愛しているからこそ、私は――――   作:スティル……好きだ

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宵闇時の誘い、撃ち込むは過去への錨。

 紅き怪物は英雄からの問いに対し、もう繰り返させない、奪わせはしない。と笑いながら泣き声を上げた。

 それに対して英雄は笑って言った。

 

「わかった、なるべく手は貸そう。ただし、私の後輩たちを好き勝手に喰らうのはダメだからね?」

 

「……そう、ホントは今すぐアナタの後輩たちを喰らいたいのだけれど、こうして普通に動いたり話すのが精一杯だし、その提案、吞んであげるわ」

 紅の怪物は不本意だと言いながら了承した。

 

「そう言ってくれて助かるよ。そろそろキミも体力が尽きそうだろうから、無理せず休むといい。────キミの人となりも知ることが出来たからね」

 英雄は安心したように一笑しつつ話した。

 

 怪物はあっけにとられた表情をしたあと嫣然として言う。

「あら、随分とわるいひと。あまりプレイボーイな言い方はよした方が良いわよ? ────怖いお姉さんが狩りに来るから」

 怪物は怪しげに紅い瞳を輝かせ嬌笑し、倒れないようにソファーに腰を下ろすと、糸が切れたように瞳を閉じて脱力した。

 

 

 

 

待たせたわね……身体、返すわ。

それと、アナタ……あまりお菓子を夜中にコッソリ食べるのはやめた方が良いわよ? 

 

 やっと戻してくれるかと思えばいきなり爆弾を投下してくれやがった怪物こと内なる紅。

 なんでこの人は私がコッソリ夜食食べてるの知ってるんですかねぇ?? 

 

なぁ!? いきなり湧いて出てきてなんてこと言うのこのお化けは!? 

それは置いといて……身体、返してくれてありがと。

 

ええ。どうしてワタシがアナタの肉体で眠ってたかの説明ぐらいはしないとでしょう? 

久しぶりの蹂躙(食事)にありつけると思って、アナタの身体に物凄く負担をかけたワケだしこれぐらいはしてアゲル。

しばらくワタシは仮眠しておくわ。無理やり表に出たから疲れちゃったし。

 

それはあなたの自業自得でしょうが! ……それじゃお休み、えっと……なんて呼べばいいかな……? 

 

 私が名前を聞くと、彼女はしばらくの無言の後にポツリと言った。

 

……そうね、毎回内なる紅なんて呼ばれるのは面倒でしょうし……アムール、もしくはベゼアムールと呼んで頂戴。

それじゃ、お休み……ジューダ。

 

うん、おつかれ……アムールさん。

 

 私はぼんやりしていた意識やがハッキリと輪郭を持ち始め、重い瞼を上げる。

 段々輪郭がハッキリしていき、目の前には自分の太ももとソファーの前にあるテーブルに置いてあるカップ二つ。

 ゆっくり顔を上げると心配した表情のお義母さんとルーちゃんがじっとこちらを見ていた。

 

「大丈夫か、ジューちゃん?」

 ルーちゃんの問いかけに対してゆっくり右腕を動かして、問題ないとグッジョブした。

 

「……んう、身体が動く……! やっと戻ってこれたよ」

 

 その様子にお義母さんは安堵して微笑んでた。

「そうか……それは良かった」

 お義母さんの右手が私の頭をわしゃわしゃと撫でていている。

 嗚呼、やっぱお義母さんのおててはあたっかいなぁ……はっ。

「ジー……」

 

 横からルーちゃんが凄い表情でこちらを見つめていた。目が座っているのは気のせいだと思いたいな。

「ど、どうしたのルーちゃん?」

 

「いや、長い事ジューちゃんとは友達だけど、意外と甘えた何だなぁって。そんだけ」

 うそつけぇ!! そんなにニヤニヤしながら言うんじゃない!! 

 ええい、こうなったら逃がさないぞー!! 

「るーうーちゃーん!!!」

 私が怒る素振りを見せた途端にルーちゃんは周り右よりも早い速さで生徒会室を飛び出していった。

「やっべにっげろー!」

 コラーッ!!! 

