今回は、
『銀魂』風タイトル。
熱暴走していた前話も全体的に修正し、今回は前回より抑えた且つ理科らしさが出ている回かと。明久から離れると止める人間がいないことが判明。
それでは、どぞ!
第十二問「やろう?」って簡単に言うけど、言い方によってはいやらしくなるよね? それを解らず無邪気に「やろうよぉ」とか「やっちゃぉ?」って言われた日にゃぁ……ああ、ロマンチックが止まらない。by.明さん
「吉井! 木下達がDクラスの連中と渡り廊下で交戦状態に入ったわよ!」
ポニーテイルを揺らしながらこちらへ駆け寄って来たのは、明久と同じ部隊に配属された島田。ちなみに、きちんと遊撃ポジションは手に入れたわ。
ん? 明久、どこを……
「ああ、胸か」
「アンタの指を折るわ。小指から順に、全部綺麗に、二度に渡って」
「なら此方は、アンタの肋骨を折るわ。下から順に、全部綺麗に、左右に渡って」
「二人とも痛いっ! 聞いてるだけで痛い!
そ、それよりホラ、試召戦争に集中しないと!」
今現在前線部隊にいるのは、木下率いる先攻部隊で、明久率いる中堅部隊は、先攻部隊とFクラスの中間辺りに部隊長として配置されている。
どうするか模索し、戦場の情報を集めていると、野太い声が聞こえてきた。
『さぁ来い! この負け犬が!』
『て、鉄人!? 嫌だ! 補習室は嫌なんだっ!』
『黙れ! 捕虜は全員この戦闘が終わるまで補習室で特別講義だ! 終戦まで何時間かかるかわからんが、たぁっぷりと指導してやるからな? 喜ぶといい』
『ひぃっ!? た、頼む! 見逃してくれ! あんな拷問耐えきれる気がしない! いや、耐えられない!』
『拷問? ハハハッ! そんなことはしない。これは立派な教育だ。補修が終わる頃には趣味が勉強、特技は数解、尊敬するのは二宮金次郎。といった理想的な生徒に仕立て上げてやろう。ほら、見えてきたぞ? 理想郷はすぐそこだ』
『っ!?!? き、鬼神だ! 誰か、助けっ──イヤァァーーーッ〈バタン、ガチャ〉』
拷問で間違いないわね。洗脳もその一つでしょうし。
「島田さん、中堅部隊全員に通達」
「ん? なに? 作戦? 何て伝えんの?」
「総員退避。と」
「意気地なし!」
「目が、目がぁぁぁっ!」って転げ回ってる。ム○カがいるわ。大佐だったかしら?
「バルス?」
「チョキで殴ったね!? 親父にはぶたれたことないのに!」
そんなご家庭はDVというのよ。というか、母と姉からは実行されていると公言してるわね。
「目を覚ましなさい、このバカがっ!」
酷いわね、こいつ。
すっ、と片手を上げた。すぐさま駆け寄り、一人傅(かしず)く。
「いい? アンタは部隊長なんだから、臆病風に吹かれてちゃダメ。木下達が点数を補給する間ウチら中堅部隊が、前線部隊に代わって前線を維持する。その重要な役割を担っているウチらが逃げ出したりしたら、アイツらは補給ができないじゃない。ね?」
膝まづいている存在に声をかけた。
「須川亮、だったわね」
「はっ」
「粉末と練りわさびがあるから──」
「心得ております」
「──そう。ならば、……やーっっておしまい!」
「アラホラさっさー」
「ごめん、僕が間違って……って、理科? さっきから何を…『にぎゃぁぁっ!?!?』島田さん!?(理科?)」
明久と目が合う。
「明久、タオル。拭いてあげて(こっちは勝手に動くから、後はよろしく)」
頷いた明久に、すぐ行動を開始する。
「手がぁっ! 痛ぇっ!?」
クスクスクスクスっ。あー、面白いわね……須川って。中々に使えるっと。
「須川、手を洗ってすぐ来て頂戴。移動するわ」
「───────完了致しました」
1分ほどかしら? やるわね。
移動して木下と合流。そして逐次、土屋から戦況報告がメールにてあがってくる。
「阿部、援護に来てくれたんじゃな!」
「木下、報告は受けているわ。木下はついて来なさい、他は回復試験を受けに戻ること」
『『『イエス、マム!』』』
敬礼と共に去って行った。
早速、厄介なのがいたわ。
「木下、Dクラスの清水は知っているわね?」
「うむ、知っておる」
「なら話が早いわ。島田の声で且つ遠くから清水の方に聞こえるように感じさせてこの場から離脱させなさい」
「それはちと、難しいのぉ」
「難しいからといって諦めるのかしら? あなたの芝居に対する思いはその程度?」
「そんな事無いぞい! ワシは、ワシの思いは本気じゃっ! 見ておれ」
「えぇ、わかっているわ。期待して見ているから頑張って」
「もちろんじゃ」
「でも、そういうとこを見るとやっぱり違うんだって思うわ」
「ん?」
「なんでもないわ」
「そうかの?」
「んもう。いいから…や・っ・て?」
「「っ!!」」
どすを効かせたつもりだったんだけれど、どこか変だったかしら? それに……、須川も木下も顔赤くない? 二人を見やるとぷいっと視線を逸らす。くすっ、まぁいいわ。
「がんばれ、オトコノコ」
「おぅ」
「わ、わかったのじゃ」
お互い返事した後、一瞬睨み合ったように見えたのだけれど……気のせいかしら?
