今回タイトルは、
『デュラララ!!』の4巻をぽけーっと見て書きました。
そんな感じです。どぞ。
須川の棒術もさる事ながら、近藤も負けてはいない。何より、土屋が追随を許さない。…っと、見ている場合じゃぁないわね。さっさと決着をつけますか。
「じゃ、行くわよ?」
「うむ、任せるのじゃ」
「はい! 行きましょう」
疑問符を浮かべて首を傾げる可愛い遠藤先生。その先生の手を引っ張って移動する。
「ぇ? え? ちょっと、阿部さん?」
「遠藤先生、そんなに可愛い声を出さないでください。興奮しますので」
「ま、待ってください。私達は年の差がっ」
その前に性別が同じですよ、遠藤先生。
…召喚範囲に捕えた。
「遠藤先生、Fクラス阿部理科と木下秀吉が近衛の二人に英語で勝負を挑みます」
「あ、えと……はい。承認します」
「「試獣召喚
「「「なっ!?」」」
驚いてる驚いてる♪ 代表も近衛達も透きだらけだわ。ねぇ? 姫路。
「くっ!……」
先に立ち直った代表が呻いて後退し始めているが、既に姫路が退路を絶っている。
「あの……」
「え? あ、姫路さん。どうしたの? Aクラスはそっちだよ…?」
パニックになって現状を認識できてないわね。
「いえ、こちらで合っています。Fクラスの姫路瑞樹です。えっと、よろしくお願いします」
「あ、こちらこそ」
「遠藤先生、Fクラス姫路瑞樹がDクラス代表平賀君に英語勝負を申し込みます」
「……はぁ。どうも」
「はい。試獣召喚
「試獣召喚
平賀がとっさに反応する。何もしなかったら、問答無用で補習室という名の魔女の窯への強制連行だから……
『Fクラス 姫路瑞樹
英語 403点
VS
英語 119点
Dクラス 平賀源二』
「え? あ、あれ?」
戸惑いながら平賀は召喚獣を構えさせた。
けど、結果は目に見えているわ。
「ごめんなさい、これも戦争ですので」
やわらかい声とは裏腹に背丈の倍はある大きな剛剣を軽々と構え、その得物に似合わず素早い動きで相手に肉薄して反撃の意図を与える刻も無く、一撃でDクラス代表をくだし、この戦の決着とした。
まずまずよ、姫路。
ん、今の結果発表されるみたい。
【Dクラス代表 平賀源二 討死】
「Fクラスの勝利です!」
『『『うぉぉーーっ!』』』
『『『そんなぁーっ!?』』』
その知らせを聞いたFクラスの叫びとDクラスの悲鳴が混じり、耳が痛い。正直勘弁。
「凄ぇよ! 本当にDクラスに勝てるなんて! ……マジか? 夢じゃないのか?」
「ホントだよ。これで畳や卓袱台ともおさらばだな!」
「ああ。アレはDクラスの連中の物になるからな。笑いが止まらねー」
「俺達勝ち組ってワケだ。坂本雄二サマサマだな!」
「やっぱりアイツは凄い奴だったんだな! 雄たんは」
坂本をベタ褒めだけれど、ぬか喜びじゃなければいいわね。
「坂本、万歳
「姫路さんの胸を愛しています!」
最低なヤツね…。
「阿部! 好きだぁっ!」
「5度ほど輪廻転生してからなら考えてあげる」
「よしっ! 約束だ」
………。このクラスにはまともな人間はいないみたい。
それより本気かしら…? 一度ならず五度までも死ねるつもり? その自信はどこから来るの? …………とりあえず頑張ってみればいいんじゃない。
代表である坂本を褒め称える声がいたるところから聞こえる。
坂本の方を見ると、がっくりと項垂れているDクラス生徒達の奥でFクラスに囲まれていた。
「あー、まぁ。なんだ。そう手放しで褒められると、なんつーか」
デレているのか、可愛いらしく頬を掻いている姿は見るものを不快にさせる───に違いない。
「おまえは俺を何だと思ってんだ」
小声で言ったんだけど、聞こえてた?
「現代に蘇った原人。いえ、現れる人と書いて現人ね」
「なんだそれは」
「むしろ、変人でいいんじゃない?」
「よかねーよ」
「そうよ? ダメ。変人は天才とも言われるんだからその方達に失礼に当たるわ。だから変態って呼んであげて? そっちのイメージの方が悪印象だから」
「そんな俺が嫌いかっ!?」
ノーコメントで。
そのようなセリフを吐いて顔を近づけたりしたら、
「雄二! 女の子から告白させようだなんて男らしくないよ!!」
勘違いされたわ。
「あ゛ーもうっ! 好きに言ってろ。それより、だ」
すぅーっと、坂本の目付きが鋭くなった。
坂本の作ろうとした空気は読まず、おどけて見せた。
「そんなに気になるんだ?」
ついでに、軽くウィンク。
「ああ。気になって仕方がねぇ」
「モテる女は辛いわ。って、そんな睨まなくても教えてあげるわよ。…全く、我慢の足りない子ね」
くいっと、顎で「いいから話せ」と先を促される。何様のつもりかしら?
