タイトルは、沖田さんの
『オオカミさんシリーズ』
今回は、久保と秀吉がハッチャケてます(笑)
ウチの二人は、正常な変態です。
楽しんでってください。
彼岸へと旅立った男共は放って、じっくりと召喚獣の観察をしてみる。
武器は無く、文月学園の制服を着ていた。召喚者をそのまま小さくして獣耳と尻尾を生やした姿。
むぅーっ……。
『むぅ〜っ……』
考えていることが声になるようだ。
『あの理科可愛いっ! なんか持って帰ろ』
『でも、お化けじゃなくて良かったぁ……。ウチ本当に嫌なのに〜。危うく前の時みたいに、また眠れなくなって、お姉ちゃんなのに妹の葉月と一緒に寝なきゃいけなくなるところだったわ……』
うん、何だか島田の妹さんはスゴくしっかりしてそうね。律子は、お持ち帰りしようとしてる自身の召喚獣を押さえ込んでいた。
『あははっ。あ、男の子達起きたっ! ボク退屈だったんだよ?』
これは自動行動っていうよりは、児童行動って感じ。本音をしゃべってはいるものの、多少の自我もあるみたいだ……。何を考えてこんな事したのやら……。
「美波ちゃんは、お化けが怖くて妹さんと寝てるんですか?」
『私も妹欲しかったです!』
本音の自分と会話してるわよ、姫路。
「………危うく死んでしまうところだった」
『………天国だった。……この視点の低さなら、Tもローライズも容易に……!』
「相変わらずじゃな」
『天国だったと言うのには同意するが……。Tが見られなかったのが残念でならん』
木下……。平然とした面の下ではそんな事を。まさしく下心。
「な、何を言っておる!」
『じゃが……、ワシが近所の男子中学生に告白されたと皆が知ってしまえば、ワシはさらに女扱いされてしまう。男だと解ってもらう為にいっその事、菊入のを覗「そぉいっ!! タッチダウン!!!」…っかはっ!』
首が曲がってはいけない方向に曲がってるんだけど……。
にしても、坂本。木下睨み気味じゃない?
『俺だってはっきり見えなかったってのに。……だが秀吉の意見はもっともだ』
「何言ってやがるてめぇ!?」
『いや、寧ろここで童心に帰ってのスカートめくりをするべきだな! Tやローライズを味わえる』
『『まさに一石二鳥っ!』』
坂本と木下の心が一つになった。
「左中間へと飛んでけ!」
「海老反りでタッチダウンじゃ!」
「それ、ただのバックドロップ!」
明久は、基本的に思っている事を口にするものね。明久にはあまり意味の無いものだ。
「あっははっ! 秀吉くん面白いっ。あ。ボクのでよかったら見る?」
『喜んで!』
「させんわ!」
米噛みにエルボータックル……。えぐいわ、木下。
「木下君も男の子だって事だね」
『キミ達は、島田さんのぷりんっとしたおしりの素晴らしさが解っていない!』
「……………」
久保ぇ……。眼鏡押し上げたまま固まってるし。自分の趣向がもろバレ。
『まずは形だ。大き過ぎず小さ過ぎずバランスの取れた大きさであり、少し突き出たお尻にはエロスすら感じる。
しかも、普段奔放な島田さんだから出せる健康美を伴った色香! スポーツ万能な彼女だからこそ出せる引き締まったおしりっ。脂肪と筋肉の割合の完璧さと、それだから出せる張りのあるおしり。まさに、お尻の中のお尻! 触り心地などは解らないがきっと素晴らしいに違いない。あと見たいのが、小麦色に焼けた肌と水着下の白いヒップのグラデーションがもたらす健康的なエロス。ぜひとも、堪能したいものだ』
「…………………」
久保。引きつってる。頬、スゴい引きつってるから。
『……褒められたのかな……?』
そう来るの? 変化球もいいところだわ。
『かわいいっ! よぅし! いただきま〈ごすっ!〉』
「さすがの僕でもそれ以上は殴る」
蹴ってた蹴ってた。
『お持ち帰りぃっ〈がすっ!〉』
確かに可愛かったが、浮き足立ち過ぎる気が……。
「ちょうどサッカーをしたいと思っていたんだ。次でハットトリックさ」
爽やかなバカがいる。
「そう言えば明久、結局何しに来たの?」
「ああ。調整中に異変を察知して老女に問い質したら、“てへっ☆”とか言いやがったから思わずさ。問答〈ぽんっ〉無用で脳天に踵落としをしてしまったんだけど、こうやってたくさんの被害者が出てる上に、僕は心に傷を負って辛かった。所謂、これも正当防衛の一つだよ。で、みんなの事が心配になって見にきたってワケさ。だから、」
