一部の生徒に激重感情を抱かれる偽物たちのブルーアーカイブ   作:ヒッキーn世

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はい、2話投稿後半は今回も寄り道して短編集です
セイカメインが多めです
というか彼女が一番書きやすいんですよね


偽物たちの短編集

 

 便利屋と狐とアウトロー

 

 

『……というわけで、君たちには違法転売業者を叩いてほしい』

「ええ、でも1ついいかしら?ヴァルキューレがそこに来るって聞こえたのだけど……」

『ああ、間違っていないとも。だがそこからが今回の本題でね。彼らは傭兵にヴァルキューレの相手を任せ、バレていない裏口から逃げようとしているんだ』

「つまりそこを叩くってことね。了解したわ。でもなんでうちに依頼を?そこまでわかっているなら自分でもできるんじゃない?」

『ふふ……それを依頼人に聞くのは野暮ってものじゃないかい?それに想像してみたまえ、正義が裁けぬ悪を自らが倒す姿を……最高に"アウトロー"ではないかい?』

「……ええ、ええっ!確かにそうね!その依頼引き受けたわ!」

『助かるよ。現場からの逃走には迎えの車を出そう。依頼を遂行したら、それに乗ってくれたまえ』

 

 

「みんな、久しぶりの依頼よ!」

「くふふ〜アルちゃんなんか楽しそうだね?」

「ええ!これはアウトローな私たちにふさわしい依頼よ。確実に遂行してみせるわ!」

「はいっ!アル様のご命令ならどんなことでもします!」

「……なんかやけに乗り気だね、社長。まあ何かあったらその時に対処すればいいか」

「それに〜ほんとに面白い依頼なのかもしれないしね!まあムツキちゃん的には楽しそうなアルちゃんが見れただけでもその人に感謝だけどな〜?」

 

 

「へへ!ここから逃げればヴァルキューレの奴らは追ってこれないぜ!」

「傭兵の奴らが足止めしてくれたおかげだぜ。まあ金は払わないけどな」

「待ちなさい。あなたたち」

「あ?なんだコイツらガッ!」

「あ、アル様のために死んでください!」

「逃さないよ〜?」

「……これで全員、かな?」

「ふふ、ならこれで依頼は完了ね!」

「待て!そこで何をしているお前ら!」

「ヴァルキューレだ……社長、この後迎えが来るんだっけ?」

「ええ……そのはずだけど……」

キキィ!!「早く乗って!」

「わお、ほんとに来た!」

「ムツキ!驚いてないで乗るわよ!」

 

 

「ありがとう。あなたが依頼人?」

「いや、私はただの運転手だよ」

「……私たちみたいな怪しい企業にこんな事するなんて……あなたの雇い主って何者?」

「(ええっと……こういうことを聞かれた時は……)秘密。世の中には深く知らなくていいこともあるしね(って感じのことを言えばいいんだっけ……)」

「……!ええ、深くは聞かないわ。それよりもこれで私たちのことを認めてくれたのよね?」

「(なんかめっちゃ目キラキラさせてるな……)うん、彼女は君たちのこと気に入ったってさ。また依頼するって」

「え〜?じゃあ私もっと面白い依頼がいいな〜」

「あはは、じゃあそれも伝えておくよ。……っと、この辺りでいいかな?」

「ええ、ここまでありがとう、感謝するわ!」

「……いえいえこちらこそ、ね」

 

 

「ってな感じで仕事はしてきたよ。そっちは会わなくてよかったの?」

「ああ、正直に言うと会いたくない訳ではないが、まあ顔を見せない依頼人というのも実に"アウトロー"だろ?」

「その辺は俺にはよくわからないけどねー。まああっちも喜んでそうだったしいいんじゃない?」

 

 便利屋68とフェイカーことセイカの初めての出会いの記録より。

 

 

 

ゲームはコミュニケーションツール

 

 

「みんな〜来たよ〜」

「あ、ユメノ先輩!こんにちはー」

「こんにちは、モモイちゃん。あれ?アリスちゃんは?」

「アリスちゃんは冒険に行ってます」

「そっか、じゃあモモイちゃん、ゲームしよう?」

「いいよ!」

 

 

