我はオッタルと共に地上に戻る。帰り道にバロールの魔石に群がっていたモンスターたちを蹴散らして【タオティエ】で魔石にかかる重力を操作してリヴィラの街で換金した。流石に我は人前に大っぴらに顔を出せないのでそれはオッタルに任せた。換金したうちの6割をオッタルに渡して地上に戻る。
「オッタル、こんな色の魔石は見たことあるカ?」
「初めて見たな。」
「そうよネ、我もこんな魔石は見たことネーアル。ベヒーモスもリヴァイアサンの魔石とも違うアル。」
「それが神ウラノスが調査するように命じたものなのか?」
「実態が主ネ。今回はあの未確認モンスターと我が見つけた女冒険者の中にあったこの魔石さえ手に入れられたら上場ヨ。」
「…人型のモンスターというやつか。」
「いや、若干違うと思うヨ。触った感じは人そのものだったネ……それにあの顔、殺す前に騙したものの顔自体には見覚えがあったアル。多分、我がまだ好々爺のファミリアに入っていた時に見たことあるような顔……15年以上前に冒険者になった女冒険者。ファミリアは分からないけど指に弓を扱う冒険者特有のタコがあったから弓使い。種族はヒューマンで青髪、中堅より下のファミリアあたりだと思うネ。レベルは3あたりのステータスな気がするけど4近くはあったネ。」
「短時間でそれだけの情報が得られるものか?」
「触れば大体分かるアル。それに、我の目は昔よりかなり良くなったからネ。」
サングラスに触れながらオッタルを見る。実際、我の目はある影響で15年前よりもはるかに目が良くなったしステイタスもかなり上がっている。だが、その影響によってよくない影響も出ているのは事実。だが、その事実を知っているのは我と父神とヘルメスのみ。だがヘルメスには詳しくは話してない。
「さて、オッタルへの協力要請はここまででいいアル。報酬に関してはあとで我の店を訪ねてくれればいいアル。」
「分かった…次こそはバロールは俺が倒す。」
「それは本当にごめんアル。」
オッタルと別れ、我はギルドに向かった。だが、我はギルドの情報では死亡扱いであり我が生きてることを知っているのは神ウラノスとその私兵であるフェルズという骸骨の賢者のみ。流石に正面から堂々とは入れないので【グゥイ】で姿を隠してから正面のドアから侵入して、神ウラノスがいるギルドの地下祭壇の『祈祷の間』に入った。
「神ウラノス、言われたとおりに深層の調査に行ってきたアル。」
「流幽か。それで、何があった?」
「15年前とは環境自体違かったアルヨ。それに追加して新種のモンスターに謎の魔石、人型のモンスタ―が出てきたかもしれないネ。」
「新種のモンスターに謎の魔石と人型のモンスターだと?」
「新種のモンスターは大きな芋虫型。たまたま深層で会った【
「溶解液を持った虫型の新種モンスターか。」
「そうね、それがいたのが54階層。そして、同じ階の少し離れているところにいたのが人型のモンスターネ。仮だけど。」
「人型のモンスターか、何故仮なのだ?」
「その人型モンスターが見覚えのある冒険者だったからネ。直接的な関りはないけどあれは間違いなく見たことある冒険者ヨ。」
「つまり、冒険者がモンスターになってると言いたいのか?」
神ウラノスは我の言いたいことをかなり理解してくれている。だが、どうしてそうなったかは分からない。
「情報は吐いてくれなさそうだったからそのまま殺した。それで胸あたりから取り出したのがこの奇妙な色の魔石ネ。」
手に持っていた魔石を見せるが神の表情は変わらない。これが異常事態と認識しているのか分からない。
「流石にそれ以上は調べなかったネ。けど確実に我らが…ゼウスとヘラがいた頃よりも確実に変化してる。」
「時代は移り変わる。【最強】が陥落した今、全ての物事は変化している。」
「……認めたくはないけど。」
我は誰にも聞こえない声で否定した。本当に認めたくなかったから。
「とりあえず、気になることのは人型モンスターになってしまった冒険者についてネ。ギルドで調べたいアル。」
「その冒険者とは?」
「名前は知らねーアル。特徴だけ話すと、ヒューマン・女性・冒険者・冒険者登録は15年以上前・青髪・長髪・弓使い・20代後半・レベルは3または4。そして、死亡または行方不明になっている中堅ファミリアの冒険者を探してほしいアル。」
「…随分と細かいな。」
「ちょっと手合わせした程度である程度は分かるネ。とりあえずその条件に合う冒険者をギルドで探してもらってもいいアル?ファミリアさえ分かればその主神に聞きに行けるアル。」
「良かろう、見つかったらフェルズより連絡させる。」
「感謝するネ、神ウラノス。」
我は影から見ていたフェルズに極彩色の魔石を投げ渡して祈禱の間から出て、【グゥイ】で姿を消してまた堂々とギルドを正面から出て行った。
「これだからオラリオは面白いアル。」