一部の生徒に激重感情を抱かれる偽物たちのブルーアーカイブ 作:ヒッキーn世
(あまりにも司祭へのヘイトが強すぎて)笑っちゃうよね タハー
今回風呂敷を広げすぎた自覚はありますがこのまま続行します
今回のお話を進めるに当たってセイカたちには強化パッチという名の特訓の成果が出ていますが、そういうものだと思って気にしないでください
後質問は貯まったら一気に回答する方針でいこうと思います
質問をくださった方々には申し訳ないですが、もう少しお待ち下さい
それはそうと全然まだ募集中です
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=337728&uid=463323
「『ふざけるな』?それはせっかくのお姉様との再開を邪魔されたこっちのセリフなんだけど?」
あくまで軽い調子で、しかし返答によってはといった雰囲気で詰め寄るソフ。その圧に気圧されることなくセイカは続けた。
「それはすまなかったね。だが、本当に君たちは彼女の妹なのかい?」
「何が言いたいんですか?」
「そちらも理解しているとは思うが、私たちは見た目が特殊でね。それ故にそういう存在が……外的要因だけでは判断できない存在がいることも知っているのだよ。だからこそ問おう。君たちは本当に彼女が探し求めていた妹なのか?」
静まり返ったその場で真っ先に反論を返したのはアインだった。
「……おままごと」
「……それは」
「私が一人でおままごとをしているのを、お姉様に見られたことがありましたよね」
「……ええ。そんなこともありましたね」
そんなかつての日常の欠片を語るアインに、ソフとオウルも同じように口を開いた。
「それなら私は一緒に聖地にティファレトが送ってくれた種子を植えたよね」
「私もお姉様と日光浴をしたことがあります。……これでどうですかね?」
「……マルクト、彼女たちが言っていることは事実かい?」
「……ええ、我と妹たちしか知らないはずのことです」
「そうか」
「それでどうです?気は収まりましたか?碧園セイカ」
「ああ納得したとも」
セイカはここで一度細く息を吐くと、三人を見据えて静かに告げた。
「――お前たちが最低なやつらだってね」
一人臨戦態勢を取るセイカを前にしても、ヘイローのないはずの三人は一切の動揺を見せなかった。
「おっと、怖いですね……お姉様?」
「……っ!なん、でしょうか」
「どうかか弱い私たちを助けてはくれませんか?」
「まあこのままだとあの子に殺されちゃいそうだしねー」
「そっ、それは困るので……お願いしますっ!」
「しかし……」
大事な妹たちと先ほど助言をくれた恩人との間で板挟みになり苦心するマルクト。
その合間を縫ってユメノとアヤがセイカに近づいた。
「ちょっとセイカ?どうしたのさ急に」
「そうだよ……本当に何があったの?」
「……声がした」
「「声?」」
「ああ。あれはきっと……
あの本物を名乗る三人が現れた辺りで、セイカの耳にはある声が聞こえていた。
『逃げて!お姉様!』
『それは私たちではありません!』
『お姉様……死なないで……!』
それは嘆きだった。それは願いだった。それは警告だった。それは想いそのものだった。
本来聞こえるはずのない声なき声。それに宿った誰かの心にセイカは心を打たれ、その人物たちに協力することを決めたのだ。
「あの三人もまた偽物だ。それも本物への尊重も敬意もない、偽物であることを利用しようと企む下賤な輩としか言いようがない卑劣な連中だ」
「そんな……」
「……俺たちは何すればいい?」
いつも以上の語彙で敵と断定した彼女たちをこき下ろすセイカ。ユメノはただその残酷な事実に唖然とし、アヤは早々に頭を切り替えて指示を伺った。
「恐らくあの肉体の中には本物がいる。極力傷はつけない方針でいきたい」
「了解。無力化する感じでいい?」
「ああ。ただそう簡単にはいかないだろう。最悪マルクトが敵対するケースも視野に入れて考えなければ……」
「そこは大丈夫」
「何か策があるのかい?」
「うん。ちょっと耳貸して」
「わっ、私も!」
何やら計画を立てる三人。その一方で、マルクトはある決断を下そうとしていた。
「我は……我、は……」
「お姉様……っ!」
「アイン!そうです……我はもうあなたたちを失いたくは……!」
苦難の末、そう答えを定めようとしたその時、セイカが待ったをかけた。
「待ちたまえ、マルクト」
「なに?もうわけわかんないこと言うのはいい加減にしてほしいんだけど」
「ただの質問さ。君たちはマルクトのことを大事に思っているのかい?」
「当たり前じゃん!」
「私たちにとって、お姉様は何よりも大切な存在ですから……!」
