港町メレンからオラリオに戻ってから早速ギルドに侵入して神ウラノスがいる地下祭壇へと入った。
「神ウラノス、調べてきたアル~。」
「流幽。その件について、こちらでも話たいことがある。」
我がいない間に色々あったのか?いや、オラリオから離れて1週間も経っていないから我がオラリオにいた間も水面下で色々あったのか。
「じゃあ我から。リーディス・クラウニアについて。同じファミリアの団員だったやつからある程度どんな人物だったかは聞けたネ。」
我は溜めてから断言した。
「深層にいたリーディス・クラウニアと行方不明になる前のリーディス・クラウニアとは全くの別人ネ。」
「その理由は?」
「同じファミリアの冒険者からリーディス・クラウニアの記憶力はかなりいいと聞いたネ。焦っていても記憶力は健在だったそうアル。それに我が向こうに覚えがあるのに向こうが我のことを覚えてないのはおかしいネ。姿は昔とは多少は違うがそれでも面影は多少あるネ。それに気が付かないのは可笑しいアル。」
我は更に、自分の見解を加えた。
「それに、リーディス・クラウニアは近接戦は苦手だったらしいアル。だけど、あの時は我を見た瞬間に背後に回ってきた。あれは、我みたいな剣闘士や体術をよく使うような近接専門の距離ネ。弓使いがあんな近くに来るのは戦闘スタイル事態を変えるかしかないアル。」
「それがお前の意見か。」
「我の見解ではモンスターが人に擬態したか、あるいは死亡した冒険者の体をモンスターのようなものが乗っ取ったか。だが、モンスターの擬態としても流石に限度がある、だから我の考えでは後者の方があるネ。」
「乗っ取りか…。」
神ウラノスがそうつぶやく。あくまで我の予想でしかない。既に真実が分かっている可能性もある。
「それと、地上でも異変が起き始めている。
「我、その時ダンジョンに稼ぎに行ってたアル…。」
「それはロキ・ファミリアの数名が討伐してくれた。我々は前の虫型モンスターと合わせて
「
我がいない時に限って色々な情報が増えている。我もこの件には堂々と首突っ込みたいのに。
「その後、フェルズの調べで極彩色の魔石を持つモンスターが生まれる場所も発見した。そして、そこに入るためには『宝玉の胎児』というものが必要だった。」
「それはあったのネ。」
「かなりの犠牲を払った。そして、その場所を調査するために【剣姫】とヘルメス・ファミリアに依頼をした。」
「ヘルメス……。」
「流幽、確か今の所属はヘルメス・ファミリアだったか。」
「…そんな調査、我に頼めばよかったものの。」
「いや、今回の調査は大勢の人が必要だった。お前のような1人対大群が得意な冒険者は上手く動けなかっただろう。」
神ウラノスに言われた言葉に我は反論できなかった。確かに我の魔法は人がいると使いにくいのは確かだ。でも魔法を使わなくともそれなりに戦える。だが、普通に癖で魔法を使いそうな気もする。
「そこで、お前が出会ったという人型のモンスタ―とも接触した。」
「他にもいたのネ。」
「
「『アリア』…。」
我も好々爺とヘラ様から少し聞いたことがある。『アリア』は確か英雄譚にも出てきた風の精霊の名前だ。確かあの娘については例のダンジョンの娘とは聞いていたが、『アリア』と関係があるのか?しかし精霊が人の子どもを産むことはないし。
「少し前、ロキ・ファミリアが遠征で新種のモンスターであるお前が遭遇したという虫型のモンスタ―と遭遇して戦闘になった。情報は概ね報告通りだった。」
「…他にもあるみたいネ?」
「そのあと、下の階層の環境が一変していた。そこに59階層、
「魔法の詠唱⁉」
我は思わず大きな声を出してしまった。モンスターが魔法の詠唱をするなんて聞いたことが無かった。冒険者歴25年とまだ浅めな法ではあるがそれなりに冒険はしてきた。だが、さすがにモンスターが詠唱するとは聞いたことが無い。魔法を使えるのは基本的に我々のような冒険者と今は少ないが精霊という存在だ。
「流石のお前も驚いたか。」
「いつもならそんな吃驚しないアルが、流石に予想外だったネ。」
もしかして【剣姫】とあの極彩色の魔石を持つモンスターは関係あるのか?それとも、大元に何か繋がりが?
「……それを含めてさらに調査をする必要があるみたいネ。」
「引き続き調査を頼む。」
「お任せを、神ウラノス。」
我は頭を下げて地下祭壇を出てオラリオの街に戻った。
こうも色々なことが重なって複雑化していると面倒だと思ってしまうな。これも時代が変わったからということなのか。