱりあんたは嫌い」

 

 

「……今日はありがとね」

「別に何もしてない」

「はいはいツンデレね……ねえ、ナグサのところには行かないの?」

「……なんで私が?」

「ふと思っただけだよ。アヤメが来たら起きるんじゃないかって」

「そんなことで起きるなら、一生起きなくていい」

「……なるほど、それはそうだ」

「用がなくなったならとっとと帰って」

「つれないなー……じゃあまた」

「…………また」

 

 

 

 星の夢を見る者たち

 

 

「やっほーホシノちゃん!」

「こんにちは、ユメノちゃん」

 

 アビドスの一角にて2人+1人は会う約束をしていた。

 

「ところで今日はなにしに来たの?砂漠の方に行きたいってことだったけど」

「うん、私の研究のデータ集めにね」

「もしかしてその車に積んであるのがそう?」

「ああ、私はそのために来たからね」

 

 車に乗ったままのセイカが説明する。

 

「簡単に説明すると、これは砂漠という過酷な環境下でも植物を育てることができるという機械だよ……ただし理論上は、という但し書きがつくがね」

「私のミレニアムでの研究テーマは砂漠の緑化だからね」

 

 その言葉に、ホシノは過去を思い返す。

 先輩が話していた砂祭りについての夢物語を。

 

(あ~あ、駄目なのに、この子と先輩は違うのに……だってしょうがないじゃないか、この人が変わっていないのだから。今もなお、夢を追いかけているのだから)

 

「ホシノちゃん?どうかしたの?」

「……っ!ええっと、なんでもないよ。それよりその研究が成功したら、おじさんたちも助かっちゃうなぁ〜」

「そうだよね!よ~し、がんばろー!」

 

 気合をいれるユメノをよそに、セイカがこっそり話しかける。

 

「……無理はしなくてもいいとも」

「え?」

「彼女を先輩と同一視しないというのはかなり困難だろうからね。無理せず自分のペースで過去を受け入れていけばいいさ」

「そう……なのかな……」

「ああ、きっとそうさ。それに彼女も君に苦しんでほしいわけではないのだしね。表面だけ取り繕っていたらそれが真実に近づいた、そんな事例は知っている」

「……ありがとね」

「なに、礼には及ばないさ」

「……?2人とも、何話してるの?」

「なんでもないさ。ただの雑談だよ。さて、それでは出発しようか」

 

 3人を乗せて車は走り出す。

 

「……ねえ、ユメノちゃん。困ったことがあったら言ってね。すぐに駆けつけるから」

「うん?わかったよ?」

「そうだね、君はよくトラブルを起こすからこういう人脈を作っておいたほうがいいだろうね」

「も〜、セイカちゃん!私そんなに危ない目に遭ってないって!」

「たしかちょうど数日前に実験中のオートマタの暴走に巻き込まれたと言っていなかったかい?」

「あれは私のせいじゃないし……」

「だとしてもそういう体質なのは事実だろうに。だからホシノ、ユメノのことを気が向いたら手助けしてやってくれ」

「うん〜見てて危なっかしそうだからね〜」

 

 そう言って笑い合う。今度こそは、こんな日常がずっと続く奇跡が起きますように、と祈りながら。

 

 

 

 勿忘草の見た夢

 

 

 私は、気がついたら百鬼夜行の町並みの中にいた。

 隣にはいつも通りアヤメがいて、普段と変わらない日々だった。

 

「はい、これ」

 

 手渡された焼き鳥を口に入れる。

 これもいつも通りおいしい。

 

「ナグサはいつも頑張ってるよね。立派な百花繚乱の副委員長だよ」

 

 そう言ってアヤメが褒めてくれる。

 

「なんでそんなに褒めてくれるの?私は所詮アヤメの真似をしてるだけの出来損ないなのに」

「そんなことないよ。ナグサは私の親友なんだから。私がいつでもそばにいるから」

 

 アヤメはいつも優しい。こんな私なんかにも。

 だからきっと、私が全部投げ出しても笑って包みこんでくれる。

 

 でも、

 

「”アヤメ”はそんなこと言わないから」

 

 何かが割れる音が聞こえる。

 今まで見ていた世界が溶けていく雪みたいに崩れ落ちる。

 

