神出鬼没な冒険者と仲間になるのは間違ってるのか   作:やりも

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怪人_クリーチャー

 バロールが蒼炎で燃える中、我はオッタルを慰めていた。オッタルはバロールを単独討伐する目的で単独で遠征をしてここまでやってきたのを我がほぼほぼ討伐(火だるまに)してしまった。確かバロールの自産期間は9か月だから次に戦えるのは最低でも9か月後になる。

 

 

「スマン、オッタル。バロール討伐のためにここまで来たのに無駄足にさせて。」

 

「……気にするな。」

 

「流石にその落ち込み様は気にするアル!」

 

 

 正直、ここまで単独で進んできたのにこのまま帰すのは流石にとは思う。

 

 

「オッタル、数日猶予はあるカ?」

 

「…あるにはある。」

 

「なら我と深層に同行しろアル。報酬はバロールの魔石とドロップアイテムネ。欲しい情報があればそれも開示するヨ。」

 

「流石に多すぎる…それに、情報の開示というのは?」

 

「なんでもいいネ、例えば『ギルドが秘匿しているゼウス・ヘラの両ファミリアの最高到達領域』の情報でも。」

 

「…いいだろう。」

 

「決まりネ。」

 

 

 我はオッタルを連れて、49階層から下に潜る。道中で頼まれた依頼について説明した。

 

 

「神ウラノスからの依頼では深層域での異変を調査してくれっていう依頼ネ。」

 

「神ウラノスはお前が生きていることを知っていたのか。」

 

「オラリオに戻ってきた初日にダンジョンに立ち入ったからその時に気が付いていただろうネ。我が生きていることは黙認してくれるって使いから伝言されたアル。」

 

「流石は大神といったところか。」

 

「まぁ、これに関しては我のことは黙認するが自身の私兵という立場になって調査などをしてくれというワケだろうネ。我もこれには反発できねーアル。実際、7年前にオラリオに来たときはまだゼウスの恩恵持ちだったからナ。」

 

 

 実際に、ゼウスとヘラの両神がオラリオから追放されたというのは実質的にその眷属たちも同時に追放、オラリオの地から立ち去るという暗黙の了解があった。だから我もあの好々爺に置いてかれた後にオラリオから立ち去り、放浪者となって各地を転々とし

ていた。

 

 7年前の『大抗争』。家族を見届けて立ち去ろうとした我の前に現れたヘルメスが好々爺から手紙で我の所属をヘルメス・ファミリアに変更するということを伝えられた。15年前に改宗可能状態にされていたのは分かっていた。だが、我はゼウス以外を主神とは認めたくなくてそのままにしていたのだが7年前に改宗を命じられた。流石に我もこの時ばかりはショックだったが、いつか直接理由を聞くために改宗した。まぁ、そのあとすぐにヘルメスの前から姿を消して放浪の旅を続けていたけど。

 

 

「実際、深層に入ってから15年前とは雰囲気が違うネ。」

 

「そんなに違うのか?」

 

「明らかに違うヨォ。下の方から何かが這い上がってきたような感じネ。15年前には感じなかったイヤーな雰囲気ヨ。」

 

 

 オッタルは深くは聞かずに着いてきてくれるしモンスターが出れば一緒に倒してくれる。この調子なら予定より早めに調査に取り掛かれるはず。

 

 

 途中、安全区域で休みながらも下に降りていく。雑談ついでにこの間のフレイヤ脱走について、ちゃんと見張っとけと小言も言っておいた。オッタルには真正面から主神のことが嫌いだと言ってるが我の気持ちもわかるので殺意は向けてこなかった。地上ならまだしもここは深層、そして我もオッタルもどちらもLv.7で実力差は分からないがほぼ互角。共倒れになったら困る。

 

 53階層に入り、やはり階層自体の環境が変化していることに気が付いた。ここまでダンジョンの環境が変化することはあっただろうかと考えるがこれは調査しないと分からない。

 

 

 54階層に向かうための階段付近、そこに異変が存在していた。記録にも記憶にも存在しない未知のモンスター。大きな虫のようなモンスターが大量に我とオッタルの前に立ちはだかった。

 

 

「ここは俺がやる。」

 

「任せたヨ。我は別の方を相手してくるネン。」

 

 

 虫型モンスターは任せて我は別の奇妙な気配の方に向かった。

 

 気配の方に向かうと、青い髪の女冒険者がいた。だが、気配が人間のそのものではない。

 

 

「やぁやぁオネーサン、こんな深層で何してるノ?」

 

 

 我は笑顔で近づくが、向こうは完全に警戒している。

 

 とりあえず情報は取れる限りとらないとだな~と考えていたら冒険者の方が一瞬で我の背後に気配が移動する。我はすぐにその冒険者の首を掴む。

 

 

「自分から近づいてきてくれて嬉しいアル~。」

 

「っ…は、なせ!」

 

「……ねぇあのモンスターは何アル?我、これでも冒険者歴は長いのに見たことないノネ。」

 

 

 冒険者の首を絞めながら質問するが、腕をかなり強い力で腕を掴んできて離させようとしてくる。見た目よりずっと力が強いな。でも、なんか見たことある顔をしているような…?

 

 正直、子の冒険者は君が悪いしこのまま情報を吐かせられる気はしないな。

 

 

「あ、思い出したヨ。我がオラリオにいた時のゴブニュ・ファミリアにいた鍛冶師のオネーサンアルね!」

 

「そ、そうだ……!おもい、だし、て。」

 

「思い出してくれたアルね!」

 

 

 我は笑いながらその冒険者の胸を腕で貫いて、異物を掴んで引き抜いた。

 

 

「な、ぜ…⁉」

 

「我が知り合いのゴブニュ・ファミリアのオネーサンは青髪じゃなくて群青色だったアル。我の見間違いだったヨ~。」

 

 

 女冒険者はそのままモンスターと同じように塵となって消えて行った。人型のモンスター?いや、さすがに掴んだ感じは人の物だった。だけど我はあの女から引き抜いたものを手を広げて確認する。手には初めて見る魔石が握られていた。通常の魔石は紫紺であるがこの色は黄金色の中に孔雀色が混ざっている。

 

 

「……これ以上はやめておくか。今回はこの魔石の収穫だけでも上場か。」

 

 

 我は魔石を握り、モンスターの相手をしているオッタルのところに戻った。地上に戻ったらギルドで確認することもできたしな。

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