「単純なことよ。放課後まで待たなくとも蹴りはつけられる」
「なっ!?」
「どうせズル賢いあなたのことだから、放課後の帰る人に紛れて且つ多対一でDクラス生徒を叩くというか、袋叩く感じ? になってただろうし、決着つけられるからつけたってことよ」
「だが、不安要素が多かったはずだ。だから俺は」
続く言葉を言ったのは、明久。
「放課後まで待つつもりだった。でしょ? 雄二」
「…ああ。おまえも見当がついてたってワケか、明久」
「まぁね。雄二の悪度さならこうするかなって」
坂本のアレは納得のいかない顔というよりは、如何に自分が堕ちたのかっていうのを自覚したってところね。
ああ、そうそう。続き続き。
「まずは、Dクラスでの点数が高く簡単に排除できる清水美春を木下を使ってFクラス近くへと寄せる。それを明久と島田、両名によって排除。警戒レベルが上がって渡り廊下の中程からFクラスまでの道程を進み辛くなった上に、通ろうとしても明久の召喚獣の扱いによって通れず、弱ったところをその他共が束になって潰す。
戦死者が出れば出るほど慎重を期すようになり、進退極まってくる。Dクラスが最下層のクラスに負けるはずがないという気持ちと、連勝をしているだろう明久の存在がもしかしたら…と思わせる。ここまで整えれば、後は2枚の切札(ジョーカー)を切って王(キング)を潰すだけ」
「ふっ、簡単に言ってくれる。
Dクラス近く…正確にはAクラス前だろうが……ま、その場で油断を誘うということは俺にはできない、おまえだからできた策ってワケだ」
どう捉えるかは坂本の勝手。A、Bクラス戦での戦力にするかもしれない。もちろん出るけど。
……次の相手………ま、Bクラスでしょうね。
Cクラスとは戦わないと予測したのは、おそらくはAクラスに対する当て馬にするだろうから。木下を使ってCクラスは噛ませ犬にされてしまうはずだ。普通に考えれば順に相手して行く力も無いFクラス。だが、試験をさせる暇なく攻め込み、切札の使い所を間違えなければBクラスにも勝てる。それは既に証明されたこと。順に攻め込まないのは次は自分達の番だと悟らせない為でもあるのでしょうね。
「さぁ? 木下達だけでもできたと思うけど、自分の見えない範囲を指示しなかったのは坂本じゃない」
「だな。慎重になってたんだろうな。初っぱなからというかこの先も負ける訳にはいかねぇからな」
思ってた以上に真剣なのね。……ん? ああ、戦後処理がまだだったわね。
「話中済まないんだが、いいか?」
「おっ、悪い」
「時間かかるだろうから、クラスを明け渡す作業は放課後で良いか?」
「いや、その必要はない。俺達の目標はあくまでもAクラスなんだよ。だからDクラスの設備には一切手を出すつもりはない」
「大きく出たね? 坂本代表。でも、それでいいのか?」
訝しむDクラス代表。当然の反応ね。
「もちろん、条件がある」
「一応聞かせてもらおうか」
「なに。そんなに大したことじゃない。俺が指示を出したら、窓の外にあるアレを動かなくしてもらいたい。それだけだ」
Bクラスの室外機……………ふーん、そういうこと。でも、その程度のことで早速恩を支払ってもらいたくないわね。
「二人共、ちょっと待ってくれる?」
「なんだ? 阿部」
「どうしたんだい?」
「Dクラス代表、平賀君。あなた方Dクラスには別の機会に恩を返してくれると助かるわ。設備を破壊させる様な無茶はさせないから……それでどう?」
バッと食いついて来たのは坂本の方だった。あーもうっ。
「おまえこそちょっと待て」
順番よ、順番。
「坂本黙って。室外機を壊さなくても窓を開けさせるなんて容易いんだから」
「っ!? おまえ、……気づいたのか? 俺が何をする気か」
くすりと楽しい音を零してしまう。
「ええ。先ほどの応用かしら? 土屋と大島先生を使った」
「くっ……誤魔化しは効かねぇか。悔しいが、その通りだ。もし、おまえがそれを可能にするならば俺はそれで構わない。平賀、おまえはどうだ?」
「こちらもそれで構わないよ。むしろ、さっきの条件より飲みやすくなった。…からこその不安はあるんだけどね」
大丈夫よ、これも一つの予防線だし。
「じゃ、交渉成立かしらね。坂本、後は任せるわ」
「ちょっ、おい!」
無視して踵を返す。
次は、Bクラスね。ん〜、相手の代表は根本だったか。また面倒な……。この学園に全うな人間はいないのかしら? って、学園筆頭がカヲルさんだからどうしようもない気もするわ。
ま、阿部理科という存在も世間一般からすれば異常な存在なんでしょうけれども。
とりあえず、情報は強力な武器になるから集めておかないとね。
おっ!!
あ、今いい感じのイマジネーションが……さっさと帰って実験しよ。