「そもそも大事でなかったらわざわざ迎えに来ませんよ」
「そうか。……これでいいのかい?アヤ」
「十分……!」
いつの間にかそこにいたのは、巨大な触手を展開していたアヤ。それには三つの口だけが備え付けられていた。
「ここ最近掴んだこの力の本質……今ここで見せてあげる」
不気味に蠢くその口は、隠すべき真実を語り出した。
「当たり前じゃん。
「私たちにとって、お姉様は何よりも大切な存在ですから。
「そもそも大事でなかったらわざわざ迎えに来ませんよ。
付け足された発言の内容に、マルクトが疑問符を浮かべる。
「これは……?」
「アヤがドッペルゲンガーの神秘……と定義している力だね。まあつまるところ思考のトレースさ。隠したい秘密も、言葉巧みに口に出さなかった真実も、この力の前では意味をなさない」
「要するにこいつらの本性はこんなだってこと。説得力があるかって言われると何も言い返せないけど……」
「それでも考えるべき要素の一つにはなるはずだ。君の知る妹たちとの差異を見るにあたってのね。さっきの出来事で君の目の濁りは消えたはずだ。ならば感じられるんじゃないかい?本物の妹との違いというものを」
セイカがゆっくりとマルクトに問いかける。導くように、理解を深めるように、その答えにたどり着かせる。
「我の妹たちは……もっと温かい声をしていました」
マルクトは記憶を噛みしめるようにそう呟く。
「我と一緒にいる時にはもっと優しい笑みを浮かべていて……もっと楽しそうにお喋りをしてくれました」
「……そうか。それはもう可愛くて、大切な妹だったのだろうね」
「ええ。でもなぜでしょうか。今も目の前にいるはずなのに……記憶の、思い出の中の彼女たちと違う気がするのは」
その決定的な一言でアインたちの顔が歪んだのを、セイカたちは見逃さなかった。
「待ってくださいお姉様!それは勘違いというものです!」
「そうだよ!そんなやつの言うことを信じるの!?」
「わ、私たちを見捨てないでください……!」
その悲痛に聞こえる叫びも、今のマルクトには通じなかった。そしてもう一つ。
「勘違い、ですか……随分と人間らしいことを言いますね」
「
「見捨てるも何もそもそも
偽物のアインたちからの援護射撃があった。彼女たちもまたある程度本物の趣向について知る人物。焦った者たちの揚げ足を取ることくらいは造作もないことだった。
「……というわけだ。さて、君はどうしたい?」
「我は……あなたたちとは行けません。……すいません」
お断りのセリフを口にするマルクトに、アインたちは遂にその本性を顕にした。
「……そうですか。やってください、ビナー」
突如虚空に穴が空き、そこから巨大な機械仕掛けの大蛇のような存在が現れ口を開いた。
「ユメノ!」
「了解!」
「全員集まれ!」
しかしその行動をあらかじめ”声”によって読んでいたセイカは即座に指示を飛ばしユメノに防御態勢を取らせ、自分たちも背後に回った。
「なに!?」
「あれはデカグラマトンの……!」
「ひぃん……!?」
「彼女たちは我が!」
その後ろに滑り込むように偽アインたちを抱えたマルクトが入り込むと、そのタイミングで大蛇の口から光線が放たれた。
「うぅっ……!」
バリアのようなものを出現させながらもどうにか光線を防ぎ続けるユメノ。その熱量と勢いに押されながらも、その手を離すことはなかった。
「……へえ。あれを生身で受けきれるんだ」
「計算外、ですね」
光線が止むと、疲弊したユメノを後方に配置しセイカとアヤが前に出た。
「私が援護する!前線は頼んだ!」
「わかってる!」
触手を複数本展開し拘束を図るアヤ。しかしそれは召喚された無数のオートマタによって止められた。
「仕方がないですね。こうなったら強引にいきましょうか」
「や、やっちゃってください」
一斉に大量の銃口がこちらに向けられる。その光景を目撃したセイカは再び指示を飛ばした。
「ユメノとマルクトはヘイローのない三人を頼む!私たちのことは心配せずとも平気だ!」
「う、うん!がんばって!」
それは誰かを守り抜く判断にして、自分たちの身を危険に晒す判断。それでも彼女はその道を選んだ。
「戦闘は平気なの?」
「少しはマシになってきたさ。それにミカも呼んである。後は時間稼ぎだ」
「時間を稼ぐのはいいけどさ……全員倒してしまっても構わんのだろう?なんちゃって、ねっ!」
触手で薙ぎ払うように攻撃するアヤと、その妨害要素を的確に撃ち抜くセイカ。抜群のコンビネーションで戦場を駆け回る二人だったが、それでもダメージは避けられなかった。
「ちっ……!流石にこの数は……」
「なら、少しギアを上げようか……!」
セイカが全身に力を張り巡らせると、頭上のヘイローが光を増した。これもまた最近セイカが得た技術によるものだ。