「ちょ!まってそれはだめだって!」

「ふふふ、勝負の世界は厳しいんだよ?」

「あー負けた……やっぱりユメノ先輩強いな〜」

「まあユズちゃんには負けるけどね。次やる?」

「やる!」

「オッケー。……ねぇモモイちゃん、ユウカちゃんから聞いたんだけど……出してない書類があるってほんと?」

「ギクッ……え、えっとぉ……」

「これ終わったら手伝ってあげるから一緒にやろうね」

「……は〜い」

 

 

「はい、ユウカちゃん。もらってきたよ」

「ありがとうございます、ユメノ先輩。……すみません、こんな事頼んでしまって」

「別にいいよ、今は会長もいないし大変だもんね」

「はい……私ってこの仕事向いているんでしょうか……モモイたちにも言うことを聞いてもらえないことが多いですし」

「そんな事ないよ。モモイちゃんたちのはユウカちゃんを信頼してるからだしね。きっとミレニアムの子たちはみんな感謝してると思うよ。いつもみんなのために頑張ってるのを知ってるからね」

「そうですかね?……すみません、こんな愚痴まで聞いてもらっちゃって」

「全然いいよ!なんてったって可愛い後輩のためだからね!」

 

 

「……ってことがあったんだ〜」

「……前から思ってたけどユメノってコミュ力高いよね」

「そうだね。私も多くの人と関わっているとは言い難いしね」

「ふふん、昔から後輩には慕われてたからね〜人付き合いなら得意だよ!」

 

 

 

今日も彼女は笑みを浮かべる

 

 

「イチカ先輩!犯人が逃走しました!」

「わかったっす!急いで追いかけるっすよ!」

「ちくしょう!アタシ悪いことしてないじゃん!店ん中にグレネード放り投げただけだって!」

「それを悪いことって言うんだよ。じゃちょっと……眠っててね」

 

 

「いやぁ~いつも申し訳ないっすね、アヤ先輩。なりゆきとはいえ手伝ってもらっちゃって」

「いいよ。ほっといても危ないしね」

「ご協力感謝するっす!」

 

 

「これ運ぶの手伝ってほしいんだけど」

「ここ教えてくれない?」

「ねえアヤ先輩、これも「こっちも「私も……」

「いいよ、私は何すればいい?」

 

 

「……ヤ……アヤ?聞こえているかい?」

「……え、ああうん。ごめん聞いてなかった」

「……大丈夫かい?今日はやけに疲れているようだが」

「そうだよ!今日はもうおひらきにする?」

「いや、大丈夫だけど……そんなに疲れてそうに見える?」

「まあ、それなりに長い付き合いだからね。ぱっと見で今の状態くらいは分かるさ。そのぐらい顔に出ているということでもあるけどね。息抜きはしているのかい?」

「まあ、ちゃんとしてるよ」

 

 今がそうだよ、なんて言えるようになるのはもう少し後のこと。

 今はまだ、心の底からの笑みを浮かべていることに気づいている者はいない。

 

 

 

いつもと違うお茶会

 

 

「やあ、ナギサ、ミカ」

「セイアさん。今日はお体の方は大丈夫なのですか?」

「ああ、今日は調子がいいんだ」

「そうなんだ。ここ最近調子いいね、セイアちゃん」

 

 ティーパーティーのテラスにて行われる会話。

 穏やかな様子で行われているそれは、彼女たちの日常、といったところだろう。

 

「……ところで、何故この場に私が呼ばれたのか説明してもらってもいいかい?」

 

 ……この場に私がいなければ、の話だが。

 

「セイカさんもどうぞ。今お茶を入れますね。この茶葉は……」

 

 促されるままに椅子に腰掛け、お茶をもらう。

 ナギサが説明をしてくれているが緊張であまり耳に入らない。

 お茶を口に運ぶ。美味しい、としか表現できない自分の語彙力が恨めしい。

 

「何、君とは交流を持ちたいと前々から思っていたからね。これはその第一歩というわけさ」

「ならあらかじめ連絡しておいてくれるかい?たった今言われても心の準備ができていないんだよ……ミカ、何故ニコニコしているんだい?」

「いや?セイアちゃんたちが話してるのって傍から見てると面白いなぁって」

「そうですね。不思議な光景だと感じます」

 

