はい。まんまです。
『バカボンド』
二人の侍が。今回決着! どうなる?────
あ。関係無いんですが、今週要町で舞台なんですよ(苦笑)
実は一番悪いヤツってポジション。うん、おいしいとこ(笑)
応援しといてください。結構喜びます。
(終わってまする)
ではでは、どうぞ。
すぅーっ……、はぁぁっ……。
呼吸をするのも忘れて見入ってしまったみたい。
さて、次はどうくるかしら?
「「はぁっ!!」」
お互いに弾き合って両者の腕輪が輝く。全く仲が良いこと。
「ぇ? ええぇぇっ!?!?」
「………………………………あれ?」
明久が急に騒ぎ出したかと思ったら、翔子は逆にぽけ〜っとしてた。
……何? どういう能力よ。
「………あ、斬らなきゃ」
「翔子ちゃん、パンツ見えちゃうからっ! って、ちょっと待っ…! っとぉ!」
翔子は思い出したように斬りつけ、明久はさっきとは違った不様な避け方をしている。パンツが見えるなんてどんな能力よ。明久の背が縮みでもしな…ぃ………、そうか。そうだったの。じゃぁ、翔子は恐らく……。
「なんかどうしたの? 理科」
「いえ、二人の能力が何だったのかって考えてたわけ」
「理科ぁ。解った?」
「まぁね。予想でしかないけど、」
「「うんうん」」
律子と真由美が頷く。あんたらも仲が良いわね、ほんっと。
「明久の反応からして、恐らく翔子の腕輪能力は、フィードバックを逆算させて明久の視覚を召喚獣のものと入れ替えるんだと思うわ」
「何それ!? なんかそれって」
「厄介な感じー?」
ま、律子も真由美もヒトのこと言えないんだけど。で、明久の能力は───
「明久の腕輪が光った時、翔子がぽけーっとしてたからその反応から見て、翔子の意識を逸らすか幻覚でも見せるのかしらねぇ?」
「うわぁ、かなり強力だね」
「うん、ずば抜けてる腕輪っ」
「あなた達が言うワケ?」
「「え? 何が?」」
はぁ〜……。ま、いいわ。
とにかく、これで一度仕切り直しのようね。
「翔子ちゃん。あの、戻してくれないと、その……見えちゃうから」
「……明久に見られるならば、本望」
本望なのは知ってるけど、時と場所を選ばないといけないんじゃない?
「……明久の能力の方がよっぽど厄介。
………………………」
数秒間目を閉じてから、ゆっくりと翔子の瞼が持ち上がっていく。
「………道筋は立てた。覚悟して、明久」
鋭くなった翔子の眼光を、明久は口元を緩めて返す。
「その数秒は、僕にもあったんだよ? “覚悟”?───」
明久の腕輪が光る。
「───とっくに完了してる、よ!」
一足跳びに距離を詰めた明久は、心臓目がけて突きを入れる。
「………………………………っ!? ダァッ!!!」
意識の途切れていた翔子が覚醒して息つく暇も無く、らしくない大音量で吐き出された声でもって直前に迫ってた刃をとにかく叩き落とした。
それでも、逸らしきれずに脇腹を斬り裂く。翔子から追撃される前に明久が跳び退いて青眼へ構え直す。
「ハァッ……、ふぅっ。……厄介何かじゃない、最悪で災厄」
そう呟いて、お返しとばかりに相手へと踏み込みながら翔子の能力が発動。
「えっ?!」
急に視界が変わった為、微かではあったけど明久に透きができる。
僅かでもダメージや透きが欲しかったのだろう、翔子は動作が少なく到達までの時間が速い突きで返した。
「……腕をもらう」
言いつつ明久の胸へと定めて、さらなる混乱へと誘う。
明久は迷う時間すら惜しんで左へ跳び、躱そうと試みるが……
「ぐっ!……」
狙い違
すぐには抜かず、フィードバックで右肩に意識が向いたところを刀から“手を離して”鳩尾へ飛び蹴り。ピンポイントで爪先を当てて捻込んでいた。
「こっ゛!?」
明久自身が息を吐き出す。
しかし容赦無く翔子は回転して鳩尾を抉りながら、その勢いで反対側の脚を振り子のように動かして延髄蹴りを入れ背中を向けて着地。
その体勢で刀の柄を握って、鼻っ柱に暴れ馬の如く後ろ蹴りをかました。
「ぁっがぁ!?!?」
おもいっきり吹き飛ぶ明久に任せて、刺さっていた刀が抜ける。
翔子は血払いをして納刀。腰を落として柄に手をやり、向き直る。所謂、居合いの構えだ。
「っう゛ー……」
よろよろと、膝をついていた明久と召喚獣が立ち上がる。
大丈夫かしら、明久。
「……明久。今楽にしてアゲル」
「あ゛ーっ………………、それはちょっと遠慮するよ」
「……棄権する?」
小動物みたく首を傾げて愛らしい翔子に、さっきまでの衝撃を打ち払う意味もあるのか、明久は大げさなくらい首を横に振った。
「いいや。ま、さすがに効いたけどね」
苦笑を浮かべて後頭部を擦る。
「……フィードバックが大きい?」
確かに。相当辛そうな顔してる。点数の上限値によって変わってきたりするのかしら?