 生徒会室であることを忘れ、走って逃げだしたルーラーシップをジューダは笑いながら逃がさないぞと言わんばかりの据わった目で追いかけて行った。

 

「あ、待てジューダ!! ……全く……、後でお説教だな」

 アドマイヤグルーヴが頭を抱えながらぼやく。

 対して生徒会長のディープインパクトは茫然とした後に、元気だなぁと思いつつ、頭を抱えている彼女に同意した。

 その瞳には蒼く、静かな炎が燈っている。

 

 

 

 

 

 結局、あの後私は全力で逃げるルーちゃんを追いかけけど、疲れていた私は廊下の途中で力尽きて、それを見つけたお義母さんに怒られながら寮まで送ってくれた。

 ついでにカップケーキ作ってと言ったら仕方ないなと言いながら作ってくれました。ぶい! 

 

 そしてその日の夜のこと。

 私はぼんやりしながらベッドで微睡んでいた。

 明日からどうしようかなぁとか無理はしすぎないようにしなきゃとか考えていたのだけど、ふと窓の辺りから視線を感じたので視線を向けると、なんということでしょう。

 白い問題児ことゴールドシップが窓に張り付いているではありませんか。

 そして何かを伝えたそうな表情をしていたので一旦窓を開けてあげることにしました。

 そしたら音もほぼなく部屋に着地して入ってきました。

 ホントにこのひとなんて身体能力してんですかホントに。

「わりぃわりぃ、ちょっち用事あってよ~コッソリ来ちゃったZE☆」

 そしてこのノリである。

 

「そのノリでこの時間にどこぞの蛇よろしくなスニーキング移動ができるのは貴女だけでは? ゴールドシップさん……」

 半分呆れ半分ドン引きで言うと耳をピコピコと嬉しそうに揺らしている。

 

「お、分かってるぅジューちゃん。あんまりいると見つかっちまうから端的に言うぜ」

 急にさっきのテンションとは打って変わり真剣な声でゴールドシップが問いかける。

 

「もし過去へ戻る方法があるって言ったら……お前はどうしたい?」

「過去にもどる方法……うーん、そうだなぁ……強いて言うなら私のお母さんにあってみたいな。物心ついた時からお母さん亡くなってたし……」

 

 私からすれば今日の出来事も相まって気になる提案ではあるけど、無理に戻ってもなぁと思い適当に答えかけた時、ゴールドシップが不敵に笑った。

「……なるほどな。もしお前の選択で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()() ()()()()()()()()()()()()()()()()としたら過去に行きたいか?」

「────」

 何を言っているのか最初は理解が出来なかった。

 そんなことをしてしまえば。

 いつか読んだ本のようにタイムパラドックスが起きかねない。

「……それやっちゃうと私の存在消えちゃわない?」

 私がそう問うと。彼女は自信満々に言った。

「おー、それについては安心しな。()()()()()()()()()()()()()()()()だからな!」

 何故かゴールドシップは、さも当然であると至極当たり前なトーンでそう言った。

 そこまで言うのなら、と私はその好奇心に乗ってしまった。

「……ほんとに大丈夫なんだね?」

「おーとも! このゴルシちゃんに任せな! んじゃ明日の夜にまた来るぜ~!」

 ゴールドシップは嵐の様に訪れ、嵐の様に去っていった、達が悪いのが完璧なスニーキングのおかげで痕跡が無いのできた証拠も無いという。

 私はゴールドシップからの提案に乗ってよかったのかと悶々と悩んであまり寝れないまま朝を迎えた。

 

 




気が付いたら自分が書いてるウマ娘二次の総評を超えていてひっくり返った投稿主です。

今回はかなり踏み込んだ内容になりました。

ジューちゃんの身体で目覚めた影響でジューちゃんの思考や記憶が流れ込んでいます。

バイソン11さん、高評価ありがとうございます!!

スティルインラブには幸せでいてほしい。切実に。
トレーナーと二人でひょっこり帰ってきてほしい、そしてアルヴにお説教されてほしい(願望)
スティルインラブはいいぞ。

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