我が深層で調査から帰って数日後、本当は会いに行く予定ではなかったが事情が変わったのである場所に向かった。本神がいるかは別であるが。
「邪魔するネー。」
「だ、誰だ⁉」
「デカっ‼」
我を見て驚く犬人とエルフ。見たことない顔だな、最近の冒険者だから我のことは知らないだろうな。
「ヘルメスはいるアル?」
「ヘルメス様ですか…?」
「そうそう、ちょっと頼みたいことがあってネ。」
「ヘルメス様ならご自身の部屋にいますよ、流幽さん。」
「あ、王女ちゃん。」
奥の方からやって来たのは、7年前よりも成長した我が勝手に王女ちゃんと呼んでいるアスフィだ。
「お久しぶりですね、7年ぶりですか。」
「それくらいネ。ちょっと風格出てきた気がするヨ。」
「団長ですから。」
「団長ナノ⁉」
あの王女ちゃんがこのファミリアの団長なの⁉王女ちゃんが団長ということはリディスは…。いや、考えるのはやめよう。冒険者ならよくあることだからいちいち考えたらキリがない。
「アスフィ、この人誰?」
「彼は流幽、俺らのファミリアで唯一の第一級冒険者であり異端者さ。」
「いたのかヘルメス。」
「俺たちのホームだからいるに決まっているだろ。それはさておき、君がこのホームに来るとは思わなかったよ。」
「用が無きゃここには来ねーアル。」
我はヘルメスの方を向いて目的を話した。
「ヘルメス、我のステイタス更新を頼むネ。」
「マジかい⁉」
「大マジアル。一応お前の眷属なことには変わりネー。それに、ちょっと事情が変わったから更新したいアル。」
「分かったよ、奥の部屋に行こう。」
ヘルメスに話を通して、ステイタス更新を行うために奥の部屋へと向かう。
一方その頃…
「アスフィ、あの人本当に団員なの?」
「ええ、間違いなく団員ではありますがギルドに正式に登録されてはいませんし、なんならギルドや世間から死んでいるとされてます。」
「どんな人なんですか⁉」
「まぁ、私もあまり関りは少ないですが前団長から聞いた情報では元【ゼウス・ファミリア】の幹部であり変わっていなければLv.7の冒険者で二つ名は【陰龍】と。あのファミリアの中では基本的に常識人で振り回されていたとか…あとは見た目が怪しいだけで中身はヘルメス様とはかけ離れているとか。」
「情報量が多すぎる!」
「すごい……。」
「まぁ、私たちと違って本当に表立っての活動が出来ない人物で今までもオラリオに戻ってくることはなかったのですが……。」
我は上の服を脱いで椅子に座っているとヘルメスがステイタス更新のための準備を始めた。
「流幽、最近は何をしているんだ?オラリオにいるならアスフィの仕事を手伝ってやってくれよ。」
「あ?我はもう籍だけをここに置いてるだけでお前のファミリアのために動く気はさらさらねーアル。まず、我はこのファミリアの方針というか裏で暗躍するのが性に合わないから馴染めないネ。」
「それでも君が動いてくれるだけでも結構ありがたいんだぜ?」
「お断りネ。今は個別で依頼を受けてることがあるからそっちの調査が優先ヨ。」
「依頼……もしかしてウラノスか?」
「まぁ、内容は直接聞いてもらった方がいいアルが、ヘルメス。この件は今のお前の眷属では手に負えない内容だから無暗に手は出さない方がいいアル。最悪、大量の眷属が死ぬ。」
「へぇ、忠告してくれるんだ。」
「一応眷属らしいからナ。」
話している間にヘルメスがステイタスを更新していく。7年分の【
「終わったぜ、今写すからちょっと待ってくれ。」
「ヘルメス。」
「なんだい?」
「全部書き写せ、我はもう覚悟しているネ。」
「……あぁ。」
我は服が服を着なおしているうちにステイタスが写された紙を渡された。我はそれを受け取り、紙を見た。
流幽
Lv.7
力:B721→S976
耐久:D573→C664
器用:SS1007→SS1082
敏捷:A879→S999
魔力:C642→S910
拳打:C
覇撃:E
破砕:C
耐異常:E
武道:G
魔法
【グゥイ】
・隠密魔法
・詠唱式【幽怨】
【ジウウェイフー】
・
・火属性
・詠唱式【火種は我の臓物より出でる】【糧となるのは我の憎悪】【糧を得ては大きくなる焔(ほむら)】【我は復讐者】【怨念の果てに産まれた愚者なり】【蒼炎よ、燃え上がれ】【恨み込もりし蒼き焔(ほむら)】【全てを失い】【灰燼へと帰す】
【タオティエ】
・重力魔法
・詠唱式【天は地となり】【地は天となる】【我の足着くところこそ地となり】【我の頭があるところこそ天なる】【天道も思うがまま】【我は万有の支配者】【平服しろ】
スキル
【
・自身の敗北の回数が多ければ多いほど
・敵意を感知、または攻撃を受けた時に【力】と【器用】の
・剣や魔法で攻撃を受けた時、【耐久】と【敏捷】の
【
・奇襲時、
・敵の認識されていない時、
【
・敵が多ければ多いほど
・打撃による攻撃の威力高補正。
・逆境時、
【
・戦闘時、交戦時間が長くなるにつれて竜化
・解除不可
・常時
・時間経過による自我喪失
・主が死亡した時、その運命を共にする
「……まぁ、予想していた通りだな。」
「どういうことだ、これは…。」
「見ての通り、
「それにこのスキルの名前は…。」
「【隻眼の黒竜】由来のものだ。」
我は焦るヘルメスとは対照的に落ち着いて冷静な口調で話し始めた。
「スキルの発言自体は7年前にはなかったが予感はあった。我はあの時、15年前にあの災厄の攻撃で傷を負った。だが、総攻撃の時に多少は傷をつけることには成功したが…その時に我はあのバケモノの血を浴びた。アイツにとってはかすり傷程度だろうが人間の身からしたらほぼ毒だ。見事に傷口から体内に入ってそこから5年、体に少しずつ変化だ起きた。」
我は初めて誰かの前でサングラスを外した。ヘルメスは我の目を見て言葉を失っていた。
「気づけば体にその変化が起き始めた。最初は目、次に聴覚、嗅覚、皮膚とちょっとではあるがヒューマンとしては異常な変化だ。我は戦闘をすればそれだけ【隻眼の黒龍】に近づいてしまう。冒険者としては最悪だ。」
「それを誰かに話したのか⁉」
「あー話したのはザルドとアルフィア姐、あとはエレボスとか名乗ってた神だけだったか。」
「ゼウスには話してなかったのか⁉」
「会えねーから言えるわけないだろ。だから我はあのとき、【大抗争】から外れた。最も、あれに我が混ざっていたら間違いなくオラリオは続かなかった。」
「……。」
「だからヘルメス、我はお前のファミリアの力にはなれないしこれから先、繁栄を願うなら我との接触は最低限にするんだな。」
我は神をくるくると巻いてから部屋から出た。
「あ、流幽さん待ってください。仕事を任せたいのですが…。」
「あーごめんアル!我、ちょーぜつ忙しいネ!ばいならアル~。」
「ちょっと!」
我は【グゥイ】をすぐさま発動させてその場から逃げた。