ああ……そういえば、Bクラス戦の律子,真由美との戦闘時も想像以上だったフィードバックの大きさに辟易したわね。
「だからと言って、まだ終わっちゃいないでしょ?」
明久は、「ふぅ……」と息を出し切ってから、呼吸を落ち着かせていた。
「行くよっ!」
飛び出した明久に対して、翔子は静かに佇む。
「……そう……」
瞼が半分ほど下りて、翔子はただ前を……虚空を見つめていた。
また明久の腕輪が光り、───また? っ! ……マズいっ! ワンパターン化していた攻防は、そうなるように……? くっ……!
そう。翔子は言ってたじゃない。“……道筋は立てた。覚悟して、明久”って。
気づき遅れて臍を噛む。
そして翔子は、“普通に”目を開けた。
「明久っ! ダメよっ!!」
叫んでいた。
翔子は腕輪能力が解けた後も明久の攻撃を待ち、同時に起こって相手と相打ち覚悟の紙一重で回避を行う。
翔子の髪が一房舞った。
「……遅い」
一閃。
「がぁっ!?」
左腰の辺りから右肩にかけて裂傷が作られる。
「何あれ……」
「すっごぉい……」
律子と真由美が感嘆の声を漏らした。
でもその通りだと思う。スゴい。お世辞なんてものが必要無いぐらいに。
翔子は能力の効果が弱まってた為、忘れることを意識する必要がなかったのか? あ、いや、考えていなかったっていうの? 全く、何も。ってことは、
「ふっ、ふふっ……」
笑いが零れるわ。
翔子は、明鏡止水を実行したっていうワケ? スゴいわね、ホントに。
「………まだ……」
けど、そこで終わらない。
居合いは、抜刀と同時に攻撃する技術であると同時に、二の太刀、三の太刀を如何に素早く的確に放つかを追求したもの。
初太刀から刃を止めず流れるように刀を振るい、臨機応変に敵を斬る。それが居合いというわけ。
だから……
「ハァッ!」
ほら、来た。
「殺
翔子は首を凪ごうとしたみたいだったけど、明久に屈んで躱される。
それをものともせず、逆袈裟の位置で刃を反してさらに斬り下ろすも、明久は蹲踞の姿勢から翔子の攻撃と同時にパッと両手を大きく広げて飛び起き、脇差を投げて翔子の腹を刺しつつギリギリで躱した。
明久が放った蹲踞の姿勢からの攻撃は、恰
そして虎は───
チリッ。と刀が明久の頭を掠めるも、大事ない。目の前を刃が通り過ぎるのを見送って、翔子の右手首を落とした。
───獲物を逃がさない。
「……失敗
直ぐ様、翔子は能力解放して腹の脇差を抜き、刀と肘を真っ直ぐに相手の喉元に伸ばして待つ。
すると、やられた相手は攻撃をしようと思えば自ずから喉を突いてしまい兼ねないので、攻撃し辛いはず。
何より、傷の痛み以外で明久が見せる苦悶の表情が物語っている。
だけど何かしら思いついたのか、明久が口に出す。
「峰打ち?」
何? いきなりね。
「……ん?」
急に明久は何を言っているのかと、翔子も疑問符を浮かべた。
「逆刃になってるよ?」
「……え?」
その一言でチラッと翔子が刀を確認した瞬間、明久は刀を投げた。
槍投げのようにまっすぐじゃなく風車のように回転させて投げたのは、おそらく視認し辛くする為。
だからこそ胸……鎖骨辺りかしら? その位置に投げ、前傾姿勢で走って追随するんでしょうね。
翔子もすぐに下段青眼に構え直し、迎撃体勢をとる。
だけど至近での投擲。しかも僅かに5歩程度しか空いてない距離からのもの。
十秒に満たない、たった数秒間だけの攻防。
全神経を、ありとあらゆる感覚を研ぎ澄まさせた濃密な数秒。コンマ単位まで記憶に残るような、いや、むしろ記憶の残滓
「負ける───」
翔子が飛んできた刀を弾く。その透きに明久は斬り落とした手首から刀を奪い取って翔子の横を斬り抜ける。
翔子は右膝から下を無くしてバランスを崩した。
消え入りそうなその声がなぜかはっきり聞こえて、
「……ぁ……」
と。空を仰いで喉元を曝す。
「───ものかぁぁぁっ!!!」
明久の叫びと共に振り下ろされた刀が、翔子の首を刈り取る。
───のと同時に、明久の首も刎ねられていた。
終焉
!?
って、ぼーっと見てたけど……やるわね、翔子。
はぁっ。ホント、息つく暇も無い攻防ね。見てるだけで疲れちゃったわ。
でも、言えるのは……二人共スゴいしカッコいいってこと。
あら。目を輝かせているのが幾数名いるみたいだけど、おあいにく様。唾をつけるのが遅かったわね。
あ、翔子と目が合った。
「ねー?」
よく解っていなさ気だったけど、返してくれた。
ふふっ。かーわいぃっ♪