「『僕は悪くない』」
途中で、明久の召喚獣が呼び出されてる。心の底から思っているワケね。
ていうか、偉く大変な事になってるわね。
『俺的には、むちっとした阿部の』
バッ! と声の主を探したが、見つからなかった。ま、いいや。
『ねぇー、ウチのおしりがんむーっ』
「ちょっとアンタ!」
『もちろんさ! 何と言ってもその』
「おいっ!」
久保も島田も召喚獣を羽交い締めにする。
「………」
「………」
「「あはは……」」
暫くの沈黙の後に二人揃って渇いた笑いを漏らした。
「へぇ〜。本音を喋る召喚獣みたいだね」
『面白そうだねっ』
「「「全然面白くないっ!」」」
「じゃあ、ホントに本音を喋るのか、確かめてみようかな〜」
「「「………っ〈ササッ〉」」」
ターゲットにされまいと、皆が目を伏せる。
「あのさ、男の子達に質問」
工藤が声をかけつつ、なぜか自分のスカートの裾を摘んだ。
「スパッツだからつまらないかもしれないけど───」
相手が考える為の間を取る工藤。
「ボクのスカート……めくってみる?」
そう言って、工藤はぴらぴらとスカートの裾を上げ下げした。
「何を言ってるのさ工藤さん。僕はそんな『めくらせてください。…お触りはありますか?』いやらしい人間じゃないよ」
「そうだぞ工藤。俺達をからかっても『待て明久。俺が先だ。お触り…っ触りてぇぇっ!』無駄だからな」
「……何を考えているのか知らないが、俺『……触っていいのか!? ついでに破ってみたい』は全く興味無い」
「おいおい、ムッツリーニ。欲望がだだ漏れじゃねぇか。工藤がからかってる『ちょっと待てちょっと待て! “揉む”ってのは、“触る”の範囲か?』だけに決まってるだろ」
「須川よ。お主も大概じゃ『ワシもじゃ! めくってみたいのじゃ! 触ってみたいのじゃ! 揉んでみたいのじゃ!』な。余計な期待が窺えるぞい」
「全く。工藤さんは相変わらずだね。あまり男子を『ここは、経験の無い者に味わせてあげるべきだと思う。だから、まずは僕が体験するよ』惑わせる言葉は控えた方がいい」
「「「「「「…………」」」」」」
「……明久。私は準備万端」
翔子の口撃!
『イィィヤッホーゥ!』
「グランドスラムだ!」
反射神経抜群ね、明久。坂本のを引き継いでの満塁か。
『吉井君! キミだけズルいぞ!』
「ハットトリック達成ぃっ!」
『久保ってばムッツリね』
得点王さん。もう、いい加減諦めたら?
でも
「結局は、みんなスケベって事よ。男の子も女の子もね」
『『『女の子も!?!?』』』
「「「ぶっ飛べ! 銀河の果てまでぇっ!!」」」
男共は仲良いわね。
『みんな仲良いなぁ〜。私も早く帰って和寛さんに会いたい』
「ちょっ?! ダメだって!」
女子陣、興味津々。全く……。隠し事とか止めてよ?
「そんな面白そうな話黙ってるとか無しだから」
『そんな面白そうな話黙ってるとか無しだから』
阿部理科、心から思ってます。だから暴露しちゃいな。
「なんかヤダっ、無し」
『えっとね……、和寛さんはね……』
本音としては、自慢したい気持ちもあるようです。
「なんかいっぱい可愛がってあげる」
『やーっ。可愛がり、やーっ』
可愛がりって相撲界での虐め的なアレの事か……? まぁ律子、落ち着きなさいな。
「みんな参考にしたいだけだから、ね? ボクも含めてさ」
「だったら……、少し…だけ」
「「「よし」」」
工藤、上手い具合に持っていったわね。
「えっとね……」
☆
ほうほう……。確かに自慢になるわね。大手企業に目をつけられて甘えさせてくれる優しい大人。
ダメなところも挙げてたけど、惚気にしか聞こえなかったしね。
例えば……「和寛さんに、なんか頼ったりしちゃう事が結構あったりするんだけどね、ちょっと抜けてる時とかあったりして、なんか可愛いんだ」───惚気じゃない。抜けてるって言うのがマイナスだと言いたいんだろうけど、ネガティブキャンペーンどころか、どう聞いたって惚気にしか聞こえない。彼氏がいない人間からすれば余計に。
あ。女子だけじゃなく、男子の方も盛り上がってたみたいねぇ。
とりあえず、今回のカヲルさんが起こした事については、大目に見てあげましょうか。
心の底からの本音を曝け出して、腹を割って話したおかげで必要以上に打ち解ける事ができたんだから。
ま、それなりには楽しめた週末だったかしらね。