「あーあ。このままでいればよかったのに」

 

 アヤメじゃない……ナニカが言う。

 

「流石にこれ以上幻想のアヤメに寄りかかるわけにもいかないから」

「そっか。でもいいの?私はナグサのほしい言葉をかけられる。好きなことをしてあげられる。私なしで”御稜ナグサ”を演じきれるの?」

「別にいい。確かになにかを演じていても、いつかは限界がくる。だからうまく息抜きをしなきゃいけない。でも、それを私に都合のいい幻想に求めるのは違う」

「そう、本気なんだね。じゃあ私は大人しく消えるよ」

「まって」

「なに?」

「……今までありがとう。私のことを支えてくれて」

「お礼ならいらないよ。所詮私はあなたが作ったものだからね」

 

 最後にそう言い残すと、それは幽霊のように消えていった。

 

「私も、そろそろ起きなきゃね」

 

 

 

 

 

 

「みんな、おはよう」

 

 

 

 威風堂々お祭り事変

 プロローグ

 

 

 百鬼夜行、お祭り会場にて。

 

「さて、いよいよこの日がやってきたというわけだね……偽物祭の日が!」

「なんかテンション高いね……そんなに楽しみにしてたの?」

「もちろんさ!そもそも祭りという祭りに行ったことがなかったからね」

「あぁ~そういえばそっか。じゃあせっかくだし楽しまないとね!」

「まあ浴衣まで着てるわけだし気合は入ってるよね」

 

 そう、3人は皆浴衣を着ていた。

 セイカは黄色をベースに狐の意匠が入ったものを。

 ユメノは若葉色に差し色として桃色が入ったものを。

 アヤは紫紺に水色を差し色としつつ菖蒲の意匠が入ったものを、それぞれ身に纏っていた。

 

「さてどこからまわろうか。こういうのは定番のルートがあったりするものなのか?」

「ちょっと落ち着けって。好きな所からまわればいいんだよ」

「そうか!ではそこのたこ焼きの屋台から行くとしよう」

 

「なんかすごい楽しそうだね」

「まあ初めてらしいし……感性が子供っぽくなってるんじゃない?」

「それだけなら大丈夫かな。いつも大人っぽいけどこういう時くらいはしゃいでもいいよね!」

「それはいいんだけど……」

「どうかしたの?」

「いや、噂によると先生が来てるって……」

「もしかしてこれ、イベント?」

「わからない。全部のイベントを知ってるわけでもないし、それに俺たちの知らないものかもしれない」

「それもあるか~何事も起こらないといいけどね……」

「祈るしかないだろうね。まあ今は私たちも祭りを楽しもうか」

「そうだね!おーいセイカちゃーん!まってー!」

 

 

 祭りはまだ始まったばかり。無論それにまつわる騒動も。

 彼女たちは果たして祭りを満喫できるのか……




 お姫様のデート大作戦

 セイカとミカの話です
 2人の甘酸っぱい話を書きたいなぁでこうなりました
 満足していただけたでしょうか


 百鬼夜行2人ぶらり旅

 アヤとアヤメの話です
 この2人の関係性はこんな感じですね
 アヤが会いに行ったりアヤメが呼んだり、そんなちょっと変わった距離感です


 星の夢を見る者たち

 ユメノとホシノの話です
 最初からは難しくても、少しずつ変わっていく関係性を表現できていたでしょうか


 勿忘草の見た夢

 1人だけ寝ていたのでハブられていたナグサの話です
 彼女もまた変わっていっているということですね


 威風堂々お祭り事変

 オリイベントをやりたい、でも書けない……という思いから生まれたプロローグのみの話です
 盛大に何も始まらないってやつですね
 彼女たちの衣装違いを出したかった話でもあります
 配布枠は☆1アヤ(浴衣)です
 ガチャはそれぞれ
「今なき祭りに希望を抱いて」☆3ユメノ(浴衣)
「初めての祭りに楽しさを覚えて」☆3セイカ(浴衣)
 となります
 立ち絵は皆さんが想像してみてください






さて1日空きましたが短編集はいかがだったでしょうか
次は絆ストーリーとグループストーリーを出せたらいいなぁ、と思います
今回も感想・高評価お待ちしております
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