「お前には負けねぇっ!」「お主には負けん!」
大変なのね、オトコノコって。
「木下」
「うむ。…ん゛ん゛っ。──美春ーっ、どこーっ?」
「お姉さまっ!?」
「──ウチは、こっちにいるわ。会いに来て?」
「おんっねぇっ、さまぁ〜ん!!!」
「「「………」」」
凄まじいわね……。あ、今のうちに姫路を所定の位置に移動させるよう土屋にメールを……
っと、もう返信?
From:土ゃ
Subject:了解した
本文:船越女史を呼び出されたが、未到着。明久達の戦況は芳しくない。
「須川、放送室へ行って船越先生の誘導を頼むわ。終わり次第すぐ戻ること。きちんと考えて行動なさい?」
「ああ、任せてくれ。期待に応えてみせる」
「えぇ、結果を示して頂戴」
「イエス、マイロード」
須川を見送りながら考えに耽っていると木下から指示を仰がれた。
「阿部よ、どうするのじゃ?」
「ちょっと待って」
携帯を取り出してコールする。僅か半コールほどでつながった。ほとんど刹那の間じゃない。
「土屋、今この先にいるのは近衛部隊と代表だけかしら?」
『…いや、それに加えて数名の生徒が残っている』
「おそらく回復試験ね……。土屋、近藤吉宗を含めた3名ほどでいいわ。坂本達にも気付かれないように此方へ寄越して頂戴。
それと近藤にスカートの替えが欲しいからそれも持って来させて。後、姫路の準備はどうかしら?」
『……了解だ。近藤を含めた3名を向かわせた。姫路もそろそろ辿り着くはずだ』
さすが…。早いわね。土屋を上方修正しなくちゃ。
そうこうしているうちに姫路が着き、遅れて放送も始まった。
「遅れ、て、すみません」
ピンポンパンポーン♪
《連絡致します》
「気にしなくていいわ、姫路」
《船越先生、船越先生。す、…須川亮君が体育館裏で待っています》
嘘でも言いたくないのね。
《生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事な話があるそうです》
数学の船越先生(45歳・女性・独身)は、婚期を逃して、終には生徒達に単位を盾に交際を迫るようになった、第一種特定危険人物認定教師らしいわ。
「すごい…ですね、須川君」
「姫路、策のうちよ。これも」
《あ、あなた欲しさに、揉め事が起きそうです。至急、体育館裏までお越しください》
ピン、ポンパンポーン♪
Dクラスから響(どよめ)きが聞こえる。士気が下がったかな? 士気の上がっているはずのこっちは勢いのままに押し込めることも可能。絡め手として、少数が動きDクラス代表を仕留める。
「え? ああ。そう、いうことで…すか私は」
「共にAクラス前で待機。木下“さん”と一緒に、今も辛そうにしているあなたの介抱をするから」
「急ぎ来、た為のこれ、さえ利用するんですね」
「いえ、初めからそのつもりだったわよ?」
「へ?」
「開戦した時点でDクラスの敗戦は確定したの。
くすっ。──わかる?」
「ホント、お主には適わんわい」
「来たわ」
「近藤吉宗、只今を持って傘下に入る。それと言われていた物だ」
差し出されたそれを受け取って、木下に渡す。
「それを履いて、Aクラス前へ移動するわ。ズボンは土屋に。後、土屋は余計なことはしないこと。木下の写真までは許す」
カシャカシャっ! パシャパシャッ! 早速、着替え中の木下の撮影。
「これは貸し一つよ?」
「構わない」
着替え終わり頃に須川も帰ってきた。
「遅れたか?」
「大丈夫よ。須川は近藤達と一緒にDクラスを誘きだすこと。場所は渡り廊下に寄りすぎないでDクラスからも少し離れた位置で」
「わかった。近藤行くぞ」
「土屋、体育の大島先生には」
「……声をかけた」
「そ。日本史の──」
「……明久のところへ既に向かっている」
「最高ね、アナタ」
「………〈カァァァッ〉……別に…」
「?」
顔、赤くない? 少し首をひねった。
木下からは歯軋りを、須川からは舌打ちが聞こえた気がした。戦中だものストレスくらい蓄まるでしょうね。
あ、Cクラスに遠藤先生がいたわね。
「土屋、Cクラスへ行って」
「……遠藤先生ならさっき声をかけた」
「ホントもう、どうしてくれるのよ?」
「……ん?」
「アナタ無しじゃダメな身体になっちゃうじゃない」
土屋が地面に頭を打ち付け始めた。大丈夫かしら?
