ペルソナ3 The second world with You 作:harbor
第一夜
ゆっくりと視界が閉じていく。
きっと、僕の人生はここで終わるのだろう。
不思議と、恐怖はなかった。
だけど
無気力に生きてきた僕だけど、もし…
もしも許されるなら、もう一度みんなと…
僕の意識は、そこで途絶えた。
僕、つまり有里湊という人間は、2010年3月5日、その生を終えた。
………………はず、だった。
自分の心臓が止まったのも聞いた。
僕が生きているはずがない。
それに、この景色には物凄く見覚えがある。
確かに祈ったんだけどさ。
まさか通じるなんて思ってなかったなぁ…まぁとりあえず一言。
「どうしてこうなった…じゃないや、ただいま、巖戸台分寮。」
そう、帰ってきているのである。
懐かしの(?)寮へ。
「まずは現状把握、だね…」
部屋を見回すと、大きな段ボールが3つ積んであるのが目についた。
「段ボール…?」
今朝出たときにはこんなものはなかった。
というか、段ボールを置いていたのは入寮したての時…
「あっ!?」
あわてて携帯を確認する。カレンダーも。
「……はぁ。なるほど…そういうことなの…?って納得できるかっ!!」
どうやら、僕、有里湊は、この一年をもう一度することになったみたいです。
2009年4月4日。確かに、携帯やカレンダーにはそう書かれていた。
こんなことができる人に心当たりは……あー……いた。二人も。
「綾時。」
「やだなぁ湊、ボクはファルロスだよ?」
確信犯だった。
「はいはい…ファルロス、君がこんなおかしなコトしたの?」
「ボクの状況は知ってたでしょ?誰かさんの献身のおかげで、くっさいご飯食べてたんだよ?無理無理。ボクじゃないよ。」
「じゃああの鼻…いや、イゴールかな…?」
「ボクにはわからない。まぁなんにせよ、また一年間、あの塔で戦うことになるだろうし、これは親友からのささやかなプレゼントだよ。」
そう言ってファルロスはペルソナ『タナトス』を意識に降魔した。
「えっ?いや、4月でタナトスはまずくない?」
「うーん、その事なんだけど…」
そう、ファルロスは言い淀む。
「何?」
「タルタロスのシャドウ達が…強くなってるんだ。きっと、前回の刈り取る者クラスに。」
僕は2度目の死を覚悟した。
「あぁ、でもほら、君を生き返らせた人からもプレゼントがあるみたいだよ?」
そうファルロスは段ボールを指差す。
開けると、そこには…
「………もっと綺麗に入れてほしかったな。」
大量の武器が雑多に詰め込まれていた。
「まぁ、これを使っても厳しいかもね…」
そう、無邪気に笑うファルロス。
「やめて。これ以上僕の心労をふやさないで。」
何はともあれ、今日は疲れた。
早く寝よう…。