「神秘の活性化、ですか。それを意図的に引き起こせるとは……」
「やっぱりあいつら放っておくと面倒くさそうじゃない?」
「そうですね……ここで片付けましょうか」
「できるものならしてみるといいさ。これでも格上相手の戦闘経験は豊富でね!」
より身軽な動きで敵を討ち倒すセイカ。段々と敵影が減ってきたそのタイミングで、再び新たな刺客が現れた。
「セイカちゃん!」
「……っ!」
船をモチーフにした怪獣のような機械が、その大口から文字通り火を吹いた。真っ赤な炎が凄まじい熱量を持って迫りくる。二人はそれを目視した瞬間できる限りの防御を取った。
「セイカこっち!ユメノは待機!」
「わかっている!」
「みんな……!」
触手で身を覆い隠し、それに神秘を上乗せする。だがそこまでしても攻撃を耐えきれる確信はなかった。
(最悪多少の傷跡が残ることは想定しなければ……)
セイカがそう決死の覚悟を決めた時、上空から天使が舞い降りた。
「私の大切な王子様に何してるの!」
降り注いだのは神秘的な光を纏った流星。それが豪炎をかき消し、残っていたオートマタごと敵を吹き飛ばした。
「威力えげつな……」
「……助かったよ、ミカ」
「大丈夫だった?セイカちゃん」
「大丈夫さ。軽症ですんだからね」
「そっか。それで……私は何をすればいい?」
ミカが静かな目でアインたちを見据え、銃を構える。なおアヤは彼女によって引き起こされた惨状を若干引き気味に眺めていた。
「これは……流石にまずいんじゃないですか……?」
「そうですね。力が制限されている現状、彼女に勝つことは難しいでしょう」
「じゃあ一旦帰ろっか。一応目的は果たしたしね」
何処かに去ろうとする三人の背にセイカは声をかける。
「このまま逃がすとでも?」
「逆に聞きますが、こちらを追う余裕がそちらにあると?」
その言葉の意味を掴みかねるセイカの耳に、軽い転倒音が届いた。
「何を……」
「みんなっ!」
一拍遅れてユメノの悲痛な声が響く。そちらを向くと彼女が守っていたはずの偽アインたちが倒れ込んでいるのが見えた。
「うう……」
「なにっ、これ……」
「はぁ……はぁ……」
「だ、大丈夫ですか!?」
「えっとえっと……どうしよう……!」
苦しげに声を上げる三人を前に、ユメノとマルクトはオロオロするばかり。
「このタイミング……君たちの仕業か」
「何でもこちらの責任にされては困りますね。ただの偶然かもしれませんよ?」
「流石にその言い訳はないでしょ……何してくれたの?」
「別に?こっちが作ったものをどうしようとこっちの勝手でしょ?」
ソフは軽い調子でそう言うと、身を翻して姿を消してしまった。
「あ、そうだ。そいつら助けたかったら鋼鉄大陸まで来なよ。そうしないと死んじゃうよ?」
残酷にそれだけを言い残して。
こうして不意に起こった騒動はひとまず幕を下ろしたのだった。
……無論これはより大きな事件の始まりでしかなかったのだが。
『もしこの声が届いているなら、どうかお願いします……』
『もう私たちはどうなってもいいからさ』
『お姉様のことだけは……救ってあげてください』
「……任されよう。私の……ボクの魂にかけても、必ず救ってみせようじゃないか」
セイカ
人生史上最大級にブチギレた
”声”によって原作知識とは別に情報を得た
強化パッチによってスーパーキヴォトス人になれるようになり身体能力等が上がった
ユメノ
ビナービームを生身で防ぐのはアビドスの先輩の特権
画面外で流れ弾からヘイローなし勢を守っていた影のMVP
強化パッチによって地味に防御力が上がった
アヤ
セイカの言外の意を汲んで即行動に移すムーブが板についてきた人
単純な戦闘力という面では青春部最強
強化パッチによって触手の本数と操作性が上がったと同時にドッペルゲンガーの神秘(仮称)を扱えるようになった
ミカ
今回の助っ人お姫様
セイカからモモトークを見て速攻で来た
最強格だしこのくらいはできるはず
マルクト
いろいろあってメンタルはもうボドボドダァ状態
今後も妹(偽)を前に苦悩するものと思われる
アイン・ソフ・オウル(偽)
根は善良だが単純に不運
なんかさらっと命を握られた
アイン・ソフ・オウル
感想で散々言われていた通り本物ではない
やってることは普通に悪辣
久々の復帰直後に完全オリジナル展開は重かったか……?と頭を抱えている作者です
すごく筆の進みが遅いのでほぼ確実に更新が滞りますが勘弁してください
脳内プロットを形にするのがキツすぎました
これ書ける人ってすごいなあ……
広げた風呂敷くらいは畳めるようにがんばります
今現在作者のテンションがわりと地を這っているので復活のために感想をください(いつもの乞食)