まぁいいわ。遠藤先生も来たみたいだし、作戦開始よ。
手首を上から前へと振って近藤達を動かせる。
「「「「打倒Dクラァス!」」」」
いい位置取りね。須川よね、確か…? 使えるわね。あら、今の声でAクラスの数人も気づいたわね。態々見に来る物好きもいるみたい。活発そうな娘ね。
そして、Dクラスが扉を開けるのと同時に須川達が駆け出した。
こっちも姫路を気にする。
「姫路、大丈夫?」
「少し、楽…になってきました」
「姫路さん体調が優れないんですか?」
おいでました。
「遠藤先生、そうなんです。授業中に倒れそうだったので、アタシ達が付き添いに」
「あり、がとうござ…います。木下さん、もう少し休んでから…っは、で、構いませんか?」
木下は当然だけど、姫路も中々の演技者ね。遠藤先生がこっちに来る前に息は整っていたはずだったものね。
戦況は………Dクラス代表は未だDクラス前、少しAクラス寄り。近衛はサイドに展開、残りの雑兵は9人か…。思っていた以上に多いわね。今展開されているのは現国か……あ、須川のコンビと近藤のコンビが一人ずつ倒した。連隊2の、遊撃で隠し玉の持つ将が土屋ね。後7人、そろそろ頃合いでしょう。土屋にアイコンタクト。即座に相手のいなかった土屋は、敵の一人に“保健・体育”で挑む。現国フィールドは崩され、もう一度同じ相手と隣の生徒に保健・体育で挑み、フィールドを形成する。相手が驚いて武器を構え遅れた刹那で相手を屠り、隣の召喚獣の得物を飛ばし切り伏せ30点台にまで落としたところで漸く時が動き出した。
『Dクラス 村上裕也
Dクラス 田渕聡
保健・体育 0点
保健・体育 34点
VS
保健・体育 427点
Fクラス 土屋康太』
「Dクラス村上裕也、戦死!」
「「「なっ!?」」」
戦場にいる誰しもが息を呑んだ。くすっ…。やるわね。
土屋の援護に回れるように点数の振り分けも考えられた編成が須川によって即座に行われ、土屋から5〜6メートルほど下がって左翼に展開するのは須川の連隊、右翼に展開するのは近藤の連隊。土屋(将)を前に出した変型の鶴翼陣。
さぁ、どう出るのかしら? Dクラス。Fクラスの将は、手強いわよ? ふふっ……
「Fクラス須川亮だ。悪いがおまえらを討ち取らせてもらう」
棍を持った須川の召喚獣と須川が息を吐きながら構える。
ここで言っちゃダメよね……。今日、無性に言いたいこの言葉。──やーっっておしまい!
策がダメになるから言わないけどね。
「同じく近藤吉宗。代表までの道筋を作る、だからさっさと退け」
近藤が構えをとり、目を閉じていた土屋がゆっくりと瞳を曝す。
「……戦死したいのならかかって来い。相手になってやる」
敵方も一斉に構えを作る。土屋の雰囲気に呑まれたの? アレも充分役者な気がするわね。
「……Fクラス隠密、土屋康太。…推して参る!」
ばんわ。本日はあと何回か投稿します。
今回は、『─』を使いました。
前回は、『−』。
『─』が縦書きでも『ー』みたくちゃんと表示できていれば、いいんですけど……
今PCが使えないので、確認できません。どなたか心やらし…優しい方が教えていただければ助かります。
因みに、投稿は携帯でしてます。
どのみち、年末までには直るかと思います。
多分きっとおそらくそのうちmaybe……