 そりゃまあ顔も一見の口調も同じ人物が話しているのは奇妙な光景だろうが……

 

「ところでセイカちゃん?前みたいなしゃべり方はしてくれないの?」

「あ、あれはその場の勢いに任せただけであって……素面で使うには流石に恥ずかしさが勝るものだよ」

「ええ〜いいじゃん、もう私は見ちゃってるんだしさ」

「私も気になるね。普段はわざわざ私の口調に寄せているようだしね?」

「皆さん落ち着いてください。セイカさんも嫌なら構いませんよ」

「えぇ……お願いだからさ〜」

 

 ミカがこちらの方を見る。上目遣いで。

 

「ぼ、ボクをそんなにいじめて楽しい……?」

 

 推しからのお願いを無視できる人がいるだろうか。いやいない(反語)

 思わずもう使わないと決めた口調を使ってしまうくらいに、そのお願いはボクにとって抜群だった。

 

「なるほど。それが君の素か。それもまた君、というわけだね」

「いやぁやっぱり私はこっちの方が好きだな」

「す、すき⁉」

「普段生意気なセイアちゃんよりも可愛いしね!」

「私は事実を言っているだけで生意気という言葉の定義には当てはまらないと思うのだが?」

「まあまあ、それくらいにして。それにしてもセイアさんの声でいつもと違う話し方を聞くのは何か新鮮ですね」

「……ふう、これくらいでいいかい?」

「あ、戻っちゃった」

「流石に君の前でするのは私の羞恥心が耐えられないのでね」

「そっか……私のこと好きなんだもんね?私の王子様?」

「ひぃうっ、そ、それは……」

「あははっ、冗談だよ☆」

「ミカ、彼女であまり遊ばないでくれたまえよ」

「わかってるって。お菓子でも食べよ?ナギちゃんの選んだお菓子はおいしいよ」

「ではいただこうか」

 

 穏やかな昼下がり、お茶会は続き、彼女たちは親交を深めていく。1人の友人として、平和な友情を。

 

 

 

IF:もし昔セイカがミカたちに会っていたら

(感想でいただいた概念をこちら側で味付けしてみたものです)

 

 

 セイカがユメノたちと会う前のある日のこと、彼女はトリニティへと赴いていた。無論理由は幼い時の推しを見るためである。

 とはいえ将来ゲヘナに入学する予定のさる名家の生まれの彼女がトリニティに行ったことがばれるのは危険、ということで1人誰にもばれない様に動いていた。

 そんな時、泣き声が聞こえてきた。

 

(これは……子供のものか?流石に子供を放置するのは精神年齢高校生としてはなぁ……)

 

 というわけで泣き声の方へ進んでいくセイカ。

 親でもいればそのまま帰ろうと思っていた彼女だが、そこには2人の子供だけがいた。

 

「ごめんねミカ……迷子になっちゃうなんて……」

「き、きっとだいじょうぶだよナギちゃん……」

「でもこの辺りあんまり人いないし……こわい人に会ったら……」

 

(あれ……ナギサとミカじゃないかい?……こんな形で会いたくはなかったな……)

 

 2人に近づいていくセイカ。

 

「やあ、はじめまして、お姫様たち。なにかお困りかい?」

 

 彼女なりにできるだけにこやかに声をかけたつもりなのだが、2人は警戒気味である。

 

「あなた……だれですか?」

「そうだね……私は通りすがりのお狐様さ」

「おきつねさま……?ナギちゃん知ってる?」

「うん、たしかひゃっきやこー?の方の神様みたいなものだって。でもなんでこんなところに……」

「そっか、わかった!おでかけにきてるんでしょ!」

「その通りだとも。ところで、君たちはどこから来たんだい?」

「えっとねぇ……」

 

 聞いた場所を素早くスマホで検索するセイカ。どうやらそう遠くはないらしい。

 

「よし……君たち、ついてきたまえ」

「案内してくれる……んですか?」

「ああ」

「ほんとっ?ありがとう!ほら、ナギちゃんも」

「あ、ありがとうございます」

「うん、ちゃんとお礼ができるいい子だね。では行こうか」

 

 子供のペース(といっても彼女も体は子供なのだが)で目的地まで近づいた3人。

 

