今回のタイトルは、
『ネギま!』
契約…約束事に近いでしょうかね。
それではどうぞ。
明久が坂本に声をかける。
「……雄二、ちょっといい?」
「ん? なんだ?」
「ここじゃ話しにくいから、廊下で」
「別に構わんが」
明久と坂本を追って廊下へと出る。
「んで、話って?」
「この教室についてなんだけど……」
「Fクラスか。想像以上に酷いもんだな」
「雄二もそう思うよね?」
「もちろんだ」
「雄二、Aクラスの設備は見た?」
「ああ、すごかったな。あんな教室は他に見たことがない」
一方はチョークすらないひび割れた黒板。
もう一方は値段も分からないほど立派なプラズマディスプレイ…………確かにね。常軌を逸脱してるわ。
「そこで僕からの提案。折角2年生になったんだし、『試召戦争』をやってみない?」
「戦争、だと?」
「うん。しかもAクラス相手に」
「…何が目的だ」
急に坂本の目が細くなった。まぁ、明久は『観察処分者』のバカだと思われているでしょうしね。
「いや、だってあまりに酷い設備だから」
「嘘をつくな。全く勉強に興味のないお前が、今更勉強用の設備なんかの為に戦争を起こすなんて、ありえないだろうが」
「そんなことないわよ? ねぇ? 明久」
此処が異質な空間に感じるかもしれない。
坂本雄二という存在が、吉井明久と阿部理科の言葉
「もちろんだよ。個人的な理由はあるけれど、姫路さんのような体の弱い人に使い続けて大丈夫だと言える環境じゃないし、既に咳き込んで辛そうだったからね」
「藤堂カヲル学園長に直訴も考慮しているわ」
坂本、冷や汗? 気をつけて、風邪引くから。ふふっ。
「カビを吸い込めば体内で繁殖するからね……度々出して申し訳ないんだけど、姫路さんのような人だと日和見感染して皮膚にも症状が現れる可能性もあるし」
「ま、そうなればこの学園は終わりでしょうけどね。個人的に潰れてもらっては困る理由もあるの」
けれど……ま、貸しにしましょうか、カヲルさん。
「おまえらそれぞれに理由があるってか」
顎に手を当てて思考している。
「そうなるね」
thinking timeはお終いよ。
「それで? 坂本雄二代表。結論は出たのかしら?」
「……興が乗らねぇな」
よく言うわ。態々Fクラスの代表になるよう調整した男が。
明久に視線を送ると、少し笑みを深めた。ちょっと〈ぞくっ〉てした。
「まぁ、僕は別にいいんだけどね」
「は? 明久、何言ってやがるおまえは」
明久の発言が理解できず、坂本が問い返してた。
「確かにね。理由があるって言ったけど、日にちをおいても“僕は”構わないよ」
「っ!…」
既に詰んだかしらね?
「雄二はどうか知らないけどね? それにいざとなったら、向こうから仕向けるようにすればいいだけだし?」
「はぁ……明久に追い詰められるとはな…。おまえの入れ知恵か?」
「ふふっ…。さて、どうかしらね?」
坂本が諸手
「完敗だ。どのみち言われるまでもなく、俺自身Aクラス相手に試召戦争をやろうと思っていたところだ」
やっぱりね。謀ろうなんて数年早いんじゃない?
「で、雄二は何がしたいの?」
「世の中学力が全てじゃないって、そんな証明をしてみたくてな」
「それが全てかしら? 坂本」
「さぁてな」
自信に満ち溢れた意地の悪い笑みを浮かべていた。
「それにおまえらのお陰で、俺はAクラスに勝つ作戦も思いついたし−−−おっと、先生が戻ってきた。教室に入るぞ」
「あ、うん」
ふーん……、Aクラスに勝つ…ね。
神の薬が見ててあげる。…元神童、失望させないで頂戴よ?
さ、見せてもらおうかしらね……神童と呼ばれた男の力を。