「ようやく見つけたぜ、流幽。」
それは店の食材が少なくなったので買出しに出ていた時だった。魔法を発動していなかったし、警戒する必要性も無いと感じていたので油断していたら正面から来られた。
「…我はお前を主神なんて認めねぇーアル。」
「7年経ってるのにまだそう言うのか。」
「別にいいだろ。一時的な避難先みたいな感じで改宗させられたのであって我は一切納得してねーヨ!主神の命でお前のファミリアに改宗しただけで別にお前の命令も仕事も頼まれても引き受けねーアル!」
「君、最後に会ったときと言うことが全く変わってないね…。」
神ヘルメス、我の今の主神。やむを得ずヘルメス・ファミリアに改宗することになったがその時以来の再会だ。基本的に同じ場所にとどまらなかったのもコイツに会いたくなかったからなのが理由である。実際、我の魔法は格上と神に対しては効果が薄いので移動し続けて会わない方が手っ取り早い。
「死亡扱いになっていたが恩恵は消えてなかったからどこで会えるかと思っていたが、オラリオでまた会えるとは嬉しいよ。」
「諸事情で帰ってきたまでネ。」
「そうかそうか。なら、ファミリアとしての仕事をそろそろ任せたいんだけどいいかな?」
「拒否するヨ。そんな暇じゃネーアル。」
コイツと関わると碌でもないことに巻き込まれることはハッキリしている。
「我はお前との関りは最低限でいいアル。」
「流幽!」
「【幽怨】」
魔法を発動させて姿と気配を認識させないようにして、人混みに紛れ込む。
しばらく歩いてダイダロス通りの路地裏にある自宅兼茶屋の中に入った。
買ってきた荷物を戸棚の中に収納して、椅子に座って煙管に火をつけてそれを吸い始める。確かヘルメスと最後に会ったのはあの大抗争に日が最後でそれ以降はステイタスは一切更新していない。
我は7年前に改宗したときに写してもらったステイタスの書かれた紙を取り出して確認を始めた。
流幽
Lv.7
力:B721
耐久:D573
器用:SS1007
敏捷:A879
魔力:C642
拳打:C
覇撃:E
破砕:C
耐異常:E
武道:G
魔法
【グゥイ】
・隠密魔法
・詠唱式【幽怨】
【ジウウェイフー】
・
・火属性
・詠唱式【火種は我の臓物より出でる】【糧となるのは我の憎悪】【糧を得ては大きくなる焔(ほむら)】【我は復讐者】【怨念の果てに産まれた愚者なり】【蒼炎よ、燃え上がれ】【恨み込もりし蒼き焔(ほむら)】【全てを失い】【灰燼へと帰す】
【タオティエ】
・重力魔法
・詠唱式【天は地となり】【地は天となる】【我の足着くところこそ地となり】【我の頭があるところこそ天なる】【天道も思うがまま】【我は万有の支配者】【平服しろ】
スキル
【
・自身の敗北の回数が多ければ多いほど
・敵意を感知、または攻撃を受けた時に【力】と【器用】の
・剣や魔法で攻撃を受けた時、【耐久】と【敏捷】の
【
・奇襲時、
・敵に認識されていない時、
【
・敵が多ければ多いほど
・打撃による攻撃の威力高補正。
・逆境時、
「当時でこんなもんだったか…。」
ヘルメスのところに改宗したのを最後に一切ステイタスは変わっていない。今、どれほど強くなっているのかもわからないしゼウス・ファミリアの中で唯一生き残ってしまった。
正直、ダンジョンにも潜ってないし下層程度なら1人で遠征しても軽く生き残れる程度には強くなったが、これ以上強くなる意味は失っている。
そんな時、ふとザルドとアルフィア姐姐が最後に我に話してくれた言葉を思い出した。
『流幽、お前だけは見届けろ。全てを終わらせる【英雄】を。【最強】を越えてあの理不尽を打ち倒す存在を俺たちの代わりに見届けてくれ。』
『お前は私たちが死んだあと、一生引きずるだろうがその目で見届けろ。お前はおちゃらけているようで実際は真面目な奴だ。【英雄】が足りなきゃお前が鍛えろ。』
『任せたぞ流幽。』
『先に行く。』
「……【英雄】ネ。」
本当に、我らが成し遂げられなかった黒龍を本当に倒せる存在がここに誕生するのか?
「教えてくれ父神……。」
そんな、英雄譚に出てくるような【英雄】は誕生するのか?