「ほら、目的地はすぐそこだ」

「きつねさんは一緒にいかないの?」

「実は私はお忍びで来ていてね。ここにいたとばれるわけにはいかないんだ。だからここでお別れさ」

「えぇ~もう?一緒に遊びたかったなぁ」

「わ、私も……」

「なに、きっとまた会えるさ(オリジナルに、だけどね)」

「……うん!またね!」

「また……」

「ああ、また」

 

 こうして3人は別れ、このまま二度と会うことはなかった……

 

 

 

(みたいにするつもりだったんだけどなあ……)

 

 今、セイカの目の前にはハイライトがオフしたミカとナギサの2人が。

 諦めた彼女は現実逃避として過去の出来事を思い返していた。

 

(確かにそんなこともあったが子供の頃の不思議な出来事ということで忘れていてほしかったなぁ……)

 

 ちなみにそれで終わらなかったのはセイアとの出会いが原因である。彼女と出会った2人はなら彼女も何処かにいるのでは?という発想に至り持ち前の情報網でキヴォトス中を調べまわったのである。

 

()()会ったね?お狐様。セイカちゃんって呼んだ方がいいかな?」

「お久しぶりですね。その際はお世話になりました」

 

 やっと会えたという気持ちを抑えきれない様に、あるいは冷静を装ってそう言う2人。

 アヤの精一杯の謝罪を込めた目にセイカも構わないよ、と返す。

 そう、彼女らを連れてきたのはアヤなのである。セイカの友達だと名指しされたので断るわけにもいかなかった彼女だが……今猛烈にどうにか断っておけばよかった……と後悔していた。

 

「……そうだね、久しぶりだ。それで、私に何の用だい?」

 

 あくまでいつも通りを意識してそう問いかける。

 

「いえ、以前のお礼が言いたかっただけですよ」

 

 全くそう思ってはいないナギサが言う。

 

「そうだよ?後はまた今度お話できないかなぁって」

 

 獲物を見つけた目をしたミカが言う。

 

「連絡先の交換かい?それなら構わないとも」

 

 本当は毛ほどもそんなことを思っていないが、そう言っておかなければ何をされるかわからない。そう判断しセイカはスマホを見せる。

 

「ええ、では()()会いましょうね?セイカさん」

「うんっ、()()会おうね!」

 

 そう告げて去っていく2人。だがセイカは猛獣の腹の中に放り込まれたような心地がした。

 

 どこかのベッドの上でもう1人の狐がため息をついたような気がした。




 便利屋と狐とアウトロー

 便利屋68とセイカ、ついでに運転手にされたアヤの話です
 こんな感じの依頼をセイカはしています
 そのせいでアルをはじめとする便利屋組からの好感度がかなり高いです
 依頼のための情報は彼女自身が足と耳で稼いでいます
 ちなみにセイカは今世で運転を習い、アヤは前世から運転ができ、ユメノは運転ができません


 ゲームはコミュニケーションツール
 
 ユメノとミレニアムの話です
 こういうことを平然とこなすのが彼女というコミュ強です
 アヤとは少し違う方向で学校内なら顔が広いです


 今日も彼女は笑みを浮かべる

 アヤの話です
 彼女はこういう性分であり、これは後にセイカたちも理解することになります


 いつもと違うお茶会

 エデン条約編後想定のティーパーティー+セイカの話です
 こんな感じのやり取りがあるといいなーって気持ちで書いてます
 この世界戦だとお姫様呼びは先生ではなくセイカのものとなります


 IF:もし昔セイカがミカたちに会っていたら

 感想でいただいた概念を自分なりにこねくり回した話です
 概念提供者さんありがとうございます
 セイカが本編時空で彼女たちに会わなかった理由はこんな自分が会ってもいいのか、という自己肯定感の低さによるものでしたが、もし出会っていたらこんなことが起きたのかもしれません



ここまで2回連続で息抜きをしてきたのでそろそろ本編に戻れるといいなぁ~と思います
でもあんまりシナリオ崩せる気がしないしな……
またダイジェスト多めの形式になるかもしれません
エデン条約編後半のアイデアも含めて、皆さんの意見も聞かせてください
もちろん普通の感想も作者のモチベになるので大歓迎です
というか本音を言うともっと欲しいです、ください(強欲な壺)
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